小沼理のレビュー一覧

  • 共感と距離感の練習

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    「はじめに」を読んで、まさに「あぁ、わかる」と思ってしまい、とても気になっていた本

    著者の性的指向はもちろんこの本を読む上で切り離せないのだけど、異性愛者の女性であるわたしが読んでも「わたしも知っている感情だな」と思う心の揺れをたくさん見つけた
    その「わたしも知っている感情だな」と「わたしには知り得ない葛藤があるのだろう」が読書中ずっと混ざり合ってて、まさに、共感と距離感の練習や

    どうか、この本のセクシュアリティの部分だけが一人歩きして伝わってしまいませんように
    それはすごくもったいないことです

    自分の価値観や感情の「揺れ」の部分を人と話すことってあまりない うまく言葉にして話せないしわ

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    2025年02月03日
  • 共感と距離感の練習

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    シスジェンダーのゲイである著者による、クィアにまつわるエッセイ

    LGBTQとして一緒くたにせずにそのグラデーションをしる、なんてことは当然で、
    この本は、そのグラデーションの深さ多様さをまざまざと見せつけてくる
    普通などないのだし、異性愛者と言われることにドキリとした違和感を感じることから始めるしかない

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    2024年09月01日
  • 共感と距離感の練習

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    大部分でマジョリティ側である私の言動は、何度も誰かを誤解し、理不尽を押し付け、傷つけたまま突き放して来たんだろう。怖いと思ったし、このままじゃだめだと思った。もっと知りたいし関わりたい。

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    2024年08月24日
  • 共感と距離感の練習

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    決して”わかる”とは言えない、けれどわかりたい、そんな気持ちをずっと持っているからこそ、当事者のエッセイに触れて自分で考えること、感じようと思うこと、そんなことを続けていきたいと思った

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    2024年08月05日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    ネタバレ

    2020年からの3年間は、ゆっくりと、でも確実に日本が良くない方へと向かっているような実感を国民に芽生えさせたと思う。そんな3年間の一部を筆者が日記として綴った本。

    当時の自分は何をしていただろうか、と重ねながら読む部分もあったし、(自分も当事者なので)差別される側としての気持ちに共感できるところもあった。何より良かったのが、筆者の普段の生活や考えなどのパーソナルな部分に触れられたことだと思う。日記を読むということは本棚を見たり音楽の趣味を知ったりするのと同じように、その人のことを知れているような気がして楽しい。

    以下、好きだった本文。
    「世界が最悪の方にどんどん向かっているようで鬱々とし

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    2023年08月17日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    ネタバレ

    タイトルと表紙で選んだら大当たり。すごい良かった。ゲイのひとなんだー、と途中で気がついて表紙をよく見たら確かに。いろいろ違いそうだけど、近いところもありそう。ごはんの話で殿方二人暮らしのメニューだなって。

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    2023年01月28日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    誰かの日記は自分とは異なる現実や日常であって、それを読むことはそこには書かれていない自分のそれらの輪郭も浮かび上がるような気がする。そこには他者がいて、その人の人生がある、ということはなにか救いのようなやわらかな光のような暖かさを感じる。
    パートーナーや家族のことが書かれている日記には嫉妬ではないけど、羨ましさもある。それは自分が一人暮らしが長いからなんだろう。
    日記は過去のことしかないから、当時感じていた著者の気持ちや考えが読むと今に孵化するように読み手の中に入ってきて、少し混ざる。時間軸がいくつもある、そんな多様性や多幸感があるように思えるからページが少なくなってくると少し寂しくなった。

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    2022年11月05日
  • 共感と距離感の練習

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    冒頭で共感についての態度を書いてくれているおかげで、丁度いい距離感で読むことができた気がする。
    丁度いい距離感と言っても、読み進めると筆者のかかえる「あわい」の中に自分もいるようの感覚に何度かなる。
    安易な共感に対して筆者が思うことなど、丁寧に語ってくれているにも関わらず、やはりスイッチは切れないのだなと。
    しかし、そのための練習として本書があるんだろうと思うと、なんだかしっくりくる。

    アナキズムの実践の話、観光のクィアパレードの話など興味深く、そして最後の「あるいは」は、この文章を本書で読めてよかったと思った。

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    2025年07月12日
  • 共感と距離感の練習

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    わかるかも、と思うことがよくあることを悩んでいて、分かるわけないのにそんなふうに言われるのも、言うのも嫌でモヤモヤしていた頃に出会った本。
    自分より少し年上の人もそんなふうに揺れながら考えて生きているということが、私を少しホッとさせた。自分もこの揺れる気持ちを持ちながら過ごしてもいいんだなとか、そんなふうに思えた。
    東京レインボープライドの話が印象的だった。商業化されすぎていること、スポンサー企業のブースがずっと活動している団体よりも大きいことなど、自分も参加したことがある手前、そう思わせている一因だったのかも。
    だからどうするとかそういうわけではないけど、そういうふうに思っている人がいること

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    2025年05月06日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    1992年生まれのゲイ男性のライターである著者の2020年から2022年にかけての日記を集成。コロナ禍や東京オリンピック、安倍元首相銃撃事件などで揺れる時期の日々の生活や思いを綴る。
    自分も日々生きている足跡を残すという意味で日記はつけるようにしているが、他人の日記をじっくりと読むというのは今回が初めてで新鮮な体験だった。この時期、自分は何をしていたかなと重ね合わせながら、著者の日々の暮らしや思考に没入していく感じで、とても面白く読み進めた。
    著者には共感する部分も、自分はそうは思わないかなと感じる部分もあったが、自分自身や社会に対して誠実に向き合っている人だなという印象を持った。日々の出来事

