廣田龍平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「きさらぎ駅」、「くねくね」、「コトリバコ」、「ひとりかくれんぼ」、「リミナルスペース」など、1990年代末から現在(2020年代前半)に至るまでインターネット上で生み出されてきた「ネット怪談」について、民俗学の観点から、「共同構築」、「オステンション(やってみた)行為」、「異世界」といった切り口により、大まかな見取り図を提示する。
一時期、洒落怖まとめサイトなどでネット怪談にはまっていた自分としても、ネット怪談の大まかな全体像を把握でき、また、あまり認識していなかったネット怪談のエピソードについてもいろいろ知ることができ、なかなか面白く読んだ。
様々なネット怪談の経緯等を網羅的に渉猟された著 -
Posted by ブクログ
ネタ(創作)であれ実話であれ、人々によって伝聞・拡散される中で共同構築されていく「怪談」の中でも、1990年代末から現在(2025年)にいたる、ネットの中でネット民によって紡がれていた怪談を民俗学的なアプローチで取り上げた、気軽に読めつつも興味本位的な読み物というより、初出の場所や時期などかなり正確に調べられた資料的な価値が高いきちんとした学術書の趣き。ネット環境が可能にした怪談の「実況」や、文字ではなく「画像」の拡散によって何がどう行われてきたか、また、社会のコンプライアンスの変化などから閉鎖的な村落の因習などのでっちあげなどがやりにくくなった代わりに、非現実的な場として「異世界」という感覚
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Posted by ブクログ
安定のASIOSの検証本。今回も面白い!
科学的・歴史的・論理的に明らかに誤りがあるものは検証で一刀両断するものの、
主にWeb上(2ちゃん等)で広まった怪談や昭和期の妖怪は掲載情報を追ったり、流布の状況を確認する内容が多め。(廣田龍平氏担当のものがそれかな?)
真相解明の爽快感はないものの、近年の怪談・Web上での噂も積み重なったものがあるというのは、これからの怪談・妖怪伝承の形を見せつけられたようで興味深かった。
しかし、最近の陰謀論のバカ真面目さ・怖さ・残酷さには、これらのような民俗学的な面白さや『ムー』的なワクワクが少なく、より本気で信じてしまう人が多いのには…かなり脅威を感じてしま -
Posted by ブクログ
民俗学です
巻末の解説によると「全国各地で採集された俗信、すなわち「超人的な力の存在を信じ、それに対処する知識や技術」を、「予兆」「卜占」「禁忌」「呪術」「妖怪」「憑物」に分類し、体系的に捕捉。」ということ
著者は井之口章次さん
あの柳田國男や折口信夫にも師事した超有名な民俗学者です
そして、本書は今から50年前に発表された学術書を今年の6月に文庫化したもの
まず講談社が偉い
それははっきり言っておこう
で、だ
いやー手強い
学術書手強い
でもたまにはいい
そしてたまにでいい
んでね
本書の内容には直接関係ないんだけどさ
調査に行ってるとこの地名がさ、もちろん50年前なのよ
平成の