【感想・ネタバレ】東大生はなぜコンサルを目指すのかのレビュー

あらすじ

東大生の就職人気ランキング上位をいつのまにか独占するようになった「コンサル」。この状況の背景にある時代の流れとは? 「転職でキャリアアップ」「ポータブルスキルを身につけろ」そんな勇ましい言葉の裏側に見えてきたのは、「仕事で成長」を課せられて不安を募らせるビジネスパーソンたちの姿だった。時代の空気を鋭く切り取った『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』の著者が、我々が本当に向き合うべき成長とは何なのかを鮮やかに描き出す。圧倒的な努力や成長への強迫観念に追い立てられている人たちのための一冊。

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Posted by ブクログ

大学生就活時代、将来の夢や野心がなかった私はそれでも周りに合わせるよう自己分析を行い、絞り出したキーワードが「成長」であった。では成長とは具体的になに?答えの出ない中右往左往し、面接やエントリーシートに通り一辺倒のそれらしい答えをを披露していた苦い記憶が蘇る。

若い世代にとって将来の見通しが立たない世の中をサバイブするために「成長」を求めていると。その成長の内実はポータブルスキル(いわゆるロジカルシンキングとかコミュ力)と、高収入であると本書は読み解く。勤労者として最適にカスタマイズされた人材となることが本当に成長ですか、という警鐘。

「ジョブ・クラフティング」という発想には親近感を抱く。現在携わっている業務に、自分らしくアレンジを加えようという思考法は仕事への自分事感が増すであろうし、裁量を付加することにもなるので楽しいはず。私も嫌々取り組むのではなく、改善点や自分が楽できる方法を探すのって日常業務のちょっとした刺激になるし、意識しているところではある。
しかし、これも心理的安全性が担保されていることが前提。忙しいのはいいけど、人間関係などでストレス抱えているとそんなポジティブな発想をする余裕ないよね。

時代の潮流に完全には抗えないのもデジタル化社会と同じだと感じる。スマホ依存が害悪であると分かっているけど、断ち切って生活なんてとてもできない。そのような環境圧力があるのだと知ったうえで、違う道も模索してみる、そのような姿勢が大切なんだ。

参照する題材がポップカルチャーもあり読みやすさを提供しながら、現代人が目を背けられないコアなテーマを論考している骨太さもある。これからの社会を見通す指針として、必読ですね。

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2026年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現在30歳で今の社会に成長を強要される側面を実感している自分にとって、とても味わい深い一冊であった。

ページ数は250ページとそこまで多くないのに、味わい深すぎていつもより読むのに時間がかかってしまった。

本書は、成長することは悪いことではないと位置づけていながらも、「成長=ポータブルスキルや年収と位置付けることや、労働者的な成長に重きが置かれすぎている現代」に対して警鐘を鳴らしている。

個人的に一番印象に残ったのは

「自分にとってできるようになると嬉しいものができるようになること。そういった達成の方が成長という言葉に対してしっくりくる状態ではないか。(中略)自分にしかできない仕事には自分だけの価値基準、もっといえば自分なりの美学が宿る。それを磨いていくことが独自性につながるし、むしろその独自性を作ることこそが成長という言葉の示す意味に近いのではないか。」

この部分。

これは、成長=ポータブルスキルや年収としての成長至上主義に対するアンチテーゼであり、何となく自分が感じていたことを言語化してくれた快感があった。

他にも、感想欄では語れないほどの魅力がたくさん詰まった本だったので悩める優秀なビジネスパーソンの方々にはぜひおすすめしたい。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

本書では、「成長」や「ポータブルスキル」をキーワードに、そもそも成長とは何か、なぜ私たちは成長に囚われるのかを問うています。時代背景やコンサル勤務者へのインタビュー、「ゆるい」職場や「ブラック」職場の実態などを通して、「成長」との向き合い方を問い直すきっかけを与えてくれる本です。

