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Posted by ブクログ
悪口の概要が掴めた。これ作者がいっぱい本読んでまとめた的なタイプのやつだから、2〜3回読み直さないと自分のものになんないのか〜と思った。とにかく、悪口とは「何か、誰かと比較し、その評判、社会的ランキングを下げること」ってことでよろしい?
最初はすごい論理的だったのに、真ん中らへんからちょいちょい自我が入ってくるの関西人だなって感じがした。
Posted by ブクログ
悪口の定義がこちらを読んで解像度あがりました。すっごく読み応えがありました。
特に、サン人(狩猟採集民)から学ぶ悪口の使い方や暴言を言うことで痛みを耐えることができると謳った研究が興味深かった。
イコライザーとしての悪口は納得。
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悪口は、その人たちが共有している存在のランキングから、その対象のランクを下げて貶める行為である。
「悪口じゃないよ、意見だよ」
「率直な批評だよ。」
「冗談だよ」
なんと言われようと、そこにランクを貶める効果がある以上、それは悪口だし、受けた側は不快に感じるものなのだ。
腑に落ちた。
私がなぜ、悪口を言いたくないのか、なぜ、人から言われたくないと恐れているのかも、納得できた。
自分のなかに、人の優劣をつける存在ランキングが常にあって、自分がそのランキングのどこにいるのかが気になり、貶められたくないと感じている。
だから、他人の評価を気にして、悪口言われてないかが気になる。
貶められている側に共感して同情するから、言いたくないし、聞きたくないのだ。
悪口が何かの論考を通して、自分の問題にも気づくことができた。
優劣ランキングをなくす。
誰も誰よりも劣っていないし(違いはあっても)優れてもいない(違いがあっても)
感じてしまうかもしれないけれど、感じることと実際にそうかは別物である。
そうはいっても、悪口には仲間意識を増長させたり、権力者に抵抗したりする側面もある。
自分のなかの優劣ランキングを排除して、悪口と上手に付き合っていくことが大切。
Posted by ブクログ
■「悪口はどうして悪いのか」。
人を傷つけるかどうか、悪意があるかどうかではなく、平等のランクにいるはずの誰かをランクが下の存在として取り扱うかどうかで、悪いかどうかが決まる。
■「どこからどこまでが悪口なのか」。
ヴァーチャルな悪口が、ヴァーチャルな関係性を操作するに過ぎず、本当には人を貶めないならば、それは軽口や冗談にとどまる。
■「悪口はどうして面白いのか」。
そもそも悪口は人の比較に関わり、人を比較する悪口が笑いにつながるのは当然のこと。
■暴言を言うことで、痛みにより耐えることができるという興味深い研究がある。
Posted by ブクログ
悪口について哲学的考察が縷々述べられているが、人が他人と係わる限り悪口の種は尽きないことが再認識できた.人をランク付けすることは避けられないことだが、「弱者を踏みつけるために悪口を使うのではなく、強者に抵抗するために悪口を言うべきだ」との提言は、非常にしっくりくるものと感じた.
