ベン H ウィンタースのレビュー一覧

  • 世界の終わりの七日間

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    確実に大量絶滅を引き起こす小惑星衝突まで半年となったところからスタートしたこの3部作。
    この作品ではついに衝突まであと1週間。一気読みでした。

    人はいつか死んでしまうけど、来週には確実に死ぬとわかったらどのように生きるのでしょうか?
    やっぱり「死ぬまでにやりたいことリスト」を作って自由にやるのでしょうか?
    元刑事のパレスのように最後まで職務を果たそうとするのでしょうか?(もはや仕事でもないけど)
    それとも侍のように今死ねる覚悟で今を生きるのがいいのでしょうか?

    ハードボイルドなプロフェッショナリズムを究極に押し進めた死生観を問うてくる名作だと思います。

    不覚にもラストで涙がぽろりと・・・

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    2015年12月23日
  • 世界の終わりの七日間

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    三部作完結編。発売を待ち望んだ本は久しぶり。
    あっという間に読み終えた。
    惑星マイアが地球に衝突するまであと7日。ヘンリーは妹ニコを探しに、仲間たちのもとを旅立っていた。
    終末の狂乱と狂騒を描いた2作目の時に比べると、ぐっと人びとが落ち着いている。落ち着いている街が舞台だったからかもしれないが、あと7日で地球消滅となったら、実際はこんなものなのかもしれないとも思ったり。
    諦め、達観、祈りといった静けさの中、ヘンリーは妹と再会できるのか。惑星マイアは本当に堕ちてくるのか。その時を誰とどのようにして待つのか。
    相棒として物語に色を添えていたフーディーニも皆勤賞で出演。

    謎が解けてその時を待つヘン

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    2015年12月19日
  • カウントダウン・シティ

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    いい・・・
    前作のひんやりとして靄がかかったようなノワール感も素敵だったけど、今回はホットかつ混沌という感じ。すべての要素が心許なく不安定。出処がわかりすぎているのに対処しようのない焦燥と狂気がじわじわと飲み込んでいく。

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    2015年08月29日
  • 地上最後の刑事

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    『半年後、小惑星と地球が衝突し、世界は終わる。しかし、新人刑事は捜査をやめない。』
    帯のこれだけでガッチリ掴まれた。中身も期待以上のノワール小説感。こんなセンチメンタルな人類滅亡があるのか。

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    2015年07月15日
  • 地上最後の刑事

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    「小惑星不景気」
    なんて素晴らしい造語なんでしょう!

    小惑星「マイア」が10月には地球に衝突するのが確実である事が判明した1月のある日。マクドのトイレで首を吊った男が発見される。
    厭世気分が蔓延する世界で、一見自殺に見える事件を掘り下げていく新米刑事。自殺する人間も多く、誰も事件に真面目に取り合わない中を主人公は地道に一つ一つ証拠を積み上げていく。この辺は全くオーソドックスな推理小説。設定がSFなだけ。
    終末世界には必然的に登場する宗教団体、地球脱出を真剣に考える輩、人類のエリートだけを極秘施設に囲う計画があると信じる人々、「マイア」を核攻撃すると息巻く危ない国。シュールな且つリアリティのあ

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    2015年03月26日
  • カウントダウン・シティ

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    本書は、先日読んだ「地上最後の刑事」の続刊です。

    あらすじは、かつてベビーシッターをしてくれた女性に頼まれ、失踪したその夫を探すという物です。
    そしてその過程で、社会の変化や何やらきな臭さを醸し始めた政府の動き、政府の企みを糾弾し、それに抵抗しようとするグループの存在や、そのグループに属している主人公の妹と主人公との関係が明らかになって来ます。

    事件捜査が主体となった前作とはまた違った感じですが、前作でもチラリと触れられていた意図不明の政府の動きが本作では徐々に重みを増してきており、これはこれで中々面白かったです。