東大生に関わらず、昨今のビジネスパーソンは「成長したい」という思いがあり、それを最短て叶えてくれる業界が「コンサル」だと本書では指摘します。

しかし、人々が言う「成長」という定義をよくよく突き詰めていくと、結局「お金が欲しい」「安定したい」という欲望や不安の裏返しにすぎません。【終身雇用の時代は終身成長の時代へ】というフレーズは、成長に追い立てられるディストピア味のある世界が想像できて印象的でした。

成長するなというのではなく、問題は「どの働き方スタイルも担保されていない」という世の中、私たちが望むと望まざるとに関わらず「成長」という強迫観念に晒されていること。こうした状況のなかで私たちがすべきことは、ただ成長を追い求めるのではなく、『ジョブクラフティング』によって今の仕事を自分なりに作り変えたり、『ライフキャリアレインボー』の視点から人生全体を見渡したりしながら、「人としての本当の成長」や自分にとってのやりがいを見出すことが重要なのだと理解しました。

「労働者」としての狭義の成長に捉われず、趣味やライフステージの変化を楽しみながら自分の役割を捉え直し、その過程そのものを成長として味わっていきたいです。

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

「東大生は〜」のタイトルは、「なぜ、コンサルがもてはやされるのか」とも置き換えられそうだけど、いろんな事象がよく分析・解説されていてわかりやすい本でした。
20年前、若者だった自分は城さんの「若者はなぜ3年で…」を読んでいたので、時代の流れとともに理解が早かった。そして、成長とは。
考えさせられる。
これは再読確定。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

前作に続き2冊目。今回の著作もとても面白い。こういう文章を書きたい。最近の若者がコンサルにどんどん転職していく。コンサルってなんだかかっこいい。なんでだ?と思っていた時にまさにタイムリーな書名で思わず手に取った。

時勢を見極めてキャッチーなタイトルで売り出すマーケティング力、決して丹念とは言えないが、コンサルという職種に潜んでいる魅力はなんなのか?を時代背景と共に解説するリサーチ力。スポーツ選手やお笑い芸人の言動を交えて世相を切る鋭さ。学者や有識者の様な堅苦しい文章ではなく、さらっと平易に読ませる文章力。あぁこういう文章を書けるようになりたい。

結局成長病にみんな罹っているんだなと。終身雇用が崩壊している現代において、安定して安心してサラリーマンとして暮らすには汎用的な戦闘力=コンサルで鍛えられる能力を身につけるのがベストな選択という事で猫も杓子もコンサルを目指すらしい。でも生成AIがここまで急速に発達するとコンサルの下っ端が行うリサーチ業務はAIに置き換えらる。戦略コンサルで世間一般に得られるデータから高付加価値をつけてクライアントに提供できる人材はコンサルでもほんの一部分だろう。コンサルという職種が陳腐化するのはもうすぐなのかもしれない。

と思って読み進めていくと、コンサルの次はPE(プライベートエクイティ)だそうだ。。。というかもちろん金を稼ぐのは大切だけど、高収入を得られる仕事に就くことが目的になり過ぎている。。。

人生の目的は金を稼ぐ事だけではない筈。自分のやりたいことやって生きるのがいいよね。まぁほとんどの人は大してやりたい事がないから消去法でサラリーマンになるんだろうけど。。

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2025年10月19日

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タイトルにひかれて購入。
コンサル業界は金銭的な報酬に加えて、「成長」=「将来転職しやすくなるポータブルスキルの習得」が見込めること、「自分がやりたいこと」=「業界」を決めるタイミングを遅らせることができること、が人気の理由としている。
今まで報酬以外にコンサル業界に転職する理由、および、新卒でコンサルに入社する理由がわからなかったが、本書の考察は合点が行く内容だった。
特に、成長を求める社会的な圧力、については非常に共感した。
本書でも繰り返し述べられているように、ステレオタイプな成長=ポータブルスキルの習得に固執するのではなく、自分にとっての成長を考えていきたい。

