前野隆司のレビュー一覧
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幸せのメカニズムを理解し実践したい人の参考になる一冊。カネ、モノ、名誉といった「地位財」では束の間の満足しか得られないということは、なんとなくわかっていても、それらへの欲求に捕らわれずに生きることは難しい。著者は「地位財」と、自己実現や人とのつながりといった「非地位財」への欲求のバランスを取ることを提唱する。
著者はさらに、人の人生と国家の成長にアナロジーを見い出し、今後の日本は成長より成熟、経済発展より文化力向上を目指すべきと説く。
データサイエンスである幸福学の入門書としても学びがある。(フィロソフィーである幸福論とはアプローチが異なる。) -
Posted by ブクログ
薄いが熱い
近年の人的資本経営ブームからウェルビーイングという言葉もあちこちのIR、経営方針で目にするようになった。新しい言葉では往々にしてあることだが、ウェルビーイングも使用する人や場面によって意味することが随分違っている。特に経営に関しては、仕事へのモチベーション、会社へのエンゲージメント(これも格好良く言っているが大抵の場合は愛社精神の意で使われているようだ)、多様性、心身の健康、心理的安全性など組織風土など、およそ職場環境に関する問題のすべてがこの言葉に置き換えられているようだ。
本書は、それくらい幅広く便利なウェルビーイングの入門書である。前半は、ウェルビーイングに関する国際的な研究動向、国内のウェルビーイング取組み事例など、ウェルビーイングに少しでも関連することは全部取り上げる。兎に角世の中ウェルビーイングだ、という薄〜い内容。幸せを感じているの社員はパフォーマンスも高い、数値目標をなくして業績が高い企業など、因果関係と相関関係がごちゃごちゃな雑な議論で、兎に角ウェルビーイングの時代だ!という主張…
終盤までこういうのが続いて、個人的には辛い内容だったが、測定や設計論のあたりから急に面白い。薄い本なので中身は何もないが、少なくともウェルビーイングについてちゃんと考える方法があることは理解できた。著者はもともと工学系の研究者なので、本当はこのあたりもちゃん語れるのだろうが、入門書ということで本書の構成になったのだろう。
それくらい間口を広げて著者は何がしたかったのか?あとがき「終わりに」の章にその熱い想いが語られている。前半を飛ばしてでも、これは読むべき。 -
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幸せのメカニズムがわかれば、幸福に一歩近づけるはずだ!
っていう考えで研究してる方の本でした。
なるほどなぁ。ってくらいに、間違った幸せを追いかけてる人の多いことに気がつかされた。
そうだよね、お金ほしい、あれ欲しい、これもあれもって人ってやけに幸せそうじゃない人多いよね。
この目に見えるものに幸せを見出そうとすることは、幸福にはなり得ず、それよりも、一心に打ち込めるようなものを持った人のほうが幸せになりやすいと。
それ。ホントにそうだよね。笑!!!
そして、映画とかドラマとかテレビとか本もそうだけども、見るより作るほうが幸せになれるそう!!!!それも、またわかる!!!!!!
本は読むのも楽しいけど、それを人に伝えるほうが楽しいんだよなぁ。これなんかわかる!!!!
ピアノも下手くそだけど、すごいピアノの人の動画で見て、全然弾けてない自分にがっかりするけど、それでも自分で弾けた時の方が嬉しすぎる、笑!!!!!!
それなんだろうなぁ。それ、わたし実践できてるから幸福度高めなのかなー嬉しいなー嬉しいなー笑
えみちゃんはひまっていう言葉持ってないよね。
って言われたことあるくらいやりたいことに囲まれてるって。もしかしたらものすごい幸せなことなのかもしんないなぁ。 -
Posted by ブクログ
脳科学者でロボット研究者の著者が行き着いた幸福学において、子育てにフォーカスした一冊。
子育ての基本は親が幸せでいることと本書で何度も指摘される。なぜなら幸せは伝染するから。
親と子は、子供が小さいほど一体感があるため、親が幸せならその幸福が子供に伝染しやすいといえる。
そして、夫婦ともに幸せでないと家族の幸せはあり得ない。
当然ながら人は生まれながらにして誰かの親であるわけではなく、子が成長するのと同じように親として少しずつ学び、成長していく。
では、家族がみな幸福を感じ、心の底からお互いを信頼し合うという、幸福学的に理想の状態に至るに必要なことはなにかというと「夫婦間・親子間の対話」に尽きる。
上記を踏まえて、夫婦が心がけるべきは、
①夫婦で共通の子育てのビジョンを持つ
②何があってもポジティブな受け取り方をする
③夫婦間、家族間での対話を心がける
④怒りの感情をうまくコントロールする
著者は、幸福学を追求するなかで、物理的な豊かさは人間の本質的な幸福には寄与しないという真理にたどり着く。
モノやお金、地位のように他人との比較ができるものを地位財といい、健康や自由、愛情などのように他人と比較ができない主観的なものを非地位財という。
そして、長続きする幸せは非地位財によってもたらされる。
著者がたどり着いた幸せの4つの因子とは、
①やってみよう因子。夢や目標をもち、実現させるための学習・成長意欲が高いこと。
②ありがとう因子。他者を喜ばせたり支援すること。家族友人たちとの人との繋がり、感謝を感じること。
③なんとかなる因子。物事に対して常に楽観的でいること。自己肯定感が高く、気持ちの切り替えが早いこと。
④ありのままに因子。周りや他人と比べずに自分らしくあるがままでいること。
幸せの要素とは沢山あるように思われがちだが、実はわずか4つの因子から構成されており、それぞれのバランスがとれていることが大切。
友達の数が多いよりも、多様な友達を持っている人の方が幸せな傾向にあるという。
子供を褒めるときは、一番になったから凄かったねという結果ではなく、努力して偉かったというプロセスを褒めるべき。
子育てにおいて怒りの感情はうまくコントロールするように気を付けるべき。時には怒ることも必要だが、感情的にならないよう冷静に注意するように心がける。
子供への日々の声がけは子供の自己肯定感を左右する。
子供同士のトラブルは出来るだけ親は介入せず、子供同士で解決できるよう信じて見守る。親が一緒になって喧嘩してはいけない。
子供は何が得意か見極める必要があるが、何が苦手が見極める必要はない。苦手なことをイヤイヤさせるよりも得意なことをさせた方がパフォーマンスは上がる。これは大人も一緒。
究極の良い子育てとは、我が子の得意なこと、夢中になれることを見抜き、それを心から信じて支えること。
親は港であり灯台である。親は子供の航海にはついていけないが、子供が遭難しそうになれば明るく照らし、安心して寄港できる拠り所となるべきである。
趣味がなく、私生活が暇な人よりもボランティアや趣味の活動を積極的に行っている人の方が幸せというデータがある。
また、フリーランスとして働く人の幸福度は平均より高いというデータもある。
子供はあくまでも、両親とは別人格の存在。自分の所有物、一体としたものと捉えてはいけない。
子供を育てるという一見献身的な役割を果たしながら、自らも成長し、生きる力を育むことこそが幸せなのだということに、多くの人は気付いていない。