ヴィクトル・ユゴーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
凝縮版の『レ・ミゼラブル』の下巻。やっと読み終えました。
映画などで知っている「レ・ミゼラブル」とは比較にならない豊富な内容。下巻は1832年6月5日のパリでの暴動を中心にして話が進んで行きます。
最終章の『ジャン・ヴァルジャン』。最後には心打たれました。
上巻が勢いのある雰囲気なのに対して下巻はオリジナルの雰囲気や思想などを崩さないようにと丁寧で少し冗長とも思える部分、少し唐突な感じのする部分が混在している感じがしましたが、それだけ削るのに苦労もしたのでしょう。
ここまで『レ・ミゼラブル百六景、』に引き続き、《レ・ミゼラブル》を少しずつ把握して来ました。
本家本元。オリジナルの【レ・ミゼラブル】にチャレンジしたくなるのはやまやまですが…
かなりハードルは高そうです。
けれど、凝縮版では満足できなかった場面が少なくないのも事実。
訳者の解説に依ると、細かい描写などが延々と続く箇所が度々出て来て、フランス本国でも全巻を読むのには難儀するとのこと。実際に、全巻読まれた方はどう感じられたでしょうか?
凝縮版を読んだことでストーリーの骨子は既に把握済み。話の流れを追う苦労をする事はないので細かい描写や思想や歴史を補いながら読むのも悪くはないかも?
…他にも読んでいる最中の本が多々あるので、まだ決心は付きかねています(^^;;
おまけ:
純愛とか貞節は、今の世には縁の無い話かも知れない…時代遅れの小説と言えば言えなくも無いのか…人生や恋愛を美化しすぎな部分が多々ある。
だが、そういう部分を私は好きだった。自分も時代遅れな感性の人間なのかも知れない…他の人はどう感じるのか?知りたい気もします。 -
Posted by ブクログ
角川文庫版のレ・ミゼラブル。上下二分冊の上巻を読み終えたところ。
以前、ふとしたことから中央公論社『レ・ミゼラブル百六景』という図版を数多く取り入れた本を読んだ。「これで十分読んだ気分」に成れたのだが、長編の名作として名高い作品。書店で文庫本のコーナーを見る度にホンモノが気になる。
結局は中途半端に断片的なシーンを知っているだけ。印象深いそれぞれのシーンも本来ならば、全体の話の流れの中でこそ真価を発揮するはず。
ヴィクトル・ユゴー『あぁ無情』と呼ばれていた。原作タイトルそのままの訳。このタイトルのせいで、遠い本のようにも感じていた。
明るめのエッセイやSF、冒険ものばかり読んでいた昔の私には《縁もゆかりもない》小説だった。
年を経て、ドストエフスキーを読んだり、ジェーン・エアを読んだり名作や大作などと呼ばれる書籍たちに手を染めるようになり、決して若い頃には手に取ることすら無かった本を読むようになった今、
『レ・ミゼラブル』に変身したユゴーの作品を折角の機会に読まないのは何故だ?
妨げるものは何もない。
新潮、岩波に較べれば上下2巻はお手頃な長さでもある。
ここまで考えた末、やっと買いました。
そして上巻。やはり「百六景」では味わえない最初バラバラな話が読み進むうちに一つ一つ繋がりを見せていく。面白い。
情景描写、人の身体と心の動き。先々に関係してくる登場人物を、敢えて事前に軽く述べておいたり。
物語の先が気になる。『ここで今日は終わり。』と決めても、またついつい手を出してしまう。
明日、下巻を買って、ユゴーの描く世界に引き続き没頭しよう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ子供の頃からディズニーのノートルダムの鐘が好きで、ずっと読んでみたいと思っていたものの読みにくいという評判も聞いており手が出せずにいた作品。
抄訳版があるということで読んでみたが…すごく面白い!
