【感想・ネタバレ】東大生はなぜコンサルを目指すのかのレビュー

あらすじ

東大生の就職人気ランキング上位をいつのまにか独占するようになった「コンサル」。この状況の背景にある時代の流れとは? 「転職でキャリアアップ」「ポータブルスキルを身につけろ」そんな勇ましい言葉の裏側に見えてきたのは、「仕事で成長」を課せられて不安を募らせるビジネスパーソンたちの姿だった。時代の空気を鋭く切り取った『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』の著者が、我々が本当に向き合うべき成長とは何なのかを鮮やかに描き出す。圧倒的な努力や成長への強迫観念に追い立てられている人たちのための一冊。

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Posted by ブクログ

前作に続き2冊目。今回の著作もとても面白い。こういう文章を書きたい。最近の若者がコンサルにどんどん転職していく。コンサルってなんだかかっこいい。なんでだ?と思っていた時にまさにタイムリーな書名で思わず手に取った。

時勢を見極めてキャッチーなタイトルで売り出すマーケティング力、決して丹念とは言えないが、コンサルという職種に潜んでいる魅力はなんなのか?を時代背景と共に解説するリサーチ力。スポーツ選手やお笑い芸人の言動を交えて世相を切る鋭さ。学者や有識者の様な堅苦しい文章ではなく、さらっと平易に読ませる文章力。あぁこういう文章を書けるようになりたい。

結局成長病にみんな罹っているんだなと。終身雇用が崩壊している現代において、安定して安心してサラリーマンとして暮らすには汎用的な戦闘力=コンサルで鍛えられる能力を身につけるのがベストな選択という事で猫も杓子もコンサルを目指すらしい。でも生成AIがここまで急速に発達するとコンサルの下っ端が行うリサーチ業務はAIに置き換えらる。戦略コンサルで世間一般に得られるデータから高付加価値をつけてクライアントに提供できる人材はコンサルでもほんの一部分だろう。コンサルという職種が陳腐化するのはもうすぐなのかもしれない。

と思って読み進めていくと、コンサルの次はPE(プライベートエクイティ)だそうだ。。。というかもちろん金を稼ぐのは大切だけど、高収入を得られる仕事に就くことが目的になり過ぎている。。。

人生の目的は金を稼ぐ事だけではない筈。自分のやりたいことやって生きるのがいいよね。まぁほとんどの人は大してやりたい事がないから消去法でサラリーマンになるんだろうけど。。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

タイトルにひかれて購入。
コンサル業界は金銭的な報酬に加えて、「成長」=「将来転職しやすくなるポータブルスキルの習得」が見込めること、「自分がやりたいこと」=「業界」を決めるタイミングを遅らせることができること、が人気の理由としている。
今まで報酬以外にコンサル業界に転職する理由、および、新卒でコンサルに入社する理由がわからなかったが、本書の考察は合点が行く内容だった。
特に、成長を求める社会的な圧力、については非常に共感した。
本書でも繰り返し述べられているように、ステレオタイプな成長=ポータブルスキルの習得に固執するのではなく、自分にとっての成長を考えていきたい。

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

ビジネスパーソンにとって「成長」が報酬や承認を超えて、目的化している現状への問題提起を行う一冊。ビジネスメディアにハマっていた僕を冷静にして、人生の目標を考えるきっかけをくれました。おすすめです

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

コンサルが注目されている理由について面白い切り口で書かれていると思いました。

「安定したいから成長する」という思考はまさに現代社会では、会社が保証してくれない将来を自分自身で補っていく動きは今後も続くと思います。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

老いも若いも皆が抱えている不安に対して、一定の質問に答えている。自分の仕事、人生に満足し続けることの難しさを感じさせられた。
ジョブクラフティングという言葉は覚えておきたい。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

成長に追い立てられてコンサルを目指す、そうしないと不安になる成長教が蔓延している。汎用的なスキルが身につき、洗練されたイメージもあるコンサルになるのは合理的な選択でもあるのだなと思った。ただ、目的なく、コモディティ化した存在になってしまうことのリスクはあるようだ。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

