柳すえのレビュー一覧

  • わたしはあなたの涙になりたい

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    この一冊は聖ライトノベル

    ショパン、田中希代子、マルタ·アルゲリッチ、聖光学院、東日本大震災、太宰治、ファミリーマート、『ニュー·シネマ·パラダイス』、

    五十嵐揺月

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    2023年08月26日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    少し前にミリ猫を読み、感想を書きたくなりまして。

    作中でも出てきますが、
    ショパンの、花に隠された大砲という表現がそのまま当てはまる作品なのでは? と読後しばらくして思います。
    「感動」といった帯が巻かれたり、そうしたレビューが増えるほど、この作品はさらに完成していくのだと思いました。

    大砲を探してもよいし、花を眺めるももちろんOK。感動してもよいし、感動しなくてもよい。あらゆる姿勢を許してくれるといいますか、優しい物語を作られるなぁと思いました。

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    2023年04月04日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    【その涙が哀しみではなく、暖かな物に変わりますように】

    塩化病による運命に抗う少年達の物語。

    己の人生が運命に支配されるならどうすべきだろう?
    母の病による死によって心に欠落を抱えた八雲は、圧倒的にピアノの才能に秀でた揺月との出逢いにより、孤独だった心象風景が彩りを帯びていく。
    時が経ち、プロピアニストとして外国に留学した揺月と並び立てるように小説家として活動をし始める八雲。
    運命的な再会を果たした二人は、揺月の病によって蝕まれた時間を共有する。

    哀しみで溢した涙がいつしか暖かな涙に変わるように最期まで寄り添うのだ。

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    2023年03月02日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    泣いた。涙で始まって涙で終わるって書いてあったから2回も泣くのか…と思ってたけど最後だけ泣いた。揺月ちゃんの優しい、でも自分の芯がちゃんとあるっていうところがかっこよかった。八雲くんはとてもダメダメだけど素直な所もあって優しいんだなぁ~。と思う所が多かった。柚月ちゃんが死んでしまうときの八雲くんの優しさが包み込まれるようで優しい涙になった。どんな人でもこの本を読んでいるときは優しくなれるような気がした

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    2022年11月05日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    紛うことなき名作。
    「ラノベ」の枠組みで、ここまで大いなる感動を味わえる作品は他に無いと思う。誰もが絶賛することが納得の、素晴らしい作品でした。
    時間が飛び飛びに展開する作品で、各時間軸におけるエピソードが終盤に向かって収斂してゆく様は見事。
    奇抜な展開は無く、正直ほぼ予想通りの展開であったのだが、それにも関わらず感動を得られたのは、ひとえに、登場人物への共感しやすく描かれているからであろうか。
    塩化病から、塩の街(有川浩)を連想し、なーんとなく避けていたのだが、正直、勿体なかった。

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    2022年09月24日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    ぱっと見の「よくある難病もの」というコーティングを剥がしてみれば、根底にあるのは感動を消費することへの批判と、世の中に溢れる「泣ける作品」への肯定。
    特に災害や病気を当事者の意志関係なく勝手にお涙頂戴として軽く消費することについての否定は、揺月だけじゃなくて著者自身の気持ちでもあるんじゃないかなって思った。
    (著者さん、地元郡山でなんかそういう嫌な目に遭ったのかな……)

    もちろん素直に難病ものとして読むのも正しい楽しみ方だと思う。
    この小説自体が「泣ける作品」のガワを纏っている以上、読み手が感動したならそれもまた「アリ」な読み方なんじゃないかなって。

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    2022年07月28日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    購入済み

    よき物語

    一冊でこのくらいの読み応えがある小説を欲してた。まあ、これを読んだらどう足掻いて多少なり悲しい気持ちにはなるだろうから、めちゃくちゃ楽しくてハッピーな気持ちになりたい時に読むものではないかなーとだけ。

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    2022年07月22日
  • バスタブで暮らす

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    1巻完結。
    前作『わたしはあなたの涙になりたい』のように私たちの日本によく似た地理・歴史が登場する小説世界で、よくよく考えれば鬱で悲惨な状況がコミカライズされたようなフワフワした展開で進んで行く、ざっくり言うと引きこもりお姉さんの再生?再誕生?の話。後半は大切な人の死に行くさまをじっくりと描いていて辛くなります。
    作中の重要なアイテムの"能面"の意味が読み解けると面白味が増すと思う。主人公を攻撃する者の象徴?なんて単純なものではないような…
    で、主人公もか弱い善人じゃないよね。主人公の親友が見抜いたように相当の切れ者のような気がする。
    "家族"のことが多

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    2025年07月19日
  • バスタブで暮らす

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    ネタバレ

    いやあ、これはもはやライトノベルではないな。
    読み終わった余韻がすごい。

    内容的には生きるのが下手で挫折した女性の快復物語。
    それだけにすごくシリアスで重たい内容なのだけど序盤は話のテンポやエピソードがコミカルで楽しく読めてしまう。
    けれど中盤以降母親の病気が進行するあたりからグッと読むのが苦しくなってきて息を詰めて誌面を追っている自分に気づいた。

    物語の結末は何かを失う事で大人になるという青春物語のある種の約束を踏襲しているのだけれど、その平明な温かさにやっぱりホッとしてしまう。

    あと時代性を感じさせる作中のエピソードがライトノベル的には結構珍しい。
    これはラノベ好きだけでなくいろんな

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    2023年12月04日
  • バスタブで暮らす