アニメとは中身が違うとはなんとなく聞いていて、フロロー判事が明確な悪役ではなく葛藤が丁寧に描かれている等を聞いて、もっと淡々としたリアリスティックな内容を想像していた。
が、意外としっかり起承転結のある物語になっており、なんならアニメ版よりドラマティックとすら感じた。
個人的にはフロロは悪役と感じたが、その他も良い人があまりいないので相対的に悪役とは見なされていない感じ笑
カジモドもアニメほど純粋ないいやつじゃないしエスメラルダは純粋だからこそ愚かな人物として描かれていて、ひとりひとりの人物の心理描写は確かに記号的なところはなくリアリスティック寄り。
そんなリアリスティックに描かれる人物たちがパズルのピースとなり、最後きれいに噛み合ったとき最強にドラマティックな悲劇を作りあげる、というのが素晴らしかった。 -
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かなり昔に完訳版を読もうとして挫折しましたが、抄訳(ところどころを抜き出した翻訳)上下巻、文庫本2冊、読み切りました!
舞台ミュージカルは観たことがあるので、舞台で描かれない場面が補完されていく感じがして、興味深く読み進められました。
エポニーヌとマリウスのやり取り、舞台で出てくるものがあちこちにあります。
舞台最後の方のマリウスとテナルディエのやり取りが今ひとつわかりにくかったのですが、スッキリしました。
バルジャンの中の白の天使と黒の天使、誰もが似たようなことを感じたことがありそう。
p.261〜265に渡るアンジョルラスの演説が素晴らしい。
あとがきに書いてありますが、
完全版は
「馬車でBに行った」と書かずに、
御者がどんな人間か説明し、御者と登場人物のやり取りが書かれ、そしてそれが本筋とは関係が薄い
読みにくいはずです。
最初は抄訳版がわかりやすいのかもしれないと思いました。読み終わった後に、より深掘りするために完訳版もいいかもしれません。
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Posted by ブクログ
かなり昔に完訳版を読もうとして挫折したので、抄訳(ところどころを抜き出した翻訳)である角川文庫のを読みました。
※抄訳でも上下巻、文庫本2冊になります。
話の本筋はしっかり押さえられており、スルスルと読めました。
舞台ミュージカルも観たことがあるのですが、抄訳版でもミュージカル化されている場面はほぼ載っているように思えましたので、
最初に読むには良い本だと思いました
かつてパン1つを盗んだ罪で投獄されてジャンバルジャンが司教様との出会い、ファンテーヌとコゼットとの出会いを通して、澄んでいくのが心地よいです。
もちろん、行きつ戻りつする人間らしい葛藤を抱えながらですが。
名作と言われるのも納得です。
下巻も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
永遠に読み継がれてほしい名作。
劇とかでよく上演されてるなと思いながら読まずにいたのですが、読んで良かったです。
登場人物一人一人の物語が複雑に絡み合いながら進んでいく展開にあっという間に読み終わってしまいました。
ジャンが司祭と出会い救われ、人のために生きながら葛藤する様子がとても心打たれました。一度でも罪を犯した人を許せない人というのは確かにいて、それでもその人を憎まずに自分の運命に真っ直ぐ向き合う姿勢に涙が出そうでした。
誰もがハッピーエンドとはいかないのが、時代背景がしっかり反映された本作の特徴なのでしょうが、どうか幸せになってと思わずにはいられません。
下巻も読むのが楽しみです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ神神神神神!!!!初めて物語で泣きました!!
この本には宗教歴史哲学道徳ユーモア家族愛恋愛友情社会風刺全てが詰まってる!!
ジャン・ヴァルジャンは産まれ(社会)により生き抜くための罪を犯さざるを得なく、パンを盗んでしまった。それにより投獄されたが、餓死寸前の家族の為に自分が働かなくてはならず、何度も脱獄を謀った結果10数年投獄されてしまった。やっと出てきたが家族の行方は分からず、犯罪者だと小石を投げられ宿からも迫害される。そんな中質素な生活をする善良な司教に泊めてもらったが、司教の恩を盗みという仇で返してしまい、後の宿敵ジャヴェールに捕まってしまった。が、司教がそんなジャン・ヴァルジャンを庇ってくれた。仇で返したのに善良に依然として対応してくれた司教はジャン・ヴァルジャンの思考の範囲外で理解が出来なかった。そんな善良さに困惑している時に「この銀食器や燭台をあなたが正直になるために使うと約束しましたね」とある種の呪いをかける。この
"産まれ(貧乏)によって世間の定義した悪の道へ進まざるを得ない低級家庭にはそこから這い上がるための金銭という余裕を与えなくては解決にならない。無慈悲だ!"
