甚野博則のレビュー一覧
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先週義理の祖母が99歳で亡くなった。95歳まで一人暮らしをしていて最後は実の娘の嫁ぎ先の家(妻の実家)で看取られた。大往生だし幸せな最期だったなと思う。
このルポにでてくる超高級老人ホームに住む方々は祖母とは全く異なる世界を生きている。何が幸せかなんて人それぞれだけれど、入居に求められる所得水準を考えると極めて限られた属性の話だ。そこで繰り広げる人間模様は微笑ましいものも醜いものもあるし、例に出される施設経営の杜撰さには目を覆いたくなる。
本書は丁寧な取材に基づき介護の実態と政策的な課題を浮き彫りにしている。私が入居適齢になる40年後には果たしてどんな介護サービスになっているのか心配になる -
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グループホームに暮らす妻のもとに2日に一度面会に行くのが仕事であり、自分が生きる意味だ。進行する認知症アルツハイマーに侵された妻は会った瞬間はとても喜んでくれるが不穏な状態になることが多く、一人イライラと立ち歩いたり、ぶつぶつと訳のわからない言葉を叫んだりと、どうしてやることもできない自分の無力に腹が立つ。とにかく寄り添って座り、手を繋いで歩き、顔を見て涙を拭いたり、お茶を飲ませたりして2時間ほどを共に過ごす。今日は職員さんと一緒に入浴の介助もした。喚いたり怒ったりされるが風呂上がりは気持ちよさそうに座ってくれる。時々見せてくれる笑顔とともに自分への褒美のような瞬間だ。
こんな日々が一年もすぎ -
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入居費用億越えの超高級老人ホームをいくつか取材したルポルタージュ。
ホテルのような内装、至れり尽くせりのサービス…そういう高級をうたった老人ホームの裏を暴く!とかゴシップ的なノリなのかな?と思ったけど、案外ちゃんとした取材の元書かれたルポルータジュで興味深く読んだ。
中には劣悪な労働環境の施設や、スタッフが取材内容に対して文章の差し替えや改ざんを要求してきた施設もあったようだけど、この本が出版されているってことは許可が下りたってことなのかな?
この本を通して感じたことは、お金ってある所にはあるんだな…ということと、介護のお仕事は本当に大変だということ。高級老人ホームは通常の施設の業務以上に求め -
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これは…手にしますって!全く縁がないことはわかっていても、セレブな施設入所生活をされている方がどんな方なのか、知りたくはなりますよね!しかも、この作品のタイトル「ルポ“超”高級老人ホーム」!“超”の文字がキラキラしてて、表紙もスゴイですよね…。錦鯉を施設内の池で飼っているんですよぉ…そしてそれを眺めるのは一流ホテル(ここにも縁はないけれど)のロビーさながらのホールで、腕利きのシェフが贅を尽くしたお料理を提供するんです!!
入居されているのは、政財界で要職に着かれていた方とか、医者や弁護士、大学教授、会社の社長とか…もう、そうなりますよねぇ…。ますます…う~ん…となります。なんとまぁ…とた -
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入居金4億を超えるような"超“高級老人ホームを扱ったルポ。それに見合うサービスのところもあれば、悪質な詐欺まがいのところもある(そういう場所は名前が出ていない。調べれば分かるのだろうが…)
しかし、いかにサービスがよくても、そこが最高の居場所になるかどうかは本人次第であることも分かった。どこに住んでいても人との関わりが根底にあるためだ。
ちなみに、もしこういった超高級老人ホームと私が関わることがあるとすれば、清掃員として、とかなのでスタッフの給料はもっとあげて頂きたい。月給24万そこそこで4億円に見合うサービスを求められても無理があると思う。
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高級老人ホームの中でも、本当にサービスが行き届いた良い施設もあれば、紛い物の悪徳施設も存在する、ということが体験記として描かれている。そこまで面白い話や新たな発見等が読める訳ではないが、自分とは全く縁のない世界を多少でも覗けるのは楽しい。
ある熱海の高級老人ホームでは、理事会が管理会社を差し置いて圧倒的な権力を持っており、入居者の選定に介入したり、分譲マンションなのにコロナ渦で東京から入居者が帰ってくることを禁止したり、理事会役員をできないならお金を払えと言ってきたりするらしい。こんな老人ホームには絶対入りたくないと思った。
この本を読んでいて一番驚いたのは、高級老人ホームで働く人々の賃金 -
Posted by ブクログ
ネタバレ入居一時金が億超えで月々の費用が何十万円、眺望が良く温泉に入れて、、と憧れる超高級老人ホーム
ただ何処に居ても、自分の思った通りに生きられる様に元気で居ることが大切と改めて確認できた
著者のおわりにより↓↓
『本書では約1年をかけて、都内から福岡県まで多くの高級老人ホームの実態を取材してきた。どの施設も豪華なのは言うまでもない。ただ、もし今の私が高齢で「資金的な余裕があれば超高級老人ホームに即入居したいか」と問われれば、答えはノーだ。
年齢とともに身体の自由が限られてくるのであれば、高価な調度品に囲まれた暮らしや贅沢な食事、それに趣向を凝らしたサークル活動やビリヤード室も私には必要と感じ