スザンヌ・シマードのレビュー一覧
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ネタバレ1. 森とは調和の取れた全体的のこと(p73)
2. だがいったいキノコはなぜ木の根に水を渡してしまうのだろう?(p97)
3. 林業界は、苗床園で苗木を育てて植樹する方法を編み出したものの、木と協力関係にある菌根菌もまた育てる必要があるということを完全に失念していたのである。(p102)
4. 菌根菌がリンと水分を、植物がつくる糖と交換できるようになっていると書いてあった。土壌にリンが少ない乾燥した気候の土地で植物を助けるためだ(p112)
5. 人間よりももっと物静かで、包括的で、精神性の高いものを、私たちは軽んじ、無視したのである(p126)
6. そう、それは単純明快な考え方だった。競合を排除せよ。自生植物を殺すことによって日光、水、養分が使われなくなれば、高く売れる針葉樹がそれを吸い上げてレッドウッドと同じくらい早く成長するはずだ。ゼロサムゲーム。勝者がすべてを手に入れるのだ。(p154)
7. 「ファストフード式林業」森の生態系は様々なのに、そのすべてに一様の大雑把なやり方を適用するのは、同じハンバーガーを、ニューヨークだろうがニューデリーだろうが、あらゆる文化圏に届けるようなものだ(p229)
8. この森の若い木々は、年長の木々のネットワークのなかで成長しているのだ(p391)
9. 「ウッド・ワイド・ウェブ」(p392)
10. そう、マザーツリーだ。マザーツリーが森を一つにつないでいるのだ。中心にあるマザーツリーを実生や若木が囲み、さまざまな色や重さを持つさまざまな種類の菌糸がそれらを幾重にもつなぎ、強靭で複雑なネットワークを形成している。(p398)
11. 植物が、神経系に似た生理機能を使って周囲の環境を認識するということは、すでに広く認められた事実だった(p401)
12. だが私は、自分のやり方を押しつけて答えを要求するのではなく、ただ耳を傾けることでもっとずっと多くのことを学んだのだ(p498)
13. 私はあらためて感じたのだ。人々が母親、父親、子ども、家族とつながり、木や動物や、その他自然界のあらゆる生き物と一つにつながることが、どれほど自然で重要なことであるかを(p509)
14. 人間が再び自然とつながることが必要だ(p515) -
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森に対する見方を変えてくれる本だ。著者のスザンヌ・シマードはカナダの森林学者で、森の木々はマザーツリーと呼ばれる古木を中心に根にからみついた菌糸のネットワークを通してつながっており、栄養や情報を送り合っていることを明らかにした。その研究を縦糸に、女性科学者ならではの苦闘や、妻として母としてそして乳がんサバイバーとしての人生を横糸に、美しく織り上げられたタペストリーのような書物だった。最後に、マザーツリーが衰え死んでゆくときに蓄えてきた栄養や情報を次の世代に渡すことを知った著者が、自分は何が出来るかを問う場面は感動的だ。森には人間と同じように知性があり、そこから多くのことを学ぶことが出来るという。この本は映画化されることが決まっているそうなので、今から観るのが楽しみだ。
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ネタバレ私は、木々が失われ行く田舎で育ったが、病院通いのために都会へ移り住んだ。そうしてーーいやずっとというべきだろうかーー「森へ行きたい、棲みたい」と強く願い続けている。
本書を手に取ったのは偶然と、訳者・三木直子さんのお名前に惹かれたためだ(三木さんは私の棚の一番上に常にある『植物と叡智の守り人』も訳されている)。5年以上あたためている物語のテーマが「森」で、片っ端から読んではいたけれど、これほど、「ああ、私が森を希求して、もがきながら得たいと思っていたのは、(スザンヌ・シマード(著者)の)このマッピングを知りたかったからだ」と思い得た本はない。
死にゆくトウヒの苗木に、「どうしてこんなことが起きるのか絶対に調べる」と誓ってそれから研究のレンズを手に取り、森を調べて行き、様々な人生の出来事を体に受けながら、その森の力に気付かされて、森のネットワークは西洋的研究(そのレンズ)の及ばぬところにあると悟った。そういう本だ。子供の辞書並みに厚いが、ぜひ読んでほしい。 -
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映画「アバター」のコンセプトとしても採用された、自然の木々が知性を持ち、互いに意思疎通し合う共生のメカニズムが実証されるまでの過程を記した一冊。
