T キングフィッシャーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マーラはちっぽけな王国の三番目の王女。十五の年から修道院でひっそりと暮らしていたが、あるとき、大国の王子に嫁いだ姉の苦境を知り、なんとか救いたい一心で手立てを探すうち、死者を操る墓守女のもとにたどりつく…
はい、来ました
わいの大大大大大好きーな、おとぎ話的ファンタジー!
誠実なだけが取り柄のマーラの仲間になってくれるのは、その墓守女と墓守女が使う魔物を宿した雌鶏
マーラが作った骨犬(ボーンドッグ)は忠実な友でもある
ゴブリン市で囚人となっていたフェンリスは屈強な元騎士で、マーラの大おばでもあるアグネスは妖精の血をひく教母(ゴッドマザー)
最後はアグネスによって発見家(ファインダー)と名付 -
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匿名
ネタバレ 購入済みかわいい表紙とは裏腹に重い!
可愛らしい表紙なのに中身はとても重たいファンタジーです。
パンに関する魔法しか使えないモーナ。それはクッキーを動かしたり、パンをふっくらさせたりなどにとどまっていたのですが、「魔力持ち」と呼ばれる人たちが次々暗殺される事件が起きてすべてが一変します。
命を狙われ逃げ回るモーナ。もう優しい日常には戻れない。魔力持ちはどんどん逃げるか殺されるかでいなくなる。なのに、残虐な敵が街に攻めてくることになった。モーナはどうする、というハラハラする内容です。
英雄になんかなりたくない、どうして大人がしっかりしていないの!というモーナの叫びが突き刺さる作品でした。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレあらすじだけを読むと、ラノベのような親しみやすさだが、実はとても深い物語。
十四歳の魔法使いモーナは、パンと焼き菓子にだけ魔法をかけることが出来る。叔母タビサのパン屋で働いている彼女は、ある日、店に少女の死体があるのを見つけた。異端審問官のオベロンは、モーナを犯人と断定するが、女公のとりなしでモーナは釈放される。だが、それはオベロンの陰謀の始まりだった。彼は女公の目を盗んで街から魔法使いを一掃し、傭兵集団カレックスを街に引き入れようとしていたのだ。
カレックスの集団が街に迫る中、女公の軍隊はオベロンの奸計ではるか遠くに遠征中。街にいる魔法使いはモーナただ一人。
モーナはパンと焼き菓子だけに使 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ北の小国の三番目の王女マーラは、15歳の時から修道院で暮らしている。彼女は大国に嫁いだ姉たちのスペアなのだ。それを忘れずに15年の時が過ぎて、マーラは2番目の姉カニアが、暴力に晒され、死に近い所にいることを知る。
彼女を助ける為に墓守女を訪ねるマーラ。彼女は墓守女に3つの試練を与えられるのだか。
お約束の御伽話のようでいて、全く違う方を向いているこの物語は面白かったです。
旅の仲間も癖が強いし、ゴッドマザーは祝福を与えているつもりで呪いをかけている。
優しい御伽話の中にある幸せは決して幸せではない。
そんな答えを私は出しましたが、他の人はどうだろうとも思う。
なかなか皮肉っぽいけれど、こ -
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物語の設定が、まず面白い。
何か一つのことだけしか魔法を使えない。それがこの世界の魔法使い。現実の世界でも、人は誰しも、大した役には立たないけど何か一つちょっとした特技を持っていたりするものだけど。それと同じかな、と思った。
きっと、どんな人のどんな個性も無駄と言うことはなく、みんな世界を救えるだけの価値を持っているんだ、と言うことなのかも。
ただし本書は、主人公モーナの明るさとコミカルな語り口に救われてはいるものの、けっこう重い話でもある。なぜか、ただのパン屋の娘が殺人の濡れ衣を着せられて逃げ回ったり、都市防衛の最前線に駆り出されたりしなければならない、この理不尽。街の魔法使いたちが協力して -
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Posted by ブクログ
SNSで「T・キングフィッシャーはいいぞ」という声を見て、「そうなのか~」と手に取ってみた一冊。ジャンルは児童文学/ファンタジイで私のような読書ライト勢でも気軽に手が出せ、そしてとても面白かった。 主人公は、パンに関する魔法を使える14歳の女の子。元気いっぱいのパン職人で、物語は彼女の一人称で語られ、その語り口は思わず「お嬢ちゃん」と声をかけてしまいそうなほどあどけない。でもこの小説、パン屋の厨房で身元不明の少女の死体が転がっているところから始まる。誰もが寝静まっている早朝、主人公は厨房で死体と二人きり。Ohかわいそ……でもSAWよりはマシか。知らない場所に拉致されているわけでも、拘束されてる
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Posted by ブクログ
入り江の小国の三番目の姫マーラは、北方の大国に嫁いだ姉姫が窮地に陥っていると知り、姉の結婚相手である王子を殺すため墓守女を探す旅に出る。骨でできた犬、無愛想だが面倒見の良い墓守女、ゴブリンに囚われていた戦士、祝福が苦手なゴッドマザーを連れ、マーラは強固な魔法に守られた強大な北方王国へと向かう。ヒューゴー賞受賞ファンタジー。
てっきり児童文学かと思って読み進めたら、主人公のお姫様が30歳でびっくり。お姫様が若いとは限らないのは事実だけれど、30歳らしさも無かったので、修道院に居た年月をもっと短くして若い設定にしても良かったのではないかと思う。妊娠・出産についての話が生々しいので子ども向けには -
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Posted by ブクログ
早川書房さんのTwitter(現X)で知り、「たまには海外のファンタジー作品でも」ということで手に取ってみた。
舞台は、魔法が存在する中世ヨーロッパ(注:イメージ)。叔母のパン屋で働く主人公のモーナは、パンやクッキー生地に魔力を注いで上手に焼き上げたり、焼きあがったジンジャーブレッドを使役することが出来る等、「焼き菓子限定」で力を発揮できる14歳の魔法使いの女の子。
ある日の早朝、朝の仕込みの為に厨房へやって来たモーナは、そこで女の子の死体を見つける。モーナの話を聞いた叔母タビサの通報で2人の巡査が駆けつけるが、そこにはもう一人、異端審問官オベロンの姿が。そして、殺人の罪で連行されてしまうモ