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悪口は人の存在のランキングを操作する。
悪口を言うことで、自分のランクを上げたり、相手のランクを下げたりできる。(だから悪いものである)
人を貶める悪口は言ってはいけないが、イコライザーとしての悪口は使っていこうという提案があった。
たしかに、人が皆平等に生きるなら、イコライザーとしての悪口は役に立つ時があるかもしれない。
最後の、悪口はヴァーチャルなものだから、存在のランキングは本来存在しないという言葉が印象的だった。
私たちが社会に居る中で、事実と主観が混じったものの区別はつきにくくなっているのかもしれない。
Posted by ブクログ
とてもわかりやすく、「悪口」とは何かについてまとめてくれている。
3部構成で、第一部で筆者は「悪口はどうして悪いのか」と問いを立て、それは人を傷つけるから、とか悪意があるから悪いのではない、平等のランクにいるはずの誰かを、ランクが下の存在として取り扱うから(もしくはランクを下げようとするから)悪いのだ、と結論を述べる。
第二部では「どこからどこまでが悪口なのか」と問いを立て、軽口や批判との違いを明らかにする。第三部では「悪口はどうして面白いのか」と問いを立て、笑いとの関係性を元に、悪口が人間の本性にある種根ざしているものであることを指摘、また悪口が「良い使われ方」をするケースも例示する。
「学校」という極めて特異な環境下で長い期間、集団生活を強いられていく子供たちに是非読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
悪口とは何か?言って良いのか?悪いのか?受取方、場面、国、状況によって様々な変化がある「悪口」を紐解きます。家庭や職場、学校など悪口を聞かない日はないのかもしれせん。学術寄りではなく平易な表現のため中学生以上であれば問題なく読めます。
時には悪口がコミュニケーションを円滑に進める事もあり、全てが悪いとは言えません。ですがやはりこのご時世で悪口を平然と良しとするのは慎むべきです。かく言う私も日常的に悪口を言う癖があり、戒めに読んでみました。
昨今のSNSに関する誹謗中傷に関する事案についてもう一歩踏み込んだ記載が欲しいなと思いました。
Posted by ブクログ
考えてみれば、悪口の定義って分からない。同じ言葉でも使う場面、対象によって意味は変わる。相対的なものだしね。
ここでは悪意があるかどうかではなく「人を下の存在として扱ってしまう」ことを悪口としている。人はランク付けによって生きていることがよく分かる話だ。人を下に見て、安心を得るのだそうだ。人は比較することでしか判断できないってことか。
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悪口とは「誰かと比較して人を劣った存在だと言うこと」。人を傷つけるから、悪意を持って攻撃するから悪口は悪いのか?悪口について一歩引いたところから学問を使って考えてどんな現象なのか理解していく本です。
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『会話を哲学する』のマニピュレーションと、『世界はなぜ地獄になるのか』を読んで、人は人と比べて優位に立つことで満たされる?人を下に見たいから、昨今のSNSでの異常な叩きや見下しが蔓延してると感じたのが思い起こされた。
イコライザーの悪口辺りを読んで、
ウィルスミスの第94回アカデミー賞での司会者への平手打ちの騒動時の興味深いヤフコメを思い出した。
その人の主観で語られているから、本当かどうかわからないけれど欧米では、セレブリティを馬鹿にするのがごく当たり前にある、と。
奥さんを思っての平手打ちだから、旦那さんとして見上げたもんだと暴力の非は絶対だけれど、大事な人を馬鹿にされたら誰だってムカつくんじゃないか、その気持ちはわかると思ったのが、欧米では馬鹿にされてもセレブリティは平気にしてろ的な、、日頃稼いで贅沢しているセレブリティを一般人がこき下ろせる機会を一般人は好んでる、みたいな風潮があるというコメントを見て衝撃を受けました。
住んだこともないし、体感したこともない、噂でしか聞いたことないけれど人権や倫理観とか、欧米は進んでいる印象があったので、そんな風に他人を貶めて快感を得るのか?と衝撃だった。
イコライザーの悪口の例に出てきたサン族の話は、理解できるけど納得できるかというと、もっと言葉の選び方があるんじゃないかと思えた。
唯一納得できるのは政治家(特に腐った政治家が目立つ日本だからかな)に対しての悪口は、等しいランクの人間なだけとわからせるのに(到底わかってくれそうにもない人が首相だけど)必要だし、政治家が偉いと国民が勘違いしないためにもあるべきものと思う。
『世界はなぜ地獄になるのか』を読むと、人の生来の脳のつくりとして、人と比べて快感を得たり、寿命が伸びる?逆にストレスで身体を壊すなど、そちらの方がごく自然に理解できて、この本の内容は若干の地に足がついてない机上の空論とまではいわないけれど、絵に描いた餅感を自分は抱いた。
人間って、頑張って理性とか倫理観持とうとしてるし、素晴らしい人もいるけれど、有象無象の一般人は、上記の通り他人を見下し悪口を言う人が目立ち、SNSが流行ってる様子を見るとかなり社会は毒されてると思うので、そこに切り込んでもっと刺激的な論理展開が見たいなと物足りなかった。
Posted by ブクログ
前著『悪い言語哲学入門』は、少し読むことが難しく、「どこからが悪口?」という問いに対する答えがよくわからなかった。その点、さすがちくまプリマー新書では、高校生が読めるようにできているだけあって、私にも理解でき、たいへん興味深く最後まで読むことができた。SNS隆盛の時代、本書の存在意義は高いと思われる。