武井彩佳のレビュー一覧

  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    フェイクニュースやジェノサイドご話題になる現在において、必要な一冊と思う。読むには多少の努力は必要。

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    2022年04月07日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    歴史の不確かさ
    歴史修正主義の歴史。歴史のあるところに歴史修正主義あり。特にナチ犯罪の否定について。
    法規制のながれ。ヘイトスピーチの文脈から国家の権威づけまで。

    法規制にまつわる記述が、このテーマでここまで体系的に記された類書を知らないのでとても勉強になった。ナチ否定も網羅的に扱い、その根深さを示すことにも成功している。

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    2022年01月21日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    「歴史修正主義は、過去に関するものであるように見えて、実はきわめて現在的な意味を持つ。・・・歴史修正主義は本質的に未来志向である。歴史が修正されることで将来的に取り得る選択肢も正当化されるからだ」(p 16引用)
    ナチスによるユダヤ人虐などを事例にして、歴史修正主義について書かれている。また、歴史修正主義の政治的利用の問題などについて。著者の言わんとするこはわかるのですが、私には難しかったです。

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    2021年12月02日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    ネタバレ

     サブタイトルは「ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで」。著者は二つの理由で日本の歴史修正主義は扱わない、と言う。一つは、著者の専門が西洋史であるということ、もう一つはヨーロッパと日本では「枠組み」が違うと言うこと。

     ヨーロッパでは、歴史修正主義の問題は「歴史の否定の法規則」とともに展開してきた過程を明らかにする。ホロコースト、ジェノサイドは否定することのできない事実であり、それを否定することは「ヘイトスピーチ」を禁止することと同意である。つまり、歴史を問題にしているように見えるが、実は人種偏見や民族差別、特定集団への敵意を煽る行為である、と言う。ヨーロッパはもうそこまで「行っている」。

    著者は日本の歴史修正主義は扱わないと言いながら、所々に日本の現状、問題を忍び込ませている。そうしなければならないくらいに、この国の学術界は危ういのか、とすら思えてくる。

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    2021年11月20日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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     一読しての感想は、大変勉強になったということ。
     
     歴史修正主義という言葉自体は知っていたものの、"アウシュビッツにガス室はなかった"などホロコーストを否定したり、自国の歴史に誇りを持つために"侵略"の語を避けたりといった動きの背景にある考え方、といった程度の知識だったので、本書を読んで、歴史修正主義の意味合い、社会に及ぼす深刻な悪影響、放置することなく闘うとはどういうことか等について、大いに考えさせられた。

     まず序章では、歴史を再検証して「書き直す」ことと歴史修正主義とはどう異なるのか、学術的に許容される歴史の見直しと、批判される歴史修正主義とを隔てるものは何なのか、という提起がなされる。

     そして第1章以降、ヨーロッパそしてアメリカにおける具体的な歴史修正主義的な言説を紹介していく。
     
     (なお、本書は、欧米社会における歴史修正主義に対象を限定しているのだが、例えば、第2章のニュルンベルク裁判への不満ードイツだけが悪いのかーなどを読むと、東京裁判史観のことがどうしても頭に浮かんでくる。)

     1950〜60年代のドイツでは、ネオナチの組織化もあったのだが、ドイツが置かれた国際情勢と、それに対応するために作られた「民衆煽動罪」等の上からの法的・政治的規範があったため、歴史修正主義が抑え込まれていた、という。

     第3章では、70年代に入り、明白なホロコーストの否定、矮小化の動きが出てきたことが説かれる。欧米では、こうした主張は「否定論(dinial)と呼ばれる。
     「AはBでない可能性があると主張する人もいる」⇨「AはBではない」と結論付ける訳で、科学的な根拠はないのだが、自らは「歴史の解釈の一つ」を提示していると主張する。
     ではどうしてこの時代にホロコースト否定論は登場してきたのか?一つは戦後世代への世代交代。それから六日間戦争の勝利などイスラエルの軍事強国化が背景にあるという。ユダヤ陰謀論支持者にとっては、シオニストによる世界支配が現実化したと捉え得るからである。

