新藤悦子のレビュー一覧

  • トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く

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    ネタバレ

    馴染みの無い、イスラム教。
    子供向けに書かれた本だが
    大人が読んでも勉強になるし面白い。

    イスラム教徒の五行(ごぎょう)
    信仰告白、礼拝、喜捨、断食、
    そして5番目の巡礼(できる人がするという条件付きの義務)の実際について
    分かりやすく書かれており
    イスラム教徒にとってのメッカ巡礼の重要性に触れることができた。

    イスラム歴は月の動きに基づいた太陰暦であり、
    太陽暦である西暦より毎年11日程前にずれること。
    そのため、イスラム歴第9月の断食月は
    夏の年もあれば冬の年もあること。

    などなど、知らないことばかりで
    興味深い内容だった。

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    2025年05月06日
  • アリババの猫がきいている

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    外国で産まれた物の身の上話を通して、その国をのぞいたような気持ちにさせてもらいました。
    アフガニスタンは依然、混乱が続いています。古都ヘラートで作られるヘラートグラスの工房も次々閉まっていく中で、作中のグラスは外の世界へと送り出されました。グラス工房の娘さんが、グラスに語りかける言葉が印象的でした。その身を以って、まだヘラートグラスを作っている職人がいるのだと、世界中に伝えておいで、というのです。世界中で苦しむ人にとって、職人が力を尽くして作った美しいヘラートグラスの存在は、希望を届ける存在でもありました。

    目の前にある物の向こうに、それを作った人たちの存在を感じ、作られた場所へ関心を持った

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    2022年03月06日
  • アリババの猫がきいている

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    現代ニッポンが舞台ですが、アラビアンナイトのよう。
    民芸品店のモノ達が、猫のシャイフに語る物語。その中から、難民の少女の想いなど、今の時代が垣間見える児童書ですね。

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    2020年03月13日
  • ヘンダワネのタネの物語

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    国際理解のもう一歩先に踏み込んだ感じかなぁ。
    いつも絵を描いていて「ヘン」といわれる直と、ヘンなガイジン扱いされたくなくて、ペルシア語を話さないイラン人のアリ。
    日本でまわりに溶け込んでやっていくのに、イランが好きなことを隠していたり…。
    いろんな葛藤があって胸が痛いです。
    人を理解しようとする気持ち。本当は、皆持ってる筈なのに、現実ではそうでなく、生きにくさを感じるって、悲しいですね。
    直とアリの素直な言葉と真っ直ぐな気持ちがまぶしかったです。
    「ヘンダワネのタネの物語」。
    タイトルが秀逸!と思いましたが、本の中からいろんな色や鮮やかでキラキラした世界が飛び出してくるようで、ステキでした。

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    2012年11月22日
  • トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く

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    メッカ巡礼について知ることができる、子ども向けとしては貴重な本。イスラム教については理解が広がってきたが、メッカ巡礼については、たくさんの人が集まって祈るというくらいの知識しかないのではないか。
    傑作集としては2023年の刊行だけれど、たくさんのふしぎに載ったのは2007年。大筋には問題ないが、その間にトルコ社会が変わったところもあるので、大人は把握しておく必要がある。

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    2024年07月13日
  • トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く

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    どの国でも、それぞれの人が日常を生きている、日本とは異なる文化や価値観の中で生活をしているということを知ることで、フィルターのない視点というものに近づけるのはではないだろうか。
    トルコの暮らしや文化、イスラムの人々の生活を知る本として、とても良い本だった。たくさんのふしぎの本に共通する、子供を子供扱いするのではなく、子供を尊重している故の優しい作風も安心できる。挿絵やレイアウトもきれいで読んでいてわくわくした。

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    2023年10月31日
  • アリババの猫がきいている

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    難民問題や言語・見た目の違いなどを盛り込みながらも、視線が優しいので穏やかに読める。ストーリーはもちろん面白いんだけど、異文化や他国の事情に興味を持つきっかけになる本だと思った。ゆっくり誰かの何かの物語に思いを馳せること、忘れないで生きていきたい。

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    2021年09月30日
  • アリババの猫がきいている

