廣田龍平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ幼い頃から「他所(自宅以外)で爪を切っちゃダメ」と言われていて、なぜ?モラル的な理由?と疑問に思いながら一応守って生きてきた。大人になった今、それらの疑問を解決する時がやってきた。
排水溝に知らない人の髪が落ちていたら怖いのと同じで、人の体から生成されたものは怖い。それらは呪術に利用できてしまうから。私や私の両親が生まれた頃にはもうそういったことはなかっただろうけど、長い間言い伝えられてきたことで理由が不明確な状態で私に届いたんだろうなと思った。
この本に出てくる土地に偏りを感じたのだが、それらは俗信がよく信じられている土地でありつつ、俗信に関する記録を多くしていた土地なのかなと思った。だから逆に東京の俗信に興味がある。
また「死」にまつわる俗信は年々薄れつつあるということで理由を考えていた。死に際してやることも用意するものも多すぎて、物資が足りていない時代には向いていない。だから大規模な戦争を経験したことで儀式はよりスマートになっていき、それが俗信の減衰を加速させたのかなと思った。
今までは信仰に関する儀式が崩れたものが俗信だと思ってたんだが、この本は真逆の説で面白かったな。厄年の話とかね。読み切るのに1ヶ月くらいかかったけど本当に本当に面白かった。もっと民俗学学びたいし、残していきたい! -
Posted by ブクログ
インターネット上で生まれ、匿名の参加者により共同構築される奇妙なホラーや怪談話をネット怪談と定義し、民俗学の視点でまとめた本。ネット掲示板の成り立ちなども詳しく述べられている。リミナルスペースやバックルーム、実話怪談についても言及があり、その辺りとの関係性も明確になっていて面白い。
怪談を能動的に体験しようとする行為「オステンション」や、なぜか不特定多数の人々が事実とは異なる記憶を持っている「マンデラ効果」など、はじめて知る単語が多くて知的好奇心がかなり満足した。しかも読みながら実際にマンデラ効果を経験してしまいテンションが上がった。大田区が太田区でなかったとは。自分はいつ宇宙を飛び越したのだろう、あるいは異世界に迷いこんだのだろう。単なる赤っ恥の勘違いもこうなると一気に非日常感がただよってくる。この、嘘かまことか判別つかない曖昧な感覚から生まれるワクワク感こそがネット怪談の肝なんだろう。
それにしても巻末の参考文献表が新書とは思えないほどに分厚くて最後にもう一度驚いた。 -
Posted by ブクログ
映画『バックルームズ』を観て、配布された資料に薦められていたので読んだ。
一時期オカルト掲示板に張り付いていた身としてはノスタルジーに浸れる素材を、民族学の視点から定義しているのが面白かった。
私はなかなかのホラー映画好きだと思うが、当時話題になっていた『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の面白さが理解できなかったことがあった。これはナラティブを排除した不穏さが押し出されるホラーの潮流に乗れていなかったんだなぁと思った。そんな私も今では『バックルームズ』をちゃんと楽しめるようになっており、Instagramのショート動画の見過ぎなのか…と自戒したりした。自分自身のことも含めてネット怪談の変遷を辿るのは面白い。 -
Posted by ブクログ
発売されてすぐくらいに手に入れてたんだけど、雰囲気で手に入れたということもあって、なかなか読む気になれずにいました。書影にもある、帯の梨さんの言葉で読んでみようと思ったんじゃないかなと思う、多分…もうその辺のことも忘れてしまってるくらい積読してました ごめんなさい。。
私の2000年代は仕事中心時代だったから、PC漬けの毎日だったにも関わらず、ネット怪談やネットホラーにはほとんど馴染みがなく。
リゾートバイトやきさらぎ駅とかも映画が先で後追いでネットという、順序逆の触れ方をしていたので、本書でその経緯やらが知れたのはありがたかったです(特に、コトリバコにおける差別的歴史が云々のくだりを読んで、映画「樹海村」を観て感じた違和感というかなんか違う感は ここから来たのかと思いました)。
ネタから始まったものが時間経過とともに真実であるかのような様相を帯びてくる、確かにそうかもしれないですよね。
その話題に途中参加したとか、更に馴染みのない地域だったりしたら、「ぇ~ネタじゃない 笑」って思う反面ほんとも隠されてるかもと思ってみたり。
