アンクリーヴスのレビュー一覧

  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    シェトランドシリーズのアン・クリーヴスの新作。
    もしかして新シリーズになるのかな?
    (本国ではシリーズ3作が刊行されている様子)

    今回も主要な登場人物たちの心の声、ダダ漏れ。
    これによってその人となりが理解できるのがうれしい。
    主役の警部、マシュー・ヴェンは見た目冷静で、できる男な雰囲気なのだけど、内面はナイーブで繊細。
    家族関係に問題を抱えていて、
    同性婚をしているという設定も新鮮。

    今作は事件の真相自体にはさほど目新しさはないものの、描かれるキャラクターがとても魅力的。
    マシューとその部下たち、
    マシューとパートナーのジョナサンとの関係性など、
    まだまだこの先変化していきそうで楽しみ。
    ダウン症の女性たちの描かれ方も胸に迫るものがあり、
    彼女たちの笑顔や仕草が思い浮かび切なくなった。

    0
    2024年02月16日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    殺人事件はすぐに起きるのだけど、少し前までホームレスだったアルコール依存症の男が、なぜ殺されなければならなかったのか、が全然わからない。
    そこがわからないので、もちろん容疑者なども全然絞れない。

    捜査責任者のマシューの生い立ちや、部下たちの生い立ちも交えて描かれるこの作品は、ともすればまだるっこしく感じられるかもしれない。
    しかし、親や夫の言葉や肉体への暴力にされされてきた捜査員たちは、被害者がボランティアとして働いていた複合施設で接していた、学習障害のある人々(社会的弱者)が被る偏見や、彼らの持つ優しさ・素直さなどから、徐々に事件の本質に迫っていく。

    そしてそれは殺人事件の解決だけではなく、捜査員たちの抱えるトラウマ(とりあえず今回はマシューの家族問題)をも徐々に解いていく。

    多分これ、シリーズ物になると思うだよなあ。
    マシューの部下のジェンやロスの成長や家族問題、今回出て来たルーシーなど、もっと読みたいと思った。

    0
    2024年01月03日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えながらも、立ち直ろうとしていた彼を殺したのは何者なのか?

    新シリーズ開幕。ジミー・ペレス警部の連作は未読が多いまま、こちらを先に読む。めったにないことなのだが、マシュー・ヴェン警部のある人物への感情に同化していた。

    0
    2023年12月10日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    こちらの作家さん初めて読みました。
    マシュー刑事が同性のパートナーの暮らしていて、男性であること、そ~いったアイデンティティの小説で読むのは初めてで、はじめ「エッ?」ってなった。
    でもとても魅力があって物語に、深く影響があることも、なる程!納得!
    宗教や、障害者、絡み合うストーリーが上手く成り立っていて凄い!今後の、マシューの活躍がまだまだ読みたいな!

    0
    2023年09月05日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    登場人物が詳しく書かれていて読みやすかった。それは色んな人目線で話が進むので、心の声まで読めたからかなと思う。特にマシューはそうで、親しみが持てた。事件自体はやるべきことをひとつずつやったら正解にたどりついた感じ。
    あと、時代は現代なんだろうけど、クリスティーのような古い感じがした。英国ミステリーだからなのか、翻訳だからか、田舎が舞台だからかは分からないけど。

    0
    2023年08月04日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    当たり前の話しなんですが、物語が持つ雰囲気みたいなんて、主人公の持つ特性に依存しますよね
    当たり前ですが

    本作の主人公マシューは礼儀正しく落ち着いていて、公平で清々しく凛としている
    そしてまさしく物語はそのように進む

    とてもとても落ち着いてゆったりと進む
    だけどダラダラしてるわけじゃなくてページはすいすい進む
    なんか変な感じ
    ゆっくりだけど澱みがないんよね

    そしてマシューにはジョナサンという彼とは正反対の夫がいるんだけど、彼がいることでさらにマシューの人となりが際立つんだよね
    そう、そしてこれめちゃくちゃさらっと書かれてるんだよね
    最初なんのひっかかりもなくさらっと進行しちゃうの、マシュー(男性)に旦那さんがいるってこと
    これがすごくいいんだよね