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    東京で暮らすイランの言語学者アリババさんは、ふとした縁で生後4ヶ月のペルシャ猫シャリフを飼うことになりました。実はその猫はイランのバザールで「長老族」と呼ばれている猫の末裔で、人間の言葉を理解することができました。また、アリババさんは子どもの頃猫の言葉を理解していたことを思い出し、シャリフと話すことできるようになりました。さて、アリババさんが海外出張で留守にする間、シャリフは知り合いの民芸雑貨の店に預けられました。そこでシャリフは、人だけでなくモノの話も理解できることがわかり、店のモノたちが語る物語を聞くようになりました。それこそ「バザールの猫」の力だったのです。

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    2020年03月22日
  • ヘンダワネのタネの物語

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    同じマンションに住む、小五のアリとナオ。
    アリはイラン人でサッカーが得意、ナオは絵を描くのが大好きな女の子だが回りからは変人扱いを受けている。

    同じマンションに住みながら、二人に接点はなかった。
    が、アリの両親のどうにもならない都合により、アリはナオの叔母が住む奥多摩に、ナオとナオの弟のダンと3人で泊まりに行くことになる。
    そこで、アリから初めて聞くイランの遊牧民が織るギャッベや、イランの料理に興味が沸くナオ。とりわけ、アリがギャッベの買い付けをしている叔父さんから聞いたヘンダワネ(イランのスイカ)のタネの話に惹きつけられた…。

    年々、日本で生活をする外国人は増えているが、彼らはそれぞれの

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    2019年12月17日
  • ヘンダワネのタネの物語

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    ネタバレ

    読メにて知り着手。児童書だし面白くてあっという間に読めたー^^変と言われることを恐れて本当の自分を隠すイラン人のアリと、変と言われても自分を貫き通すナオ。クラスメイトだけど特に接点のない2人が、ナオの伯母さんの家に泊まることによって急速に接近する。子供の言葉は率直で容赦がないからこそ傷付く。悪気ない言葉で大人でも傷付くのだから、柔らかい心の子供の傷、防衛本能どのくらいなのか。私は結構ナオに近くて、変わってるとよく言われ、今でも変と言われるけど、それこそ褒め言葉と思ってるし我慢してまで群れたいと思わない。それでもやっぱり異国の地で育つアリが「絵はやめられるけどイラン人であることはやめられない」と

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    2013年09月04日
  • ヘンダワネのタネの物語

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    絵ばかり描いていてヘンな子だと思われている小学生、直と、イラン人の同級生、アリのお話。
    不思議成分をふくみつつファンタジーではない現実のお話。
    ヘンダワネとはイランのスイカのこと。

    直と直の弟の暖とアリは直のおばさんのリコちゃんの家で一晩あずかってもらうことになる。
    ヘンだと思われてもひとりで絵を描きたい直と、ヘンだと思われたくないアリ。
    でも日本人の変わり者と、出自が違う異物の「ヘン」は同じ「ヘン」ではない。
    日本語が下手な親や祖国に対する複雑な感情、アリが語る魅力的なイラン、アリがおじさんにきいた物語。
    知っている世界と知らない世界と物語の世界が違和感なく溶け込んで、新藤悦子の物語世界に

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    2012年11月02日
  • イスタンブルで猫さがし

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    トルコの美しい猫、ワン猫。青と緑の二色の瞳を持ち、ワンという町にだけ住む、美しい白猫。
    ワン猫に会いたい!という口実で、父親の仕事赴任先イスタンブルにやって来た愛。教室では本音を言えない、友だちとわかりあえない、出る杭は打たれる…そんな気持ちから、まっとうな理由で日本から出ることを望んだのだ。

    イスタンブルの日本人学校で友達になった未来は、幼い頃から父親の仕事について世界を転々としている。
    そんな未来と、図書室で見つけた手紙。

    猫のイラストと、このワン猫に会いたかったら補習校のはやとの所に会いに来て、とある。

    愛と未来ははやとを訪ねるが、ワン猫はいなくなってしまった。三人はワン猫を探して

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    2016年08月21日