柳すえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1年で1〜2回、ラノベを読みたくなる時がある。それは一般文芸から少し離れて、ライトな文章を適当に読みたい時だ
本作は、本当にたまたま無人の古書店で、たまたま目に入り、何の気なしに手に取り、なんとなく買った本だった。だが、読んでみてどうだ、このラノベの範疇を超える勢いは
タイトルからすでに結末は見えている。にも関わらず、設定や構成、言葉のチョイス、キャラクターの魅力が物語の奥行きを重層的に形作っている。ジャンルは間違いなくラノベなのに、軽くなくて、読み応えがあった。帯にも絶賛の声、レビュー、評価も高かったので、同じように思っている人が多いのでしょう。数少ない、心に残るラノベでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ泣けました。
東日本大震災に対する著者の考えが、揺月によって散りばめられていることが印象的。被災地出身ではあるが震災を経験していない身であり、自分を被災地の復興に利用していいのか。「物語化」され、それが消費されることは良いことなのか。
安全地帯にいる人間が、憶測で福島は危険ということが許されるのか。福島県出身の著者の考えとして、こちらも改めて考えさせられる所があった。
物語は王道展開ではある。が、「王道」だからこそ我々読者を引き付ける魅力があるように感じる。小学三年生での出会い(ここでは年齢に対して会話が高度すぎる気もした)から、大人になるまでの二人が描かれる。
「塩化病」という確実に死に向かう病気で物語を進めるからこそ、切なさと儚さ、底に垣間見える愛情がより伝わってきた。
「わたしはあなたの涙になりたい」 この題名の意味を知った時、思わず涙します。
「美しい物語」という言葉を具現化している作品でした。とても大好きな作品になりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ四季大雅に弱いのかもしれない。泣いた。何者にもなりたくないめだかにモラトリアムを感じた。バスタブが魔改造されていくのが秘密基地のようで半ば羨望をおぼえつつ。能面や漬物石などが所謂妄想、鏡側の世界なのか現実で起こっているのかが曖昧なのが難しいと思ったが面白くもあった。世界の見え方に新鮮さを感じたり他の作品で似たような表現を見たことがあったりしたので。家族や友人に恵まれていたのがめだかの良かったところだなあと。強くて良い人だと思っていたので病気によって変貌する母に能面がついたのはショックだった。たまに父が翁になるのも心がざわざわした。その後神様、というので合点がいった。くじらを釣り上げる、っていうのが母と父に重なって感動した。兄いさきがずっと良い人。蒼も空回りする良い人。いさきのような兄が欲しいと思ったけど、めだかはただ心を病んでモラトリアムを延長させたんじゃなくて元から持ってる繊細さや魅力があったからなんだよな。あの兄弟はあの2人でなければ。顔も知らない人のために極めたASMRを母のためにして、恥ずかしくてできなかった鼓動もできたっていう。母が生きている間に成長したのとバスタブからの脱出ができたのは大きいと思う。母が息を引き取る瞬間はこの上なく美しく感じた。静かな日常ものに非日常を見る綺麗な話だった。これ映像化したらどうなるんだろう? というのは気になる。
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Posted by ブクログ
めっっっちゃ良かった。
序盤は就職先でパワハラに遭い
実家に帰ってきた女の子めだか。
実家のバスタブを住みやすくカスタムし、そのうち配信ユーチューバーになっていって、、、
で、こっから先はこれではイカン、と自分なりに立ち上がって再生していくストーリーだろうと思ってたけど、まぁ、最終的には立ち上がるんだけど、途中のストーリーがまぁ
シュール。
でもそれがおもしろくて考えさせられる事もあり、つい人にお勧めしたいなぁと思った。
バスタブで暮らすって、そんなに快適か?と思うけど一人になりたい時は狭い空間でフタを閉じてすべてシャットアウト!できたらいいのだけど。
最後に主人公のめだかもそうだけど
家族の名前もめちゃ個性的。
でも普通に読める(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ近年読んだ本の中でも、素晴らしい作品でした
ライトノベルでカテゴライズされているので
文体は読みやすく、するすると文章が入ってくるのですが
内容は文学の要素が強いと思います
主人公は大人になりきれない、生き辛さを抱えた女の子なのですが
私は母の視点で読んでました
ここからネタバレ含んだ感想です
かなり良い本ですので、是非読んだ後で見てください
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母視点で読んでます
ブラック企業に就職して心を病み、絶対安全地帯のバスタブに引きこもってしまった娘
たぶん家族はめだかの心を守るため
いつも通り接して、いつも通り過ごそうと
暗黙の了解があったんでしょうね
ホント暖かい家族です
めだかの意思を尊重し、お願いをたくさん叶えてくれる優しい兄(この兄は天才です)
そこにいることだけをただ受け入れてくれている父
いつもパワフルでムードメーカーの母
そんな家族の温かさに全力で守られてるめだかに
「そろそろ、バスタブから出たら?」
この言葉をめだかに言えるのって、母だけなんですよね
なんでか説明できないのですが、謎の納得感がありました
Vチューバーになって、外社会とのつながりや
自己表現、そして外社会での居場所を作るめだかですが
母としては心配ですよね
ましてや自分の寿命がわずかなんですから
この娘は私がいなくなっても暮らしていけるのだろうか?
就職も仕事も無しで、これから大丈夫なのか?社会保障は?税金は?
このままバスタブでの暮らしが続いてしまうのだろうか?
自分のことよりも、心配していたと思います。
自分がまだ「お母さん」をできるうちに
心を鬼にして、バスタブの絶対安全領域から無理やり出すのですが
めだかにとっては、母が般若に見えてしまうのですね
このシーンも母目線で読んでいたので
母と気持ちがわかりすぎて悲しかったです
母はめだかを帝王切開 未熟児で出産したことに負い目を感じていたので
また、バスタブという胎内から無理矢理出してしまい相当堪えたと思います
そんな母も自分の心を守るために向かった先が
自分の実家なんですよね
そして、今度はきちんと自分の意思で生まれ直すため、生まれ変わりの危険な旅に出ためだかは
母の行き先がちゃんとわかっていましたね
お母さんじゃなくなってしまった母を
自分がされていたように、愛情で包み込むめだかに心打たれました
能面の下が優しい顔で安心しました
母の愛がしっかり伝わっていて良かった
最後は思い出の中の母の言葉で
改めて産声を上げることができたので
きっとこれからこの子は大丈夫だ、と希望が持てました
私も家族の在り方や、子供との距離感、接し方など
すごく考えさせられました
たまに、生まれてきてくれただけで幸せじゃんってこと、忘れちゃうんですよね
ホント反省