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2025年09月04日

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ビジネスパーソンにとって「成長」が報酬や承認を超えて、目的化している現状への問題提起を行う一冊。ビジネスメディアにハマっていた僕を冷静にして、人生の目標を考えるきっかけをくれました。おすすめです

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2025年07月24日

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レジー著のビジネス書。
本書を手に取ったきっかけは、バイト先の後輩である京大生が、理系大学院卒でありながらメーカーではなくコンサルに就職したことだった。
読む前は待遇や勤務地といった条件面が理由だと思っていたが、本書を通じて、コンサルという職業が「安定するためには成長し続けなければならない」という現代社会において、極めて合理的な選択であることが理解できた。
終身雇用が保証されない今、20代でどの会社でも通用するスキルを身につけることが、結果として安定につながるという考え方は説得力がある。また本書は、「何のために成長するのか」という問いを投げかけてくれる点も印象的だった。成長そのものを目的にするのではなく、自分の目指す姿に近づくために成長する。その視点を持つことの大切さを再認識させられる一冊である。

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2026年01月02日

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成長に追い立てられてコンサルを目指す、そうしないと不安になる成長教が蔓延している。汎用的なスキルが身につき、洗練されたイメージもあるコンサルになるのは合理的な選択でもあるのだなと思った。ただ、目的なく、コモディティ化した存在になってしまうことのリスクはあるようだ。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

なぜコンサルという職業が人気なのか、という「なぜ」から始まり、その理由に成長したいから、お金を稼ぎたいから、という2つの理由が挙げられる。

成長ってなんなのか、なぜ成長したいと現代人は考えるのかをじっくりと考えることができて、読んでいてとても面白かった。

著者の子育てから得られた家庭人としての側面から見る人生や社会への考えの変化の例は参考にしたい考え方であった。

自分ももちろん成長したいと思うが、自分の中での成長とはつまり自分の考えを深めていく事なのではないかとこの本を読んで思った。
何を大切にしているのか、なぜその行動をするのか、なぜそう考えるのか、自分自身と向き合いそういった自分らしい思考を深めていくことが自分にとって豊かな人生となるような気がしています。

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2025年11月22日

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自分にとって成長とはなんなのか
今までの自分ができなかったことができるようになり、成果物と組織内のコミュニケーションハブとしても両方の面で貢献すること

ゆるブラック環境から脱出してもうすぐ2年だけど、20代女子の新卒3年をあの環境で過ごしたツケはこれから払わないといけないんだろうな
言われたことをやるだけじゃなくて、なぜやるのかプラスそれに自分はどんな工夫ができるのか

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2025年11月15日

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今をときめく業種の実態は金だけ高い人材派遣。クライアントに仕える下僕に過ぎない職業が、就職したいランキングの上位を埋め尽くす。なぜにそんなに人気があるのか?…終身雇用が崩れ、守ってくれない会社。将来不安を解消するキーワードは”成長”。「成長に囚われろ!」と叫んだのは実業家でもあるサッカー選手。世に蔓延する「成長教」。それさえ目指せば本当に先々安泰なのか?…コンサルの心得「MECE]「結論から先に」「3つあります」。数年経てばお笑いのネタになるかも。社会は常に変わっていく。変化することこそが”成長”である。

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2025年11月08日

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タイトル以上に働き方、働くことへの向き合い方について様々な角度から切り込んでいた。またポップカルチャーと絡めた展開は筆者ならでは(いい意味でも悪い意味でも今の時代に受けそうな展開ではある)。
「ジョブクラフティング」の考え方は自分も大切にしたい。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

最近新書ばっかり読んじゃうな。物語にどっぷり浸かりたい。ただ新書読みやすくて面白い。社会人になってから読んだらもっと解像度高そうだなと思った。周りにもコンサルを目指す人がいるのでその点では実感を持って読めた。
著者の実地で裏打ちされた「成長」という言葉の罪深さ、現代の社会人が漠として抱えている不安を風刺混じりに書いていて読んでいておもしろかった。
結論も三宅かほさんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」ほど読者を突き離さないもので腑に落ちた。ただ、具体例が多く、話の方向性が見えず読んでて少し思うところがあった。ちょっと冗長に感じた。