    後々周囲からの視点が加わることで、やっぱり差別的な視点に晒されたりするんだけど
    最初めちゃくちゃ当たり前に物語が進行していくのがとても良かった

    そして事件の真相が明らかになるにつれマシューが一転して激しい怒りをあらわにするんだけど、これがまたいいのよ

    魅力的な主人公マシュー・ヴェンと警察小説らしい捜査の過程が楽しめる本作はどうやらシリーズの一作目とのこと

    楽しみなシリーズが増えてしまって困ったちゃん

    0
    2023年06月20日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    殺された人間がどのような人物だったのかが徐々に明かされながらも、そこから更に謎が深まったり、新たな事件が起きたり、人物像が皆くるくると変わる様などは大変独特だと思いました。

    後半の弱者が虐げられながらも人知れず団結して抗うあたりが読んでいて胸が熱くなりました。
    また犯人の身勝手さや、考えが至らず結局は犯罪の隠蔽に手助けしていたりと、人の善性と悪性が緩やかに対比されていたのも面白かったです。

    あと主人公マシューとジョナサンの関係と、それを受け入れているイギリス社会が興味深かったです。日本だと物語の軸に据えられがちなのに、「そういうものだ」という価値観で話が進んでいくのは最初面喰らいました。

    ページ数も多く、気軽に読める作品ではありませんでしたが、ヨーロッパ作品ならではの面白さがありました。

    0
    2023年06月18日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    イギリス南西部僻村の海岸で起きた殺人事件をマッシュー警部が仲間と解決する話である。被害者はかつて自分の小さな娘を酒酔い運転で死なせ、罪悪感で酒に溺れ妻とも別れて荒んだ生活をしていた元料理人であった。彼の歩んだ人生の印象はどう見ても悪いが実際はどうであったのか、物語の進行に沿って明らかになる。

    LGBT同性婚の夫婦、福音プレザレン派の宗教活動、発達障害者とその施設、障害者の親・・・状況設定は今風の話題で組み立てられている。

    外に見せる外面の顔と家族や内側の実態との乖離が激しい人物が登場する。彼は一見どこにでもいそうな人である。立派なプレザレン教会の信者であり面倒見のよい地域の世話役でもある。妻を暴力と恫喝で支配し脅迫でコントロールしながら、慣習や教義の建前で社交的な存在で周りの皆から親しまれ頼られる。
    かつてマッシューが家族で信仰する宗教を離脱した時敬虔な両親との間を執りなしてくれたし、今父の葬儀を取り仕切っている隣人だ。彼は一人娘を妄愛するがその娘も人の面倒をみることや保護することに異常な関心を持つ。この親子を軸にして事件が進行する。

    社会的に尊敬される立派な立場の人が実はとんでもない欲の亡者で異常性格者ということはよくある。
    彼は何故そこまでいい人振るのか、周りの人たちが何故その本性がわからないのか、そんな人が皆から尊敬され続ける社会とは何なのか。
    この物語のように虚偽が暴露されることなく一生そんな人生を歩むとしたら、その人生は彼にとって何の意味があるのだろうか。犯罪を悪と思わないように自分を誤魔化し正当化する嘘の人生に。

    福祉団体運営の補助金獲得で理事達の不正と隠蔽工作が原因で起こった殺人事件であった。
    ストーリーは単純だが丁寧な描写と飽きさせない展開で読者を充分楽しませる。
    逆境のなかで運命に抗う人間の意志、その善意や誠実さが爽やかさを感じさせる。
    質の高いミステリー作品である。

    0
    2026年01月13日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    そこはかとなくもの悲しいお話しだった。
    誰が犯人だー?と読み進めていったけれど、終わり方が釈然としなかった。
    結局みんなそれなりには自白してるけど、悪びれてないし、腹立たしいやら虚しいやら。
    最後の章もぼんやりしてて、むりやり終わった感。
    途中までは楽しめて読めていたのに、残念でした。

