兼本浩祐のレビュー一覧

  • 普通という異常 健常発達という病
    ■ベーシック・トラスト(基本的信頼)とは、エリクソンが言い始めた精神科用語。
     具体的には、自分は何か価値ある存在だとあえて証明しなくても、自分とは生きる価値のある、いいものだと思える基本的な自分への信頼感のこと。
     子供の養育者が子供に充分「いいね」を言って育てるとベーシック・トラストは醸成され、...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    とても面白かった。
    健常発達を一つの特性として捉え直すことで、普通に生きることの困難さ、生きづらさについて考えていくような流れと感じました。
    大きな物語で自己をバラバラにならないようにしていた昭和と比較し、令和はいいね!と言った他者評価により自己をバラバラにならないようにしていくという流れと理解しま...続きを読む
  • 発達障害の内側から見た世界 名指すことと分かること
    脳の物理的側面と感覚的な側面。なんとなく、脳というものは限界がなくてがんばれば改善できるような気もしてしまうが、薬などできちんと介入しないと改善できない、それどころかそう考えていると(薬が必要な状況なのにそれなしになんとかしようとしていると)危険なケースもあるということ。。
  • なぜ私は一続きの私であるのか ベルクソン・ドゥルーズ・精神病理
    私が一続きの私である、というのは決して自明のものではない。「意識」というものを通じて、われわれはどのようにして、この一続きの私を獲得しているのかという問いを、精神病理や哲学の領域から問い直すことがこの本の目的と言えるだろう。著者はその考察の中で、哲学者のベルグソンやドゥルーズ、フッサール、ハイデガー...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    【目次】

    第一章 意地悪と健常発達者

    第二章 ニューロティピカル症候群の生き難さ

    第三章 ほんとうは怖い「いいね」と私

    第四章 昭和的「私」から「いいね」の「私」へ

    第五章 定住民的健常発達者とノマド的ADHD
  • 普通という異常 健常発達という病
    第二章の「ドーパミン移行欠陥仮説」が興味深い。
    後半にいくにつれて難しくなり読み込めていない。
    「発達」「健常」それぞれの特徴のどちらが普通で生きやすいのか、はそのコミュニティによるよな、などとごくありきたりな事を思ったり。
    時間をおいて再度したい。
  • 普通という異常 健常発達という病
    周りに合わせていくことは普通であり平凡で悪く言われがちだけど、それはそれで社会適応できるという大事なスキルであることに本書を読んで気づいた。
    またマウントを取って生存価値を見いだそうとする女性心理にも、確かにそういうところがあるなと、はっとした。

    後半は専門用語使った作者の持論で良くわからなかった...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    タイトルに魅かれて読んでみた。
    正直、文章が読みづらく、前提知識を必要とするパートが大部分を占めていて、軽い気持ちで手に取ると頭に入らないかもしれない。ただ、それでも健常発達者をスタンダードなモデルにすることなく、一つの類型として捉えて評価する視点は新鮮だった。

    健常者の特徴の一つに「対人希求性」...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    ADHDやASDに対する「健常発達」という異常。
    相対的なものとして考えてみませんか、という本書。

    極めつけが、アメリカの自閉症協会による「ニューロティピカル症候群」の定義。
    ニューロティピカル症候群は、1万人のうち9624人に発生するという。社会的懸念へののめり込み、妄想や強迫観念に特徴付けられ...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    発達障害ブームに対するアンチテーゼとして、ニューロティピカル症候群に触発された、「普通」という生きにくさを前半では著述、身近な例も出され、面白かったが、それはあくまでも序章に過ぎず、後半1/4は他者との関係を主にADHDをはじめとした発達生姜と、そうではない人、そして著者の専門であるてんかんを例に出...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    1〜3章は面白く読みました。
    4章ではポップカルチャーやアートから定型発達のコミュニケーションを分析していますが、個人的には1章から言及している『牡丹と薔薇』を軸に深掘りして欲しかったです。
    「自分」とは本来性のないもので、他者からの相対評価が自己像を作り出すために関係性に依存せざるを得ない、という...続きを読む
  • 普通という異常 健常発達という病
    健常発達の特性やいじめの構造を解説。後半からは哲学との比較が為されやや難解です。タイトルに引かれ読みましたが私にはまだ早い(正直あまり楽しめなかった)本でした。とはいえ私たちが考える普通を見直す契機となる本になり得るかもしれません。
  • 発達障害の内側から見た世界 名指すことと分かること
    発達性協調運動障害であった精神科医の著者。
    発達性協調運動障害とは、例えば、、、
    ・逆上がりが出来ない。
    ・とび箱が飛べない。
    ・球技が苦手。
    ・紐が結べない。
    など。


    実は、僕も全く同じで、
    特に野球やバスケットボールなど、分担・役割が決まっているものは大の苦手でした。今なら僕も発達性協調運動...続きを読む