鵜飼有志のレビュー一覧
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ネタバレ今回は、幽鬼の視力低下を補うための対策と、その実践を描いた巻。
「ティーチャーズメランコリー」と「ロワイヤルパレス」両方のゲームが読み応えがありました。
【ティーチャーズメランコリー】
鈴々の追跡を躱しながら、無人島を脱出するための鍵とボートを手に入れる脱出型の模擬戦です。
島の各所に散らばったアイテムにはBluetoothのタグが付けられており、スマホを起動しておけばペアリングで探知できる一方、敵が近くにいればその存在も筒抜けになってしまう。リスクとリターンのバランス調整が巧みなルールでした。
全盲の鈴々との音に特化した戦闘も見どころです。
自身には効かないため近距離で閃光弾を放つ鈴々に対し、幽鬼はゴーグルと耳栓で対策を講じた上で、あえて閃光弾を使わせて誘き寄せる。
鈴々の側も、逃走時に階段を使い、幽鬼が階段を降り切った際に変化する足音から位置を割り出して弾丸をばらまく。
全盲の相手との戦闘という初めてのシチュエーションによる駆け引きが楽しめ、双方の攻防に工夫が凝らされていました。
そして鈴々のドラマも良かったです。
「自分の命が何か、どこかへ繋がったと実感してから人生を終えたい」という鈴々の願いと、それに抗した不殺の決着。デスゲーム物としては珍しい幕引きで印象に残りました。
【ロワイヤルパレス】
剣による決闘を行うチーム戦で、こちらは幽鬼と玉藻のドラマが面白かったです。
エコーロケーションによって視力のハンデを補う幽鬼ですが、目の前の敵が愛弟子・玉藻であることに気づかないまま戦いを進め、佳境に差し掛かったところで自らの正体を明かすという心理戦が秀逸でした。
目が見えないことはハンデである一方、見たくないものまで見ずに済むというメリットもあり、玉藻はあえて自分の存在を明かし、幽鬼の精神を揺さぶる。
互いを知り尽くした師弟だからこそ成立する心理戦が面白かったです。
そして、その関係の結末はセンセーショナルでした。
弟子として指導する中で情が芽生えてしまい、その喪失に耐えられず破門にした玉藻を、最後には幽鬼自身の手で殺すことになる。
最後の殴り合いでは、玉藻を通した自身の虚像に向けて殺意を向けており、トドメを刺した後でさえ、玉藻の死を正面から受け止めきれない幽鬼の姿が切ないです。
【総評】
今回は両ゲームともに充実した内容でした。
幽鬼の視力低下にフォーカスした巻でありながら、「手に入れたことで失ったもの」というテーマが通底していたように思います。
ゲームから抜け出せたことで命を繋いだものの、生きがいを失った鈴々。
弟子を取ったことで芽生えた友情と、より深い喪失を味わうことになった幽鬼。
視力の低下が、自らの心情から目を逸らすことのメタファーとして機能しており、身体的な変化と精神的な弱さを重ね合わせています。
ゲームとキャラクターのドラマが相乗する構成がよく練られており、シリーズの中でもかなり楽しめた巻でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2巻はスクラップビル編、ゴールデンバス編。
両編ともに御城とのやり合いが描かれる。スクラップビル編では、幽鬼が決して聖人ではなく、好感度が大事なゲームだから助けているという感じで逆にキャラクターとして好感が持てた。ゴールデンバス編は幽鬼の30回目のゲームで、30回付近でのリタイヤが多いという呪いを打ち破る。またゴーストハウス編で生還できなかった金子の親が、ゲームを主催する組織を探そうとする動きも見せて、そういう方面からも物語が進んでいくんだろうか。次巻のゲームはクラウディビーチと予告されていて、これが今度劇場公開されるやつなので、面白いんだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ賞金が出るデスゲームに参加する少女たちの様子を描く。主人公はこのデスゲームで得た賞金で生活している幽鬼。1巻ではゴーストハウス編、キャンドルウッズ編が描かれる。
アニメを見て興味を持って読んでみたけど、結構雰囲気が違う。幽鬼の心情が地の文で語られるからだろうか。話の構成も面白いなと思った。最初に出てくるゴーストハウス編では幽鬼は28回目のゲームとなっていて、このゲームがどういったものなのかがよく分かる。そしてその次のキャンドルウッズ編では、何故幽鬼が99回クリアすることを目標にしているのかが描かれる。「死亡遊戯で飯を食う」というタイトルを1巻の最後に回収するという展開が綺麗だった。変わったデスゲームものではありつつも、師匠である白士の意志を継いで、デスゲームに挑んでいくという王道展開で、ゲームの内容や衣装がどうなるのかという楽しみもあって良いシリーズだと思った。 -
Posted by ブクログ
【久々のデスゲームで安定の面白さだった】
前巻、前々巻とゲーム外の話がメインで物足りなさを感じていたが、久々のゲームで内容も安定の面白さだった。
幽鬼の身体の状態がゲームを重ね危険な中での意外な展開でいい意味で裏切られたし、サブキャラごとの物語も描かれており読み応えがあった。
99回クリアに関する特典や、それを目指す組織についても描かれ、物語の幅を広げており次が気になるようになっている。
幽鬼の状態やゲームクリア回数的には佳境のようにも見えるが、99回クリア特典や運営の目的、その他のキャラの物語など、まだまだ描けそうな部分もたくさんあるので、今後も楽しみ。