柳すえのレビュー一覧

  • わたしはあなたの涙になりたい

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    1年で1〜2回、ラノベを読みたくなる時がある。それは一般文芸から少し離れて、ライトな文章を適当に読みたい時だ
    本作は、本当にたまたま無人の古書店で、たまたま目に入り、何の気なしに手に取り、なんとなく買った本だった。だが、読んでみてどうだ、このラノベの範疇を超える勢いは
    タイトルからすでに結末は見えている。にも関わらず、設定や構成、言葉のチョイス、キャラクターの魅力が物語の奥行きを重層的に形作っている。ジャンルは間違いなくラノベなのに、軽くなくて、読み応えがあった。帯にも絶賛の声、レビュー、評価も高かったので、同じように思っている人が多いのでしょう。数少ない、心に残るラノベでした。

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    2026年09月22日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ただの感動モノで終わらないところが良かった。
    初見では意味の分からないプロローグのカットもしっかり回収されて、自分の中でのライトノベルのイメージがいい意味で変わった1作だった。
    もっと世に知られて欲しい。
    映像化したらもっと面白くなりそうだなと思いました。

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    2026年04月07日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    最初は難病もののお涙頂戴系悲恋小説かなと思いましたが、
    読み進めるとヒロイン揺月の魅せる屈託のない表情ひとつひとつが想像できる程愛着が湧き、
    最後は必ず別れが来てしまうと分かっていたとしても、
    主人公の八雲と揺月二人の逢瀬をずっと観ていたかったと思わせる気持ちと、
    揺月のいなくなった後喪失感に苛まれ引き籠る八雲でしたが、
    揺月のラストメッセージ
    そして彼の周りの人々の温かい支え
    その一つ一つが喪失から彼を立ち直らせ
    前を向いてもう一度歩いていこうする描写は、
    何回読み返しても涙が止まりませんでした…

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    2026年02月08日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    めっちゃ泣けました。
    東日本大震災に対する著者の考えが、揺月によって散りばめられていることが印象的。被災地出身ではあるが震災を経験していない身であり、自分を被災地の復興に利用していいのか。「物語化」され、それが消費されることは良いことなのか。
    安全地帯にいる人間が、憶測で福島は危険ということが許されるのか。福島県出身の著者の考えとして、こちらも改めて考えさせられる所があった。

    物語は王道展開ではある。が、「王道」だからこそ我々読者を引き付ける魅力があるように感じる。小学三年生での出会い(ここでは年齢に対して会話が高度すぎる気もした)から、大人になるまでの二人が描かれる。
    「塩化病」という確実に死に向かう病気で物語を進めるからこそ、切なさと儚さ、底に垣間見える愛情がより伝わってきた。

    「わたしはあなたの涙になりたい」 この題名の意味を知った時、思わず涙します。
    「美しい物語」という言葉を具現化している作品でした。とても大好きな作品になりました。

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    2026年01月20日
  • バスタブで暮らす

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    ネタバレ

    四季大雅に弱いのかもしれない。泣いた。何者にもなりたくないめだかにモラトリアムを感じた。バスタブが魔改造されていくのが秘密基地のようで半ば羨望をおぼえつつ。能面や漬物石などが所謂妄想、鏡側の世界なのか現実で起こっているのかが曖昧なのが難しいと思ったが面白くもあった。世界の見え方に新鮮さを感じたり他の作品で似たような表現を見たことがあったりしたので。家族や友人に恵まれていたのがめだかの良かったところだなあと。強くて良い人だと思っていたので病気によって変貌する母に能面がついたのはショックだった。たまに父が翁になるのも心がざわざわした。その後神様、というので合点がいった。くじらを釣り上げる、っていうのが母と父に重なって感動した。兄いさきがずっと良い人。蒼も空回りする良い人。いさきのような兄が欲しいと思ったけど、めだかはただ心を病んでモラトリアムを延長させたんじゃなくて元から持ってる繊細さや魅力があったからなんだよな。あの兄弟はあの2人でなければ。顔も知らない人のために極めたASMRを母のためにして、恥ずかしくてできなかった鼓動もできたっていう。母が生きている間に成長したのとバスタブからの脱出ができたのは大きいと思う。母が息を引き取る瞬間はこの上なく美しく感じた。静かな日常ものに非日常を見る綺麗な話だった。これ映像化したらどうなるんだろう? というのは気になる。

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    2025年12月28日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    なんて素敵な話だろう。美しくて切なくて本を綴じてからしばらくの間放心していました。生きることの素晴らしさと辛さ、喪失によって空いた心を埋めることの難しさ、何事もコンテンツとして消費してしまうことの是非など、様々なことを考えさせられる物語でした。到底、言葉では表し尽くせない作品です。素敵な話を書いてくれた四季先生に感謝をお伝え致します。

