谷口雄太のレビュー一覧

  • 鎌倉幕府と室町幕府~最新研究でわかった実像~

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    鎌倉幕府と室町幕府を最新の研究から、制度や権力構造に
    重点を置いて比較し、研究者の視点から解き明かす。
    ・はじめに――熱い時代の先に
    ・旧国名地図 ・鎌倉幕府将軍略系図
    ・得宗略系図 ・足利家系図
    第一章 【鎌倉幕府と公家寺社】部分的な存在としての鎌倉幕府
    第二章 【室町幕府公家寺社】公・武の関係をどうとらえるか
    第三章 【鎌倉幕府の地方支配】
            鎌倉幕府の「守護」とは何だったのか
    第四章 【室町幕府地方支配】守護は地方にいなかった?
    第五章 【鎌倉幕府の滅亡】滅亡は必然か?偶然か?
    第六章 【室町幕府の滅亡】存亡よ滅亡をめぐる問い
    座談会 鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったの

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    2025年02月06日
  • 鎌倉幕府と室町幕府~最新研究でわかった実像~

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    制度や権力構造に重きを置いて両幕府を比較することで、その特徴を浮き彫りにしようとする内容。テーマ毎に研究史と現在の到達点が分かりやすく整理されている良書。

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    2023年02月07日
  • 鎌倉幕府と室町幕府~最新研究でわかった実像~

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    気鋭の若手日本中世史研究者4人が、鎌倉幕府と室町幕府を比較しながら、両幕府に関する近年の研究成果を整理。
    自分は日本史好きであるものの、鎌倉・室町時代は最も興味がない門外漢だが、鎌倉・室町幕府を巡る研究史の流れがよく理解できたし、通説が塗り替えられていく歴史学研究のダイナミズムが感じられ、かなり面白かった。
    従来の通説が階級闘争的・二項対立的なマルクス主義歴史学の影響を強く受けていて、冷戦終結後にそれを超克せんとする多様な実証的研究が開花したという研究史の流れを再認識した。
    ただ、64頁の天皇家系図で室町時代の最重要天皇ともいえる後小松天皇が漏れているのは玉に瑕であった。

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    2022年05月13日
  • 分裂と統合で読む日本中世史

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    日本史において最も分裂した時代とされる中世を主題に、地理的人的側面の多様性についての先行研究を紹介し、それでもなお統合を失わなかった背景を探る一冊。民俗学の知見も合わせ整理された研究史についても分かりやすい内容。

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    2023年02月03日
  • 鎌倉幕府と室町幕府~最新研究でわかった実像~

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    <目次>
    はじめに  熱い時代の先に
    第1章  【鎌倉時代と公家寺社】部分的な存在としての鎌倉幕府
    第2章  【室町幕府と公家寺社】公・武の関係をどうとらえるか
    第3章  【鎌倉幕府の地方支配】鎌倉時代の「守護」とは何だったのか
    第4章  【室町幕府の地方支配】守護は地方にいなかった?
    第5章  【鎌倉幕府の滅亡】滅亡は必然か?偶然か?
    第6章  【室町幕府の滅亡】存続と滅亡をめぐる戦い
    座談会  鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか?

    <内容>
    最新の日本史中世史の研究成果をかいつまんで読むことができる本。この時期の研究史がわかりやすくまとまっている。これによると、中・高の教科書は(特

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    2022年04月30日
  • 鎌倉幕府と室町幕府~最新研究でわかった実像~

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     とても面白い。

     近年、室町時代研究が熱い。論文や専門書のレベルから、最近は新書等の一般概説書にまでその動きが広がってきており、史料により判明した新しい事実や、新たな分析視点や考え方が紹介されている。

     本書も、最新研究の成果を紹介しようとする一冊だが、ある論点を鎌倉幕府と室町幕府を比較しつつ検討していくところが、とても面白い。
     また、これまでの研究状況を踏まえた上で、どのような理由で反対の論や別の見方が出てきているのか、見直しの方向になっているのかを、一般読者にも分かり易く説明してくれているのは、大変ありがたい。

     特に、学会の通説化していた中世史学の泰斗佐藤進一氏の説を乗り越えよ

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    2022年03月20日
  • 分裂と統合で読む日本中世史

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    分裂と統合をキーワードに日本史の論点をわかりやすく整理している。
    一世を風靡した網野善彦の、日本の概念への疑問、多様性の強調が国家史重視に転換しているというのは初耳。

    しかし、グローバル化、地方の重視、中世的な権力の重層と言っていた風潮がコロナによる国境閉鎖で一気に転換したこととも関係あるのか。
    所詮未だに現代は近代国家の枠組みを超えていないことがよくわかる。

    分裂や多様化は細分化すると個人まで行ってしまうので、どこに線引するかは難しいところ。大きな違い、多様性はもちろん考えるべきだが、日本は比較すればかなり統一性が強いのではないか。

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    2021年12月12日
  • 分裂と統合で読む日本中世史

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    いま中世に向かおうとしている、だから中世を知り、学んで行くべきとの著者の提案。
    統合と分裂を繰り返してきた日本の成り立ちは、独立した東国、鎌倉府と西の朝廷の並立を指摘するところまではエキサイティングだ。しかし、統合の力が、貴種と都であるとする主張は、いま僕らが直面している世界への示唆としてなにを読み取れというのか。言葉らたずで著を終えてしまっている。

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    2021年11月27日