というスタンスで本は進んでいく。
ここから場面はファンテーヌとコゼットへと変わっていく。貧乏なファンテーヌは裕福で母性が強そうに見える母親にコゼットを預けるが、その見立ては誤りで義母は狡猾で薄汚い金の亡者だった。そのためファンテーヌは嘘の大金の取り立てのために最初は職を、次は家具を、その次は自慢の白い歯を、その次は最後の楽しみだった髪を、売るものがなくなって売春婦へ、と全てを無慈悲に搾取された。もう一方でコゼットも人として扱われず道具の様に扱われていた。そこで町を復興させ通行キップ(身分証明書のようなもの)を確認される事ない程慈善活動を行ったジャン・ヴァルジャンはマドレーヌ市長として活動していた。そこで犯罪者を心底軽蔑し、公務員を尊敬する社会正義に忠実な頭の硬いジャヴェールが、中級家庭の男に暴行中の哀れなファンテーヌに会い、警察署へ連行したがそこにマドレーヌ市長が「中級家庭の男から手を出した」とファンテーヌの無実を証明。その後家庭の事情を聞いてコゼットとファンテーヌを普通の生活に戻そうと決意するが、そこでジャン・ヴァルジャン間違われた社会的地位の低い男がジャン・ヴァルジャンの罪を着せられそうになる。ここで「罪を告白して低級家庭の犯罪者の罪を軽くする」か「哀れな母子を救うか」の2択を迫られるが、その間にジャヴェールが優しい嘘を破ってしまいファンテーヌはショックで死んでしまった。その後投獄されたが罪を告白してから逃亡し、大枚を叩きコゼットを救った。そうしてジャヴェールに追い回されながら2人の生活が始まる、その途中でマリウスという青年とコゼットは恋に落ちるが、ジャヴェールから逃げるジャン・ヴァルジャンがコゼットを連れてイギリスに行くことになってしまい、マリウスは自暴自棄になり、内乱に参加する。そのタイミングでジャン・ヴァルジャンはマリウスとコゼットの恋を知ってしまい、コゼットを愛していたジャン・ヴァルジャンはマリウスを恨んだが、コゼットの幸せを何よりも案ずる善良なジャン・ヴァルジャンは戦場へ行きマリウスを救い、捕まっていたジャヴェールを救い、泥水を半分溺れながら渡りマリウスを家まで連れ戻してコゼットと幸せにさせた。その幸せに"無期懲役の逃亡犯"である自分はいらないと、自分の感情よりもコゼットの幸福を優先し、最終的に衰弱死してしまう。が、それまでジャン・ヴァルジャンの「自分は無期懲役犯の盗人だ」
という表層的な告ハクを信じていたマリウスが、テナルディエのジャン・ヴァルジャンの秘密をネタにした商売でジャン・ヴァルジャンの"マドレーヌ市長とジャンヴァルヴァンは同一人物"や、"マリウスの命を救ったのはジャン・ヴァルジャン"や、"ジャン・ヴァルジャンはジャヴェールを殺していない。救った"等の偉業を告ハクされ、コゼットと共に大急ぎでジャン・ヴァルジャンの元へと向かった。が既に手遅れに近くジャン・ヴァルジャンは会話をして亡くなってしまった。
「司教様を呼びましょうか?」
「司教様はいらっしゃるよ」
ここで物語で一切泣いたことのなかった私の涙腺が反応してしまいました!最初の呪いとも言える司教の「正直者の善人」という指標に従い続けていた忠誠心の強い善人ジャン・ヴァルジャンが、本人も言っていたように死でやっと解放されたんだな〜(;;)
この本は
・産まれによる不条理、また罪の大きさの違い。
・中級家庭の卑しさ、低級家庭の慈悲深さ(表層的なもので判断はできないという意図)
↓
資本主義社会により生まれる悲劇。不条理!無慈悲!
