アンクリーヴスのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
殺された人間がどのような人物だったのかが徐々に明かされながらも、そこから更に謎が深まったり、新たな事件が起きたり、人物像が皆くるくると変わる様などは大変独特だと思いました。
後半の弱者が虐げられながらも人知れず団結して抗うあたりが読んでいて胸が熱くなりました。
また犯人の身勝手さや、考えが至らず結局は犯罪の隠蔽に手助けしていたりと、人の善性と悪性が緩やかに対比されていたのも面白かったです。
あと主人公マシューとジョナサンの関係と、それを受け入れているイギリス社会が興味深かったです。日本だと物語の軸に据えられがちなのに、「そういうものだ」という価値観で話が進んでいくのは最初面喰らいました。
-
Posted by ブクログ
イギリス南西部にある海岸で死体が発見された。
その日マシューは、父の葬儀を見ているところだった。
ゆるやかで不思議な感じで読み始める。
部下からの電話で近くにいたマシューは、死体発見現場に向かう。
事件捜査も静かに流れていくのだが、これはマシューの警部らしからぬ礼儀正しさと落ち着いた雰囲気からだろうか。
舞台はウッドヤードという施設で、そこの所長を務めるジョナサンがマシューの夫である。
さらりとLGBTQであることが描かれているのだが、部下も施設関係者も知っているという普通さにも慣れてくる。
次々とキャラの濃い特徴のある面々が登場し、事件は複雑なように見えてくる。
結局殺されたサイモン -
Posted by ブクログ
イギリス南西部僻村の海岸で起きた殺人事件をマッシュー警部が仲間と解決する話である。被害者はかつて自分の小さな娘を酒酔い運転で死なせ、罪悪感で酒に溺れ妻とも別れて荒んだ生活をしていた元料理人であった。彼の歩んだ人生の印象はどう見ても悪いが実際はどうであったのか、物語の進行に沿って明らかになる。
LGBT同性婚の夫婦、福音プレザレン派の宗教活動、発達障害者とその施設、障害者の親・・・状況設定は今風の話題で組み立てられている。
外に見せる外面の顔と家族や内側の実態との乖離が激しい人物が登場する。彼は一見どこにでもいそうな人である。立派なプレザレン教会の信者であり面倒見のよい地域の世話役でもある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
イギリスのランディ島が舞台。
海岸で発見された男性の死体。アル中無職ホームレスだったその男性は死の直前にダウン症女性との謎の交流をしていた。
社会的弱者である(になる)人々の問題なども描かれている社会派ミステリー。
・感想
主人公のマシューが内省的なのに加え事件の概要や書かれる風景描写なども合わさって全体的に物静かな作品だった。
皆それぞれ日々の生活で苦しみ、悩んでて謎解きよりも人物描写がメイン。
マシューとパートナーのジョナサンペア好きだったけど、とにかくルーシーの明るさがこのどこか陰鬱で物静かな作品に華を添えてた。
中盤までジョナサンが黒幕かもしれない…って穿った読み方して