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2025年10月27日

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少し前に「成長」を渇望して転職をした身としては、なかなか耳の痛い言葉も多かった(自分の転職先はコンサルではないが)。
「成長教」に悩み苦しむのは、自分の世代以上に、もっと若い世代や学生、もっと言えば未就学児達なのであろう。そういう人達が不幸にならないような声掛けやサポート、伴走をしていきたいと思った

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンサルが目指される背景をレジーさん視点でまとめ上げられたもの。

●読書目的
自分自身の無意識な成長願望に対する不安の正体に気づくきっかけを得る

●結果
ある程度明確に。
キャリア選択における内省材料が不足している点と純粋な自己内省不足。

以下個人整理。
「コンサルで生き残れる即ちどこでも活躍できるスキルが獲得できると思い描かれた点」と「時代背景としての組織への依存への恐怖心(終身雇用の崩壊など)」が見事にマッチし、コンサルを目指すのが安心材料となる。

不安起点での仕事における成長への煽りが良くも悪くも若年層にマッチし過ぎている。

文中にもあるが、仕事が目的の方もいるとは思うが、私は仕事は手段として扱いたい。

自分にとっての幸せは何かがすぐには見つからずとも、歳と経験を積み上げてくる中で自分が求めるものを考え続けることが大切。

その結果、仕事文脈で盲目的な成長は必要ないかもしれないし、逆にコンサルのようなハードワークを求めるという結論になるかもしれない。

確かに市場ではコンサルでのサバイブ経験は評価されるし、年収も得られるだろうが、自分の人生における仕事文脈での成長はどの角度で必要かはよく見極めたい。

●結論
成長に囚われないためには、自分をいかに理解できるかが肝要。
自分を知り、自分を取り巻く環境を知り、自分にとって最適なものを選び取っていくことが最重要。
その材料が足りなければ新しい経験をする必要があるし、その経験を通してまた自分を知るループを回し続けるしないんだなぁと。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

当初は、やや論理の飛躍やコンサル讃歌の雰囲気を感じ、また自分の得意分野の事例に疑問を持つところもあったが、終盤のロジックや結論には賛同できた。

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2025年09月28日

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成長が不安定な社会の中で、多くの若者が国が提示する漠然とした「ポータブルスキル」を追いかけ、コンサルティングファームへの転職や成長自体を目的化している全体像が理解できた。

成長はポータブルスキルだけに限定されるものではない点、労働者以外の立場でも必要な成長を個々人が考える重要性には共感した。

えば、ウェブ開発やアプリケーション開発といった分野に興味があれば、本来の仕事とは異なっていても、スキル開発すべきだし、それを通じて喜びを得られるのであればそれが〔本当の成長〕なんだろうと思う。

結局、「本当の成長に必要なスキル」を各自が見極めていくことが大切。その思考過程の先にコンサルティングファームへの道があるなら、それはそれで良いんだと思う。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

改めて自分は何がやりたくて、やりたくなくて、そのために何を(今やっていることも含め)いつまでやるかを就活以来に再考するタイミングが来たと思った。
そして仕事以外での成長、人間関係について思いを巡らせる時間にできた。もう少しこの時間をとっていく必要があると思う。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

ポータブルスキルの取得によって、どんな職場でも活躍できる、収入を得られる人間を目指す。
すなわちそれが「成長」とし、仕事に打ち込む人たちの方が、私自身はそれすらもしない人よりも意欲はあるように感じていいなと思う。

ただ、仕事の能力を上げれば良いとか、そうしない人が「成長」しようとしていないからいけないということではない。
その考え方だとあまりに短絡的すぎるし、体育会系の脳筋であると思う。

