小川幸司のレビュー一覧

  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    どうしても授業時数との戦いになりがちな、新設されたばかりの「歴史総合」。
    歴史総合になったからこその強みがある。

    対話すること、いのちに対するリスペクト、ファクトチェック…メモをとりながら読んだ本でした。中学生にも生かせそうだがどうだろう?

    0
    2025年03月30日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    世界史教育史および世界史/歴史総合教育の(史学系人文アプローチとして手堅い)トピック集・兼・エッセイ集だった。松本サリン事件の話から始まるところに面喰らいつつ、そのことが著者自身の実体験および教育実践経験と相俟って優れた導入になっていた。世の残酷さに対して歴史学のアプローチで立ち向かえるような優れた思考法が、理論的にというよりはドリル演習的に、経験できる。それでいてその語られる志向にはリベラルアイロニスト的なものさえ感じさせる(リチャード・ローティ的)。

    歴史的事項が単なる暗記学習でないとすれば、どのような問いで世界史の記述に向かい合えば良いか? という点についても幾つか提案してくれており、

    0
    2024年03月06日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    冒頭の著者の実体験である松本サリン事件の話からグイグイと読ませます。結果的にその段階から本書の“歴史実践の実践”とも言うべき土俵の上にまんまと乗せられていた訳で、最後まで読み進めた結果大きな感銘を受けました。これぞ名著!という感じです。
    また、本書の出版は2023年6月ですが今現在パレスチナの地を蹂躙するイスラエルによる史上最悪の人種虐殺について、奇しくもその歴史背景や捉え方についてクリティカルな解説がなされています。その点においても歴史を学ぶことがいかに重要であるか、歴史を軽視した時にいかに深刻な問題が生じるか、深く深く教えられました。

    0
    2024年02月28日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    爆弾みたいな新書でした。読みながら自分の固定観念がぼんぼん爆発していく感じに驚きました。いきなりの松本深志高校の教員として「松本サリン事件」にどう向き合ったかというエピソードにも面食らいますがそれがファクトの曖昧さへの対峙の仕方に繋がりベンヤミンの「危機の瞬間にひらめく想起をわがものにする」という言葉の紹介になり映画「ショア」の上映会に至ります。その過程の容疑者の娘の生徒さんのエピソードも胸熱です。「松本サリン事件」からの「ユダヤ人虐殺」へ。そしててIRAの爆弾工場と同じように歴史学が爆弾工場になる、というホブズホームの言葉へ。著者は2022年から始まった高校新科目「歴史総合」を機会と捉え上か

    0
    2023年08月26日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    高校の世界史総合が実施されるにあたり、歴史総合における世界史と日本史の考えや学習について高校で教える立場から述べたものである。高校での実践が多いが、大学生も大学で歴史を学習する前に読んでおくことで、歴史とは何か、ということが考えられる本である。

    0
    2023年07月27日
  • 岩波講座 世界歴史 第15巻 主権国家と革命 15~18世紀

    Posted by ブクログ

    産業革命論は単なる歴史の解説ではなく、現代的な意義を強く意識した論考です。
    本書のなかで、多くの人にとって一読の価値がある部分だと思います。

    0
    2023年07月18日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    読書会の図書として読んだけど、とんでもなく深い内容だった。
    これを高校生が勉強するのだとしたら、素晴らしいことだと思う。
    シリーズ2冊目も楽しみ。

    0
    2023年02月04日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    2022年から高校で「歴史総合」という新しい科目の授業は始まることを受けて、歴史家の先生方の議論をまとめたユニークな著書だ.課題図書に相当する本を選択して、それをベースに議論を進めるという形だが、文系の方々には違和感のないものらしいが、専門分野が違う先生方が盛り上がる議論を展開させていることに驚いた.日本史と世界史を分けないで総合的に学んでいく方法は面白いと感じた.包括的な捉え方でなく、個人ベースの事実を基にした歴史の構築を目指しているのだと理解した.気になったキーワードは、複合革命論、鉱物依存型経済、門衛国家、りドレス運動、無限定性、植民地責任、アフラシア.

