シヴォーン・ダウドのレビュー一覧
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「ロンドン・アイの謎」の続編。
夏休み、美術館内で火事騒動が起き、煙が晴れると名画が何者かによって盗まれていた。少年テッドは推理で容疑者を絞りこんでいく。
シヴォーン・ダウドの持っていたテーマや視点を引き継いで、まるで最初からその人が描いたかのような物語として成立させている、ロビン・スティーヴンス、すごすぎる…!
しかも単に設定を使うだけではなく、空気感まで完全に再現されていて、読み始めてすぐ、また彼らに会えた!という喜びが湧き上がってきた(*ˊ ˋ*)♡
前作のおさらいがあったのも嬉しいポイント✧*。
テッドの語り口にも成長が見られ…どうやら比喩を覚えた様子。
比喩、暗喩、直喩を使い分けていて、説明までしてくれてすごい!(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
物語全体に散りばめられているpun(ダジャレ)がうますぎて最高d('∀'*)
数にとても拘りがある前作からの特徴は、引き続き今作でも見られて嬉しい(*ˊ ˋ*)
テッドとカットとサリムのトリオがそれぞれの持ち味を活かして、一歩一歩真相に迫っていく過程がとにかくワクワクした。
その過程で明らかになる登場人物たちそれぞれの事情に心を引き込まれた。
やっぱり人は単純ではないし、簡単に決めつけてはいけない。
子どもを守ることと、信じて任せることの間で揺れる親の気持ちにはとても共感できた。
その上で、自分ならどうするのかを考えさせられた。
今はカットとサリム、よかったね♪という気持ち(˶'ᵕ'˶ )︎
テッドだからこそ、見抜けた真実。
違いは、その人だけの価値になる。
そしてラスト一行が心に染み渡った。
一人一人がこう思って生きていける世の中であってほしい。
前作と合わせて、いつか子どもにも読んでもらいたい。 -
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アイルランドの移動生活者(パヴィー)の青年ジムは、新しい学校に通うことになった。別に行きたくて行くわけじゃない。役人が行けと言うから行くだけだ。でも、母さんはジムに、文字の読み方を覚えてほしいと期待している。ジムの家族はみんな文字が読めないのだ。登校すると早速生徒たちからお馴染みの差別的な反応が返ってきた。ただ一人、キットという子だけは違った。
移動生活をしている人たちがアイルランドに今もいることを初めて知りました。家族全員文字が読めないということから、移動生活をしている人々が抱える困難が垣間見えるように思いました。この本は、差別などの問題について書かれた本であると同時に、美しい恋愛小説でもあると思います。キットも言っていましたが、『ロミオとジュリエット』を思い出しました。 -
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ロンドンアイと呼ばれる巨大観覧車に乗ったいとこが消失(一周しても降りてこない)どこに消えたのかを主人公の二人が追う。
子供が小学校高学年になったら読むかな?
と思って単行本を買おう買おうと本屋に通ってたもののいつのまにか消えてしまい…
文庫化でようやく入手、大人が読んでも面白い。
複雑なものを読みすぎてきたので、ストーリーの線はシンプルな構造と感じるけれど、主人公と姉のコンビのキャラクターが良くて読んでしまう。
ちゃんと仮説を用意して、一つずつ潰していく方法で推理するのだけどワープや自然発火による消失など突飛な案もいったん挙げるテッドの頭の柔らかさ(別の固さもあるけど)がいい。
アストリッドとラファエルというドラマを見てるので、テッドを見てるとアストリッド(テッド同様障害を持つが高度な推理力を持つ)を思い出すし、解説文にアストリッドの名前が出てきた時は嬉しかった。 続編は絶対読む。 -
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★5 ヤングケアラ―15歳少女、周りの大人に助けを求められず隠し通したこと… #すばやい澄んだ叫び
■あらすじ
アイルランドの小さな街、15歳の少女シェルはいつも悩み事がいっぱいの日々を送っていた。母は既に病気で亡くなり、父は仕事をせず寄付活動に没頭して貧乏な暮らし。毎日、弟と妹の面倒を見たり家事にも追われ、本人は満足に学校にも行けていない。いつも幼馴染の少年デクランや親友ブライディと悪だくみをして気を紛らわしていた。