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    2025年08月03日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    美しい物語だった。
    所々作者の考えの芯のようなものが見え隠れして情熱が伝わってきた。
    2人が幼少期から大人になるまでの全てを物語に起こしているので当然ではあるが、それ以上に彼らの人生の全てを綴っているように感じた。それが登場人物の心の深みを生み出していて、まるで仲のいい友達の話を聞いているかのようだった。
    細々とした比喩も綺麗で、コミカルな擬音も物語の可愛らしさを演出していて読んでいて楽しかった。
    この本は長い間心の片隅に残り続けると思う。美しい作品に出会えてよかった。

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    2025年07月31日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    すごく、優しい物語だった。
    最初は、穏やかなラブコメかなぁ、なんて思っていたけど愛する人の存在やそれを失うということ、徐々に重くなっていくけれど深いものが感じられた。
    八雲くん、よく前に進めたと思う。すごい。あなたの明日が健やかになりますように、なんて優しい言葉だろう。救われる思いだった。

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    2025年06月17日
  • バスタブで暮らす

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    あたたかくて、どこかひんやり涼しくて、優しくて、温もりを抱きしめてるような感覚になった。なんと表せばいいのかはわからない。だけど、家族のなんとも言えない何かが寄り添うような不思議な物語だった。
    追記:一日だけでも、少しの時間だけでもバスタブで暮らしてみたい。

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    2025年05月26日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    ネタバレ

    とても綺麗な話だった。題名の理由に涙した。キーワードも特殊設定も上手く生きてる。体が塩になる病気が登場する小説はあったけれどこれは完全に別物。現代社会にうまく溶けてる。自分が福島県出身故に『そうなるか…?』みたいな疑問は残ったけれどご愛嬌。ピアノの美しさや引用されている過去の方達が主人公に反映されてていい。『物語化』をひとつの物語で語るのが好き。人生がコンテンツになってしまうこと、それを消費してしまうことへの提示が鮮やか。最後のビデオが別れと未来を象徴していて辛くも美しい。すごく、小説を書きたくなった。

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    2025年04月06日
  • バスタブで暮らす

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    ネタバレ

    予想外のハートフルストーリー。家族愛ってすごい。
    就活に失敗して実家に出戻り、バスタブに籠ってVTuber活動を始めるという流れで物語が進むが、その字面からは想像できないくらい、深くて温かい話だった。
    良い意味でラノベらしくないと思った。
    でもラノベみたいな読みやすさは備えつつ、~のパラドックスみたいな心理学?とかの内容を取り込んだり、色んな心理描写があったりでユニークな文章で飽きない。

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    2025年02月13日
  • バスタブで暮らす

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    ラノベ、舐めていたかもしれない。ごめんなさい。
    絵が素敵すぎる。青基調だけど暖かみも感じられる、ずっと眺めていられる絵。
    社会と家族、そして個人という人間への考え方、在り方などが想像したこともないようなものだったり、読むたびに思い描かれる情景が適切な言葉が出ないほど胸にくるものだったり…
    家族って、こんなにもいいものなんだと感じられた一冊だった。
    私には、この本が必要だ。

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    2025年01月06日
  • バスタブで暮らす

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    めっっっちゃ良かった。
    序盤は就職先でパワハラに遭い
    実家に帰ってきた女の子めだか。
    実家のバスタブを住みやすくカスタムし、そのうち配信ユーチューバーになっていって、、、

    で、こっから先はこれではイカン、と自分なりに立ち上がって再生していくストーリーだろうと思ってたけど、まぁ、最終的には立ち上がるんだけど、途中のストーリーがまぁ
    シュール。
    でもそれがおもしろくて考えさせられる事もあり、つい人にお勧めしたいなぁと思った。
    バスタブで暮らすって、そんなに快適か?と思うけど一人になりたい時は狭い空間でフタを閉じてすべてシャットアウト!できたらいいのだけど。

    最後に主人公のめだかもそうだけど
    家族の名前もめちゃ個性的。
    でも普通に読める(笑)

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    2024年08月17日
  • バスタブで暮らす

    ネタバレ

    感想をどう書いても野暮になりそうで、この読了感を何か言い表せれる言葉を見付けられませんが、現実感を伴った夢遊感と寂寥感に喜びや悲しみや哀愁が混ざり合った心象風景の描写に妙な立体感、って書いてて自分でも分からなくなります。

    この心境の分からない「へのへのもへ人」な人たちには理解されない作品なんでしょうか?
    それとも「へのへのもへ人」逹も社会の軋轢の中で再造形されてしまっただけなのか…。
    磯原めだかはどうにかして再起できたけど、月見里さんは大丈夫だったんだろうか?
    日村さんは見切りが早かった分、きっと大丈夫…?