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    ネタバレ

    本日定時後から読み始めて、先ほど読み終わりました。

    『バスタブで暮らす』、最初奇異なタイトルだと感じましたが、いろいろな出来事を経て、めだかがバスタブにこもっていく流れはごく自然に感じられました。また、家族の中でも、妹のめだかの様子に細心の注意を払い、デスクトップPCから冷房から全ての機材をコンパクトにまとめてバスタブ周囲に配置し、快適な空間にして、やりたいことをすべてかなえてしまう兄のいさき、小学校の頃の『腎臓のかたちをした漬物石』と『うんこ太郎の冒険』、いずれも妹に対する思いやりから生まれたエピソードであり、小さいころから大人になるまで、独自のやり方で妹を守る姿にはちょっとほだされるもの

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    2023年09月11日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    本屋さんでオススメされていたこの本
    福島に知人がいるということもあり読んでみました
    胸がぎゅっとなって涙がこみ上げるシーンがいくつもあり‥それでいて決して切ないだけでは終わらない素敵なお話でした
    なんとなくだけど、福島の事まだまだ忘れちゃいけないと感じました
    機会があれば舞台の地にいってみたいです

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    2023年07月18日
  • バスタブで暮らす

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    物語の内容は重いんだけど、面白い描写のせいなのかフッと息が抜ける所がありスラスラ読み進められた。 生きにくさを感じながらこの先どう成長するのか。兄がどこまで何を作ってくれるのか(笑)とても楽しくわくわくさせられた。  家族がみんないい。家族愛をすごく感じられた。くじらさんのような母ステキ!全てを受け入れられる母になりたいと思った。

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    2025年03月30日
  • バスタブで暮らす

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    わたしこそまさに、へのへのもへ人。
    母の喜ぶままに、母の望みが自分のものだと錯覚して生きてきた人種。
    そんな私が小さい頃の、いまよりずっと生きづらくて、自由だった頃を思い出すものがたりだった。
    わたしは人間で、人形でも歯車でも能面でもなかった。
    すっきりした~~♡♡ ポップに悲しみを表現する、と評価されていましたが、わたしは不気味に思いました。
    でも全てが不気味に思うのは、わたしが世間に幽閉されている人種だからです。
    少なくとも、わたしって歯車人間だったんだって気付いた今は鼓の音や能面が不気味とは思わない。
    疲れていても読みやすい、疲れている時こそ読んで欲しい。
    全国の歯車人間の皆さん、今日も

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    2025年03月20日
  • バスタブで暮らす

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    現在の生きづらい話をポップに書いたお話。
    職場のお局さん…いるよねそういう人。
    1人になりたくて、バスタブに。世間から逃れたくてバスタブに。もう誰も私に指図しないで。
    まあそういう風に思っていた時期がある。(今も時々w)そんな時の心の支えはやっぱり家族なんだよなー。ラノベはあまり読まないが楽しく読めました。

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    2025年01月10日
  • バスタブで暮らす

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    なんとなくライトノベルを読みたいなと思い、「ラノベ おすすめ」でネット検索したところ本書がヒットしたので購入。とりあえずガッツリ系のラノベ(主人公最強系とか、転生系とか)ではなく、一般文芸よりの静かなラノベが読みたいと思い本書を選んだ。

    読んだ感想としたは、ラノベというより一般文芸っぽく、さらにどちらかといえば純文学っぽいテイストの作品かなと思った。というわけで、けっこう読み手を選ぶと思う。かくいう自分は純文学があまり好きではないので、評価は低めの☆3とした。

    本作のあらすじとしては、主人公がブラック企業でメンタルをやられて実家に帰るところからはじまる。で、実家でもバスタブのなかだと心が落

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    2024年09月28日
  • バスタブで暮らす

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    久しぶりに読んだライトノベル。
    自分はどちらかと言うとテンションが高い側の人間だなと思ったが、それでも生きづらさや周りとの違いを感じて毎日のように病んでいるのでめだかちゃんに共感することが多かった。

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    2023年11月19日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    タイトルや表紙から受ける印象通り、泣ける系小説でした。
    中高生で本をあまり読んでいない人にはお勧めします。読みやすいし、いろんなことが起こるのですらすらと読めると思います。
    ただ、いろんなこと盛りすぎて「一人の周りでありえないこと起こりすぎだよー」って突っ込みたくなるから、普段たくさん読書している人には勧めません。

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    2023年09月01日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    舞台は福島県郡山市。
    福島、、、、となると、タイトルとあいまって震災が題材かなと思った。ピアノを弾く少女が表紙なので、あの「奇跡のピアノ」かな、と思った。
    ダイビングシーンがプロローグにあるので、
    震災で沈んだものを連想して、なおさらそう思った。(震災の物語、ではなかった)
    2022年、今年の夏の高校野球。ベスト4まで勝ち進んだ聖光学院の野球部が実名で出てくる。
    主人公八雲の母が、塩化病という難病にかかってしまうところから物語は始まっていく。
    震災や聖光学院、太宰治の『トカトントン』や、
    ショパンコンクール、ワルシャワ侵攻、という本物が出てくるので、塩化病がなんかポーンと突き抜けた不思議な感覚

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    2022年12月20日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    物語的には面白かった。
    少し残念なところは、地元に寄り添って地区名や場所の名前を出しすぎて、福島県の地理がまったくわからない人にはあまり優しくないような気がした。
    また、冒頭で世界に数例と言っていた塩化病を主人公が2回も体験するのも作り物感が増して泣けなかった原因かもしれない。

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    2022年12月05日