この本の最後に書かれていた、ライフキャリアの虹という枠組みで考えると腑に落ちていく。
仕事以外にも生活の中で色々なことで学んだり得られたり、それによって考え方が変わることも、成長であるのではないか。
自分の中で成長とはどういうことか、しっかりと考えられることで自分の軸が持てる。

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2025年08月25日

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コンサルが人気な理由は、取り敢えず偏差値の高い大学に行っておけば安心、という思考回路と同じ流れなのかも。人生の選択肢を狭めない選択をしている。
決断を先延ばしに出来る理由は、長寿化が背景にあるのかもしれない。ただ、生物的、社会的な様々な寿命が不可避であるとするならば、今だけを起点に考えているとゴールとの辻褄が合わず、どこかで破綻しそう。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

成長したいの裏側にあるのは結局安定したいである
終身雇用ではなく終身成長の時代
強制された自発性
プラチナ企業:働きやすさと働きがいの2軸
成長は目的ではなく手段
自分なりの成長の物差し

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

私もいつからか「仕事で成長したい!」と思うようになってたなと、思い当たる部分がいくつもあった。

「そもそも何で成長したかったんだっけ?」と振り返ってみると、社会人になってがむしゃらに頑張って、仕事が出来るようになって人から褒めてもらえた=成長した!になってたかも。

「頑張ればまだまだ成長できるかな?そしたら周りにもっと認めてもらえるかも!」という人からの評価がモチベで、そこに自分なりのやりたいことやオリジナリティはなかった。だから、自分の成長が止まったと思った時、ここでこれ以上成長が見込めないから辞めようかなと考えることもあった。

この本を読んで、成長は周りが決めることじゃないし、そもそも成長は仕事のみから得るものではないと気づいた。

「成長=仕事ができるようになった」しか脳がなかった所を、きちんと休めるようになったこと、趣味に勤しめるようになったこと、大切な人ができたこと、それも全部含めて自分の人生を前に進めている、つまりは成長の一つなのかもしれない。

自分にとっての成長ってなんなのかを改めて考えるきっかけになったし、そんなに「成長したい!しなきゃ!」と思わなくても良いと感じた。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

2025年 11冊目
出身大学の採用を担当をしているが、コンサル志望者が年々増えているのはまさに痛感しているところである。コンサルに行くこと自体は否定しないし、優秀な方々もいると思うが、ポータブルスキルの向上や年収のためだけにコンサルを選ぶのは避けるべきだと本書を通じて再認識した。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

現代の若者が取り憑かれている「成長」への欲求とは何なのかを、コンサル本、現役のコンサル社員へのインタビュー、スポーツ、ポップカルチャーなどから多角的に論じた本。

読者である私はコンサル業界を経ずにソフトウェアやスタートアップの世界に入り、大した残業もせず適度に成長しながら楽しく働いている。その立場からすると、コンサルとは違う選択肢としてのソフトウェア業界やスタートアップについても語られていればさらに面白く読めたかもしれない。

とはいえコンサル業界出身の同僚と働くことも多く、彼女ら彼らがどんな世界で戦ってきたのか、その一端を知ることができてよかった。

本書では、世にいわれる「成長」が「ビジネス上のポータブルスキルを身に付ける」というとても狭い意味で使われることが指摘される。本来の「成長」には、目の前の仕事に自分なりの面白みを見つけられるようになることや、生活や子育てを通じて新たな視点を得ることも含まれる。この本で語られる理想像は、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が主張する「半身で働く社会」にも近く、共感した。

狭義の「成長」や不必要なまでの年収アップに囚われている若者に出会ったら、この本を贈りたい。

なおタイトルにある「東大生」というのは本を売るためのワーディングで、東大生固有の話はそこまで出てこなかった。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

ここ10〜20年前の話を題材にしていたり、最近の若者向けのエンタメや作品を取り扱ったりしているので、文章がとても読みやすかった。
‘’成長=安定を求めている‘’という考え方も納得できた。特に20.30代におすすめしたい。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幾つかの書籍や、有名人の発現などを取り上げて、成長についての近年の社会の言説を論じられていました。これが批評とうものか、と読み終えてふと気づく。

