廣田龍平のレビュー一覧

  • ネット怪談の民俗学

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    自分が怪談を必要以上に怖がっていたことに気付かされました。
    怪談が生まれた背景を知れば、誰かの創作だとわかれば少しホッとできる。
    もちろん創作じゃないものも紛れているけれど…

    この本をきっかけにホラーを楽しむだけでなく、それ自体を知ることに興味が湧いた。
    しっかり調べて、適度に楽しむ。

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    2026年08月30日
  • 日本の俗信

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    ネタバレ

    幼い頃から「他所(自宅以外)で爪を切っちゃダメ」と言われていて、なぜ?モラル的な理由?と疑問に思いながら一応守って生きてきた。大人になった今、それらの疑問を解決する時がやってきた。

    排水溝に知らない人の髪が落ちていたら怖いのと同じで、人の体から生成されたものは怖い。それらは呪術に利用できてしまうから。私や私の両親が生まれた頃にはもうそういったことはなかっただろうけど、長い間言い伝えられてきたことで理由が不明確な状態で私に届いたんだろうなと思った。

    この本に出てくる土地に偏りを感じたのだが、それらは俗信がよく信じられている土地でありつつ、俗信に関する記録を多くしていた土地なのかなと思った。だから逆に東京の俗信に興味がある。

    また「死」にまつわる俗信は年々薄れつつあるということで理由を考えていた。死に際してやることも用意するものも多すぎて、物資が足りていない時代には向いていない。だから大規模な戦争を経験したことで儀式はよりスマートになっていき、それが俗信の減衰を加速させたのかなと思った。

    今までは信仰に関する儀式が崩れたものが俗信だと思ってたんだが、この本は真逆の説で面白かったな。厄年の話とかね。読み切るのに1ヶ月くらいかかったけど本当に本当に面白かった。もっと民俗学学びたいし、残していきたい!

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    2026年05月25日
  • ネット怪談の民俗学

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    インターネット上で生まれ、匿名の参加者により共同構築される奇妙なホラーや怪談話をネット怪談と定義し、民俗学の視点でまとめた本。ネット掲示板の成り立ちなども詳しく述べられている。リミナルスペースやバックルーム、実話怪談についても言及があり、その辺りとの関係性も明確になっていて面白い。

    怪談を能動的に体験しようとする行為「オステンション」や、なぜか不特定多数の人々が事実とは異なる記憶を持っている「マンデラ効果」など、はじめて知る単語が多くて知的好奇心がかなり満足した。しかも読みながら実際にマンデラ効果を経験してしまいテンションが上がった。大田区が太田区でなかったとは。自分はいつ宇宙を飛び越したのだろう、あるいは異世界に迷いこんだのだろう。単なる赤っ恥の勘違いもこうなると一気に非日常感がただよってくる。この、嘘かまことか判別つかない曖昧な感覚から生まれるワクワク感こそがネット怪談の肝なんだろう。

    それにしても巻末の参考文献表が新書とは思えないほどに分厚くて最後にもう一度驚いた。

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    2026年05月14日
  • ネット怪談の民俗学

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    平成初期に生まれた年代の人には、懐かしい話が多かったです。「インターネット老人会」として、こんなことあったよねとか、こんな怖い話あったよねとかしばしば話題になる事もあります。それが、民俗学として私達も寄与しているんだなと、実感する本でした。

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    2026年02月25日
  • 怪異怪談探索ハンドブック 誰でもできる!異なる世界の調べ方

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    これはすごい。第一線の怪異怪談研究者が資料探索やフィールドワークのコツを余す所なく紹介。会話の仕方、装備、使うべきWEBサイト、未開拓の領域、どれも参考になる。民俗学的手法がメインだが他分野にも応用できるだろう。巻末のブックガイドも気になるものばかりだ。

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    2026年02月21日
  • ネット怪談の民俗学

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    ドストライク世代なので、懐かしい感情が1番大きかった。
    類書が乏しいジャンルと時間軸なので、貴重なまとめだと思います。
    都市伝説解体センターのカバーがとても良い。

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    2026年01月07日
  • 怪異怪談探索ハンドブック 誰でもできる!異なる世界の調べ方

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    怪異や怪談といったものの調べ方を述べたHowTo本。
    内容は著者自身の経験に基づいたものでかなり具体的かつ専門的。民俗学的なフィールドワークのやり方から、文献の調べ方、ネットを利用した調査の方法など多岐に渡り実例を交えて教えてくれる。

    怪異・怪談い題材としては特化しているが、その内容は民俗学をはじめ人文一般に適用可能で学生であれば実用度はかなり高いのではないかと思う。文献調査など小林昌樹の「調べる技術」とも重なる部分はあるけれど、フィールドワークなどそれとは異なるアプローチも多く併読推奨な感じ。