なぜコンサルという職業が人気なのか、という「なぜ」から始まり、その理由に成長したいから、お金を稼ぎたいから、という2つの理由が挙げられる。

成長ってなんなのか、なぜ成長したいと現代人は考えるのかをじっくりと考えることができて、読んでいてとても面白かった。

著者の子育てから得られた家庭人としての側面から見る人生や社会への考えの変化の例は参考にしたい考え方であった。

自分ももちろん成長したいと思うが、自分の中での成長とはつまり自分の考えを深めていく事なのではないかとこの本を読んで思った。
何を大切にしているのか、なぜその行動をするのか、なぜそう考えるのか、自分自身と向き合いそういった自分らしい思考を深めていくことが自分にとって豊かな人生となるような気がしています。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

自分にとって成長とはなんなのか
今までの自分ができなかったことができるようになり、成果物と組織内のコミュニケーションハブとしても両方の面で貢献すること

ゆるブラック環境から脱出してもうすぐ2年だけど、20代女子の新卒3年をあの環境で過ごしたツケはこれから払わないといけないんだろうな
言われたことをやるだけじゃなくて、なぜやるのかプラスそれに自分はどんな工夫ができるのか

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

今をときめく業種の実態は金だけ高い人材派遣。クライアントに仕える下僕に過ぎない職業が、就職したいランキングの上位を埋め尽くす。なぜにそんなに人気があるのか?…終身雇用が崩れ、守ってくれない会社。将来不安を解消するキーワードは”成長”。「成長に囚われろ!」と叫んだのは実業家でもあるサッカー選手。世に蔓延する「成長教」。それさえ目指せば本当に先々安泰なのか?…コンサルの心得「MECE]「結論から先に」「3つあります」。数年経てばお笑いのネタになるかも。社会は常に変わっていく。変化することこそが”成長”である。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

タイトル以上に働き方、働くことへの向き合い方について様々な角度から切り込んでいた。またポップカルチャーと絡めた展開は筆者ならでは(いい意味でも悪い意味でも今の時代に受けそうな展開ではある)。
「ジョブクラフティング」の考え方は自分も大切にしたい。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

最近新書ばっかり読んじゃうな。物語にどっぷり浸かりたい。ただ新書読みやすくて面白い。社会人になってから読んだらもっと解像度高そうだなと思った。周りにもコンサルを目指す人がいるのでその点では実感を持って読めた。
著者の実地で裏打ちされた「成長」という言葉の罪深さ、現代の社会人が漠として抱えている不安を風刺混じりに書いていて読んでいておもしろかった。
結論も三宅かほさんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」ほど読者を突き離さないもので腑に落ちた。ただ、具体例が多く、話の方向性が見えず読んでて少し思うところがあった。ちょっと冗長に感じた。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

少し前に「成長」を渇望して転職をした身としては、なかなか耳の痛い言葉も多かった(自分の転職先はコンサルではないが)。
「成長教」に悩み苦しむのは、自分の世代以上に、もっと若い世代や学生、もっと言えば未就学児達なのであろう。そういう人達が不幸にならないような声掛けやサポート、伴走をしていきたいと思った

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンサルが目指される背景をレジーさん視点でまとめ上げられたもの。

●読書目的
自分自身の無意識な成長願望に対する不安の正体に気づくきっかけを得る

●結果
ある程度明確に。
キャリア選択における内省材料が不足している点と純粋な自己内省不足。

以下個人整理。
「コンサルで生き残れる即ちどこでも活躍できるスキルが獲得できると思い描かれた点」と「時代背景としての組織への依存への恐怖心(終身雇用の崩壊など)」が見事にマッチし、コンサルを目指すのが安心材料となる。

