井上和彦のレビュー一覧
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日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんとも何も無いのです。彼らは綿が無い、羊毛が無い、石油の産出が無い、錫が無い、ゴムが無い。その他実に多くの原料が欠如している。そしてそれら一切のものがアジアの海域には存在していたのです。もしこれらの原料の供給が断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れていました。したがって彼らが戦争に飛び込んでいだた動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。(マッカーサー、1951年)
→自衛戦争という側面もあった。
東条英機首相は、大東亜戦争の緒戦からインドの独立を唱えていた。だからこそ、急進的なインド独立の闘志チ -
Posted by ブクログ
米英、中韓以外の視点からみた、第二次世界大戦における日本の戦いの評価。
戦勝国側、生き残った側からだけの評価だけが採用され、多の側面については、一切評価しないのは、日本の歴史のお家芸なのではないかと思う。
それでは、中韓以外のアジア諸国との日本の関係は、説明しきれないと思う。
戦争は戦争、日本国内を含め各地で凄惨な場面があったことは否定しないが、アジアの民族独立について、日本の戦争が果たした役割も否定はできないと思う。
米英が作ってきた歴史については、いまのアラブ地域をみればどういうことか、語る必要すらあると思えない。
本書を読んだ母親が、子どもの頃聞かされた話と同じだといったことは気 -
Posted by ブクログ
第二次世界大戦は、白人に支配されたアジア諸国の解放を目的の一つとしていた。経済封鎖により、日本は自衛戦争をせざるを得なかった。この二つは、矛盾するテーゼである。どちらかを詭弁として受け止めざるを得ない。正解は前者だろう。
私は愛国者であるし、白人支配や自虐史観、というよりもGHQによる罪意識扶植計画や、抗日的な活動には感情的にも嫌悪感を感じる。しかし、この著者、井上和彦さんは、立場を選び過ぎたが故に、反対派の声が届かぬようだ。アジア諸国解放は、戦争における作戦上の詭弁だ。日本には、他国を構う余裕はないが、少しでも味方を増やしたい。石油補給路を速やかに確保したい。同じアジア人という利点を活かし -
Posted by ブクログ
日本の国防費はドル換算で見ると世界でも多いと聞いたことがありますが、それは人件費が高いせいだと言われています。憲法や法律の問題があって実際に実現するのはわかりませんが、昔から自衛隊の戦闘能力はどの程度なのだろうと疑問に思っていました。
その疑問を井上氏の書かれたこの本によって解くことができたと思います。結論から言えば、現時点(2010年)ではアジアにおいて、表面的な数量では劣っているものの質や高稼働率(整備状況も良い)のお陰で、おそらくトップを維持できているようです。
優れた武器や軍隊を持っているだけで、それが十分な抑止力になると思われるので、今後もその地位をキープして欲しいと思いまし