トーマス・グリタのレビュー一覧
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日本法人の過去の一末端の従業員として、ここで書かれたGEの凋落を中で体験した。海の向こうのおひざ元で、こんな問題が起こっていようとは。詳細はこの本で知った。詳細を知るには、距離と、職務階層が低すぎた。とは言え、当時GEの問題はよくマスコミで取り上げられていた、ともあった。私もアンテナを高くしていたらアクセスできていたとも思った。中の人ほど中のことを知らない。
一言でいうと、greedy とarrogant. GEの経営はこの言葉で表されると思った。ウェルチが築いた圧倒的企業にあぐらをかぎつづけたImmeltとその取り巻き。経営に苦労したかもしれないが、真の経営はしていない、キャピタルという机上 -
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トップが絶対の権力を持ちすぎることで
組織が崩壊していく。
でも、その裏にあるのは、利益を最大化したい
投資家からの過度なプレッシャーなのではないか。
トップになることで、高額な報酬が待っている。
激しい競走に耐え抜き、トップに立ち、
自分の権力を絶対化する。
取締役会会長になることで、取締役会を
機能不全とし、
外部に対してはうまく行っているように
見せる。
こうすれば、誰からも文句は言われない。
そのために、GEキャピタルは、
会計処理のための、道具をさまざなに提供してきた。
いざ、これが問題視されると、
取り繕うために、
キャピタルの売却
アルストムの買収
デジタルの立ち上げ -
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老舗のアメリカ企業について知る為にAT&Tに続いてGEを。AT&Tのベル研究所についての本でも「興亡」とされたが、こちらも「盛衰」。驕れるものも久しからず。ただしAT&TもGEも「全盛期と比べて注目度が落ちた」という意味では「盛衰」を経験したものの、「依然として重要で巨大なプレイヤーである」という事実は変わらない。
常に株価に奔走している印象。これが日本ではあまりにも鈍い。GEと言えばかの有名なジャックウェルチだが、その後任指名から本書は始まる。その後任であるイメルトの時代に大部分の紙幅が割かれる。
ウェルチのCEO在任中に株式分割が5回行われ、ウェルチはGEを会社 -
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ネタバレアメリカを代表するコングロマリットGEの盛衰史。M&Aを通した多角化戦略は日本企業の大手メーカーでも見られる。メディア大手や映画コンテンツなど、工業とは離れた業態に手を出していたのだと本書で知った。金融と工業という2大柱は共存し得たのか、金融機能を活用した資本コストの低減は本当に有利に働いたのか考えさせられる。GEはコングロマリットとして巨大すぎるため取締役会ではガバナンスが効かなかった。モニタリングが不十分で自分達が運営する事業を網羅的に把握できていなかった。そこにリスクがあったと思われる。おそらくコングロマリットといえど近似する事業を3,4個保有するのが限界なのではないかと考えさせ
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2023年18冊目。満足度★★★★☆
かつて、時価総額世界No.1、トリプルAの格付、NYダウ採用銘柄で最も長い歴史を誇ったエクセレント・カンパニー・GE
日本でも特にジャック・ウエルチ時代の経営について、賞賛するメディアが多かった
しかし、実はそのジャックの時代から水面化では内部崩壊を始めていて、日本の東芝で起きた粉飾紛いの経営が長年に行われており、かなり危うい経営実態にあったことが、本書を読めばよくわかる
米国企業を中心に株式投資をしている者として、改めて「個別」株式への投資のリスクの高さを再認識した
なお、海外のノンフィクションにありがちであるが、話がやや冗長なところがあり、約