ある日デクランの強引なアプローチにシェルは男女の仲になってしまう。親友ブライディとも関係にひびが入ってしまい、さらには…
■きっと読みたくなるレビュー
大好きな作家、シヴォーン・ダウド。デビュー作が翻訳されたとのことで、ものすごい勢いで手に取りました。
ロンドン・アイの謎、グッケンハイムの謎でのピュアな少年少女たちが忘れられないんですよね。いつの間にか汚い大人の世界に浸ってしまっているわたくし… この一冊で私を浄化してください。
さて本作の主人公の女の子シェル。彼女はヤングケアラーなんです。現実が受け行けられず逃げてばかりいる父をもち、幼い弟と妹の世話をしながら家事も行う。当然お金はなく、周囲に手を伸ばしてくれる大人たちもいないという。
いつも辛い思いをしている彼女は、大自然の囁きやキリスト教の癒しなどからほんの少しの希望を感じ、その日その日をギリギリで生きているんです。特に亡き母を想う切なさは、ほんとに胸が苦しくなるんだよね。
そして物語の中盤からさらに辛いことが彼女を襲う、神様は試練を与えすぎですよ。マジどうするのよって感じで物語が進行していくんですが、ああもうどんどん酷いことに… 正直もう読んでられない。読むけど…
出てくる大人や男どもは、まったくもってどうしようもない奴らばかり。醜い大人って感じではなく、幼稚で愚か、有り体に言うとアホ。自分の生き方に責任をとらない奴は、周りの人間に迷惑をかけるんですよ、まったくもう。
後半に入ると、なんとミステリーな展開になってくる。こんなにも物悲しい謎とき用意してくれなくていいんだけども。そして真相は救われたような、救われてないような… 腹立たしく、何もしてあげられない自分が悔しくてしょうがない。
読み終わってみるとひたすら酷い話なんですが、読後感は心地いいんです。いっさい穢れがなく、ピュアな心を持っている少女シェル。何があっても捨て鉢にならず、厭世的にならず、胸を張って歩いているんですよね。
これから彼女にどんな人生が待っていても、きっと乗り越えられるという希望の光が見えたからです。
■ぜっさん推しポイント
人を救うための宗教であるはずのキリスト教。しかし彼女にとっては希望を匂わせるだけで、何の助けにもなってません。周りの大人たちは何をやっていたのかと怒り心頭です。
ローズ神父の叫びが虚しすぎる。確かにあなたは良い人、でも結果はどうだったんだと言いたい。人を救うってことは、生半可な気持ちではできず、自分自身を犠牲にする覚悟が必要なんすよね。
現代にもある格差社会、貧困家庭にも通ずる問題、まずは手を差し伸べる機構や仕組みが必要です。さらに政治や行政に任せるだけではなく、自分自身の身銭や時間を犠牲にする覚悟が重要なんだと思いました。 -
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「ロンドン・アイの謎」の続編
テッドはママとテッドの姉カットと3人で、ニューヨークに引っ越したグロリアおばさんとその息子
サリムに会いに行きます。
グロリアおばさんはグッゲンハイム美術館の主任学芸員になっていて休館中の美術館を案内してもらうことになり、、
そこで館内に煙が上がって騒ぎになっている間に
カディンスキーの(黒い正方形のなかに)という絵が盗まれてグロリアおばさんが捕まってしまいます。
テッドとカットとサリムが犯人を探します。
テッドが犯人を導く過程がとても面白いです♪
前作よりも彼らが成長している様子も良いです。
この作品は「ロンドン・アイの謎」の作者が刊行
から数か月後に癌で亡くなってしまったため
別の作家さんが、グッゲンハイム美術館を舞台ということは亡くなった作家さんが決めていたようですが、それ以外は新しい作家さんが作り上げた作品です。
前作の雰囲気を壊さず登場人物の性格も変わらず
とても良い作品でした。
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書店で「グッゲンハイムの謎」という文庫本を手に取り興味をもちました。どうやら第一弾があるみたい、、、それが「ロンドン・アイの謎」この本でした。
主人公のテッドは特別な頭脳の12歳の少年で何とは書かれていませんが訳者のあとがきにおそらく
