中井久夫のレビュー一覧
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ネタバレ外傷を受けた人は些細な事に驚き、挑発に怒り、睡眠の質が下がる。悪夢もそのせい。
闘争か逃走かしか考えられなくなる。
助けられなかった大切な人の命、その情景は強い重荷になって非常にPTSDを起こしやすいらしい。
当たり前だ。なんでこんな他人事だったんだ?
普通の犯罪は被害者に周りの人が寄り添ってくれるが、性的暴力と家庭内暴力については被害者は守られることが少ない。加害者が権力的に上のことが多いから、みんな加害者の味方をする。
おじちゃんのちょっと反抗期だっただけだろ発言がまさにそれである。
一般人を無垢で汚れていないと同時に現実を知らない無知な人達だと、自分を汚れているけれど優位にあると思うよう -
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覚書
職務中に被災して勤務続けた者をもっともリスク高い者として交代休息
ほっと一息ついたときも心臓の危機 過労の直後に休むときが最も危ない 徐々に力を抜くべき
高齢者とともに被災救援者もハイリスク
災害に弱かったのはアルコール症と薬物嗜癖
記憶は楽しい6割、悲しい1割、どちらでもない3割という比率で整理されるのが健康の条件
被災地周辺は被災地の負担を肩代わりせざるを得ない
米国では精神科の部長は患者をみずにスタッフの精神衛生をかんがえておればいい
情報は時遅れになる 補完するのは想像力
第一段階 とにかくそばにいてくれること
第二段階 体験のわかちあい
第三段階 生活再建
被災していない元気 -
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「災害がほんとうに襲った時」。
1934年奈良県生まれの精神科医・中井久夫さん。
終戦時11歳。2016年現在82歳でまだお元気なようです。
精神医学の専門書を始め、専門外のエッセイ的なものなど、多数の著作があります。
神戸大教授だった1995年1月、阪神淡路大震災。
そのときの体験を記録した「災害がほんとうに襲った時」という原稿と、2011年3月、東日本大震災の後に書かれた「東日本巨大災害のテレビをみつつ」。
この2編をまとめて2011年の4月にみすず書房さんが本にしています。
中井久夫さんは、一般から見ると無名かも知れません。テレビに出るような活動はほぼされていませんし、地味な出版社 -
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「総じて、役所の中でも、法律を墨守する者と現場のニーズに応えようとする者との暗闘があった」(p.49)
・平時において法を遵守することは極めて常識的な事柄に属するが、危急の事態においてはこの「常識」がいかに足手まといとなることか。それよりも、その場その場で最優先課題をしっかり見定め、その解決のためには法の目をくぐることすら厭わなかった者のほうが結果的に多くの人々を救ったのである。「有効なことをなしえたものは、すべて、自分でその時点で最良と思う行動を自己の責任において行ったものであった」(p.41)。そして、「災害においては柔かい頭はますます柔かく、硬い頭はますます硬くなることが一般原則なので -
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この本は阪神・淡路大震災のときに現地で医療活動にあたったある精神科医の記録です。出版社が同じなこともあるのですが「夜と霧」を連想させました。
今も現状が刻々と変わっているそうなので、この記事を書いたときにどうなっているのかわかりませんが、東日本大震災や福島の原発事故で被災した現地の写真や映像を見るたびに悲痛な気持ちになります。
この本は16年前、阪神・淡路大震災のときに精神科医として現場の指揮を取っていらした筆者の文章に新たに東北・関東大震災に関する文章を加えて再編集したものです。この本によると震災直後だと、怪我などの肉体的な傷が多いのに対して、被災生活が長引いてくると、今度はPTSDな -
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かつて「神戸」で、被災者からぜひとお菓子や果物を差し出された医者がいた。避難所で物が余っていたわけではない。全財産をなくしても、感謝の気持ちを表したかったから。
阪神淡路大震災の救護に関わった精神科医は、当時、躁状態の中で記録を残した。そこで何が起こり、何が必要だったか。今回の大震災に寄せて、新たに四分の一ほどの頁を書き足した。
まずは、被災者の傍にいること。彼らの恐怖と不安と喪失の悲哀とを、安心な空気で包むのだ。花がいちばん喜ばれる、という話もある。そして救護者への救護。著者も、「神戸」の十日後からおぞましい夢を見、四十日後には二十四時間眠った。救援が成功したように思える時期に、明 -
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東日本大震災からまもなく五十日を迎えようとしている。第一次世界大戦の時の記録によると、戦争のプロでも四〇~五〇日たつと、戦闘消耗と呼ばれる状況に陥り、武器を投げ捨てて、わざと弾に当たろうとするような行動に出るものが現れたという。そろそろ新たなステージに入るべき時が、来ているのかもしれない。
本書は阪神淡路大震災の時に神戸大学で精神科医を務めていた中井 久夫氏による五十日間の記録がベースである。ことは今回の震災の際、ノンフィクションライター最相 葉月さんが自宅にて落下してきた本の中に『1995年1月・神戸』を見つけ、著者にネット上での全文公開を要請したことに端を発した。そこに、今回の震災の記録 -
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みすず書房
中井久夫 最終講義
1997年に大学で行われた 分裂病(統合失調症)の最終講義。講義というより臨床記録であり、個別研究から得られた治療の一般モデルにも思う。治療経過図や症例比較もあり、素人でも理解できる構成
「病気は、人生の仕切り直しの機会」は名言
著者は「分裂病をマインドコントロールに対する防衛」と考えており
「睡眠、夢、心身症が分裂病から人間を護っている」としているが、現代の主説はどうなのだろうか?
「分裂病の回復は〜山を下りるときに似ている〜病いが始まった時は 患者はすでに山頂にいる。ひとりで下りられない山頂〜四方が断崖の絶頂にいる」
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最終講義―分裂病私見
(和書)2009年01月27日 23:11
1998 みすず書房 中井 久夫
分裂病(統合失調症)に対する姿勢がとてもよく現れていました。患者に対する医者としての姿勢などとても明確に書かれていて精神科医を目指す人には参考になると思いました。
患者(統失患者)に対する分析又は批判(吟味)はとても詳細に(繊細に)されていて病気として成立する理論的根拠などに対する根本的批判(吟味)の姿勢が存在しています。そこが読んでいて救いになると感じました。
この本では患者ではない人(所謂健常者)に対する姿勢に触れられていませんでした。
自己同一性の幻想に固執するという分裂病者への