鳥美山貴子のレビュー一覧

  • TRUE Colors 境界線の上で

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    ネタバレ

    どうしてお母さんになるのが確定なの?
    どうして女の子は甲子園に出られないの?
    どうして私の好きな人は男の人なのに、男の人と付き合ってるの?
    どうして女の人が家事をするの?
    どうして男なのに痴漢に遭うの?
    5テーマで主人公が変わる話でした。オムニバスってやつですかね。主人公の内面の言語化が異常に上手いな、という点でリアリティに欠けますが、テーマは分かりやすい。そしてテーマ自体はとても生々しかったです。

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    2026年06月16日
  • TRUE Colors 境界線の上で

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    私と同じ年代なら、この本のタイトルを見れば絶対にCyndi Lauperの名曲“True Colors”を思い出すだろう。いまこの本を手に取る中学生読者にもそのことを伝えたい。

    そもそも私が中学生時代に読書に求めたのは、ひたすら“背伸び”だった。友だちが読んでいた三島由紀夫を手に取り、文庫本で薄いからと読み始めた「午後の曳航」で登場する中学生たちの早熟さにしびれた。さらに日常的な中学生活に満足できない私は三島を読み進め、「金閣寺」は難しそうだからと手にした「仮面の告白」を読み、自分の手の届かない世界の存在を感じたものの、それが自分の身近にあるとまでは考えられなかった。
    つまり私にとって三島小説に描かれた世界は、現実感から隔離された“非現実”であり、私が並行して好きだった特撮テレビ番組と同様に空想世界の1つに過ぎなかった。

    他方でこの5編の短編集に登場する中学生は、あくまで普通。この本を読む中学生の多くは「ふつうの話じゃん」と思うだろう。たしかに登場人物たちは普通の家族や友だち関係の中で普通の中学生活を送っている。しかしそれだけでは物語にならない。そこに仕掛けられた、日常のなかに突如姿を見せた非日常(あるいは違和感)をどう受け入れるか。
    ある中学生にとってはすんなり受け入れられるかもしれないし、ある中学生にとっては成長痛のように軋みとなるかもしれない。だが読書がいいのは強制を求めないところ。そして読んだ者の心にそっと種を宿してくれるところ。

    5編のあらすじは載せられている。だが私なりに“日常”と“非日常”という視点から、各テーマの仕掛けに踏み込んで紹介する。
    1 To be a Mom:女子中学生が成長とともに避けえない生理(月経)、妊娠、出産がテーマ。中学生の私は生理は始まったけど、妊娠とか出産とか今から考えなきゃいけないこと? ましてや周りからこうしたらいいとかこうすべきとか言われなきゃいけないこと?

    2 三月のグラウンド:中学校の卒業式が終わった。香田さくらは中学生活のほとんどを硬式野球のシニアチームで練習に費やし、得意のナックルボールは全国大会レベルだと自信もある。でも高校に進むと女子は男子と一緒に甲子園を目指せない。それが決まりだから?

    3 親友のカレ:自己紹介でわたしは「大切にしているのは偏見をもたないこと」とみんなの前で言った。それを聞いてわたしを好きになってくれた彼とつきあい、ある日彼とは恋愛関係から友人になった。その彼が好きな男子ができて付き合うと打ち明けてきた。そのときのわたしの感情って、正直に言って偏見だらけじゃないの?

    4 ダイニングテーブル:わたしの家族って理想形じゃない。女性にばかり家事が押し付けられている。向かいに住む同級生の男子の家族はパパが2人。でも家事は分担制だし理想だなって思う。その男子にそう言うと即座に返された-「だれかんちみたく、とか。ガチで言ってんの?」

    5 ぼくと、体と。:中学生からはじめた電車通学。満員電車で身動きできない中で、誰かが「ぼくの尻とチンチンと金玉」(原文ママ)を触る。ぼくができることはいろいろ試した。でも今日もぼくは痴漢に襲われた。どうすればいい?

    読み終えて改めて表紙を見る。鎌谷悠希さんの女性のイラストがすばらしい。読む前は私も「目がきれいな女性だな」以上の感想はなかった。だが読後はこう思える-この女性はもしかしたら自分が将来出産することを素直に考えられていないかもしれないし、高校進学と同時に男女別になるスポーツを続ける気力が折れそうになっているかもしれないし、男子が好きな男子が同級生にいて自分にだけそれが打ち明けられているかもしれないし、家族のなかで自分だけがという不公平感を抱えているかもしれないし、痴漢にどう立ち向かうか悩んでいるかもしれない、と。少しだけ想像力が広がるようになった。

    5編を読み終えたら、シンディローパーの歌を、動画サイトで聞いてほしい。
    …But I see your true colors shining through/
    I see your true colors/
    And that’s why I love you/
    So don’t be afraid to let them show your true colors/
    true colors
    are beautiful like a rainbow

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    2026年03月21日
  • TRUE Colors 境界線の上で

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    シリーズ前作も大した切れ味のアンソロでしたが、今回もすごかった。今児童書やYAジャンルではかなり最先端の意識が描かれていますが、その一歩先を書く、という志を感じました。どれも良かったですが「ぼくと、体と」が選んだテーマもラストの切り方も一番凄かったかな。
    なぜ自分が痴漢に遭うのか? 顔か? と思って好みのタイプを顔でジャッジする自分の価値観に気付いてしまうなど、こういう言い方はよくないんですが男子主人公だからこその物語になっていて大変よかったです。性の話がサラッとした自然な形で出てくるのも男性作家だから可能なのかもしれない。

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    2025年09月29日
  • 黒紙の魔術師と白銀の龍

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    神社で見つけたトカゲ。捕まえてみると、ただの折り紙になっていた。確かに動いていたはずなのに…
    和紙で折られた折り紙が現代と古代を繋ぎ、子ども達の勇気、友情が試される熱い物語。

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    2023年04月13日
  • TRUE Colors 境界線の上で

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    ジェンダーを切り口にした5人の作家のアンソロジー。日常生活の中の題材ばかりで読みやすく感情移入しやすい。「ダイニングテーブル」が好きだった。

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    2025年12月09日
  • TRUE Colors 境界線の上で

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    生理がきたら赤ちゃんを迎えるため
    将来はママになって女の子はそのために家事を覚えなきゃいけないのか

    甲子園に出たいでも甲子園だけは男子だけ

    元彼と友達になって好きな人ができたと打ち明けられた相手は男子
    男子が好きだと知って冷やかす周り黙ってる相手

    家族の形はそれぞれ

    痴漢に会うのは女子だけじゃない
    だけど男子で痴漢に会えば声があげづらいけど勇気を出す

    日常の生活の思いの違い考えたかの違いジェンダーと言われていても声を上げづらい言いづらいことはたくさんある

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    2025年10月18日
  • 黒紙の魔術師と白銀の龍

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    児童書。
    以前よりオタク(?)が評価される時代になっていると思うんだけど、折り紙男子や植物男子はいまだに虐げられたりするのだろうか。
    好きなことにまっすぐな人は現代にも古代にもいて、それが作品中では折り紙で繋がっていくところが面白かった。
    事件っぽさを出すためか、警察やマスコミが少し出てくるけど、ここはファンタジーに徹してもらってよかったかなと思う。

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    2023年04月26日
  • 黒紙の魔術師と白銀の龍

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    折り紙とファンタジーどちらも楽しめる作品。白龍と黒鳥が戦うシーンは緻密な描写だったため迫力があった。
    だが、少し展開が早すぎるのでは?と思った。

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    2022年11月24日