不安起点での仕事における成長への煽りが良くも悪くも若年層にマッチし過ぎている。

文中にもあるが、仕事が目的の方もいるとは思うが、私は仕事は手段として扱いたい。

自分にとっての幸せは何かがすぐには見つからずとも、歳と経験を積み上げてくる中で自分が求めるものを考え続けることが大切。

その結果、仕事文脈で盲目的な成長は必要ないかもしれないし、逆にコンサルのようなハードワークを求めるという結論になるかもしれない。

確かに市場ではコンサルでのサバイブ経験は評価されるし、年収も得られるだろうが、自分の人生における仕事文脈での成長はどの角度で必要かはよく見極めたい。

●結論
成長に囚われないためには、自分をいかに理解できるかが肝要。
自分を知り、自分を取り巻く環境を知り、自分にとって最適なものを選び取っていくことが最重要。
その材料が足りなければ新しい経験をする必要があるし、その経験を通してまた自分を知るループを回し続けるしないんだなぁと。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

当初は、やや論理の飛躍やコンサル讃歌の雰囲気を感じ、また自分の得意分野の事例に疑問を持つところもあったが、終盤のロジックや結論には賛同できた。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

成長が不安定な社会の中で、多くの若者が国が提示する漠然とした「ポータブルスキル」を追いかけ、コンサルティングファームへの転職や成長自体を目的化している全体像が理解できた。

成長はポータブルスキルだけに限定されるものではない点、労働者以外の立場でも必要な成長を個々人が考える重要性には共感した。

えば、ウェブ開発やアプリケーション開発といった分野に興味があれば、本来の仕事とは異なっていても、スキル開発すべきだし、それを通じて喜びを得られるのであればそれが〔本当の成長〕なんだろうと思う。

結局、「本当の成長に必要なスキル」を各自が見極めていくことが大切。その思考過程の先にコンサルティングファームへの道があるなら、それはそれで良いんだと思う。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

改めて自分は何がやりたくて、やりたくなくて、そのために何を(今やっていることも含め)いつまでやるかを就活以来に再考するタイミングが来たと思った。
そして仕事以外での成長、人間関係について思いを巡らせる時間にできた。もう少しこの時間をとっていく必要があると思う。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

ポータブルスキルの取得によって、どんな職場でも活躍できる、収入を得られる人間を目指す。
すなわちそれが「成長」とし、仕事に打ち込む人たちの方が、私自身はそれすらもしない人よりも意欲はあるように感じていいなと思う。

ただ、仕事の能力を上げれば良いとか、そうしない人が「成長」しようとしていないからいけないということではない。
その考え方だとあまりに短絡的すぎるし、体育会系の脳筋であると思う。

この本の最後に書かれていた、ライフキャリアの虹という枠組みで考えると腑に落ちていく。
仕事以外にも生活の中で色々なことで学んだり得られたり、それによって考え方が変わることも、成長であるのではないか。
自分の中で成長とはどういうことか、しっかりと考えられることで自分の軸が持てる。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

コンサルが人気な理由は、取り敢えず偏差値の高い大学に行っておけば安心、という思考回路と同じ流れなのかも。人生の選択肢を狭めない選択をしている。
決断を先延ばしに出来る理由は、長寿化が背景にあるのかもしれない。ただ、生物的、社会的な様々な寿命が不可避であるとするならば、今だけを起点に考えているとゴールとの辻褄が合わず、どこかで破綻しそう。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

成長したいの裏側にあるのは結局安定したいである
終身雇用ではなく終身成長の時代
強制された自発性
プラチナ企業:働きやすさと働きがいの2軸
成長は目的ではなく手段
自分なりの成長の物差し

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

私もいつからか「仕事で成長したい!」と思うようになってたなと、思い当たる部分がいくつもあった。

「そもそも何で成長したかったんだっけ?」と振り返ってみると、社会人になってがむしゃらに頑張って、仕事が出来るようになって人から褒めてもらえた=成長した!になってたかも。

「頑張ればまだまだ成長できるかな?そしたら周りにもっと認めてもらえるかも!」という人からの評価がモチベで、そこに自分なりのやりたいことやオリジナリティはなかった。だから、自分の成長が止まったと思った時、ここでこれ以上成長が見込めないから辞めようかなと考えることもあった。