東大卒、というか、今はコンサルでの仕事が需給ともに高まっている中で、

供給側・就職者としては、

とくに将来にわたってお金を確保するために必要となると重視されているビジネス上のスキルとそれを反映した年収、肩書ということで、これらを兼ね備えたコンサルはとても魅力的。

スキルや年収をあげていくこと、成長続けられることが、何より安定なのだ、という考えは、

2000年代からのキャリア教育や、自立・自己責任論の浸透を通して、不安や恐怖とともに身につけられたもの。

たしかに何したらいいか分からないということでコンサル、というのは若いときはありかもしれないけれど、

将来のために、といろいろと先送りして時期を逃したり健康を害したりしないようにしたいですね。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

東大生の就職したい会社はほとんどコンサルらしい。理由は「成長出来るから」である。なぜ成長したいかというと、どの業界に行ってもやっていけるポータブルスキルが手っ取り早く身についてお金が稼げるからというふうに考えてるようだ。
さらに東大生がこうした思考になるのは著名人が「成長しろ」と発破をかけていることが大きいと指摘。その代表者は本田圭佑。

著名人が何か言うと啓蒙活動になってしまうんだろう。「本田圭佑が言うんだから、これから自分達は成長しないといけない」と若者が考えるのも無理はない。さらに元コンサルが「成長するならコンサルへ」と言うとなびいてしまう。結局周りに言われたから「成長したい」「コンサル行きたい」になっているのかというのが現状なのかと本書から読みとった。

著名人の発言はなぜこんなに影響があるのだろう。私の考えだと若者の将来に対する漠然とした不安だと思う。何があるかわからないからお金の持っている人から稼ぐ方法を教えてほしいということだろう。お金を稼ぐスキルを成長と言っている。お金が欲しいなら誰よりも働けば良いだけだと思うが・・。「古い」と言われそうだ。

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2025年10月27日

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1.成長に魅せられ、振り回される人たち
2.成長に囚われた時代のカラクリ
3.「成長」と「コンサル」― 東大生はなぜコンサルを目指すのか?
4.コンサルタントたちの本音
5.「成長」文脈で読み解くポップカルチャー
6.成長をめぐる不都合な真実
7.成長に囚われずに、成長と生きる

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は「成長とは何か?」という問いかけを軸に、昨今の転職事情やその中でのコンサルの位置づけの変化などを分析している。コンサルへの転職を志す若者は、今般の終身雇用が担保されていない不確実性の高い社会において、成長を追い求め何処でも通用できるポータブルスキルを身につけることを志向しているが、それはSNSでの煽りや年収の魅力が先行しており、具体的な目的を持たずに漠然とした成長を目指さざるを得ない環境に囚われていることを指摘している。
しかし、本書の分析で深掘りが足りてないと感じているのは、コモディティ化しているコンサルのスキルの危うさである。成長を求めて何処でも通用するスキルを身につけるべくコンサルへの転職を希望する理由は確かに理解できるが、コンサルはあくまでサポーターであり、コンサルだけでは社会は回らない。製造業や飲食、卸業など様々な業界のスペシャリストがいることで社会は成り立っている。ただ、スペシャリストの職業は永遠に安泰では無いし業界横断で汎用的な能力が身につくとは限らない。だから、安定を求めて転職をする場合には、「コンサルしか選べない」という状況が起きているのではないかと推察している。コンサルはスペシャリストの価値を高めることは出来ても代替はできない、要するにスペシャリストを超えることは出来ない。こうしたコンサルが今後益々市場に溢れてしまうことへの問題提起もあってよかったように思う。
本書は、全体を通して、筆者の好み(エンタメや芸能人、スポーツ)によって恣意的にも感じられる有名人の発言や関連本の記載の引用が散見され、時代の流れを象徴する論点がこれで本当に"MECE"になっているかは、甚だ疑問がある。

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2025年07月28日

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