言語哲学を通してヘイトスピーチがなぜ悪いのかを説く本。
言語哲学の話と悪口の話をしながらヘイトスピーチの問題に収斂していく。
言語哲学なら言語哲学、罵詈雑言なら罵詈雑言の本、ヘイトスピーチならそのヘイトスピーチの現象や経緯と焦点を絞って一冊にしてくれたらわかりやすかったと思う。
言語哲学が専門なせい
...続きを読むでしょうが、悪口の分析のあと、言語の話になり、そしてヘイトスピーチの話になり、あまり展開に一貫性がないように感じられました。
それでも1章、1章独立して読めばそれなりに面白い話ではありました。
ヘイトスピーチはよくないと私も思いますが、ヘイトスピーチをおこなう人はそれなりにヘイトスピーチをするに至った悲しい社会的抑圧を感じているのだと想像しています。その抑圧をいかに取り除くかあるいは抑圧と共存しながらヘイトスピーチをしないようにどうもっていくか社会的課題としてわたしたちに突きつけられていると思っています。
その考えると、言語運用上ヘイトスピーチは社会的に害だと分析されても、問題の解決には遠いようにか思うのです。
数学の勉強はそこそこしてきましたがフレーゲは知りませんでした。