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    2025年12月08日
  • 謎解き「都市伝説」

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    メディアやSNSで話題となる都市伝説を徹底検証。オカルト本は興味を掻き立てるだけですが本書は綿密な調査によりその起源を探ります。図版も豊富で楽しい。4.5章の調査が特に面白かった。都市伝説の真相を知りたい方におすすめの本です。

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    2023年02月10日
  • ネット怪談の民俗学

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    映画『バックルームズ』を観て、配布された資料に薦められていたので読んだ。
    一時期オカルト掲示板に張り付いていた身としてはノスタルジーに浸れる素材を、民族学の視点から定義しているのが面白かった。
    私はなかなかのホラー映画好きだと思うが、当時話題になっていた『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の面白さが理解できなかったことがあった。これはナラティブを排除した不穏さが押し出されるホラーの潮流に乗れていなかったんだなぁと思った。そんな私も今では『バックルームズ』をちゃんと楽しめるようになっており、Instagramのショート動画の見過ぎなのか…と自戒したりした。自分自身のことも含めてネット怪談の変遷を辿るのは面白い。

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    2026年09月20日
  • ネット怪談の民俗学

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    『バックルームズ』入場特典の冊子で紹介されていたのをきっかけに選書。たかがネット怪談、されどネット怪談。伝承の都度に少しずつ形を変えていくネット怪談はまさしく民俗(のしかも最新系)でしかなく、本書が担う一翼のその大きさに打ち震えながら読んだ。

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    2026年09月19日
  • ネット怪談の民俗学

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    インターネットから生まれた怪談を、海外のホラー傾向と重ねて民俗学手法で分類した、新書の皮を被った学術書。
    自分が感じる恐怖はナラティブによるものと認識していたが、リミナルスペースの生成過程と恐怖する感覚を知ったことで、不安感が恐怖につながっていると認識できた。
    ナラティブは理解できてしまうが、感覚的な恐怖は理不尽でありながら直感的でもある。

    ショート動画が受け入れられる現代にとって、最適な形の怪談と言えるのだろう。

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    2026年08月15日
  • ネット怪談の民俗学

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    過程の怖さを楽しむ時代から、結果を素早く見せる怖さへシフトする。

    怪談は形を変えて進化しても、人が語り継いでいく文化は変わらない。怪談索引と文献一覧を辿って読み進める、良い意味での寄り道が楽しい。

    2chから海外まで、筆者の広い視野とリサーチ力に感服した。

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    2026年07月23日
  • ネット怪談の民俗学

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    古のインターネット、懐かしいものもあり知らなかったものもあり得るものが多かった。「くねくね」とか「きさらぎ駅」のような有名なもの以外にもこんなにも色々あったんだ。
    そして海外でも似たようなネットカルチャーがあったってのは知らなかった。
    これからAIがネット怪談のモチーフとして主流になっていくんだろうな。

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    2026年05月06日
  • ネット怪談の民俗学

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    2ch、洒落怖に触れたことのある人なら一度は目にしているであろうネット怪談から海外のネットホラーまで、「ネットを介して知られている」いろんな怖い話について多角的に分析してあり、読み物としても学術書としても面白く読めました。
    時折、参考資料として画像が差し込まれており「めちゃくちゃ怖い」ものはそこまで多くなかったのですが、画像のページの前で毎回少し身構える感じがあるのは否めないです。笑

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    2026年04月06日
  • ネット怪談の民俗学

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    自身も知っているような、ネットで生まれて構築されてきたネット怪談を民俗学の視点からマジレスしていくのが面白い。
    階段の体験の種類や、分類について知ることができたし、ネットの特性が良くも悪くも生まれたもののその後に影響を与えていると分かり、とても興味深かった。
    紹介されていた都市伝説や怪談をちょくちょく調べながら読んだから時間はかかったけど、最後まで面白く読めた。

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    2026年03月06日
  • ネット怪談の民俗学

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    発売されてすぐくらいに手に入れてたんだけど、雰囲気で手に入れたということもあって、なかなか読む気になれずにいました。書影にもある、帯の梨さんの言葉で読んでみようと思ったんじゃないかなと思う、多分…もうその辺のことも忘れてしまってるくらい積読してました ごめんなさい。。

    私の2000年代は仕事中心時代だったから、PC漬けの毎日だったにも関わらず、ネット怪談やネットホラーにはほとんど馴染みがなく。
    リゾートバイトやきさらぎ駅とかも映画が先で後追いでネットという、順序逆の触れ方をしていたので、本書でその経緯やらが知れたのはありがたかったです(特に、コトリバコにおける差別的歴史が云々のくだりを読んで、映画「樹海村」を観て感じた違和感というかなんか違う感は ここから来たのかと思いました)。

