【感想・ネタバレ】東大生はなぜコンサルを目指すのかのレビュー

あらすじ

東大生の就職人気ランキング上位をいつのまにか独占するようになった「コンサル」。この状況の背景にある時代の流れとは? 「転職でキャリアアップ」「ポータブルスキルを身につけろ」そんな勇ましい言葉の裏側に見えてきたのは、「仕事で成長」を課せられて不安を募らせるビジネスパーソンたちの姿だった。時代の空気を鋭く切り取った『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』の著者が、我々が本当に向き合うべき成長とは何なのかを鮮やかに描き出す。圧倒的な努力や成長への強迫観念に追い立てられている人たちのための一冊。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

現在30歳で今の社会に成長を強要される側面を実感している自分にとって、とても味わい深い一冊であった。

ページ数は250ページとそこまで多くないのに、味わい深すぎていつもより読むのに時間がかかってしまった。

本書は、成長することは悪いことではないと位置づけていながらも、「成長=ポータブルスキルや年収と位置付けることや、労働者的な成長に重きが置かれすぎている現代」に対して警鐘を鳴らしている。

個人的に一番印象に残ったのは

「自分にとってできるようになると嬉しいものができるようになること。そういった達成の方が成長という言葉に対してしっくりくる状態ではないか。(中略)自分にしかできない仕事には自分だけの価値基準、もっといえば自分なりの美学が宿る。それを磨いていくことが独自性につながるし、むしろその独自性を作ることこそが成長という言葉の示す意味に近いのではないか。」

この部分。

これは、成長=ポータブルスキルや年収としての成長至上主義に対するアンチテーゼであり、何となく自分が感じていたことを言語化してくれた快感があった。

他にも、感想欄では語れないほどの魅力がたくさん詰まった本だったので悩める優秀なビジネスパーソンの方々にはぜひおすすめしたい。

0
2026年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンサルが目指される背景をレジーさん視点でまとめ上げられたもの。

●読書目的
自分自身の無意識な成長願望に対する不安の正体に気づくきっかけを得る

●結果
ある程度明確に。
キャリア選択における内省材料が不足している点と純粋な自己内省不足。

以下個人整理。
「コンサルで生き残れる即ちどこでも活躍できるスキルが獲得できると思い描かれた点」と「時代背景としての組織への依存への恐怖心(終身雇用の崩壊など)」が見事にマッチし、コンサルを目指すのが安心材料となる。

不安起点での仕事における成長への煽りが良くも悪くも若年層にマッチし過ぎている。

文中にもあるが、仕事が目的の方もいるとは思うが、私は仕事は手段として扱いたい。

自分にとっての幸せは何かがすぐには見つからずとも、歳と経験を積み上げてくる中で自分が求めるものを考え続けることが大切。

その結果、仕事文脈で盲目的な成長は必要ないかもしれないし、逆にコンサルのようなハードワークを求めるという結論になるかもしれない。

確かに市場ではコンサルでのサバイブ経験は評価されるし、年収も得られるだろうが、自分の人生における仕事文脈での成長はどの角度で必要かはよく見極めたい。

●結論
成長に囚われないためには、自分をいかに理解できるかが肝要。
自分を知り、自分を取り巻く環境を知り、自分にとって最適なものを選び取っていくことが最重要。
その材料が足りなければ新しい経験をする必要があるし、その経験を通してまた自分を知るループを回し続けるしないんだなぁと。

0
2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

成長したいの裏側にあるのは結局安定したいである
終身雇用ではなく終身成長の時代
強制された自発性
プラチナ企業:働きやすさと働きがいの2軸
成長は目的ではなく手段
自分なりの成長の物差し

0
2025年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幾つかの書籍や、有名人の発現などを取り上げて、成長についての近年の社会の言説を論じられていました。これが批評とうものか、と読み終えてふと気づく。

東大卒、というか、今はコンサルでの仕事が需給ともに高まっている中で、

供給側・就職者としては、

とくに将来にわたってお金を確保するために必要となると重視されているビジネス上のスキルとそれを反映した年収、肩書ということで、これらを兼ね備えたコンサルはとても魅力的。

スキルや年収をあげていくこと、成長続けられることが、何より安定なのだ、という考えは、

2000年代からのキャリア教育や、自立・自己責任論の浸透を通して、不安や恐怖とともに身につけられたもの。

たしかに何したらいいか分からないということでコンサル、というのは若いときはありかもしれないけれど、

将来のために、といろいろと先送りして時期を逃したり健康を害したりしないようにしたいですね。

0
2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は「成長とは何か?」という問いかけを軸に、昨今の転職事情やその中でのコンサルの位置づけの変化などを分析している。コンサルへの転職を志す若者は、今般の終身雇用が担保されていない不確実性の高い社会において、成長を追い求め何処でも通用できるポータブルスキルを身につけることを志向しているが、それはSNSでの煽りや年収の魅力が先行しており、具体的な目的を持たずに漠然とした成長を目指さざるを得ない環境に囚われていることを指摘している。
しかし、本書の分析で深掘りが足りてないと感じているのは、コモディティ化しているコンサルのスキルの危うさである。成長を求めて何処でも通用するスキルを身につけるべくコンサルへの転職を希望する理由は確かに理解できるが、コンサルはあくまでサポーターであり、コンサルだけでは社会は回らない。製造業や飲食、卸業など様々な業界のスペシャリストがいることで社会は成り立っている。ただ、スペシャリストの職業は永遠に安泰では無いし業界横断で汎用的な能力が身につくとは限らない。だから、安定を求めて転職をする場合には、「コンサルしか選べない」という状況が起きているのではないかと推察している。コンサルはスペシャリストの価値を高めることは出来ても代替はできない、要するにスペシャリストを超えることは出来ない。こうしたコンサルが今後益々市場に溢れてしまうことへの問題提起もあってよかったように思う。
本書は、全体を通して、筆者の好み(エンタメや芸能人、スポーツ)によって恣意的にも感じられる有名人の発言や関連本の記載の引用が散見され、時代の流れを象徴する論点がこれで本当に"MECE"になっているかは、甚だ疑問がある。

0
2025年07月28日

「ノンフィクション」ランキング