山本文子のレビュー一覧
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『作品によっては私自身にとって特別な意味をちょっと持っていたりするものもありますが、そのことは作品そのものには意味をもたらさないですし長編だろうと短い読切だろうと、自分が描きたいことはだいたい描けたから全部受け取ってくれくらいの気持ちで世に送り出しています』―『プロローグ 岸に残る者と夜明けに向かう人』
ヤマシタトモコが語る本をもう一冊。こちらは「違国日記」後に語ったロングインタビューをまとめたもの。やっぱりこの人の価値観のようなものが気に入っていると再確認。人は判り合えると簡単に総括しない、とは言え諦めている訳ではない。しかしそれを語る時には肯定と否定が逆になり、人とは解り合えるかも知れな -
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よしながふみの愛読者なら表紙からしてキュンキュンきてしまうこと間違いなしの丸ごと一冊よしながふみロングインタビュー。よくぞ企画してくれました。「あとがき」によれば最初は対談集が企画されていたということだが、途中でインタビュー本に変わったとのこと。編集者様、慧眼です。対談よりインタビュー本のほうが断然良いです。ありがとうございます。
生い立ちから連載中の「きのう何食べた?」まで時系列に沿って語り尽くされているのだが、なんといってもその時々に何を読んでいたかが惜しみなく列挙されていて目が釘付けであった。
ブリア=サヴァランの言を待つまでもなく、食が人を表すというのは普遍的に言われることであり、その -
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作者の生い立ちから始まり、読み切りを含めた発行当時のほぼ全作品についてのコメントがあり大変読み応えがある。長編でヒットが多いが読み切りにも印象的なものが沢山あるのでそういったものに関してこんなに詳しい話が聞けるとは思わなかった。
食べること、お金を稼ぐこと生活していくことに対してとても堅実で、そこに漫画がとにかく好き、という情熱を併せ持ってああいった作品群ができあがっていったんだなと。
自分が描きたいものを描くことと、読者が望む喜ぶものを描くことに対して色々と思案をめぐらしている姿が面白かった。キャラ造形に対してさらっとスラムダンクのカップリングで例えてくるので、もうそういうのをあまり気に -
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よしながさんのバックボーンとか考え方がわかって、「大奥」がああいう作品になったことに合点がいった。もともと「昨日何食べた」が友達から回ってきたことが出会いだけど、完全に「大奥」でノックアウトされた。
ほぼ同世代とお見受けしたのだけど、同じ時代を生きていたために、わかる、わかる!と言いたくなる部分と、飄々と壁をぶち壊していく馬力に、さすがです!と拍手したくなる部分もあり。
大学の頃、女性学を学んだとき、目を開かれた思いだったし、それ以前から早く働きたい、自分で自分を食わせたいと思っていた。
それが今、すっかり働くことにくたびれている。
給料が「仕事という我慢の対価」に成り下がっている。
いろいろ -
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全編語り下ろしの、よしながふみ初のインタビュー本。
幼少期からの半生、仕事観、作品の解説とエピソード等を、
詳細に、丁寧に語ってゆく。インタビュー担当は、山本文子。
第1章 漫画に心奪われて 第2章 夢に見た漫画家へ
第3章 BL誌でも、少女誌でも 第4章 解決しないことの中に
第5章 ドキュメンタリーのように 第6章 女性と仕事
第7章 一緒に歳を重ねて 第8章 ずっと漫画と
各章末に注。次作の作品解説有り。
幼い頃から積み重ねられた体験と経験が、
創作の糧になってゆく過程。人間関係とドラマ、料理と食事。
『ベルサイユのばら』『美味しんぼ』『SLAMDUNK』との出会い。
漫研と同人誌 -
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きのう何食べた?と大奥でよしなが先生に本格参入。
BLにはジャンルとしてはまらなかったので、読みはするけど…という感じでした。
でも、きのう〜にはまり、それまでも何だか気になる存在だったよしなが先生のこれまでをあらためて知り、先生がすごく漫画好きなんだ!そこに惹かれる要素があるんだと再認識しました。
あのひととここだけのおしゃべり の中でも、そのマンガ好きはいかんなく発揮されていましたが、本書でさらに実感しました。
自分とかぶる時期に「あの頃の」マンガを読まれていた…だから、自分の好みのマンガ、大人っぽい話を描いてくれる少し年下の作家さんなのです。最初は10個くらい年上だと思ってましたが、4つ -
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よしながふみファンのためのインタビュー本。
「西洋骨董洋菓子店」で面白い!と思い、気づいたらほとんどの作品を読んでいました。知らずにBL作品も買ってびっくりして本棚の奥に隠したのですが、結局あまりの面白さにドキドキしながら買い集めてした。。本棚の奥に。
そんなファンなので、この面白い物語を紡ぎだす人は何でできているのだろう??という興味の片鱗を満たしてもらった気がします。ブレなさもかっこいいし、二次創作とオリジナルのキャラクターに対する解釈の違いも面白かったです。
次の作品の構想もあるとのことで、楽しみにしています。
よしながさんの漫画を読みながらたまに読み返したいです。