林史也のレビュー一覧
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購入済み
ほろ苦いけど美しい
1巻からずっと、画面レイアウトの美しさと日常のひとときの切り取りかたを好ましく感じ、読み進めています。
主人公2人の関係や気持ちに、分かりやすい名前がつけられないままお話が進んでいくので、読む側の受け取りかたが難しい作品なのではないでしょうか。
ただ、この物語では「名前をつけないままでいる」ということが重要なテーマなのだと思います。
主人公たちの日常生活を描いていく中で、「名前をつけない」ひいては「誰でも分かる決まった枠組みにとらわれない」ことにより、主人公たちとその周囲の人々との間には、相容れなさや、わずかな軋轢が生まれてしまいます。
しかしながら、ここまで丁寧に切り取られてきた生活描写の -
Posted by ブクログ
ネタバレとても良かった。三巻まで読んだけど、二人の生活の中で、命題として深く考えるというよりは、ふとした瞬間に自分たちのことを他人に説明できないことにもやるといった感じの描写が多く、読んでいてあるあるこういうこと、と勝手に共感してしまった。感想の中に作風が冗長で命題に出して答えを出すことをじらしまくるのが不誠実だという人もいたけれど私はこのゆっくりゆったりした空気感がとても良かったな。生活感も感じられて日常の中でふと考えて、少しずつシーンが重なって深く考えようとしなくとも、どうしても日常の中で澱のように溜まってしまうモヤモヤ、不満、疑念、命題。現実ってこんな感じだよねっていうのを深く感じされてくれた今
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Posted by ブクログ
ネタバレ同居しているふたりのなんでもない日々と、
そこに至るまでの経緯が描かれている。
単に野良猫ではなく雨の中動かない猫を見て
「自然に任せるのが一番いい」というのは薄情だなと思う。
動物が本当に好きでなければそんなものなのだろうし
そういう人が半端に手を出すよりは確かに
このままの方が良いというのは正しいが。
今日日エキゾチックアニマルならともかく猫を見ない獣医などそんなにいるのだろうか。
猫にビワを与えるのはダメではないし、弱っていて自分のご飯が食べられないのならせめてビワぐらいあげても良いと思う。
正しいか正しくないかというより、
周りの評価ではなく自分がどう思うかということだと思う。