材木会社が伐採後の植樹に相次いで失敗するのを目の当たりにした著者は、農業のようにビジネス上の効率性を優先し、商品価値のある単一樹木の栽培のために、それ以外の草木を競合と見做して排除する政府の「自由生育政策」が、森の多様性を阻害しているのではないかと考え、伐採地でのプロジェクトを含む多くの実証実験により、森の木々が根に共生する菌類を介して、お互いに養分を融通し合っている事実を明らかにする。
研究結果をもとに発表した論文が、進化は競争のみがもたらすと信じて疑わない学界や、自由生育政策を進めたい産業界から激しい批判を浴びる中、著者はさらに研究を進め、「マザーツリー」と呼ばれる長老的な古木が自らの子孫に優先的に養分を与え、障害を受けた木が周囲に警告を発し、枯れる前の木が周囲の木に養分を譲ることを突き留め、森全体が菌類のネットワークで繋がった「知性」を持つシステムなのだと主張する。
本書は、伝統的な木こり一家に生まれ、山の中で土を食べて育った著者が、ただ感傷的に環境保護を叫ぶのではなく、徹頭徹尾科学的なアプローチによって歴史的転換ともいえる偉業を成し遂げた探求の物語であり、また男性優位の世界を相手に、時に傷つきながら戦い続ける一人の女性科学者の物語でもある。さらには愛する家族との複雑な関係や苦悩と別れ、赦しと癒しの物語が重層的に織り込まれ、読み手の心を掴んで離さない。
木々の繋がりが他の動植物、果ては人間をも含めた全ての繋がりへと昇華する。自然の神秘に科学と精神世界の両面から迫った唯一無二のノンフィクションである。 -
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山にはキノコが生える。
そう言った意味で、街の木と、山の木は根本的に違う。
山の木々は菌根菌によって、木々が電子信号を使って情報交換していたり、有機物の授受をしていたりする。
死した樹木は、腐生菌によって分解され、他の微生物の食べられるサイズまで有機物を分解する。
マザーツリーと呼ばれる、長齢の樹木が木々のネットワークのターミナルノードとなり、森全体の植生の生存強度を底上げしている。
若い木や、弱った木に対してマザーツリーは余分の炭素や水を、菌根菌を通して受け渡し、さらに同じ遺伝子系列を持つ、親族を認識し、優先して守ろうとする。
これにより、山の森は多少の環境変化に高い耐久性を発揮して、病原菌などへの免疫も、このネットワークのおかげで、森全体が免疫力を持つことができる。 -
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話題になっていた本だと思うがその分厚さにかなり怯む。頁数は550ほど。辞書と同じくらいには分厚い。
で、読みはじめてみると、最初は(わたし的には)つまんなくて、読むの止めちゃおうかな、、、などと、逡巡している間に気付いたら面白くなってくるんだから不思議。
この本はシマードさんの自叙伝でありフィールドノートだ。彼女の生い立ちや家族のバックグラウンドの話が導入部分で、森と近接した暮らしから木への興味(発端の驚くべき発見がある)、何故どうして?の疑問を解決するために彼女は動き出す。女が外に出ていく時代じゃなかった昔に孤軍奮闘(実際には大いに助けてくれる人たちがいたけど)する状況もつぶさに記載されていて熱い。
自分のこと、家族のことを赤裸々に正直に書きつつ、森や木々が菌類を介してネットワークを形成して情報伝達しているなんて、まるで細胞内のシグナル伝達みたい!
ミクロからマクロまで、土のなかの菌類、熊から地球温暖化まで実に壮大なスケールのお話で、こういうの読んじゃうと地球のために何が出来る?のレベルで考えるようになる。
彼女はTEDでも講演してて見てみたけど英語の勉強にもなるし、本の内容知ってるのでめちゃ良かった。600万近くの再生数がありましたヨ。
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森林を形成するのに最も重要なのは地下に広がる根と菌類のネットワークだった!というのを直感的に感じ取っていた著者が、既存の林業による伐採と生育を変えるために、森林が多様性のもとで協力しあいお互いを支え合っていることを科学的に証明しようと奮闘するノンフィクション。既存のやり方を守りたい政府や林業従事者との闘いであり、女性であるが故の嘲笑や障壁との闘いであり、著者自身の人生を記したものでもある。その分情緒たっぷりの表現も多くて、読んでいて辛い場面も多かった。が、この本が伝えたいことは自然とのつながりを意識して、実感として感じてみてねというのがまず大前提にあるのだろうから、自然と触れることでその美しさや生命力や知性に感動し、愛おしく思う著者の感覚こそがメインなんだろう。科学的な証明や記述は、説得力を補強するものとして書かれている。
経験を裏打ちするための証明ってところがいいですね。
私も森とか山とかに分け入って散歩をしたり、その生態系を眺めるのが好きなのでシーンによっては土と木の匂いが想起されて楽しかった。