借りたもの。
犯罪心理学者が、法務省で出会った犯罪者の傾向から、家庭環境からの影響……親からの教育――親が“良かれと思っていった・やったことが子に「呪いの言葉」となったもの――についてまとめたもの。どうすれば子どもが社会不適応を起さず、幸せに生活していけるのか?
各章では、犯罪や非行の事例を挙げ、親の教育がどうして犯罪や非行に繋がったのかを解説し、ではどうすれば良かったのか?――ifの話ではなく、これらから得られる教訓を提示している。
「よかれと思って」は親の自己満足にすぎない。
親の「確証バイアス」によって一方的な押しつけになっていないか?
親は親で、子育て方針が一致しているか……一致していなくても良いから、きちんと話し合っているか?
そして親子の信頼関係は重要である。
「みんなと仲良く」が個性を破壊する
×「みんなと仲良く」=「個性を抑えろ」
周囲の反応をうかがいながら生活している子は、自己決定力が弱い。
仲良くできないならどうすれば良いか?必ずしも合わせる櫃世も、仲良くする必要もない。
心理的距離のとり方を学んでいくこと。
役割で育てない――「お兄ちゃんだから」はいい迷惑。
本人の性質・個性に基づく期待ではない、外発的な要因で期待する声かけは、良い結果を生まない。
家庭の中でも起こる「刑務所化(プリゾニゼージョン)」……指示待ち、個性や積極性を失う。
ダメ出し&フォローが個性を引き出す。
程よいセンセーション・シーキングで興味を伸ばす。
「早くしなさい」が先を読む力を破壊する。
犯罪者にかけている事前予見能力。
それは発達のなかで身につけていくもの。
逆算して考える習慣づけ。
将来を考えさせる前に、現在の状況を理解する「内観療法」(これは本来、自分を知るための自己観察法らしい)。
困難を想定して対応力をつける。
バリエーション豊かな先読みができるようになるには、多くの事例を知ること。→体験、読書。
「頑張りなさい」が意欲を破壊する。
「頑張って」の言葉で意欲を持たせることはできない。
プロセスを褒めることで意欲は高まる。
学習性無力感は結果が出ないことを繰り返したせいであきらめてしまうこと。
「スモールステップ学習」で目標を小刻みにして、こまめに達成感を味わえる方法にする。
原因追及よりも「きっとよくなる」と希望を感じさせてあげること。
「何度言ったらわかるの」が自己肯定感を破壊する。
自分を大事にできない子どもたち。
肯定するというのは、ほめちぎることではない。
本人なりの努力や成長を認めることで、自己肯定感は高まる。
「行動観察」
幼少期に自己肯定感が低かった場合、課題の多い思春期以降に自己肯定感を高めるのは非常に困難。
「勉強しなさい」が信頼関係を破壊する
この章では拡大自殺に繋がった事例……
視野狭窄に陥っている子に他の選択肢があることを教えてあげなければならない。
「コスパ」で考えて行動している人なんてほとんどいない。
2008年にあった秋葉原通り魔事件の後、有名になった「無敵の人」……あれが最たるもの。
大事なのは、勉強の競争の結果がどうあれ、存在自体は尊重されるという価値づけ。
勉強につまづいたら「スモールステップ」で考える。
「気をつけて!」が共感性を破壊する。
人の感情を正確に認知できる、人の感情を正確に推測できることが出来ない……
「私はわるくない」――罪悪感があるからこそ、心を守るために合理化する。
親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげること。
反省ではなく、内省を促す。自分自身の心に向き合い、客観的に振り返って分析すること。
自分の気持ちに向き合う、ロールレタリングという方法。
過保護・過干渉になっていないか?
最後、「親のせいでこうなった」という人へ。
「毒親」「親ガチャ」なんて言葉もあるが、親のせいでそうなったとしても、生育環境を変えることも過去の自分の経験を変えることはできない。
その現実を受け止めて、これからどうしたいのかを考えるのは【自分】。
「親のせい」は事実であって、免罪符ではない。
犯罪心理分析はどうやって行われているのか、についても垣間見れた。心理テストや面接を通して「主観的現実」を解釈し、「行動観察」を行い、更生(罪を償うではないな)への指針を示す。