この本を読んで、成長は周りが決めることじゃないし、そもそも成長は仕事のみから得るものではないと気づいた。

「成長=仕事ができるようになった」しか脳がなかった所を、きちんと休めるようになったこと、趣味に勤しめるようになったこと、大切な人ができたこと、それも全部含めて自分の人生を前に進めている、つまりは成長の一つなのかもしれない。

自分にとっての成長ってなんなのかを改めて考えるきっかけになったし、そんなに「成長したい!しなきゃ!」と思わなくても良いと感じた。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

2025年 11冊目
出身大学の採用を担当をしているが、コンサル志望者が年々増えているのはまさに痛感しているところである。コンサルに行くこと自体は否定しないし、優秀な方々もいると思うが、ポータブルスキルの向上や年収のためだけにコンサルを選ぶのは避けるべきだと本書を通じて再認識した。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

現代の若者が取り憑かれている「成長」への欲求とは何なのかを、コンサル本、現役のコンサル社員へのインタビュー、スポーツ、ポップカルチャーなどから多角的に論じた本。

読者である私はコンサル業界を経ずにソフトウェアやスタートアップの世界に入り、大した残業もせず適度に成長しながら楽しく働いている。その立場からすると、コンサルとは違う選択肢としてのソフトウェア業界やスタートアップについても語られていればさらに面白く読めたかもしれない。

とはいえコンサル業界出身の同僚と働くことも多く、彼女ら彼らがどんな世界で戦ってきたのか、その一端を知ることができてよかった。

本書では、世にいわれる「成長」が「ビジネス上のポータブルスキルを身に付ける」というとても狭い意味で使われることが指摘される。本来の「成長」には、目の前の仕事に自分なりの面白みを見つけられるようになることや、生活や子育てを通じて新たな視点を得ることも含まれる。この本で語られる理想像は、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が主張する「半身で働く社会」にも近く、共感した。

狭義の「成長」や不必要なまでの年収アップに囚われている若者に出会ったら、この本を贈りたい。

なおタイトルにある「東大生」というのは本を売るためのワーディングで、東大生固有の話はそこまで出てこなかった。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

ここ10〜20年前の話を題材にしていたり、最近の若者向けのエンタメや作品を取り扱ったりしているので、文章がとても読みやすかった。
‘’成長=安定を求めている‘’という考え方も納得できた。特に20.30代におすすめしたい。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

東大生(というか人々)はどうしてコンサルを求めているのかを、「成長」というキーワードなどを踏まえて捉えた本。全体的に納得できる内容も多く、筆者自身が考えている「一面的な成長を求めることへの警鐘」も非常に納得がいくものであった。今の会社で成長を考えているわけではない自分にとって「成長」について考えさせるという意味で非常に興味深かった。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

「成長」とはなんなのか?を問いかける本ではないかと思う。

筆者と同世代の私が大学生のころ、先生方にはよく新書を読めと言われていた。ChatGPTなんかはもちろんなかったが、C言語やExcel、数量モデルのようなスキルを身に着けろと言われたことはなかった。それらは研究などの過程で身につけて当然のスキルで、本当の意味での「教養」を身につけることが受験を終えた以降の成長なんだというメッセージだったのだろうと思う。

そして当時は大学の外にも知の巨人のような大人たちがたくさんいて憧れだった。文化などにも造詣が深かった。彼らと会話ができるように仕事を始めてからも本を読んだし今も読んでいる。だから三宅香帆さんの話題の本の主張はイマイチピンと来なかった。今になって思えば成長の意味や読書の意味が違うことに起因するのだと思う。

ポータブルなスキルはきっとすぐに陳腐化するだろう。次から次にそれを身につけ続けなければと思っている世代はなんだか可哀想だ。そもそも成長なんて自己内面的なことで、他者と比べることでもなかろう。成長の概念の変化をコンサル人気と紐付けた視点は秀逸だなと思う。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