特に村系のお話に関しては、心のどこかにそうだったら面白いというか凄いよねという腹黒い気持ちがあって(極端な話、因習村系のお話の読者は皆そうじゃないかと思ってる)、罰当たりなうちらにはいつかほんとの恐怖がやってくるんじゃなかろうかと…
本の感想とは関係ないことやけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレホラーのゲーム実況などをよく観る。最近は物語らしい物語がないものが多いなあ、と漠然と思っていた。どうしてそうなったのかが書かれていて納得したし、すっきりした。
掲示板など文字だけの情報から、画像や動画が出てきてネット怪談の有り様が変わっていくのが分かって面白い。
「田舎の因習を都会の人間が楽しむ」「田舎なら何でもあり」という文化が忌避されるようになり、物語のない「感覚的で曖昧な不穏さ」のものが多くなっている。
とはいえ「因習もの」が完全に無くならないのは、「怪異の原因をつきとめて、それを解消する」という筋立てがあるとすっきりするからなのかな…
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Posted by ブクログ
インターネット時代の到来で、誰もが気軽に情報発信できるようになった現代。空前のホラーブームはそんな時代の産物と言える。本書はネット怪談、ネットホラーを民俗学的観点から追いかけ、その空気感を丁寧に解説している。
日本におけるネット怪談、ネットホラーというものが旧2ちゃんねる由来が多いせいか、ところどころ読みにくさと理解しづらさがあったが、概ね理解することはできた。取り上げられている個々の都市伝説や怪談のほとんどを知らなかったため、それに対する解説が少なかったのはちょっと残念だったが、少しずつ変化していく様や共同体が(ネット上で)形成されていく様は非常に興味深く読めた。 -
Posted by ブクログ
「俗信」とは何かというところから、一つの俗信に対して、これがどうして「俗信」になったのか。年代や、何がどう変遷して今の形になったのかの考察をしている。
驚いて印象に残っているのは、俗信ができる過程・姿勢は科学と同じということ。「なぜあそこの家は病人が絶えない?」と結果から原因を探す。原因を求める技術が追いついていなかっただけ。
また、俗信は科学技術が発達すればなくなるのではなく、生活の中に入り込んでくるという。例えば写真が普及すると「3人で写真に写ると真ん中の人が死ぬ」など。これは写真の技術が発達しなければ生まれなかった。
なるほど時代や文化によって形を変えていくものなんだなと思いながら思いだしたのは、コロナが流行っていたころにアマビエという妖怪が流行ったこと(これまでは存在すら知らなかった人がほとんどではないか)を思いだした。
そう聞くと、今の科学では解明できない、自分の意思でコントロールできないことには今も「俗信」や「呪い」「祈祷」といったことはたくさん存在していることも理解しやすい。人はなぜ死ぬ?健康で一生を終える人がいる一方で不治の病にかかったり事故で早世する人がいるのはなぜ?など。
二つ栗を食べると双子が生まれるという感染のような俗信も今でいうと妊娠を望む女性の間で話題になった「妊娠菌」など。(これもお呪い的なカテゴリだろう)
他印象に残ったこと・・霊の奉献の話の中で、「国家は言霊の祝福」ということ、「厄」を分散させるという考え。なるほど。 -
Posted by ブクログ
安定のASIOSの検証本。今回も面白い!
科学的・歴史的・論理的に明らかに誤りがあるものは検証で一刀両断するものの、
主にWeb上(2ちゃん等)で広まった怪談や昭和期の妖怪は掲載情報を追ったり、流布の状況を確認する内容が多め。(廣田龍平氏担当のものがそれかな?)
真相解明の爽快感はないものの、近年の怪談・Web上での噂も積み重なったものがあるというのは、これからの怪談・妖怪伝承の形を見せつけられたようで興味深かった。
しかし、最近の陰謀論のバカ真面目さ・怖さ・残酷さには、これらのような民俗学的な面白さや『ムー』的なワクワクが少なく、より本気で信じてしまう人が多いのには…かなり脅威を感じてしまう。
こういう検証本が開明になればと思う一方、人面犬!きさらぎ駅!超古代文明!と、嘘や単なる噂と判って楽しめる時代が終わりつつあるのだな…と一抹の寂しさもある。
あと、どーでもいいですが、まさかこの手の本で「おねショタ」を目にするとは思いませんでした。