加藤慧のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても好きな作家さん。『僕の狂ったフェミ彼女』では彼女のフェミニスト感情に共感しかなく、男性に一緒に訴えかける気持ちで読んでいたが、今回はオープン・リレーションシップというテーマで主人公のミレが彼氏とその彼女ソリから教えてもらう立場で、私も一緒に教えてもらった感覚。恋愛と自分の人生を切り離して考えられるソリがかっこいいなと思った。
や
確かに浮気されていても自分と良い関係を築けるのならそれでいいのではという考えがどこかにあった自分にはあれはこういうことだったのかと目から鱗だった。
他の男性に玉ねぎをあげただけで亡くなってしまう女性もいる韓国でこの本が出版されたことは祝福されるべきことだと思う -
Posted by ブクログ
『나의 미친 페미니스트 여자친구』 全訳
釜山国際映画祭「Book To Film」に選ばれた最高の話題作
小説家50人が推薦する「今年の小説」選定
韓国文化芸術委員会「文学分かち合い図書」選定
「こうやって結婚して子育てすることが、普通の幸せなんだってこと、彼女が毎日気にしている中絶や盗作、性暴力事件などとは縁遠い、平凡な日常だってことを、わかってほしいと思った。」
んなわけないだろ。読んでいて、スンジュンになんども腹が立った。
82年生まれ、キム・ジヨン以来の強烈なフェミニズム感情。
彼女の苦しみ、叫びが、平和ボケしたスンジュンには全然響いてなくてそのもどかしさに共感した。
他人の結 -
Posted by ブクログ
ずっと読みたかったこの本をやっと読むことができた。
ものすごく読みやすい訳で、するする読めてしまった。そのさなかに、はっと立ち止まる言葉があり、そのたび一呼吸おいて、自分に立ち返り読んだ。
大学を出て仕事を始めてから、自分の恋愛脳がほぼ、機能しなくなった。何故だろう?高校大学で色々ありすぎたから?流動的に、アロマンティックに?と感じていたり。今回この本を読んで、そのきっかけ…というより、変化の材料のようなものがわかってしまった。
著者あとがきの、「自分の人生を安全に守り、自分らしく生きたいという欲求と、誰かと共に行きたいという欲求が正面衝突するしかない。」これが答えだった。著者が、「彼女」が -
Posted by ブクログ
フォローさせて頂いているなおなおさんからお勧め頂いて拝読。
韓国映画や韓国ドラマをかなり観ていた時期があったお陰で何かと舌を鳴らしたりする感じや文化や場所などは軽く知っていたのですんなり読む事が出来ました。
年上の好意を持っている男性に対してオッパと呼ぶのを久々に見て懐かしい!と軽く感動を覚えましたが、軽妙で読みやすい恋愛小説なのに内容が実は日本にも通じるフェミニスト問題。
韓国の小説は大分前に読んだ『ダーウィンヤング』しか知らないのですが、同じ社会問題をテーマにした作品なのに読みやすさが段違い。
就活が難航していた主人公のスンジュンが漸くアメリカでのインターンシップというチャンスを手にし、 -
Posted by ブクログ
ネタバレとある作家さんのサイン会で、元パートナーから「日本では男尊女卑はなくならないよ」と言われ、ブチギレたら振られたという相談をしたら、おすすめしてもらった一冊。
元パートナーが発していた言葉と、本書のキム・スンジュンが発する言葉、とても似ていて、当時の「お互いの見えている世界の違い」を思い出した。読んでてちょっぴりしんどかった。
私は、本書の彼女のように、堕胎罪反対のデモで殴られても声を上げ続ける強さはない。彼女のように自分より立場が上の人の性加害を告発できるほどの勇気もない。だけど、自分にできる範囲のことをコツコツと積み重ねて、誰かと連帯して、少しずつでも社会を変えていける人になりたいナ。
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Posted by ブクログ
韓国と日本の女性観は、儒教的な考えが元になっている点で通ずるところがあり、この小説も共感するところが多かったです。男性視点でフェミニズムが語られているところが興味深く、読んでてイラッとする女性は少なくないのではと思いました。
この本にもありましたが、特に性犯罪に対する認識が、男女で隔たりが大きいことは日常にも感じます。男性が語るのは、冤罪や女性がそもそも誘惑したのではないか、等の男性擁護です。そうかもしれないですねと流しながら心の中では、割合としてそんなの数パーセントでしょ、アホらしいくらいには思ってます。私は私で女性に肩入れしているんでしょうね。だからこの手の話は難しいです。