    果たして人類に救済はあるのか、それともこのまま滅亡を迎えるのか。

    シリ

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    2015年02月08日
  • 地上最後の刑事

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    地上最後の刑事。

    まるで人類最後の一人(自分で言うのもなんですが、二重表現的ですね)と言った感じの題名ですが、その想像の通り、本書は6か月後に巨大天体が地球に衝突、人類は死に絶えるとの設定を持つミステリー小説です。

    この絶滅間際の世界において、主人公のアメリカ・ニューハンプシャー州・コンコード市の新米刑事が偽装殺人の真犯人を追うのですが、ここに徐々に進行する社会基盤の崩壊と、残された時間を本当にしたい事の為に使おうとする周囲とのギャップが加わり、ストーリーに深みが出ています。
    特に社会描写や主人公とその妹とのやり取りが印象的でした。

    ちなみに本書は作者のデビュー作にして3部作の1作目との

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    2015年02月06日
  • カウントダウン・シティ

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    77日後に直径6.5kmの小惑星が地球に衝突する確立が100%となった世界。3部作の2作目です。もと刑事のパレスが知人から失踪した夫探しを依頼されます・・・

    人間いつかは死ぬのでしょうが、はっきり終わりが見えたらどう生きていくのでしょうか。自分の周りでは、働き盛りの同期や先輩が、病気などでなくなっていく方が徐々に増えていっています。もはや他人事ではない年齢層に入っている自分としても、あと何年生きられるとして、あれをやろうこれをやろうなんて整理し始めています。
    でも、77日となると・・・じゃぁ半年後だったら、10年後だったら、明日だったらと考えさせられてしまうところが、ミステリーでもない、サイ

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    2014年12月07日
  • 地上最後の刑事

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    半年後、小惑星が地球を直撃し人類は絶滅に近い打撃を受けると確定したら、自分はいったいどうするだろうか?

    そんな世界で、自分の仕事を全うしようとする新人刑事の物語。映画「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」、クラークの「神の鉄槌」も小惑星衝突の危機を阻止する人々の姿を描いたSFでしたが、この物語はそんな状況下の地上の人々の物語。しかも自殺とも思える死因に疑問を抱いた新米刑事の地道な捜査を描くミステリーなのです。今年はロシアに大きな隕石も落ちて話題になったしもはやSFとはいってられないのですね。

    ほとんどの人は死ぬまでにやってみたい事をやるべく仕事をやめるか、酒か薬で紛らそうとするか自殺し

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    2013年12月31日
  • 世界の終わりの七日間

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    シリーズ三部作完結巻。小惑星の地球衝突まで残り一週間、主人公・パレスは唯一の肉親である妹の捜索に乗り出す―。SF要素を舞台設定のみに留め、大風呂敷を広げず、とことんハードボイルドミステリーに徹するバランス感覚がやはり絶妙。極限状態においても「地上最後の刑事」を貫こうとするパレスの愚直なキャラクターが三作品通してブレないのも良い。救いのない物語だが、終章の静謐なラストシーンは深い余韻を残し、コルテスの『あんたは何を見ても妹を思い出す』という台詞を改めて回収する技巧性も魅せる。最後に相応しい実に見事な幕引き。

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    2022年07月29日
  • 地上最後の刑事

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    半年後、小惑星が地球に衝突して人類は壊滅すると予測された世界での話。

    主人公は、そんな世界でも職務に忠実に地道に捜査を続けていく中で、そんな世界だから罪を犯してしまう人々と向き合っていく…

    読み終えた後、色々考えてしまいますね。その中でそういう世界を望んでいる自分もいると、改めて気付かされたよ。

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    2021年06月14日
  • 地上最後の刑事

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    ネタバレ

    半年後に隕石が衝突することが発表され人類滅亡までのカウントダウンが始まっている世界。
    人々は仕事そっちのけで残された時間を有意義にするため、”したいことリスト”の実現を目指し社会機能が減衰。
    一方多くの人が希望を失い自殺者も急増。

    そんな中一見すると自殺に見えるが、何かひっかかる事件に遭遇する新米刑事ヘンリー・パレス。
    終末の憂いを帯びる廃れた世界でひとり熱意を保ち職務を全うしようとする姿が健気で胸を打つ。