    ネタから始まったものが時間経過とともに真実であるかのような様相を帯びてくる、確かにそうかもしれないですよね。
    その話題に途中参加したとか、更に馴染みのない地域だったりしたら、「ぇ~ネタじゃない 笑」って思う反面ほんとも隠されてるかもと思ってみたり。
    特に村系のお話に関しては、心のどこかにそうだったら面白いというか凄いよねという腹黒い気持ちがあって(極端な話、因習村系のお話の読者は皆そうじゃないかと思ってる)、罰当たりなうちらにはいつかほんとの恐怖がやってくるんじゃなかろうかと…
    本の感想とは関係ないことやけど。

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    2026年02月04日
  • ネット怪談の民俗学

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    ネタバレ

    ホラーのゲーム実況などをよく観る。最近は物語らしい物語がないものが多いなあ、と漠然と思っていた。どうしてそうなったのかが書かれていて納得したし、すっきりした。
    掲示板など文字だけの情報から、画像や動画が出てきてネット怪談の有り様が変わっていくのが分かって面白い。

    「田舎の因習を都会の人間が楽しむ」「田舎なら何でもあり」という文化が忌避されるようになり、物語のない「感覚的で曖昧な不穏さ」のものが多くなっている。
    とはいえ「因習もの」が完全に無くならないのは、「怪異の原因をつきとめて、それを解消する」という筋立てがあるとすっきりするからなのかな…

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    2026年01月24日
  • ネット怪談の民俗学

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    インターネット時代の到来で、誰もが気軽に情報発信できるようになった現代。空前のホラーブームはそんな時代の産物と言える。本書はネット怪談、ネットホラーを民俗学的観点から追いかけ、その空気感を丁寧に解説している。
    日本におけるネット怪談、ネットホラーというものが旧2ちゃんねる由来が多いせいか、ところどころ読みにくさと理解しづらさがあったが、概ね理解することはできた。取り上げられている個々の都市伝説や怪談のほとんどを知らなかったため、それに対する解説が少なかったのはちょっと残念だったが、少しずつ変化していく様や共同体が(ネット上で)形成されていく様は非常に興味深く読めた。

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    2025年12月20日
  • 日本の俗信

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    「俗信」とは何かというところから、一つの俗信に対して、これがどうして「俗信」になったのか。年代や、何がどう変遷して今の形になったのかの考察をしている。
    驚いて印象に残っているのは、俗信ができる過程・姿勢は科学と同じということ。「なぜあそこの家は病人が絶えない?」と結果から原因を探す。原因を求める技術が追いついていなかっただけ。
    また、俗信は科学技術が発達すればなくなるのではなく、生活の中に入り込んでくるという。例えば写真が普及すると「3人で写真に写ると真ん中の人が死ぬ」など。これは写真の技術が発達しなければ生まれなかった。
    なるほど時代や文化によって形を変えていくものなんだなと思いながら思いだしたのは、コロナが流行っていたころにアマビエという妖怪が流行ったこと(これまでは存在すら知らなかった人がほとんどではないか)を思いだした。
    そう聞くと、今の科学では解明できない、自分の意思でコントロールできないことには今も「俗信」や「呪い」「祈祷」といったことはたくさん存在していることも理解しやすい。人はなぜ死ぬ?健康で一生を終える人がいる一方で不治の病にかかったり事故で早世する人がいるのはなぜ?など。
    二つ栗を食べると双子が生まれるという感染のような俗信も今でいうと妊娠を望む女性の間で話題になった「妊娠菌」など。(これもお呪い的なカテゴリだろう)

    他印象に残ったこと・・霊の奉献の話の中で、「国家は言霊の祝福」ということ、「厄」を分散させるという考え。なるほど。

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    2025年10月25日
  • 謎解き「都市伝説」

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    安定のASIOSの検証本。今回も面白い!
    科学的・歴史的・論理的に明らかに誤りがあるものは検証で一刀両断するものの、
    主にWeb上(2ちゃん等)で広まった怪談や昭和期の妖怪は掲載情報を追ったり、流布の状況を確認する内容が多め。(廣田龍平氏担当のものがそれかな?)
    真相解明の爽快感はないものの、近年の怪談・Web上での噂も積み重なったものがあるというのは、これからの怪談・妖怪伝承の形を見せつけられたようで興味深かった。

    しかし、最近の陰謀論のバカ真面目さ・怖さ・残酷さには、これらのような民俗学的な面白さや『ムー』的なワクワクが少なく、より本気で信じてしまう人が多いのには…かなり脅威を感じてしまう。
    こういう検証本が開明になればと思う一方、人面犬!きさらぎ駅!超古代文明!と、嘘や単なる噂と判って楽しめる時代が終わりつつあるのだな…と一抹の寂しさもある。

    あと、どーでもいいですが、まさかこの手の本で「おねショタ」を目にするとは思いませんでした。

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    2023年03月15日