あらすじ
大正12年生まれ。予科練を経て海軍の戦闘機乗りとなった本田稔氏の魂の空戦記。死力の限りを尽くしたラバウル航空戦を戦い抜き、本土防空隊へ。“超空の要塞”と呼ばれたB-29と対峙した。日本人なら読んでおきたい戦争の記憶。著者は軍事ジャーナリストの井上氏。本田氏へのロングインタビューを基に構成。
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Posted by ブクログ
戦争を生き延びた撃墜王として、「大空のサムライ」の坂井三郎は知っていたが、本田稔さんのことは本書で初めて知った。たたき上げの戦闘機乗りであり、技術と戦闘哲学と強い運を持っていたようだ。航空技術でも物量でも優位な米軍が相手であり、大勢をくつがえしようもなかったが、局地的に反撃を加え、日本軍の意地を見せてくれるという点では痛快な面もあるが、優秀なパイロットが一人また一人と失われていく現実は厳しい。
本書の後半は紫電改の話になる。ゼロ戦も名機だが、戦争後半には性能面の限界も露呈しており、紫電改に乗って「これで死ぬことはない」と思ったという本田氏の率直な感想が興味深かった。