●2025年7月14日、東京大学・書籍部にあった。2回目のセッションで寄った日。

「新書ベスト5」に入ってた。各部門のベスト5が並んでる本棚に面出しで飾られてた。

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幾つかの書籍や、有名人の発現などを取り上げて、成長についての近年の社会の言説を論じられていました。これが批評とうものか、と読み終えてふと気づく。

東大卒、というか、今はコンサルでの仕事が需給ともに高まっている中で、

供給側・就職者としては、

とくに将来にわたってお金を確保するために必要となると重視されているビジネス上のスキルとそれを反映した年収、肩書ということで、これらを兼ね備えたコンサルはとても魅力的。

スキルや年収をあげていくこと、成長続けられることが、何より安定なのだ、という考えは、

2000年代からのキャリア教育や、自立・自己責任論の浸透を通して、不安や恐怖とともに身につけられたもの。

たしかに何したらいいか分からないということでコンサル、というのは若いときはありかもしれないけれど、

将来のために、といろいろと先送りして時期を逃したり健康を害したりしないようにしたいですね。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

東大生の就職したい会社はほとんどコンサルらしい。理由は「成長出来るから」である。なぜ成長したいかというと、どの業界に行ってもやっていけるポータブルスキルが手っ取り早く身についてお金が稼げるからというふうに考えてるようだ。
さらに東大生がこうした思考になるのは著名人が「成長しろ」と発破をかけていることが大きいと指摘。その代表者は本田圭佑。

著名人が何か言うと啓蒙活動になってしまうんだろう。「本田圭佑が言うんだから、これから自分達は成長しないといけない」と若者が考えるのも無理はない。さらに元コンサルが「成長するならコンサルへ」と言うとなびいてしまう。結局周りに言われたから「成長したい」「コンサル行きたい」になっているのかというのが現状なのかと本書から読みとった。

著名人の発言はなぜこんなに影響があるのだろう。私の考えだと若者の将来に対する漠然とした不安だと思う。何があるかわからないからお金の持っている人から稼ぐ方法を教えてほしいということだろう。お金を稼ぐスキルを成長と言っている。お金が欲しいなら誰よりも働けば良いだけだと思うが・・。「古い」と言われそうだ。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

1.成長に魅せられ、振り回される人たち
2.成長に囚われた時代のカラクリ
3.「成長」と「コンサル」― 東大生はなぜコンサルを目指すのか?
4.コンサルタントたちの本音
5.「成長」文脈で読み解くポップカルチャー
6.成長をめぐる不都合な真実
7.成長に囚われずに、成長と生きる

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は「成長とは何か?」という問いかけを軸に、昨今の転職事情やその中でのコンサルの位置づけの変化などを分析している。コンサルへの転職を志す若者は、今般の終身雇用が担保されていない不確実性の高い社会において、成長を追い求め何処でも通用できるポータブルスキルを身につけることを志向しているが、それはSNSでの煽りや年収の魅力が先行しており、具体的な目的を持たずに漠然とした成長を目指さざるを得ない環境に囚われていることを指摘している。
しかし、本書の分析で深掘りが足りてないと感じているのは、コモディティ化しているコンサルのスキルの危うさである。成長を求めて何処でも通用するスキルを身につけるべくコンサルへの転職を希望する理由は確かに理解できるが、コンサルはあくまでサポーターであり、コンサルだけでは社会は回らない。製造業や飲食、卸業など様々な業界のスペシャリストがいることで社会は成り立っている。ただ、スペシャリストの職業は永遠に安泰では無いし業界横断で汎用的な能力が身につくとは限らない。だから、安定を求めて転職をする場合には、「コンサルしか選べない」という状況が起きているのではないかと推察している。コンサルはスペシャリストの価値を高めることは出来ても代替はできない、要するにスペシャリストを超えることは出来ない。こうしたコンサルが今後益々市場に溢れてしまうことへの問題提起もあってよかったように思う。
本書は、全体を通して、筆者の好み(エンタメや芸能人、スポーツ)によって恣意的にも感じられる有名人の発言や関連本の記載の引用が散見され、時代の流れを象徴する論点がこれで本当に"MECE"になっているかは、甚だ疑問がある。

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2025年07月28日

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