ク・ビョンモのレビュー一覧

  • 破果

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    エンタメ性の強いノワール。物語の中だとしても、逞しい女性の活躍は勇気づけられた。
    本国ですでに実写映画化されているらしく、日本でも早く見れるようになってほしいと強く思う。

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    2026年07月30日
  • 破果

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    先日読んだピエール・ルメートル『邪悪なる大蛇』と同じく、殺し屋の老婆が主人公。『邪悪なる大蛇』の方は前頭側頭型認知症かと思われる症状の出現により、反社会的行動が加速度的に増していっていたが、こちら『破果』の主人公爪角は歳を重ねたことによって、殺し屋として持つべきでない「情」の溢出を、どうしてもおさえることができないでいる。これが何ともいい。
    飼い犬のため家をこまやかに改造し、ターゲットを追わなきゃならない場面ではよろよろのおじいさんについ手を差し伸べずにはいられず、そして治療をしてくれた若き医師に淡い恋心を抱いてしまう…。ハードボイルドな女のこのいじらしさ、けなげさ!最高です。

    しかし、何よりの白眉はバイオレンス・アクションシーン!
    ただならぬ緊迫感とスピード感、痛覚に直に訴えかけてくるようなヒリヒリした描写、その合間に挟み込まれる引きのアングルで見た時のなんとも言えない滑稽さ泥臭さ、そしてこれらの緩急がもたらす心地いいリズム感…。
    もう、著者の筆力にただただ脱帽。

    他にも、フェミニズム、エイジズム的観点や生い立ち回想シーンの重厚さなど、語りたくなるポイントは大量にあるが、とにかくさまざまな要素を全部詰め込みまくってがっつり超エンタメに仕上げてきたこのサービス精神の過剰さに、すっかり骨抜きにされてしまいました。

    映画化もされたとのことで、日本での封切りが待ち遠しい!

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    2025年10月27日
  • 破果

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    諦めた人間がもう一度希望を持って前に進んでゆく話。
    あとは失うだけの人生と悲観していた主人公が「守りたいもの」との出会いでどんどん前向きになっていく様子が素敵だった。

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    2025年03月03日
  • 破果

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    ネタバレ

    読み始めると、映画「レオン」の最初の場面が浮かんだ。真っ黒なカーテンから覗いたのは、銃口ではなく表紙の細い手。主人公に心酔した私は、「死なないでくれ〰️。」と祈りながら一気に読んだ。

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    2025年01月27日
  • 破果

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     この作品を読んで、真っ先に思ったのが、イギリス映画みたいだ。イギリスの映画では、年配女性を主人公にした作品をよく目にする。はじめは、疑問を感じていたが熟練こその深みを感じる。
     表紙に惹かれてこの本を手にし、爪角の静なる強さに魅力を感じたし、かっこいいと惚れ惚れした。何と言っても、ノアールおばあちゃんという新ジャンルが新鮮で、物語の世界にのめり込んでしまった。続編もあるようなので、続けて読んでみようと思う。

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    2024年11月22日
  • 破果

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    傷み、枯れ、何かを喪い、失い、それでも壊れないで生きていく
    ノワール小説で、しかもなかなかあり得ない話だけど、根底にあるのは人間の話なんだと思わされた。
    生身の匂いがする(良い匂いも嫌な匂いも)物語だった。

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    2024年09月14日
  • 破果

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    「老人」「女性」「殺し屋」という異色の主人公が織りなす韓国ノワール。思うように動かない体、女という弱い立場、素性を明かせない仕事。今まで見た事のない設定と、若いころとの体と心の変化の描き方に、決して読み易いとはいいがたい文章だけど、なぜか夢中になってのめり込んでしまった。
    韓国文学には日本に無い空気と匂いが漂っていて、かっこよかった…。表紙もまたいい!節くれだった手に、青く浮き出た血管が、年月を彷彿とさせる。

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    2026年08月05日
  • 破果

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    2026年5月再読
    同名ミュージカルの原作ということで手に取りました。(新国立劇場2026年3月7日(土)~22日(日))小説も舞台も韓国発。

    読みにくいと感じた方もいたようですが、自分は割と好きな文体でした。

    主人公は60代の女殺し屋チョガク。老いにまつわる描写や心情が肌にじわじわ吸い付くような感覚で描かれる。自分も60代を目前に控えているせいか、感覚的にわかる部分がたくさんあった。失われていくことへのもどかしさ、怖さ、焦り、諦め…

    いまはもういない、心を寄せた人への想いが昇華できず、ずっと思い出のあの人と心で対話している。しかしそれは自負の脳内が作り出したもの。結局自分と対話している。そんな心理学的側面から読み進めるのも楽しい。

    小説ではハッキリ描かれなかったチョガクを狙うトウの心情が、舞台を観てから再読すると、そういう解釈もアリなのか、と思える。舞台を脳内再生しつつ行間を探りながら物語を噛み砕いていくのも味わい深い。小説と舞台の合わせワザで楽しめた。
    2026年5月27日

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    2026年05月28日
  • 破果

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    最初は回りくどいなぁって思った。何が言いたいのか、描写を何度か繰り返し読んだりした。この部分でもう読みたくないって言う人も一定数いると思うけど、それ以降はぐんぐん読み進められる、と言うか読みたくなる魅力的な作品だった。
    老い、恋、恨み、孤独、赦し、そんなことを考える。過去と現在を言ったり来たりするから私もその渦にグルグル翻弄されている気がした。

