あらすじ
〈クラウディビーチ〉を乗り越えた私・幽鬼に、同時期に行われたゲームで参加者の大半が殺害される惨事が発生したとの報が舞い込む。
かつて出会ったプレイヤー・毛糸とともに調査へ繰り出し、『殺人鬼』の再来を私は知る。
いずれ訪れる邂逅を覚悟していると、さらなる凶報が訪れる。
それは〈キャンドルウッズ〉で消えない傷を刻まれた右目の動向を伝えるもので……?
おまけに近頃は夜間学校のクラスメイトからも監視されていて心配事は山積み。
そんな中で私が挑むは、生者と死者の行き交う夜〈ハロウィンナイト〉。
ある時は学校帰りに。
ある時はカボチャ畑で。
我らその身が朽ちるまで、死亡遊戯で飯を食う。【電子限定!書き下ろし特典つき】
MF文庫Jライトノベル新人賞《優秀賞》受賞作!
前人未踏の連勝記録を目指す少女の生き様を描いたデスゲームもの。
裏社会でたびたび行われる平均生還率7割のデスゲーム。
なんとなく、漠然とそれに参加し、その賞金で生計を立てていた社会能力ゼロの少女・幽鬼(ユウキ)。
少女はとあるゲームに参加した際、志半ばで倒れた師匠の意思を継ぎ、未だ誰一人として到達したことのない99連勝を目指すこととなる──。
本作は幽鬼のドライで俯瞰した視点から淡々と描かれる、既存のデスゲームものとは一線を画すものとなっている。
過激なスプラッタ表現はほぼナシ、絶望や恐怖による感情の揺さぶり、パニック要素もほぼナシ。
そのような場面は読み手の想像に委ねる形でライトにしつつ、冗長にならない文章に仕上げられている。
また、プレイヤーは全て美少女であり、毎度異なるコプスレをしてゲームに参加となる点はいかにもラノベ的。
しかし、キャッキャウフフな要素には乏しく、大半の少女はあっけなく退場していく点は非ラノベ的。
人の死すらもあっさりと扱い、もはや無機質ともいえる程淡々としたその内容は、独特の緊張感を醸し出し、気になる先の展開にページを捲る手が止まらなくなる力を持っている。
デスゲームものラノベとして非常に挑戦的な本作。試してみてはいかがだろうか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
死亡遊戯に挑む人間の日常、だったか。
いつかのあとがきで語られた本作が、
ぼくらが通常考える日常パートに
少し寄り添ってくれた感覚。
ゲーム自体は1回分しか描写なかったし。
次の巻以降のアップをしつつ、
幕間の日常パートっていいねって思われてくれて、
満足しました。