    0
    2022年09月12日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    2022年4月から高校新科目「歴史総合」が始まる。これを契機に歴史の捉え方を歴史叙述を通して前近代から現代まで深めていくという試み。私が高校性の時は世界史・日本史と区分されていて、しかも古代から現代までを通時的に、個々のイベントを単に暗記していくという授業しかなく、一方そのころ日本or世界では?という俯瞰したものはとか複合的な視点で読み解くなんてものはなかったな。さらにいうと、近代以降ってそんな重点置かれていなかった気がする。

    通俗的に持っている印象とは異なる視点を提供してくれている、多面的な視点で過去から現代、未来を歴史学を通して想像する、そういった力が必要なのだな。
    フランス革命や世界大

    0
    2022年06月18日
  • 岩波講座 世界歴史 第1巻 世界史とは何か

    Posted by ブクログ

    歴史への向き合い方を問い直すきっかけになる本。歴史とはやっかいなもので、時代や立場が違えば、真実や事実は異なり、正解はない。しかしこれこそが学問の真髄であり、今まさに人間が求められている対話の姿勢を示してくれるものではないか。一つの問題に対して異なる視座から複数の答えを見つめる姿勢を学び実践することで、独善的になりがちな主観を揉み解す。これは歴史研究に限らず人生において忘れてはいけない。

    0
    2022年05月17日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    日本史と世界史を共に学ぶ歴史総合を考える上で重要な一冊。世界史の中の日本というものを考えるうえで概念などが分かりやすく書かれている。世界史をほぼ学ばなかったわたしにも理解ができる内容。ある意味、これをもとに授業を展開することや、副読本として生徒に購入させるというスタイルをとっても良さそうな内容。

    0
    2022年05月07日
  • 岩波講座 世界歴史 第16巻 国民国家と帝国 19世紀

    Posted by ブクログ

    佐藤忠良氏のイラストがたまらなく素敵で。
    装丁の赤みがかった藤色の空は、
    ワーニャの不安な気持ちを表現しているのかなー?なぁんて、
    あれやこれやと勝手に想像したりしながら楽しんでいます。

    0
    2013年09月11日
  • 岩波講座 世界歴史 第13巻 西アジア・南アジアの帝国 16~18世紀

    Posted by ブクログ

    サファヴィー朝、オスマン帝国、ムガル帝国の3つの国家についての本。特にオスマンとサファヴィーの記述が多かった。
    どれも単一民族の国ではなく、様々な宗教の民衆を抱えた国であったが、その中で一般民衆がどのように他宗教の人と暮らしていたのか、異なる宗教の民を国家がどのように統治していたのかという点に重きが置かれた内容になっていたように思う

    0
    2025年08月29日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    あの松本サリン事件の現場から、それほど離れていない松本深志高校で考える、松本サリン事件(特に河野さんを犯人扱いした報道等を中心に)に始まり、パレスチナにおけるNakba(ガザ回廊等)の物語へと至る、この本の内容(流れ等)を辿るのは、なかなか大変な事でありますが、★四つであります。

    0
    2024年05月10日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    歴史総合を教えるにあたって、教員としての素養を身に付けるための入門書、第一弾。

    対話形式なので、読みやすい。

    0
    2023年10月06日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    非常に内容の濃い本だと思った。ただ、序盤が少し読みにくいかもしれない。
    歴史総合を教える立場なら、この本を読んでから授業するのと、読まないで授業するのとでは意識や視点の面で大違いだと思われる。
    近年の歴史研究の動向がよく分かった。

    0
    2023年09月21日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    ここで提唱されている授業計画は「なる程」と唸らされるものばかりで素晴らしい。現役の高校教員である著者の実践を通したものなのだろう。
    ただ、これを実践していくには生徒側にそれなりのリテラシーが求められるし、展開のスピードにも制約があるだろう。どれだけの学校でこれが実現できるだろうか。

    0
    2023年08月06日
  • 岩波講座 世界歴史 第14巻 南北アメリカ大陸 ~17世紀

    Posted by ブクログ

    全く興味関心の無かった分野をあえて読む。
    意外に興味深い内容で面白かったな。
    時間と金あったら南米行きたいな

    0
    2023年07月29日
  • 世界史とは何か 「歴史実践」のために

    Posted by ブクログ

    <目次>
    第1章  私たちの誰もが世界史を実践している
    第2章  世界史の主体的な学び方
    第3章  近代化と私たち
    第4章  国際秩序の変化や大衆化と私たち
    第5章  グローバル化と私たち

    <内容>
    『歴史総合』という新しい授業に対する本の第3弾。より実践的な内容となっていて、『歴史総合』を効果的に、面白くしたい教師向け。ただし、世界史はもちろん、様々な分野の勉強をしておかないとこうした授業実践は難しいだろう。この本をベースに、日本史、国際関係、哲学、経済学、政治学…と深く読み込んでおく必要がある。

    0
    2023年07月22日
  • 世界史の考え方

    Posted by ブクログ

    面白かった。シリーズらしいので他のも読もうと思う。アジア太平洋戦争を民族ではなく人種の問題だと語ったあたりがこういう考えもあるのかと思った。

    0
    2023年06月02日