    #共感する

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    2024年07月28日
  • バスタブで暮らす

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    表紙の宣伝文句にすっかりつられて購読したのですが、非常に大満足の一冊でした。普段ライトノベルを読まない人にこそ、読んでほしい! なんとなくモヤモヤする生きづらさや閉塞感を抱えがちな現代、この小説に元気をもらえる人はきっといると思うし、自分もまたその一人だ。また何度も読みなおすだろう傑作です。

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    2024年07月22日
  • バスタブで暮らす

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    ネタバレ

    近年読んだ本の中でも、素晴らしい作品でした

    ライトノベルでカテゴライズされているので
    文体は読みやすく、するすると文章が入ってくるのですが
    内容は文学の要素が強いと思います

    主人公は大人になりきれない、生き辛さを抱えた女の子なのですが
    私は母の視点で読んでました

    ここからネタバレ含んだ感想です
    かなり良い本ですので、是非読んだ後で見てください
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    母視点で読んでます
    ブラック企業に就職して心を病み、絶対安全地帯のバスタブに引きこもってしまった娘
    たぶん家族はめだかの心を守るため
    いつも通り接して、いつも通り過ごそうと
    暗黙の了解があったんでしょうね
    ホント暖かい家族です

    めだかの意思を尊重し、お願いをたくさん叶えてくれる優しい兄(この兄は天才です)
    そこにいることだけをただ受け入れてくれている父
    いつもパワフルでムードメーカーの母
    そんな家族の温かさに全力で守られてるめだかに
    「そろそろ、バスタブから出たら?」
    この言葉をめだかに言えるのって、母だけなんですよね
    なんでか説明できないのですが、謎の納得感がありました

    Vチューバーになって、外社会とのつながりや
    自己表現、そして外社会での居場所を作るめだかですが
    母としては心配ですよね
    ましてや自分の寿命がわずかなんですから
    この娘は私がいなくなっても暮らしていけるのだろうか?
    就職も仕事も無しで、これから大丈夫なのか?社会保障は?税金は?
    このままバスタブでの暮らしが続いてしまうのだろうか?
    自分のことよりも、心配していたと思います。

    自分がまだ「お母さん」をできるうちに
    心を鬼にして、バスタブの絶対安全領域から無理やり出すのですが
    めだかにとっては、母が般若に見えてしまうのですね
    このシーンも母目線で読んでいたので
    母と気持ちがわかりすぎて悲しかったです
    母はめだかを帝王切開 未熟児で出産したことに負い目を感じていたので
    また、バスタブという胎内から無理矢理出してしまい相当堪えたと思います

    そんな母も自分の心を守るために向かった先が
    自分の実家なんですよね
    そして、今度はきちんと自分の意思で生まれ直すため、生まれ変わりの危険な旅に出ためだかは
    母の行き先がちゃんとわかっていましたね

    お母さんじゃなくなってしまった母を
    自分がされていたように、愛情で包み込むめだかに心打たれました
    能面の下が優しい顔で安心しました
    母の愛がしっかり伝わっていて良かった

    最後は思い出の中の母の言葉で
    改めて産声を上げることができたので
    きっとこれからこの子は大丈夫だ、と希望が持てました

    私も家族の在り方や、子供との距離感、接し方など
    すごく考えさせられました
    たまに、生まれてきてくれただけで幸せじゃんってこと、忘れちゃうんですよね
    ホント反省

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    2024年06月14日
  • バスタブで暮らす

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    これもけんごさんのTikTokを見て購入。
    ライトノベルにしては、重い。
    何故ライトノベルなのか?
    まあ、私としては読めれば言い訳で、あまりジャンルとかは関係ない。
    ライトノベルというジャンルに偏見のある人にも読んで欲しい。
    読んでて思ったのは、安部公房とかカフカとかを思ってしまった。
    新しい作家さんが、どういう風に成長していくのか楽しみ。

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    2024年06月13日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    人は儚く脆いから、支え合う。
    完璧でない自身の想像力を働かせて。

    鮮やかなストーリーの中に考えさせられる事がたくさんありました。

    まさに、「花々の中に隠された大砲」のように。
    まるで、シューマンがショパンの音楽をそう表現したように。

    心に刺さる作品です。

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    2024年04月23日
  • わたしはあなたの涙になりたい

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    塩化病というこの作品独自の奇病がこの小説を儚く仕上げています。終盤の物語を読んでいくうちに涙が募り、結末に涙が止まりませんでした。読み終わった後、しばらく余韻に浸って本当に良い作品だと感じました。

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    2024年04月19日
  • バスタブで暮らす

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    「人間はテンションが高すぎる」世界に違和感を持ち、生きるのが苦手なめだか。彼女は上司のパワハラにより心を病み、実家に戻りバスタブで暮らすことにした。
    家族を核に世界との付き合い方を模索する。自分の気持ちに寄り添い、自分を表わす道を知る。
    ラノベは単なる娯楽消耗品にあらず。
    このテーマ、この題材(特に後半部)をラノベレーベルで描くのかという驚き。(というのが古い感覚なのかも)これが今のラノベ、いやガガガの読者層の心に届くものなのだろう。
    学生主人公ではないが、YAとしても推したい、届けたいと強く感じた作品でした。

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    2024年03月24日