    個人的にはカン博士よりもチャン博士は一体どこへ…というところが気になるところ。

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    2026年04月01日
  • 破果

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    稼業ひとすじ45年。かつて名を馳せた腕利きの女殺し屋・爪角(チョガク)も老いからは逃れられず、ある日致命的なミスを犯してしまう。守るべきものはつくらない、を信条にハードな現場を生き抜いてきた彼女が心身の揺らぎを受け入れるとき、人生最後の死闘がはじまる。とにかく爪角がカッコいい。でも(韓国の)人の名前がなかなか頭に入ってこなくて…苦戦しました。

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    2026年01月12日
  • 破果

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    岩波から出ている韓国文学なので何かあるかなと思い読んだが、普通のアクション系エンタメ小説だった。もちろんストーリー展開や情景描写は韓国映画を見ているようなシャープさでクオリティーは高いが、自分が求めているようなものではなかった。

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    2025年12月07日
  • 破砕

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    ネタバレ

    これから人殺しの道を歩んでいくチョガクが人を殺める銃で猪を殺しリュウを助けたときに涙を流した最後のシーン。破果で人を殺しながらも惨忍な性格に振り切れていなかった印象だったけど、それは老いたからではなくもともとのチョガクの優しさだったんじゃないかと思わせるラストでした。

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    2025年09月02日
  • 破果

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    ネタバレ

    非情であるべき殺し屋のベテランにしては、爪角は感情の揺れが大きすぎて、そんなんで45年もよくやってこられたねぇ…と訝ってしまうけど、それを差し引いても最後まで引き込まれるように読み切ったのは、爪角が自身の生き方にどんな風にケリをつけるのか見届けたいと強く思わされたから…でしょうか。

    ここに描かれている爪角は、甘いし、ゆるいし、迂闊だし、そんなんじゃダメでしょ⁈ってツッコミどころはたくさんあります。が、それが老いの結果ということなのだとしたら、人間とはかくも愛おしいものなのか…と思ってしまいました。ノアール小説でこんな風に思うなんて、とても不思議です。でも、自分に置き換えると、57歳で未経験の仕事に採用していただき、落ちた記憶力や、咄嗟のときに全然回らない思考力にガッカリしながらも、なんとか楽しんで働いている自分も、ポンコツだけどけっこう愛おしいじゃん?

    老いを常に自覚させられて、厳しい現実をつきつけられる毎日ですが、そんな自分を愛おしいと思わせてくれた爪角に感謝。

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    2025年08月22日
  • 破果

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    読み終わってみるとストーリーはシンプル
    オチが気持ちいい
    ちょっと読みづらさを感じたけど、訳者あとがきを読んで納得

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    2025年06月14日
  • 破果

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    ネタバレ

    ⭐️3.8
    「殺し屋はおばあちゃん」のノワール小説と聞いたら読むしかない。
    完璧主義で孤高のヒットマンも歳はとる。高齢期に差し掛かり心身ともにくたびれきっている。けれどもプロとしてのプライドが、主人公爪角(チョガク)を奮い立たせる。
    はるか遠い昔日の師匠への思慕、傷ついた主人公を助ける歳若い医師への現在地での淡い想い。殺し屋として封印してきた女としての心の揺れにグッと来る。
    ライバルとなるトゥも、愛に飢えてきた殺し屋であり、愛情の裏返しゆえの憎しみ、そして哀しみだった。
    殺し屋である前に女性であること、そのヒロインの葛藤をていねいに描く筆者の矜持が見え隠れする、断固とした女性への賛歌である本作に拍手を送りたい。クセのある文体もだんだんと病みつきになる頃にはすっかりハマってしまう。

    ラストの死闘のシーンは圧巻。映像化してほしいと思うほどに、鮮やかな描写に一気読み必死。
    ひさしぶりにハードボイルドを味わった気分。
    読み終えたあと、ネイルを塗った夜。

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    2025年05月31日
  • 破果

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    主人公も人間で、守るものがあるんだなと思う
    命は急に消えるものではある
    なぜ?という連続の中で、たぶん無意識下で
    繋がることが誰かの救いになることもあるんだなと思った

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    2025年05月15日
  • 破果

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    ネタバレ

    感情を殺して生きてきた凄腕殺し屋の主人公が老いゆく体と制御できない感情に向き合う。
    爪が綺麗だと本当に嬉しいよね。

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    2025年05月10日
  • 破砕

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    破果の主人公爪角の前日譚。
    破果には大きなテーマが存在していたもののこちらは単純な物語という印象。
    意外と読みやすかった。

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    2025年03月27日
  • 破果

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    ネタバレ

    家業ひとすじ45年
    かつて名を馳せた女殺し屋・爪角の
    ノアール小説

    どこで勧められた本だったか痛いのは苦手なのに、爪角の人生に魅せられて一気読み
    ただのノアール小説に終わらず、人間味溢れる小説になっている

    父親を殺されたトゥよりも、爪角に感情移入してしまうのは爪角の人生を追って来たからなのか、、、
    リュウとの生活はあまりにも切ない
    肉体の老いのみでなく、揺れ動く様になってしまった感情
    そんな中繰り広げられる最後の死闘

    一緒に生きて来た老犬も無くし
    リュウの元に行くまで、これからどんな人生を送るのか、、、、
    花火の様な、果物の様なネイルも見てみたかったな
    続編も読んでみよう♬

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    2025年02月02日
  • 破果

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    砂原浩太郎氏の作品のような哀愁漂う文章で老いていく肉体、そして他者からお母さんと呼ばれる嫌悪感など暗殺者としての仕事の失敗から足を洗う過程、爪角の生き様を克明に描いた作品で活躍していた頃と現在では性格も変わりただの暗殺者話ではない人間味あふれる話に引き込まれる。
    非道な暗殺者より、こんなストーリーは新鮮でいい。

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    2025年01月24日