和泉悠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
悪口を例にした言語哲学の入門。
「なぜ悪口は悪いのか?」
「そしてときどき悪くないのか?」
「どうしてあれがよくてこれがダメなのか?」
こうした問い、ある表現や言葉が悪くなったり悪くなくなったりする原理を、言語哲学の概念を使いながら解き明かしてくれる。(あまりよいことではないが)悪口は、軽いものから重いものまで、身の周りに溢れているので、実感を持って難しい哲学的な概念についても理解することができるし、そうした概念を通して身の周りの悪口についての理解も深まるので、とても面白い。より専門的に勉強したい人向けに、巻末にブックガイドもある。
おわりにまとめてある「あるべきでない序列関係・上下関係 -
Posted by ブクログ
あだな、悪口、嘘、ヘイトスピーチ。
こういった邪悪な言語使用がもとで命を落とす人もいる。
本書はそれらに立ち向かうためにまずはどのように理論的に分析されるのかを解いていく。
新書としては貴重な本だと思う。
前半は、分析のために使用する言語学、言語哲学の概念が紹介される。
タイプとトークン。
意味はどこに存在するか。
意味の機能的側面(真理条件的内容、前提的内容、使用条件的内容、会話の含み)。
確定記述。
言語行為論(発語行為/発語内行為/発語媒介行為)。
扱われている概念の広がりを見ると、なるほど、本書が「入門書」を名乗ることがわかる。
筆者によるとヘイトスピーチは、権力を持った者がある集 -
Posted by ブクログ
「悪い」言語「哲学」。それはまたどういうことだろう?タイトルにひかれて読んだら、とても興味深い内容で、日頃モヤモヤしていることの霧が晴れた気がした。
恥ずかしながら、言語哲学という学問分野があることを、これまで知らなかった。筆者は「言語のダークサイドに立ち向かう際に、言語哲学が必ず役に立ちます」と言う。言語学は「こうなっている」と事実関係を明らかにするが、そこに、歴史的にものごとの善悪について考えるための道具を提供してきた哲学をプラスすることで、「これはよくない」「こうすべきだ」というような、価値についての判断にまで到達することができるのだ、と。なるほど~。
具体的に取り上げられているのは -
Posted by ブクログ
ネタバレ一般の人の声(偏見というかほぼ私)、筆者の声、ナレーション(私の声)の3視点構成で解説してみようと思う。
一言でいうと、悪い言語=悪口について言語哲学的に考えてみましょう!という本。
まずタイトルからして、一般の人から突っ込みが入る。
一般の人「でたでた専門用語。『言語哲学』とか分けわからんこと言っちゃって。学者さんは、簡単なことでも無理に小難しくしちゃうから困っちゃうよ。私たち、日本語普段から使ってるし、日本語の専門家みたいなもんでしょ。悪口についても、言語哲学?なんか学ばなくても理解できてるし。」
著者「では、聞きますが、そもそも悪口って、いったい何ですか?」
一般の人「簡単簡単、