ベン H ウィンタースのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
確実に大量絶滅を引き起こす小惑星衝突まで半年となったところからスタートしたこの3部作。
この作品ではついに衝突まであと1週間。一気読みでした。
人はいつか死んでしまうけど、来週には確実に死ぬとわかったらどのように生きるのでしょうか?
やっぱり「死ぬまでにやりたいことリスト」を作って自由にやるのでしょうか?
元刑事のパレスのように最後まで職務を果たそうとするのでしょうか?(もはや仕事でもないけど)
それとも侍のように今死ねる覚悟で今を生きるのがいいのでしょうか?
ハードボイルドなプロフェッショナリズムを究極に押し進めた死生観を問うてくる名作だと思います。
不覚にもラストで涙がぽろりと・・・ -
Posted by ブクログ
三部作完結編。発売を待ち望んだ本は久しぶり。
あっという間に読み終えた。
惑星マイアが地球に衝突するまであと7日。ヘンリーは妹ニコを探しに、仲間たちのもとを旅立っていた。
終末の狂乱と狂騒を描いた2作目の時に比べると、ぐっと人びとが落ち着いている。落ち着いている街が舞台だったからかもしれないが、あと7日で地球消滅となったら、実際はこんなものなのかもしれないとも思ったり。
諦め、達観、祈りといった静けさの中、ヘンリーは妹と再会できるのか。惑星マイアは本当に堕ちてくるのか。その時を誰とどのようにして待つのか。
相棒として物語に色を添えていたフーディーニも皆勤賞で出演。
謎が解けてその時を待つヘン -
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Posted by ブクログ
「小惑星不景気」
なんて素晴らしい造語なんでしょう!
小惑星「マイア」が10月には地球に衝突するのが確実である事が判明した1月のある日。マクドのトイレで首を吊った男が発見される。
厭世気分が蔓延する世界で、一見自殺に見える事件を掘り下げていく新米刑事。自殺する人間も多く、誰も事件に真面目に取り合わない中を主人公は地道に一つ一つ証拠を積み上げていく。この辺は全くオーソドックスな推理小説。設定がSFなだけ。
終末世界には必然的に登場する宗教団体、地球脱出を真剣に考える輩、人類のエリートだけを極秘施設に囲う計画があると信じる人々、「マイア」を核攻撃すると息巻く危ない国。シュールな且つリアリティのあ -
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本書は、先日読んだ「地上最後の刑事」の続刊です。
あらすじは、かつてベビーシッターをしてくれた女性に頼まれ、失踪したその夫を探すという物です。
そしてその過程で、社会の変化や何やらきな臭さを醸し始めた政府の動き、政府の企みを糾弾し、それに抵抗しようとするグループの存在や、そのグループに属している主人公の妹と主人公との関係が明らかになって来ます。
事件捜査が主体となった前作とはまた違った感じですが、前作でもチラリと触れられていた意図不明の政府の動きが本作では徐々に重みを増してきており、これはこれで中々面白かったです。
果たして人類に救済はあるのか、それともこのまま滅亡を迎えるのか。
シリ -
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地上最後の刑事。
まるで人類最後の一人(自分で言うのもなんですが、二重表現的ですね)と言った感じの題名ですが、その想像の通り、本書は6か月後に巨大天体が地球に衝突、人類は死に絶えるとの設定を持つミステリー小説です。
この絶滅間際の世界において、主人公のアメリカ・ニューハンプシャー州・コンコード市の新米刑事が偽装殺人の真犯人を追うのですが、ここに徐々に進行する社会基盤の崩壊と、残された時間を本当にしたい事の為に使おうとする周囲とのギャップが加わり、ストーリーに深みが出ています。
特に社会描写や主人公とその妹とのやり取りが印象的でした。
ちなみに本書は作者のデビュー作にして3部作の1作目との -
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77日後に直径6.5kmの小惑星が地球に衝突する確立が100%となった世界。3部作の2作目です。もと刑事のパレスが知人から失踪した夫探しを依頼されます・・・
人間いつかは死ぬのでしょうが、はっきり終わりが見えたらどう生きていくのでしょうか。自分の周りでは、働き盛りの同期や先輩が、病気などでなくなっていく方が徐々に増えていっています。もはや他人事ではない年齢層に入っている自分としても、あと何年生きられるとして、あれをやろうこれをやろうなんて整理し始めています。
でも、77日となると・・・じゃぁ半年後だったら、10年後だったら、明日だったらと考えさせられてしまうところが、ミステリーでもない、サイ -
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半年後、小惑星が地球を直撃し人類は絶滅に近い打撃を受けると確定したら、自分はいったいどうするだろうか?
そんな世界で、自分の仕事を全うしようとする新人刑事の物語。映画「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」、クラークの「神の鉄槌」も小惑星衝突の危機を阻止する人々の姿を描いたSFでしたが、この物語はそんな状況下の地上の人々の物語。しかも自殺とも思える死因に疑問を抱いた新米刑事の地道な捜査を描くミステリーなのです。今年はロシアに大きな隕石も落ちて話題になったしもはやSFとはいってられないのですね。
ほとんどの人は死ぬまでにやってみたい事をやるべく仕事をやめるか、酒か薬で紛らそうとするか自殺し -
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Posted by ブクログ
ネタバレ半年後に隕石が衝突することが発表され人類滅亡までのカウントダウンが始まっている世界。
人々は仕事そっちのけで残された時間を有意義にするため、”したいことリスト”の実現を目指し社会機能が減衰。
一方多くの人が希望を失い自殺者も急増。
そんな中一見すると自殺に見えるが、何かひっかかる事件に遭遇する新米刑事ヘンリー・パレス。
終末の憂いを帯びる廃れた世界でひとり熱意を保ち職務を全うしようとする姿が健気で胸を打つ。
極めて特殊な状況設定の中で明らかにされていく事件の真相と差し込まれるヘンリーのプライベートサイドストーリー。
終わりゆく世界での事件解決までの道のりと虚無感との融合がある意味新鮮な感覚 -
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Posted by ブクログ
小惑星マイアが半年後にぶつかり地球は終わるそんな世界でひとり殺人事件を捜査するヘンリー・パレス刑事。おまえはどうして平気なんだみたいなことを言われたりするけれど、ヘンリー・パレスも本当は平気じゃないし、気にやんで眠ることができなかったりする。そりゃそうだと思う。半年後に世界は滅亡するんだから。殺人事件を追いかけて、くそったれな世の中で精一杯刑事であろうとしているヘンリーに入り込んでしまった。というより、この世界に。半年後にマイアが来るような気がしてしまう。現実に。それくらい力のある作品だと思った。さて、次は『カウントダウン・シティ』読みます。