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Posted by ブクログ
森に対する見方を変えてくれる本だ。著者のスザンヌ・シマードはカナダの森林学者で、森の木々はマザーツリーと呼ばれる古木を中心に根にからみついた菌糸のネットワークを通してつながっており、栄養や情報を送り合っていることを明らかにした。その研究を縦糸に、女性科学者ならではの苦闘や、妻として母としてそして乳がんサバイバーとしての人生を横糸に、美しく織り上げられたタペストリーのような書物だった。最後に、マザーツリーが衰え死んでゆくときに蓄えてきた栄養や情報を次の世代に渡すことを知った著者が、自分は何が出来るかを問う場面は感動的だ。森には人間と同じように知性があり、そこから多くのことを学ぶことが出来るという。この本は映画化されることが決まっているそうなので、今から観るのが楽しみだ。
Posted by ブクログ
映画「アバター」のコンセプトとしても採用された、自然の木々が知性を持ち、互いに意思疎通し合う共生のメカニズムが実証されるまでの過程を記した一冊。
材木会社が伐採後の植樹に相次いで失敗するのを目の当たりにした著者は、農業のようにビジネス上の効率性を優先し、商品価値のある単一樹木の栽培のために、それ以外の草木を競合と見做して排除する政府の「自由生育政策」が、森の多様性を阻害しているのではないかと考え、伐採地でのプロジェクトを含む多くの実証実験により、森の木々が根に共生する菌類を介して、お互いに養分を融通し合っている事実を明らかにする。
研究結果をもとに発表した論文が、進化は競争のみがもたらすと信じて疑わない学界や、自由生育政策を進めたい産業界から激しい批判を浴びる中、著者はさらに研究を進め、「マザーツリー」と呼ばれる長老的な古木が自らの子孫に優先的に養分を与え、障害を受けた木が周囲に警告を発し、枯れる前の木が周囲の木に養分を譲ることを突き留め、森全体が菌類のネットワークで繋がった「知性」を持つシステムなのだと主張する。
本書は、伝統的な木こり一家に生まれ、山の中で土を食べて育った著者が、ただ感傷的に環境保護を叫ぶのではなく、徹頭徹尾科学的なアプローチによって歴史的転換ともいえる偉業を成し遂げた探求の物語であり、また男性優位の世界を相手に、時に傷つきながら戦い続ける一人の女性科学者の物語でもある。さらには愛する家族との複雑な関係や苦悩と別れ、赦しと癒しの物語が重層的に織り込まれ、読み手の心を掴んで離さない。
木々の繋がりが他の動植物、果ては人間をも含めた全ての繋がりへと昇華する。自然の神秘に科学と精神世界の両面から迫った唯一無二のノンフィクションである。
Posted by ブクログ
山にはキノコが生える。
そう言った意味で、街の木と、山の木は根本的に違う。
山の木々は菌根菌によって、木々が電子信号を使って情報交換していたり、有機物の授受をしていたりする。
死した樹木は、腐生菌によって分解され、他の微生物の食べられるサイズまで有機物を分解する。
マザーツリーと呼ばれる、長齢の樹木が木々のネットワークのターミナルノードとなり、森全体の植生の生存強度を底上げしている。
若い木や、弱った木に対してマザーツリーは余分の炭素や水を、菌根菌を通して受け渡し、さらに同じ遺伝子系列を持つ、親族を認識し、優先して守ろうとする。
これにより、山の森は多少の環境変化に高い耐久性を発揮して、病原菌などへの免疫も、このネットワークのおかげで、森全体が免疫力を持つことができる。
Posted by ブクログ
話題になっていた本だと思うがその分厚さにかなり怯む。頁数は550ほど。辞書と同じくらいには分厚い。
で、読みはじめてみると、最初は(わたし的には)つまんなくて、読むの止めちゃおうかな、、、などと、逡巡している間に気付いたら面白くなってくるんだから不思議。
この本はシマードさんの自叙伝でありフィールドノートだ。彼女の生い立ちや家族のバックグラウンドの話が導入部分で、森と近接した暮らしから木への興味(発端の驚くべき発見がある)、何故どうして?の疑問を解決するために彼女は動き出す。女が外に出ていく時代じゃなかった昔に孤軍奮闘(実際には大いに助けてくれる人たちがいたけど)する状況もつぶさに記載されていて熱い。
自分のこと、家族のことを赤裸々に正直に書きつつ、森や木々が菌類を介してネットワークを形成して情報伝達しているなんて、まるで細胞内のシグナル伝達みたい!
ミクロからマクロまで、土のなかの菌類、熊から地球温暖化まで実に壮大なスケールのお話で、こういうの読んじゃうと地球のために何が出来る?のレベルで考えるようになる。
彼女はTEDでも講演してて見てみたけど英語の勉強にもなるし、本の内容知ってるのでめちゃ良かった。600万近くの再生数がありましたヨ。
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ビジネス・実用
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