アスペルガー症候群と推察と書かれています。
テッドのいとこサリムが巨大観覧車ロンドン・アイに乗ったはずなのに降りて来なくて行方不明になってしまいます。
テッドの姉カットと2人でサリムを一生懸命探します。
テッドが9つの仮説を推理していくところは面白いです。
カットは時々テッドに意地悪を言ったりするけれど
テッドを思いやるところもあるし、テッドの姉でいることが大変であることもわかりました。
少年少女向け小説だと思いますが、簡単ではない
推理小説です。
次は「グッゲンハイムの謎」を読みます。
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アイルランドの移動生活者であるジム。家族全員字が読めず、トレーラーハウスで、追い立てられるたびに各地をわたりあるいて暮らしている。学校に行っても、ただそこにいるだけで差別され、なぐられ、蹴られ……。排斥される人間にとっての、世の中の残酷さがいたいほど伝わってくる。
そんなジムに手をさしのべ、字を教えてくれる定住者のキット。彼女自身も家が貧しく、いつもぶかぶかの制服を着て、学校でも浮いている。定住者だからといって、だれもが社会に溶け込んで生きているわけではない。
ふたりが自分たちだけのつかの間の平和を味わえる場所は、浜辺の洞窟のなか。『すばやい澄んだ叫び』でも何かが起こった洞窟なので、少しハラハラしてしまったけど。
結局また移り住むことになるジムだけれど、LARK の文字が読めた喜びを胸に、少しでも世界を切り開いていってくれたらいいなとねがう。 -
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ネタバレ母と姉のカットとともにニューヨークの叔母グロリアを訪ねたテッド。いとこのサリムとも再会し、一行はグロリアの勤務先であるグッゲンハイム美術館へと出向く。だがそこで火事騒動があり、著名な絵画が盗まれるという事件が発生する。そしてあろうことか、グロリアが逮捕されてしまう。
そこでテッドとカットとサリムは、グロリアを救うため捜査に乗り出すことに。
初めて訪れたニューヨークでいろいろなことが気になり、気が散ってしまうテッド。挙げ句の果てには迷子にもなってしまう。それでもテッドは戸惑いの中で少しずつ成長し、最後には見事に事件を解決する。ますますチームとして結束する三人だが、姉としてのカットの葛藤も描かれていてより深い人間ドラマになっている。登場人物が前作よりも増えたところに、テッドの世界の広がりを感じる。
残念ながら原作者が若くして亡くなってしまっているため、その意志を継いで書かれた作品。難しいかもしれないがシリーズとして続いてほしいところである。 -
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ネタバレ主人公テッドと姉のカットが見守る中30分かけて戻ってきたロンドン・アイから、いとこのサリムは忽然と姿を消した。二人は様々な仮説を立てては検証を繰り返し、サリムの行方を追う。いったいサリムはどうやって姿を消し、どこへ行ってしまったのか。この謎をひたすら追い求めるのでストーリーそのものはシンプルだが、その間に様々な伏線が張られていて面白い。テッドは相手の心の機微や言葉の奥に潜む思いを理解するのは苦手だが、難しいことを考えるのが得意。そんなテッドの視点で話は進むので、軽妙でユーモラス。
普段は意地悪な姉カットと協力する中で、不器用で一生懸命なテッドが吐く嘘にグッとくる。推理はもちろんのこと、サリムが姿を消した動機などストーリーも面白い。
帯にあるように、登場人物も少なく読みやすいので海外ミステリーが苦手な人にもおすすめ。
テッドによる物事の描写がとにかく面白い。
・サッカー選手の契約を奴隷の売買と同じように捉える
・「舌をウナギみたいにからめるキス」
などなど。
こんな素晴らしい作品の著者がすでに亡くなってしまっているのが悲しい。 -
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アイリッシュ・トラヴェラーをテーマにした物語、若者たちの純粋な気持ちに幸あれ #崖の上のヒバリたち
■あらすじ
アイルランドの田舎町、トレーラーハウスで移動しながら家族と暮らしている少年ジム。周囲からは差別され、いつも街の不良たちからはケンカを売られてばかりいた。