を終始表していた。上には記入していないが、ジャン・ヴァルジャンのみならずまたそんな低級家庭に産まれ余裕もなく学もなく知恵も金もないはずのエポニーヌの献身さや野性的でユーモアに富んでいたガウローシュにも注目すべき。この2人はこの流れで普通有り得ない空想上にのみ現れる非現実的な存在だが、この2人によって内戦や低級家庭の無慈悲さ不条理さが際立った。法律や社会正義を基盤に道を歩んできたジャルヴェールの自殺。それと、マリウスの祖父と父の関係性で宗教やと政治的価値観の違い、時代的価値観で産まれてしまう家族の隔たりの悲しさ虚しさも実に妙実に描かれてる。きっとこの本は噛めば噛むほど味のするガムなんだろうな!ガムって暗喩もおこがましい!でもコゼット、学がないにしても、作者の主張を表すためにしょうがなかったにしても、マリウスの愛に絆されて父への感謝を一時的にでも忘れるなんて(;;)
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下巻で印象に残ったのはジャベール警部
ジャンバルジャンは前科者だけど善行を行う人、ジャベール警部は法律家だけど正義を盾に悪行を行う人として描かれる。
ジャンバルジャンを追いかける中で盲目的に信じてきた法律が完全ではなく、前科者にも善性がある事に気づいてしまったが故に、戸惑い苦しむ。
今までに行ってきた正義は弱者を虐げるものだったかもしれない、厳罰を科された者の中にも善い人がいたかもしれない。
何より、ジャンバルジャンを信用してしまった自分自身も法律に背く存在として許すことができない。
これまでの信念を貫いた必死の行いが、取り返しのつかない過ちだったと気づいてしまう事もまた途方もない苦しみであり、そこで良心に従って苦しむ事ができるジャベール警部もまた悪人ではないと感じた。 -
Posted by ブクログ
厳しい時代のフランスで主人公ジャンバルジャンが前科者から聖人に至るまでの人生の旅路を描いた作品。
ジャンバルジャンは何度も重要な決断を迫られる中で、ただ神の教えに従って、法に従って決断するのではなく、何が最善か苦しみを伴いながら葛藤する。何かに影響されて決断するのではなく何が善い行いか、自身が責任を負う事の恐怖に打ち勝つ覚悟が何よりも美しかった。
以下印象に残ったシーン意訳
他人の為に悪事を行うことについて
自分の事しか考えてないな、良心の呵責に苦しむことと神に見捨てられ地獄に落ちる事がそんなに怖いのか、それもまた自分可愛さなんじゃないか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレパンを盗み19年間獄中生活を過ごしたジャン・バルジャンは、出獄後に再び盗みを働く
しかし司教の優しさで良心に目覚め、市長となり、過酷な状況で暮らしていた売春婦の娘コゼットを養女として引き取り共に生活を始める
フランス革命下の激動の時代を生きる様々な人の運命が描かれている作品
どの人物にも心の奥に強さと脆さがあって、それがぶつかったり融合する瞬間に感動が生まれるんだよね
この時代を生きる人達のたくましさがひしひしと伝わってくる
特にファンティーヌの行動に胸が締め付けられた
本もとても良いけど、映画、ミュージカルでは音楽がすばらしすぎてこれをもって完成するのではとさえ思う
初めてレミゼの舞台を見たときの衝撃は忘れられない
大人になってもミュージカルが生きがいになるだろうなと思った瞬間だった
お気に入りの曲
❁A Heart Full Of Love(マリウスがコゼットを見つけ出すシーン)
❁Stars(ジャベールが誓うシーン)