廣田龍平のレビュー一覧
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最近の潮流まで視野にとらえてまとめられています。
口伝えに変化しながら広がる様な振る舞いは、昔ながら(?)の現実世界の噂話と似たところもあり。
共同制作されてゆく様子が観察しやすくなったのがネットならでは、という面もあるのかな。
最近の潮流として、ナラティブな無くても怖い、という形が広がっているというのが面白い。
単なる画像やエピソードだけで無く、筋書きや裏の構造を考えたり盛り上げたという負担が無く、誰もが発信側になりやすい形式なのかな。
ナラティブを構築を構築することによる恐怖のコントロール(古くは妖怪)が出来ないからこその居心地の悪さもあるんだろう。ただ、深読みによる広がりがないのは、なんだか、つまらない様な気も。 -
Posted by ブクログ
洒落怖から都市伝説まで、色々嗜んできたつもりでいる人生だった。本書に出てくる単語の多くも理解しながら読めた。
その人生の中で、記憶から消えていたものたちを呼び起こされて必要のないところでダメージを受けてしまった。
ニコニコはまだいい。巨大掲示板もFLASHとかもまあいい。pya!が新書に出てくると思わないだろ。PCを手に入れてあらゆるネット怪談を読み怖い画像を見て面白いものと嘘とネットの悪意を浴びてたあの雰囲気を思い出してしまって、それを整然と並べて分類して解析する。なんだこの本。pya!ってお前マジで。
ネットってログは消えていくのが当然みたいな世界だと思ってたので、当時のこの空気感を言語化して紙で残すことに意味があるのかもしれないと思いました。民俗学だし。
ネット怪談の流れが因習系から異世界系へ移っているという点も、肌感覚で感じていたことの言語化で良かった。面白かった。 -
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私は「ダクダデイラ」の書籍版を、帯のアオリも気にせず本文だけ読んで「これ本当にモキュメンタリーなの?」っていうオステンション(やってみた)しちまった者なのでネット怪談の適正が低いかもしれません。
なんか色々言ってるけど何言ってるのかようわからん、くねくねはわかった(わからない方がいい)と思うけどニンゲンとかバックルームとか何言ってるのか最後までわかりませんでした。これらの現象は、自然発生して自己増殖するのが民俗学的なんでしょうね。
洒落怖も最初から知らなかったし、体験知が足りなさすぎたかもしれません。
ホラーファンのつもりでしたが、映画とか書籍とか旧来のメディアにしか触れてないとこういう現象もあるということで。(そういや民俗学もあんまりこれまでの人生で脈がなかったかも) -
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ネタバレ新聞の書評から辿り着いたのでネット怪談には全く詳しくなく、有名な怪談と言われてもどんな話だか殆ど分からないので、いちいちスマホで調べながら読むことになり時間がかかってしまった。ざっくりどんな話かを書いておいていただければもっと読みやすかったのだが。
因習村系の怪談には田舎への偏見が背後にあるという指摘は、恥ずかしながら意識したことがなかったので知れてよかった。特に創作においては地方や病気、障害、宗教への差別や偏見をプロットに組み込む話は少なくなっていく流れであり、因習村系に代わってバックルームや異世界系へと移って行っているという。ちょうど映画「8番出口」を見たばかりだったのでタイムリーだったのだが、あの映画を観て感じたのが恐怖は意味づけされると失われるな、ということだった。なので第6章の「恐怖に物語はいらない?」という部分はなるほど、と思わされた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレネット怪談について民俗学的手法で概観し検討するような本。何となくネットで見聞きしたような、有名な怖い話やぼんやり知っている怖い画像や都市伝説的な情報が列挙されている。
ネット怪談、異世界もの、画像や動画、オステンション、AIなど多岐にわたって解説されるので、読むのに少し疲れた。あれもこれも紹介してくれるが、書きっぷりも相まって、本当にただたくさん列挙されていくような印象だった。もちろん、著者自身の考えや検討も入っているのだが、紹介される情報の膨大さゆえに、読むのはしんどかった。
末尾に怪談索引、参考文献、注、がたっぷり44ページ分付いているので、辞書的に使うのもいいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネット怪談とネットホラー。私は本書を読むまで、その違いを気に掛けたことはなかった。「ネット怪談」は特定の作者への帰属が意識されず、投稿者は報告者として認識される。一方の「ネットホラー」は投稿者は作者として意識され、創作の一種として恐怖が楽しまれる。この二つは別々のものだけど、ネットホラーとして生まれたものがいつしか不特定の人々によって構築されていく中でネット怪談として認識されるようになったり、あるいはその逆もある。その話が真実であるかどうかは本質ではなく、境界も曖昧であるというのが面白いなと思った。
それにしてもネット怪談は、口承で伝わる怪談よりは収集しやすいとはいえ、リアルタイムで見ていなければ後からログを辿るのは困難な例もあったりするので、マイナーな怪談や有名な怪談でもその源流を辿るのは大変であることは想像に難くない。しかし本書ではさまざまな怪談の初出が丁寧に調べられており、素直に感嘆した。新書には珍しいくらい索引や出典もまとめられているので、本書自体が貴重な資料になるのではと思う。 -
Posted by ブクログ
民俗学です
巻末の解説によると「全国各地で採集された俗信、すなわち「超人的な力の存在を信じ、それに対処する知識や技術」を、「予兆」「卜占」「禁忌」「呪術」「妖怪」「憑物」に分類し、体系的に捕捉。」ということ
著者は井之口章次さん
あの柳田國男や折口信夫にも師事した超有名な民俗学者です
そして、本書は今から50年前に発表された学術書を今年の6月に文庫化したもの
まず講談社が偉い
それははっきり言っておこう
で、だ
いやー手強い
学術書手強い
でもたまにはいい
そしてたまにでいい
んでね
本書の内容には直接関係ないんだけどさ
調査に行ってるとこの地名がさ、もちろん50年前なのよ
平成の大合併でなくなってしまった町名がそのまんまなのをなんしか懐かしく感じたのと同時に
由緒ある地名が忘れられていくのもなんか悲しいな〜なんて思ったり
そして、古い地名の由来なんかも、立派な民俗学だと思うんよね
ちなみに本書には茨城県十王町なんて地名も出てきた(なくなってはいないけど、そこに住んでいない限りもうほぼ聞かない)
十王町の由来は、昔この地域にあった「十王堂」という建物に安置してあった十王像なんだって!(調べた)
でもって十王像は死者の罪を裁く10人の王なんだそう
なんかかっこいい!
民俗学かっこいい!