ある日、彼は学校に通うことになるも、やはりうまく馴染むことができない。しかし少女キットと知り合い、お互いが惹かれ合うことになるのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
シヴォーン・ダウドが初めて書いた短編、アイリッシュ・トラヴェラーをテーマに描いた物語。経済的も余裕がなく、教育も受けていない若者を主人公に、偏見と差別に晒されている現実を切り取った社会派青春小説です。
物語自体は短くページ数は120頁程度、作中に挿絵もあります。登場人物も構成もシンプル、読み味としてもライトなので、誰にでも手に取ってもらえますよ。
まず目が引くのがエマ・ショードが描く挿絵。水墨画のように素朴なタッチで描かれていて、でもどこか優しさを感じるイラストなんです。特にジムとキットの二人を描いた挿絵は、引力が強くて目が奪われちゃうんですよね。目の保養になりました。
そして物語ですが… こんなにも短い話なのに涙が止まらない。まず「アイリッシュ・トラヴェラー」って知ってます? 私は勉強不足で知りませんでした。
広義のジプシーであり移動型民族集団のひとつ、定住せずにトレーラーで暮らしています。迫害を受けたり、立ち退きを迫られることも多く、子どもたちも十分な教育を受けていません。これは昔の話ではなく、現在でも数千人、数万人の単位で存在しています。やり切れませんね…
本書で綴られる酷い差別も見てられません… 何か悪いことをしたのならまだしも、存在してるだけで迷惑な奴に分類されてしまう。それでも手を差し伸べてくれる人もいる。
周囲に流されず、自分で自分の意見を持つことの大切さがホントよくわかるよね。若者ふたりの純粋な気持ちは、強い意志があるから、きっと未来も明るいはず。頑張って欲しい!
また強く深く描かれるのは、家族と言う存在ですよね。たとえどんな環境であっても、身を寄せ合いながら生きていく姿に、人生で最も大切なことを教えてもらいました。
ちなみに作者シヴォーン・ダウドは47歳の若さですでに亡くなっています。そして彼女は恵まれない子どもたちのために、自身の著作で基金を立ち上げているそう。とても真似なんてできないけど、自分でもできることをやっていこうと思いました。
■ぜっさん推しポイント
2026年 新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
年末年始に家族とスーパーに買い出しに行き、お寿司や牛肉などたくさん購入したんです。その後は親戚たちが集まってきて、新年の宴会が始まりました! 明るい笑い声がたえず、あっという間の数時間でしたねー
やっぱり最も大切なのは、自分の周りにいる家族や友人たちだよね。いつまでもこの幸せを継続しますように。 -
Posted by ブクログ
これは作者の死後に出版された本である。元々の作者、シヴォーン ダビドは、前作、ロンドンアイの謎を執筆し、12歳の名探偵、テッド スパークを華々しく活躍させたわずか数ヶ月後にがんによって亡くなった。彼女の構想メモをもとにしてロビン スティーブンスがこの本を書き上げた。その内容や書きぶりは、まさにシヴォーンが生き返ったような出来栄えだ。自閉症スペクトラムの少年として生きづらさを抱えるテッド。家族は、彼をとても愛しているが、ときには理解が難しい時もある。弟にばかり愛情が偏っていると感じる反抗期の姉。でも、従兄弟も協力して謎を解決していくうちにそれぞれが成長していく。さらに、テッドの個性を発揮して謎を解き明かすさまは、本格的ミステリーとしても充分読み応えがあった。続編が読めないのが本当に悲しい。ご冥福をお祈りします。
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Posted by ブクログ
児童文学としても、ミステリー小説としても読み応え十分だった。少年名探偵テッド•スパークは、アスペルガー症候群だろうが、彼独自の世の中との関わり方や特性が読者にとてもわかりやすく伝わる。例によって、学校では、人間関係がうまく築けていないし、家庭でも、基本的には暖かく見守られているが、なかなか受け入れてもらえない部分もある。でも、そんなテッドだからこそ見えていることが、この事件の解決につながる。
作者は生前、二作品しか発表していない。本当に惜しいことである。草稿をもとに没後に発表されたものも数冊あるらしいので、しばらくは、はまって読みそう。