雨宮純のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ気がついたら読み終わっていた。あまり触れることのないカルト組織や陰謀論の内情を垣間見ることもでき、とても興味深かったです。
個人的にセオリー2の部分が最もおもしろかったです。
カルトに人を引き込み過激行動を起こさせるプロセスは戦時の政府のプロパガンダ、ネットの女叩き扇動と構造としては同じだと理解でき、最近のネットの男女対立ら社会保障費を盾に老人を殺せとか言ってる人々にモヤモヤしていたが、自分の中で冷静に分析できそうな気がした。(もちろん現実問題として人口推移や社会情勢の変化に基づき社会保障や医療のあり方を変える政策議論が必要なのは別論で、出来るわけもないのに老人は今すぐ死ねとか馬鹿の一つ覚えみ -
Posted by ブクログ
カルトという言葉を聞いて思いつくのは、さまざまなイメージであるが、基本的にはオウム真理教や法の華など、社会に有害と言える活動をする熱狂的集団を思い浮かべるだろう。カルトは世界や自分の人生を変えられ、何か大きなものと繋がれる教義を作り、発信する。それが特定の悩みや被害者意識と結びつき、拡大される。特定の敵を作り、コミュニティ内で人間関係を作り、外部との違いを強調し、ゲームではなく、新しい現実であると演出し、アイデンティティに昇華させていくそのメソッドは極めて興味深いと言える。ちなみに、真実に目覚めることを、マトリックスの映画にちなんで、レッドピルを飲むと言うらしい。アメリカのオルト・ライトの人た
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Posted by ブクログ
「スピリチュアル好き」の方も、
「スピリチュアルちょっと苦手」な方にも読んで欲しい一冊。
ところで、みなさん、「スピリチュアル」や「引き寄せの法則」や「風の時代」や「思考は現実化する」や「癒し」や「ヨガ」や「自己啓発」や「成功哲学」や、、、のルーツってご存知でしょうか?
「好きでやってるけれど、実は知らない」方が結構多いのではないでしょうか。
私の場合、10年以上、精神世界を探求し続けてきて、
「こことここ、繋がっている!こことここも繋がっている!
別々の立場の人が、結局同じことを言ってる!
どうもみんな、地下水脈で繋がってるんじゃないか?」
と気がつき始めて、色々調べ始めると、
ほぼ全ての分 -
Posted by ブクログ
主にニューエイジを中心とした,現代に蔓延る陰謀論の構造を独自に読み解く。陰謀論といってもその種類は膨大で,本書はその一部に過ぎないが,現代への影響力が大きいものに絞っている。
普段手につけるタイプの新書ではないが,以下の点が優れていると感じた。
・20世紀後期から現代に至るまでの流れを独自に整理している,単純にこの手の成果は貴重
・補助線の引き方が良く,一見理解し難い概念を理解する手助けとなっている
・ところどころ陰謀論に対する警告を発しており,知的好奇心だけで進まないようにしている
・(個人差あり)感情のバランス感覚がちょうど良く,陰謀論者の過度な全否定ではない,あくまで敵は犯罪で -
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Posted by ブクログ
コロナ禍になって、ワクチンを打つと5Gに繋がってコントロールされるという陰謀論者たちの存在が急にSNSなどで目に入るようになってきたように思う。彼らはいったいどのようにしてそんな思想を持つようになったのか、その思想はどこから来るのか気になって本書を読んだ。陰謀論そのものの話は全381ページ中322ページからだが、そこに至るまでの膨大な裏・思想の歴史が、300ページ近くを使って述べられている。「陰謀論には陰謀論の歴史と蓄積がある」のだ。
大量生産・大量消費社会に対抗するものとして生まれたカウンターカルチャー、そこに含まれていたスピリチュアルな部分が発展したニューエイジ、そしてニューエイジ的な思想