    0
    2025年11月15日
  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    地図がさっぱり役立たないし、マウントだのスイサイドだのはそのままで、イソシギだけ固有名詞を和訳化するのは違和感強し。

    0
    2025年08月25日
  • 沈黙

    Posted by ブクログ

    シリーズ2作目。1作目に比べると登場人物になじみが出てきたこともあり、格段に読みやすくなっていた。
    マシューの言動、行動もだいぶ違和感なく読めた。
    ストーリーもまずまず面白かった。
    次作に期待。
    また、あとがきを読むとペレス警部シリーズも再開とのこと。こちらも期待。

    0
    2025年06月09日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    マシュー・ヴェン警部シリーズ1作目。アン・グリーヴスらしい、静かで深く、濃密なミステリーである。マシューのパートナーが運営する施設でボランティアをしていた男性が、海岸で死体となって発見される。施設の理事たちを巡る秘密が少しずつ暴かれていくのだが、、。マシュー警部と部下のジェンとロイ、殺されたサイモンを取り巻く人物像が丁寧に描かれている。特に通所者のダウン症の女性たちは個性的で愛らしく、作者の温かい眼差しが感じられる。

    0
    2025年02月17日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    アルコール依存症で心に傷を持つ
    男性が殺された
    警部の夫が務める施設で
    ボランティアをしている男性だった

    司祭や田舎の有力者やその娘が
    絡む人間関係の中で
    事件は徐々に明らかになって
    いくが
    結果的に聖職者のレイプ事件

    何だか後味が悪く
    ドキドキするミステリーとは
    違った

    0
    2024年05月02日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    イギリスのランディ島が舞台。
    海岸で発見された男性の死体。アル中無職ホームレスだったその男性は死の直前にダウン症女性との謎の交流をしていた。
    社会的弱者である(になる)人々の問題なども描かれている社会派ミステリー。

    ・感想
    主人公のマシューが内省的なのに加え事件の概要や書かれる風景描写なども合わさって全体的に物静かな作品だった。
    皆それぞれ日々の生活で苦しみ、悩んでて謎解きよりも人物描写がメイン。
    マシューとパートナーのジョナサンペア好きだったけど、とにかくルーシーの明るさがこのどこか陰鬱で物静かな作品に華を添えてた。

    中盤までジョナサンが黒幕かもしれない…って穿った読み方してたw

    タイトルがすごく作品を表していて良いなと思う。
    哀惜;人の死などを悲しみ惜しむこと。また過ぎ去ったことに心ひかれて惜しむこと。

    0
    2024年03月02日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    推理小説熱が続いていて読んでみたけど、お正月でボケボケしていて、途中で寝たりしながら読み切った。ポーとブラッドレーのシリーズが好きだったのかも…という感じであまり入りきれなかった。帯によると理詰めを楽しむ小説だったようで、正月のボケボケした脳みそで読むべきものではなかったのかも。

    0
    2024年01月04日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ペレスシリーズ作者の新シリーズ1作目。
    解説を読むまで版元が違うのに気が付かなかった。
    前シリーズ同様に少し重苦しい雰囲気の中ストーリーが展開していくが、ペレスが住民に受け入れられていたのに対して、今回主役のマシューはそうとはいいがたい。
    そのあたりが今後、わきを固める人たちとともにどう展開していくのか気になる。
    ミステリーとしてもまずまず面白かった。次作に期待。

    0
    2023年09月23日
  • 哀惜

    Posted by ブクログ

    <シェトランド四重奏>シリーズの続きに今ひとつ食指が動かないので、新シリーズの今作に手を出してみた。およそ警察官に似つかわしくない主人公・マシューの性格をはじめ、人物造詣の上手さが目を惹く。記号的な登場人物が殆どおらず、各々のキャラクターが実に立体的である。町の複合施設を物語の中心とし、本筋となる殺人事件の捜査と障害を持つ女性の誘拐事件が交錯し、関係者の立ち位置がガラッと変わるプロットも巧い。ベテラン作家ならではの熟練度を感じさせる作品だが、サイモンの心境の変化が詳細に書き込まれていれば尚良かったと思う。

    0
    2024年01月22日