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    2025年04月23日
  • 共感と距離感の練習

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    わかるなんて簡単に言えない、わからないとも言いたくない
    帯にある通り。
    いない、見えないもの、人たちにこそ目を凝らす。その声に耳をすます。
    あれこれと考える。

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    2024年10月31日
  • 共感と距離感の練習

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    読みやすかったです。

    むやみに分かるのではなく、分からないけれど分かろうとすることが大事なのかなと思いました。

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    2024年10月27日
  • 共感と距離感の練習

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    私はおそらく普通より共感力が高い人間で、若いころはとくに、そういう性質により心が苦しくなることも多々あった。
    歳を重ねるごとに「自分と他人のあいだにきちんと境界線を引くこと」を心がけるようになったけれど、元々の性質はそんなに変わっていないと思う。
    でも、共感する、ということについて深く考えたことはそんなになかった、と本書を読んで思った。自然発生的に起こってしまうもの、と捉えていたからだ。
    女性はとくに共感だけで数時間話せてしまうようなところがあるけれど、「わかるわかる」と言いながら、その「わかる」について深掘りすることはほぼない。

    著者の小沼さんはLGBTQのQにあたる、「クィア」に属するセ

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    2024年10月01日
  • 共感と距離感の練習

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    ネタバレ

    シスジェンダーヘテロセクシャルとしてゲイの方の感性、苦悩を知ることができました。とはいえ著者も申している通り「この発言がゲイの当事者の1人の意見であり、総意ではない」ということを気をつけながら読みました。
    一つ一つのエッセーで考えさせられる。特に企業とLGBTQが絡んでビジネスにされてしまっているところと、ryuchellの件。

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    2024年09月30日
  • 共感と距離感の練習

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    表紙とタイトルだけで本書を手に取ったので、想像していなかった内容に戸惑いました。
    普段気にもしていなかったけれど、自分が圧倒的に大多数側に分類されること、それでも日常で自分と異なる立場の人に対する差別的な態度に接すると自然に怒りが湧いてくるのだけれど、それはここでいう「わかる」には、到底当てはまるものではないのだと思う、そういうことを考えたりしました。

    自然に書かれている単語や表現にも分からないことが多くて検索しながら読みました。
    こんなにも知らないのは、きっとそれらにこれまで触れてきても気づかずに通り過ぎてきたからで、それが「無関心」ということなのだと思いました。

    ではどう考えればいいの

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    2024年09月16日
  • 共感と距離感の練習

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    マイノリティであること(とそのために経験してきた困難)が、著者の思考をこんなに深く、深いのだけどたくさんの方向に目配せするようなものにしているのかなと思った。

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    2024年08月13日
  • 共感と距離感の練習

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    人に共感するにあたってこういうことが大事だよ、とわかりやすく示してくれるものではないが、この一冊を通して、人と自分を重ねたり共感したりする時の姿勢や語り口をたくさん見せてくれる本だなと思った。

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    2024年07月15日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    例によって予約はしてあったものの時間がたっていて何の本か覚えていない。

    読み始めて、なんで30前後の人の日記に付き合わなくてはいけないのか、と思う。

    「恋人」と食事をして、、、なんて書いてあって、違和感を持つ。

    「セッション22」「LIFE」「オーバーザサン」に、自分と同じ傾向を感じる。

    コロナ、五輪等への発言も。痔ろう、肛門周囲膿瘍になったことも!

    ある瞬間に、著者が同性愛者であることがわかる。「恋人」のこと。

    そしてややあって、著者が男、つまりゲイであることがわかる。



    そういうことだったか。

    ゲイの立場から社会を見る青年のコラムだったのだ。

    同性愛者に厳しすぎる日本社

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    2023年06月14日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    コロナ禍始まった頃から、2022年8月頃までの著者の日記。
    タイトルに惹かれて読み始めて、コロナ禍こんなんだったなあとか思い出しつつ、コロナ禍に対する著者目線を感じつつ興味深く読んでました。
    なんですが、著者がLGBTQの活動をされているということが結構書かれていて、なかなか一人の行動で世の中を変えていくのは難しいものだなあという感想を抱くとともに、自分はあまり今の政治に対して税金高いなあとか思うことはあっても、それほど暮らしにくいと思ったことはなく、政治に関心がないのだなあと気づかされたりもした。
    料理の描写もたくさん出てくるんですが、野菜しっかりとっててえらいなあと思ったり、ライターという

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    2023年04月26日
  • 1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい

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    8年前から日記を書いている自分としては、人の日記に大変興味があった。
    また、限りある時間の使い方 を読んだ後、このタイトルに惹かれたのと、娘が読んでいる、non-noに出でいたから、早速読んでみた。

    小沼理さんはしっかり生きている方なんだなぁと。仕事柄とはいえ、本を読んで、映画を観て、芸術を味わって、料理をして、人と交流して、世の中に対して意見をもっていて。上滑りじゃない、生き方。

    ただの日記じゃない。

    軽い言葉になるけど、人間として深い方だな、って思った。

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    2023年02月04日