    極めて特殊な状況設定の中で明らかにされていく事件の真相と差し込まれるヘンリーのプライベートサイドストーリー。
    終わりゆく世界での事件解決までの道のりと虚無感との融合がある意味新鮮な感覚

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    2020年07月24日
  • 世界の終わりの七日間

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    たった一人の家族、妹を探してどこまでも。小惑星との衝突までの7日間。いいラストシーンでした。
    一緒に行動するようになった泥棒は信じられるのか、嘘ついているのは誰なのか、本当に小惑星は来るのか。
    じわりじわり妹に真相に近づいていく、ゆっくりだがタイムリミットは刻々と迫る。
    このバランスが良い。

    先の読めない展開で最後まで一気読み。
    この著者のほかの作品を読みたくなる。

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    2019年11月28日
  • カウントダウン・シティ

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    このキャラの楽しみ方がわかってきた。粘り強く、いったり来たりしながら人探しを続ける。
    だが、ついに秩序は乱れはじめ中盤あたりから物語は加速する。
    それでもまだ、小惑星は落ちない。続編へ。

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    2019年11月17日
  • カウントダウン・シティ

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    『地上最後の刑事』の続編、3部作の2作目。

    一層荒廃が進んだ世界で、黙々と自分に課した任務を遂行するヘンリー。
    彼がなぜそこまで刑事"業"にこだわるのか詳しく書かれていないところがちょっとモヤッとするけれど、
    勝手に解釈してね、ということなのか。

    なにしろ読みやすい。
    ミステリーとしての謎はたいしたことなくても、なんだか読めちゃう。
    そこがいい。

    いちおうSFジャンルに括ってみた。
    本人いわく、スペキュレイティヴ・フィクション、とのこと。
    ま、ジャンルなんてどうでもいい。

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    2018年11月13日
  • 世界の終わりの七日間

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    もうミステリでもSFでもなくて、心の旅というか。

    あまり説明なくいきなり重要なことが起こったり、まとまりに欠ける。
    注意深くよまないと、あれ、この人ダレ?とか、あれ、そーなったんだっけ?とか置いてきぼりにされがち。

    そっか、こう終わるのか。
    しみじみ。

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    2018年11月13日
  • 世界の終わりの七日間

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    世界は終わる。だが、謎を残してパレス刑事の世界は終わらせられない。最後の瞬間まで、愚直に真実を追うパレス刑事に涙。

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    2018年09月25日
  • 世界の終わりの七日間

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    ネタバレ

    ついに三部作が終わってしまった。こんなふうになるなんて予想してなかった。でも隕石はやって来る。
    最後の終わり方のこういう余韻の残り方は嫌いじゃない。なんて言うか三部作通して全体的に不思議な魅力がある作品だった。疾走感があるわけではなく、主人公がかっこいいと言うわけでもないのに。
    この、ヘンリーのブレない生き方が心に響くのか。静かに週末を迎える人たちの中の、真相を知っている人の描き方も心に残った。

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    2017年06月17日
  • 地上最後の刑事

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    小惑星マイアが半年後にぶつかり地球は終わるそんな世界でひとり殺人事件を捜査するヘンリー・パレス刑事。おまえはどうして平気なんだみたいなことを言われたりするけれど、ヘンリー・パレスも本当は平気じゃないし、気にやんで眠ることができなかったりする。そりゃそうだと思う。半年後に世界は滅亡するんだから。殺人事件を追いかけて、くそったれな世の中で精一杯刑事であろうとしているヘンリーに入り込んでしまった。というより、この世界に。半年後にマイアが来るような気がしてしまう。現実に。それくらい力のある作品だと思った。さて、次は『カウントダウン・シティ』読みます。

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    2017年02月08日
  • 地上最後の刑事

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    最初はキャラ設定にちょっと馴染めんかった。
    彗星の衝突のせいで、警察官になって1年とちょっとの主人公が刑事に任命されて、事件を担当するという部分。
    でもページが進むにつれて物語に引き込まれていった。
    まぁまぁおもしろかったかな。久しぶりに小説を読めて楽しめた。

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    2017年01月01日