ニー・ヴォのレビュー一覧

  • 歌う丘の聖職者

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    「塩と運命の皇后」に続く待ってましたの第二弾。中編が二編収録されていて、ファンタジー度と言うか、“物語”度がぐっと増しているように感じる(「塩と運命の皇后」が物足りないというわけじゃなく)。
    特に表題の「歌う丘の聖職者」は、青春であったり、友情であったり、小さい時の思い出だったり、相棒のヤツガシラ(鳥の形態をしている)=オールモスト・ブリリアントとの関係性だったり、主人公のチーのバックボーンと共に、物語自体の世界観が興醒めにならない程度のいい塩梅で垣間見え、物語の可能性が広がったように思う(今後も含めて)。
    また、ふとした一言が、多くの示唆や意味を含んでいるのも読んでいて楽しい。決して涙を流し

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    2025年09月17日
  • 塩と運命の皇后

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    最近こういうのは読んでなかったのだけど、カバー絵が素敵だったので買ってしまいました。トラと同じ気持ちで、それで?それで?って次の展開が気になって一気に読みました。帯にも書いてあったけど、「皿のように平らな顔」ってのは、我ら平たい顔の一族のことかね。

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    2024年07月29日
  • 歌う丘の聖職者

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    歴史(民話)収集のために旅する僧と喋る鳥。
    がっつりとしたファンタジーだった。
    「塩と運命の皇后」の続きらしい。読んでない。読まなくちゃ。

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    2025年09月21日
  • 塩と運命の皇后

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    1本目は読みにくく、「これは挫折するかも」とすぐに思いました。
    でも内容は、皇后の辛酸を嘗めた歳月の長さを肌で感じるようだったし、舞台となる架空の世界も、西洋よりは私たちにもう少し近い国の話のようであり、なかなか味わい深かった。
    2本目は逆に、どうなるのか先が気になって一気に読めました。聖職者たちと一緒に焚き火を囲み、その話に夢中になって耳を傾ける1人になった気分になりました。

    夜に読んだのも良かったのかもしれない。
    時間がたっぷりある時に、気長に読む本かなぁ。

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    2023年08月03日
  • 塩と運命の皇后

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    ネタバレ

    二篇のうち、一篇目「塩と運命の皇后」は、幻想文学的でわたしには少々難解だった。聖職者チーと記録する鳥や、老女ラビット、その所有する思い出を纏った小物の数々から語り出されていくひとつなぎの話たち、その中で語られる皇后ーーパーツは魅力的なのだが、どうも好きになれそうにないような味で、これが賞を取るならヒューゴー賞も寝ぼけたものだと思ってしまった。しかし、二篇目「虎が山から下りるとき」は三姉妹の虎とチー、スーウィー、古代象の緊迫感、語られ、次第につよくただされていく物語に、ぞくぞくした読書の楽しみを思い出させてもらった。物語の注にもあったので書いてしまうが、雌虎と学者の卵の女学生の恋、スーウィーがチ

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    2023年06月07日
  • 塩と運命の皇后

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    2021年のヒューゴ賞中長編部門を受賞したファンタジー作品。著者であるアジア系アメリカ人女性の描き出す世界は中国やチベット、中央アジア、小アジアに近いような世界観で、まだ亡霊や人に変態する虎や、古代象(マンモス)などが普通に出てくる。内容的にはタイトル作の「塩と運命の皇后」と「虎が山から下りるとき」の二編がおさめられている。主人公となる大寺院の聖職者、チーが物語を語り、そして物語を聞いて記録することを職務としており、その行為が二篇とものキーとなる。魅力的な物語(の中の物語)と、エキゾチックな世界観に、続編の刊行を望まずにはいられない。

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    2023年03月28日
  • 塩と運命の皇后

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    ネタバレ

     こうした枠物語は大好きです。
     一遍は物語りを聞き取る。
     もう一遍は自らが物語を語る。

     カターサリットーナーガラやマハバーラタ・アラビアンナイトがお好きな方にお勧めしたい一冊です。

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    2022年10月18日
  • 塩と運命の皇后

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    ファンタジー世界のなかで語られる伝承や伝説を聞き取るという、入れ子構造のような濃密なファンタジー作品集。

    舞台となる現在の時系列のファンタジーの世界観ですら全容が語られていないのに、さらにその世界のなかの伝承や伝説にフォーカスを当てます。
    書く側からするとかなりの想像力と強固な世界観が必要となる作品に違いない。

    それなのに作品の世界観に破綻を感じることもなく、自然と話に入っていけました。
    何気ないふうに物語は展開していくけど、実はこれって相当すごいことをしている作品なのではないかと思います。しかも中・短編のページ数で……

    収録作品は2編。追放された皇女の伝説をかつての侍女が語る表題作と、

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    2022年11月15日
  • 塩と運命の皇后

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    きっとこれから長く続くでしょう。
    翻訳がチョット残念に感じる。
    英語をカタカナで表記していることに意味があるのだろうか?

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    2022年10月14日
  • 塩と運命の皇后

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    これはこれは極上のシノワ風味ファンタジー。転生したら後宮の悪役令嬢みたいな流行りのエセ中華とは違います。
    2編の中編からなり、これがほぼデビュー作とちうから恐るべし。歴史伝承を記録する役割で各地を旅する年若い聖職者チーを中心に、愛と裏切りの逸話が語られていく。
    世界観や道具立てもよいが、女性が徹底的に主役であるところがうれしい。時には女つーか雌虎と愛を交わしたりね(姿は人だが)。
    これは漫画にするなら、諸星大二郎先生にオドロエロく描いてほしいわあ。

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    2022年09月28日