秘められた力の覚醒、わかりやすい悲劇、主人公は絶対死なない&いい人は瞬殺の法則、どれだけ強い敵でもそれより強い奴に割とあっさりやられる、など、まさに「王道展開」。もちろん上記は悪い意味でなく、それなりに魅せ所もちりばめられており、読んでて結構ジーンとする箇所もありました。これだけ長編として売れているのも頷ける話。
本編+外伝の並列進行の発刊ペースといい、「スレイヤーズ」を彷彿とさせますね。わかりやすい指針を言うなら、「スレイヤーズ好きならおそらくこの本もいけます。」
ただツッコミ所も目立つ気がします。
1、 11冊かけて第1部完って…しかもまだまだ続きそうなヒキでした。これは何冊出す予定なんだ?内容の割にページ数喰うのは会話多いのが原因じゃないかなぁ、ページの下半分をメモに使えるほどスカスカなのはどうかと…。
2、 サブキャラ増やしすぎ、伏線ばら撒きすぎ。
3、 自分は11冊読んで「えーと、結局なんだったんだろう?」と思った。上の1、2にも通じるが、まだ第1部ということを差し引いても全体としてのストーリーの輪郭がぼんやりとしすぎている。中身が薄いわけではないのだけれど…
ファンタジーとしての完成度はスレイヤーズに軍配が上がるか?
英雄譚、描写力(筆力)としては個人的にゆらゆらを超えるものは今のところ無い…。(まぁゆらゆらについては自分がもう信者化してるから生温かい目で見て下さいw)
自分が出す結論としては「突出したところも無く、ツッコミどころも多いが流石長編でこれだけ出ているだけあって十分読む価値アリと言えるレベルには面白い。」ってところでしょうか。