レジーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【「教養=ビジネスの役に立つ」が生む息苦しさの正体】
社交スキルアップのために古典を読み、名著の内容をYouTubeでチェック、財テクや論破術をインフルエンサーから学び「自分の価値」を上げろ――このような「教養論」がビジネスパーソンの間で広まっている。
第一章 ファスト教養とは?
「ひろゆき、中田敦彦、カズレーザー、DaiGo、前澤友作、堀江貴文。」
この一文で始まってて笑った。というか、はい、すいません。観てます。わかってます。ってなった。
「まずは、夏目漱石、司馬遼太郎、村上春樹、三島由紀夫。」
と次に言われて、はい、すいません、今すぐ読みます。ぴえん。
この人たちの本は好きとか -
Posted by ブクログ
マジで良かった。
特に後半になるにつれ強調される「無駄の重要性」というのは非常に頷ける内容だったなと感じた。現代の競技的なクイズと非競技的なクイズの議論にも関係しそうなのでこのあたりも含めて考えていきたい。
少し自分の話ではあるけど、今自分は業務改善の仕事にやりがいを持って、それを踏まえた仕事を検討している。業務改善の目的は決して無駄をそぎ落として業務に集中させることと思われがちだが、この本とちょうど業務改善関係の動画(明治クッカーという会社のGoogle Workspace動画)などで言われていたことから、そうではないことに気がついた。そういった発想は結局「役に立たないことは無駄」といっ -
Posted by ブクログ
前作に続き2冊目。今回の著作もとても面白い。こういう文章を書きたい。最近の若者がコンサルにどんどん転職していく。コンサルってなんだかかっこいい。なんでだ?と思っていた時にまさにタイムリーな書名で思わず手に取った。
時勢を見極めてキャッチーなタイトルで売り出すマーケティング力、決して丹念とは言えないが、コンサルという職種に潜んでいる魅力はなんなのか?を時代背景と共に解説するリサーチ力。スポーツ選手やお笑い芸人の言動を交えて世相を切る鋭さ。学者や有識者の様な堅苦しい文章ではなく、さらっと平易に読ませる文章力。あぁこういう文章を書けるようになりたい。
結局成長病にみんな罹っているんだなと。終身雇 -
Posted by ブクログ
タイトルにひかれて購入。
コンサル業界は金銭的な報酬に加えて、「成長」=「将来転職しやすくなるポータブルスキルの習得」が見込めること、「自分がやりたいこと」=「業界」を決めるタイミングを遅らせることができること、が人気の理由としている。
今まで報酬以外にコンサル業界に転職する理由、および、新卒でコンサルに入社する理由がわからなかったが、本書の考察は合点が行く内容だった。
特に、成長を求める社会的な圧力、については非常に共感した。
本書でも繰り返し述べられているように、ステレオタイプな成長=ポータブルスキルの習得に固執するのではなく、自分にとっての成長を考えていきたい。 -
Posted by ブクログ
自分の中の長年のジレンマがほどかれ、新しい道筋を見せてもらえた。
自分は本をよく読む方だと思う。月に10冊くらいは読む。
でも、時々、本を読むことが苦しくなることがあった。
仕事やプライベートが忙しくて、読む時間がない、というわけではない。
読む時間は捻出すればあるのだけど、どうしようもなく読書が苦痛に思える期間がやって来ることがあった。
3日で治る時もあれば、数週間続く時もある。読書がきらいになったとか、本当は読みたくないのに無理して読んでいる、というわけはない。
読書する時間が何をするよりも一番落ち着くし、どこへ出かけることよりも好きだ。でも、読書ができなくなる瞬間がときどきやってくる -
Posted by ブクログ
ネタバレ・他人との比較や恐怖訴求に流されず、自分の興味関心や「好き」という気持ちを軸にすること
・ビジネス書にも上質なものや考えるきっかけになる本はたくさんあり、そういうものに触れるのもいい(私自身は読みたいと思わないけど)
現代にはびこる「ファスト教養」は教養と呼べるものではなく、コンテンツ自体というよりは言葉の使い方が曲がってしまっていることに気持ち悪さを感じる。
ファスト教養に関わる人々は、成長や金儲け、FIREを指向する割には「何のために?」という部分が非常に薄っぺらい。「10分で結論が得られる」コンテンツに何時間触れても、そもそも論を考える思考は生まれてこないように思う。
競争に勝つために -
Posted by ブクログ
現代社会における教養や文化との向き合い方について深く考えさせられた。特に、新自由主義が加速させた競争社会の「闇」と、それに伴うファスト教養の台頭という著者の問題提起は、自分の関心事と深く合致しており非常に面白く、膝を打って読んだ。
著者が示す「ファスト教養を認めざるを得ない、かといってすべてを認めたくはない」という、現代人の複雑な心理を的確に捉えた立ち位置には大いに共感した。
私は、田端信太郎氏、中田敦彦氏、堀江貴文氏、メンタリストDaiGo氏、ひろゆき氏、勝間和代氏、本田圭佑氏、両学長といった著名な発信者たちのコンテンツに触れるたび、ある種の違和感や居心地の悪さを感じていた。彼らの発する「 -
Posted by ブクログ
最近はいろんな本を紹介する言葉によく教養という言葉が使われると思う。この本でも指摘されていた通り、最近の教養は「ビジネスシーンで他の人を抜く知識」とされ、正直人にマウント取るための道具として扱われることが多いと思う。X見てても教養があることが持て囃される投稿をここ最近よくみるようになったと感じるし。シンプルに人から「教養あるね」って言われるのは気持ちがいいのはわかるからそういう傾向になるのはわかるけども。
ただ、本来の教養は「人生を豊かにする学問や知識」と定義されている通り、自分のためであって人にマウントを取るためではないからそこに留意しながら本を読み続けたいと思った。
インフルエンサーの言 -
Posted by ブクログ
ネタバレ筆者は題名にもなっている「ファスト教養」を、現代のビジネスパーソンが陥りがちな、成功、お金につながるための情報として定義している。ビジネスの役に立つもの以外は無駄、とする現代の風潮に対して、そういった風潮が醸成されるに至った時代背景や主要なプレイヤーの発言を元に分析し、その問題点や解決策について論じている。
筆者が結論として述べている、現実に則しつつも、一見無駄なように見える、すなわちビジネスとは直接的に繋がらないようなインプットも行うことで、既存の枠組みから脱却しようとする姿勢は共感できる。誰もがイノベーターになれるわけではない世の中で、イノベーションを適切に評価をし、受け手としての役割を全 -
Posted by ブクログ
なぜコンサルという職業が人気なのか、という「なぜ」から始まり、その理由に成長したいから、お金を稼ぎたいから、という2つの理由が挙げられる。
成長ってなんなのか、なぜ成長したいと現代人は考えるのかをじっくりと考えることができて、読んでいてとても面白かった。
著者の子育てから得られた家庭人としての側面から見る人生や社会への考えの変化の例は参考にしたい考え方であった。
自分ももちろん成長したいと思うが、自分の中での成長とはつまり自分の考えを深めていく事なのではないかとこの本を読んで思った。
何を大切にしているのか、なぜその行動をするのか、なぜそう考えるのか、自分自身と向き合いそういった自分らし