澁谷正子のレビュー一覧

  • 脳に棲む魔物
    感動的で貴著な本である。

    著者、スザンナ・キャラハンは本にある病気になった時24歳。
    訳者のあとがきにあるように、本書の構成は、前半が著者の次第に悪化していく詳細な精神症状と、医師による相次ぐ誤診、診断が確定されない中どんどんと精神状態が悪くなっていくさまと困惑する周囲の記述は、ホラー小説を読むか...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    発表当時は珍しかった、自己免疫性疾患が突然発症した女性の、ご本人による回顧録。
    こうした書物を読むときは、

    ・日本とは異なる保険診療/自由診療混合医療の国で起きた事である。
    ・書かれている内容は、現在また異なる基準で判定されたり、価値が変わったりすることがある。

    の2点に気をつけながら読みます。...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    一気に読めるミステリーを超えた一冊。

    これがフィクションではないということも驚きだが、
    この病を乗り越えた彼女が
    偶然にも物書きであり、
    のちに情報を集めて本書にまとめられたことは奇跡のようなものだ。

    既存のミステリーに飽きた人にぜひおすすめしたい。
  • ルクセンブルクの迷路
     どこに向かうかわからない謎めいた書き出し。<本日午前十時五十二分 パリ>。知人女性に街角で呼び止められ動揺する主人公ケイト。そのケイトは、いろいろわけありであるらしいこと。

     ストーリーは二年前にフェイドバック。ワシントンDCに暮らす夫婦が、夫の新しい事業のため、ルクセンブルクに移住することにな...続きを読む
  • 古書店主
    パリ、セーヌ川岸の古書店(ブッキストというらしい)で買った本から端を発し、実はその本が思いがけず高価値だったり、ナチハンターの件、ドラックディーラーの縄張り抗争などなど盛り沢山。バリの街案内も。
  • 血盟の箱 続・古書店主
    1作目の古書店主で出てきた結構お気に入りだった登場人物がが退場…だと…。
    実際の2作目も邦訳して欲しいです(血盟の箱は実質3作目。
    今のところシリーズ9作目まで出てるらしいんですよねぇ。
    1作目から引き続き出てきてた登場人物との人間関係の今後も気になります。
  • 古書店主
    昔ながらのヒーロー。
    正義漢でルールを守り、人情に厚いテキサスの男。
    海外に行けない今、パリの風景とか雰囲気を楽しめたのが何より楽しかった。
    出会った女性が美人で貴族の娘で、その父が事件の鍵を…とか、
    元CIAの親友がいきなりパリに来て解決を手伝ってくれるとか、その辺りのご都合はこの際どうでもよくて...続きを読む
  • 古書店主
    将来的に古書店主になりたいのですが、この本を読んで少し怖くなりました。しかし、古書店主は魅力的な仕事だと思います。
  • 古書店主
    パリのセーヌ川沿いに並ぶ、露天の古書店を商う人々はブキニストと呼ばれる。アメリカ大使館の外交保安部長ヒューゴーは、馴染みのブキニストであるマックスから2冊の古書を買ったが、ヒューゴーの目の前でマックスは何者かに拉致されてしまう。警察の捜査も熱意を欠く中、自ら調査を始めたヒューゴーは、マックスが収容所...続きを読む
  • 古書店主
    パリ、セーヌ河岸の露天の古書店から始まる物語。旅情をそそり、あわよくばレア本との出会いがあるかもって期待を込めたつかみは良し。
    だったんだけど、事件が発生してからは、のはっきり言っちゃえば、ご都合主義で場当たり的が否めない。
    主人公はテキサス出身の元FBI職員で今はアメリカ大使館の外交保安部長。頭は...続きを読む
  • スカウト52
    確かに若い頃のキングっぽい。登場人物の、直接物語に関係のないエピソードを挿入するとか、襲い来る災禍が堪らなく下品な所とか。
    しかし、そういうキングフォロワーの中では最初から最後まで楽しませてもらった一品。
    ぜひ食事等をしながら読んでもらえれば幸い。
  • 脳に棲む魔物
    映画「エクソシスト」さなからの狂気の症状になる脳の炎症を患った筆者の体験とその病のリポート。
    すごい勢いで悪化する病、異常な症状、ひたすら信じサポートする家族とパートナー。
    巻末の謝辞で平凡だがと感謝の言葉です残した筆者の気持ちが痛々しいほど伝わる。
  • 脳に棲む魔物
    世界衝撃ストーリーといったようなTV番組で紹介されるようなタイトルですが、これはノンフィクションである上に、病気そのものから、そして病気による脳神経損傷からの快復をめざして闘いながら患者本人が書き上げた本です。語られる症状の重さを読み進めると、この事実だけでも驚くべきことでした。

    病にかかる前の日...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    (No.14-17)  ノンフィクションです。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『マンハッタンでひとり暮らしをする24歳の新聞記者スザンナが心身に変調をきたしたのは、ある朝突然のことだった。
    最初は虫に噛まれたものと高をくくっていたところ、徐々に左腕がしびれそれが左半身に広がっていった。
    同時...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    ちょっとおどろおどろしさを感じる表紙写真でホラー小説か何かを想像してしまいそうだが、脳を侵すタイプの自己免疫疾患にかかった、ニューヨークポストの記者である著者の闘病記である。

    著者が「映画『エクソシスト』の主人公の少女が私の症状とそっくり」と評しているのを読めばお分かりかと思うが、想像を絶するほど...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    ニューヨークポストの記者が自身の体験を書いた体験記です。
    著者は2009年に病気になるまでは、社交的で話し好きな有能な記者だった。しかし徐々に精神的におかしくなっていく。部屋にシラミがいるという確信が離れず、彼氏の部屋をあさったりし、徐々に仕事がうまく運ばなくなる。かかりつけ医や神経内科医へかかるが...続きを読む
  • ルクセンブルクの迷路
    日本の作家と異なるストーリー構成で、面白い。前半の仕込みは、さておき、後半は思いがけない展開で、全てがつながった。
  • ルクセンブルクの迷路
    ルクセンブルクやパリの描写が素敵です。滞在経験あれば、思わずニヤリと(笑)

    飽きを感じさせないストーリー展開、ラストに向けた追い込みもテンポよく、一気に読み切ってしまいました。
    ラストはややモヤット感ありますが、手頃な小説をお探しの方にオススメです。
  • 脳に棲む魔物
     悪魔にとりつかれる映画エクソシスト。実は類似の例が世界各地にあるそうです。ひきつけを起こす、手を奇妙な形に曲げる白目をむく、妄想にかられる・かと思うと正常に戻る。そしてこうした急激な変化と正常との間と行き交う。

     実は私の近しい人間(義弟の彼女)にこのような症状が出ました。物忘れが増え始め、ぼー...続きを読む
  • スカウト52
    島から生き物を一切出すつもりがないなら、子供が取り残されていようが爆撃でも何でもしてしまうのでは?
    サンプルとして生け捕りしたいなら、生還させるように手を打ちそうだし、軍の対応が中途半端……