和泉悠のレビュー一覧

  • 悪口ってなんだろう
    悪口の概要が掴めた。これ作者がいっぱい本読んでまとめた的なタイプのやつだから、2〜3回読み直さないと自分のものになんないのか〜と思った。とにかく、悪口とは「何か、誰かと比較し、その評判、社会的ランキングを下げること」ってことでよろしい?
    最初はすごい論理的だったのに、真ん中らへんからちょいちょい自我...続きを読む
  • 悪口ってなんだろう
    悪口の定義がこちらを読んで解像度あがりました。すっごく読み応えがありました。
    特に、サン人(狩猟採集民)から学ぶ悪口の使い方や暴言を言うことで痛みを耐えることができると謳った研究が興味深かった。
    イコライザーとしての悪口は納得。
  • 悪口ってなんだろう
    悪口は、その人たちが共有している存在のランキングから、その対象のランクを下げて貶める行為である。

    「悪口じゃないよ、意見だよ」
    「率直な批評だよ。」
    「冗談だよ」
    なんと言われようと、そこにランクを貶める効果がある以上、それは悪口だし、受けた側は不快に感じるものなのだ。

    腑に落ちた。
    私がなぜ、...続きを読む
  • 悪口ってなんだろう
    ■「悪口はどうして悪いのか」。
     人を傷つけるかどうか、悪意があるかどうかではなく、平等のランクにいるはずの誰かをランクが下の存在として取り扱うかどうかで、悪いかどうかが決まる。
    ■「どこからどこまでが悪口なのか」。
     ヴァーチャルな悪口が、ヴァーチャルな関係性を操作するに過ぎず、本当には人を貶めな...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    「『悪い言語』哲学入門」であり「悪い(=あくまで正統的でない、という意味で)『言語哲学入門』」でもある本。
    言語哲学については、言語行為論をはじめいくつか目を通したことがあったが、それら、「言語哲学」の中でいくつか出てくる理論(けして奇をてらったものではなく、言語哲学のなかではかなりベーシックなもの...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    言葉のもつ表の意味と裏の意味を知った。この分野は語用論という。実際の言葉の形から、ではどういう意味をもつのかを研究する。
    京都の人が「えらいいうまい演奏ですなあ」といった場合、それは演奏を誉めているのではなく、うるさいからピアノを引くのをやめろ、という含みをもつ。このように言葉にはその言葉の裏にある...続きを読む
  • 悪口ってなんだろう
    悪口について哲学的考察が縷々述べられているが、人が他人と係わる限り悪口の種は尽きないことが再認識できた.人をランク付けすることは避けられないことだが、「弱者を踏みつけるために悪口を使うのではなく、強者に抵抗するために悪口を言うべきだ」との提言は、非常にしっくりくるものと感じた.
  • 悪口ってなんだろう
    分かりやすくて面白かった。自分や周りを上げたり下げたりしてしまうランキング思考から早く抜け出したい。すべてはヴァーチャルなのだから。
  • 悪口ってなんだろう
    悪口は人の存在のランキングを操作する。
    悪口を言うことで、自分のランクを上げたり、相手のランクを下げたりできる。(だから悪いものである)
    人を貶める悪口は言ってはいけないが、イコライザーとしての悪口は使っていこうという提案があった。
    たしかに、人が皆平等に生きるなら、イコライザーとしての悪口は役に立...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    第8章のヘイトスピーチに関する議論をするため、それまでの章で言語哲学的道具立てを整えている。そんな作りの本。第3-4章辺りがややハード。言語学を学ぶモチベーションのある学生さんには良い本かもしれない。第8章については、なるほどと思った。
  • 悪口ってなんだろう
    とてもわかりやすく、「悪口」とは何かについてまとめてくれている。
    3部構成で、第一部で筆者は「悪口はどうして悪いのか」と問いを立て、それは人を傷つけるから、とか悪意があるから悪いのではない、平等のランクにいるはずの誰かを、ランクが下の存在として取り扱うから(もしくはランクを下げようとするから)悪いの...続きを読む
  • 悪口ってなんだろう
    悪口とは何か?言って良いのか?悪いのか?受取方、場面、国、状況によって様々な変化がある「悪口」を紐解きます。家庭や職場、学校など悪口を聞かない日はないのかもしれせん。学術寄りではなく平易な表現のため中学生以上であれば問題なく読めます。

    時には悪口がコミュニケーションを円滑に進める事もあり、全てが悪...続きを読む
  • 悪口ってなんだろう
    悪口って何だと正面きっていわれたら、
    スパッと答えるのは難しいよ。
    それに答えてるっことがすごい。

    生徒よ、読みたまへ。
  • 悪い言語哲学入門
    本書の主題は、「悪口はなぜ悪いのか」と「どうして場合によるのか」ということである。本格的な議論の道具立ての導入も丁寧だし、語口調も面白い。それでも、難解な部分が残るのは、言語に関わる行為を真正面から捉えることの難しさが関わっているのだろう。逆に言えば、本書が随分とハードルを下げてくれている部分は多い...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    虫や獣に例える悪口はランクづけのために行うというのはなるほどなぁと思った
    タイトル自体がいろいろ分岐できるようにしてあるのは面白い
  • 悪い言語哲学入門
    あだな、悪口、嘘、ヘイトスピーチ。
    こういった邪悪な言語使用がもとで命を落とす人もいる。
    本書はそれらに立ち向かうためにまずはどのように理論的に分析されるのかを解いていく。
    新書としては貴重な本だと思う。

    前半は、分析のために使用する言語学、言語哲学の概念が紹介される。
    タイプとトークン。
    意味は...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    「悪い」言語「哲学」。それはまたどういうことだろう?タイトルにひかれて読んだら、とても興味深い内容で、日頃モヤモヤしていることの霧が晴れた気がした。

    恥ずかしながら、言語哲学という学問分野があることを、これまで知らなかった。筆者は「言語のダークサイドに立ち向かう際に、言語哲学が必ず役に立ちます」と...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    悪口とはなんなのか?に興味を持ち読み始める。また事実だから言っても良い論法の人に出会ったため、上手く何故それが悪いかを説明するためのヒントが無いか探そうという目的での読書。
    図があるともっと入りやすかったかも…
    読み終えた感想
    「ヤツの尻尾を掴んだぞ!」

    例や説明に使うモノが古く(結構重要な役割を...続きを読む
  • 悪い言語哲学入門
    一般の人の声(偏見というかほぼ私)、筆者の声、ナレーション(私の声)の3視点構成で解説してみようと思う。

    一言でいうと、悪い言語=悪口について言語哲学的に考えてみましょう!という本。
    まずタイトルからして、一般の人から突っ込みが入る。

    一般の人「でたでた専門用語。『言語哲学』とか分けわからんこと...続きを読む
  • 悪口ってなんだろう
    考えてみれば、悪口の定義って分からない。同じ言葉でも使う場面、対象によって意味は変わる。相対的なものだしね。
    ここでは悪意があるかどうかではなく「人を下の存在として扱ってしまう」ことを悪口としている。人はランク付けによって生きていることがよく分かる話だ。人を下に見て、安心を得るのだそうだ。人は比較す...続きを読む