     第4章では、1980年代後半のドイツ「歴史家論争」が分析される。ここは大変読み応えがあったし、非常に啓発された。著者は、歴史家論争には二つの中心的議論があったとする。
     1 ホロコーストが比較可能かという問い
     ホロコーストが唯一無二かどうかが、学問的ばかりでなく、イスラエルの存在や行動に対して政治的に大きな意味を持っていた。
     2 歴史の政治利用の問題
     歴史が「国民史」(ナショナルヒストリー)であったことから、国家の利益になるような歴史を示すことに問題はないと考える政治家は多いが、他者を排除することにつながるのではないか、自国民のみが満足する歴史は、将来の選択肢を狭めているのではないか。

     第3章ではツンデル裁判、第5章ではアーヴィング裁判という、歴史を巡り争われた裁判が紹介される。特にアーヴィング裁判で、ホロコースト否定論が司法の場で「事実でない」と宣言されたことで、ホロコースト否定論は許容できないというヨーロッパ社会の合理形成を促したと、著者は評価する。

     第6章では、ヨーロッパで進む法規制の動向や内容が紹介される。この辺りの動向は全く知らないことだったので、大変参考になった。法学的に言えば、保護法益は何なのか、過剰規制される恐れはないのか、そもそも司法が立ち入るべき領域なのかといった論点について、丁寧に説明はなされている。ただ、大陸法系のヨーロッパと英米法系の国では、表現の自由を巡る考え方が異なるし、歴史的・政治的背景も異なるし、難しい問題だ。

     そのほか、アルメニア人虐殺問題や、冷戦崩壊後の東ヨーロッパ、そしてロシアにおいて、新たな歴史認識問題が現れていることに言及される。


     本書の帯の文言、"歴史とは何か?""事実とは何か?"
     そうしたことを考えることは、一人ひとりにとって無縁なことではない。

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    2021年10月17日
  • ホロコースト後の機能不全 ドイツ、イスラエル、犠牲と加害の関係

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    2023年から始まったイスラエルによるガザ地区への攻撃は停戦交渉と戦闘が繰り返され、終わる気配は中々見えてこない。両者の外側の立場で見る日本人の私から見れば有無を言わさずイスラエルが悪だ。誰がみても大凡そのように見えているだろうし、先に手を出した(人質をとった)のがハマス側(アル•アクサの洪水作戦)だとしても、イスラエルのその後の反撃は過剰に感じるだろう。そしてその被害を何よりも大きく被り皺寄せ先となっているのはガザ地区の無辜の市民である。彼らの病院や住居がイスラエルにより破壊された映像を見る度に強い憤りを感じるに違いない。勿論、報道は世論を過剰に誘導したり、それらしい映像ばかりを繋ぎ合わせた編集側のストーリーだから鵜呑みにするのは誤りだと判っている。だがこれだけ悲惨な映像の全てが嘘ではないし、市民に被害が広がり続けているのは紛れもなく事実だ。
    今、世界はイスラエルを批判し、何とかこの戦争を終わらせようと各国が圧力をかける。だがイスラエルは大国アメリカの後押しでその手を緩めようとしない。その他の国はどうだろうか。イギリスやフランスといったヨーロッパの国々はイスラエルを非難し自制を求める。遥か離れた極東の日本も(珍しく)批判的な立場をとっている。その様な中でドイツの立ち位置はどうだろうか。
    かつてドイツ帝国は世界を混乱に陥らせた第二次世界大戦の火種となった。その後ナチス•ドイツはユダヤ人へのホロコーストにより600万人とも言われるユダヤ人大虐殺をおこなった過去を持つ。本書はそれら歴史を振り返りながら、その後のドイツの戦後賠償やユダヤ人に対する補償の流れと合わせ、今のドイツがイスラエル(ユダヤ人)に対して強い態度を取れない、という状態の分析から始まる。果たしてドイツはユダヤ人に対してどの様な対応ができるのか。
    またそれに対比する様に、日本が太平洋戦争後に抱えてきたアジア侵略に対する補償などの対応が正しかったかどうかについても、同時に比較分析していく。ニュルンベルク国際裁判後もナチス関係者を独自に捜索し続けたドイツ。戦後補償を早々に終わらせ、既に戦争とそれに付随する犯罪行為がなかったかの様に振る舞う日本。後者も極東軍事裁判で裁かれはしたものの、基本的には戦後保証は終わり、「なかった」かのように扱う日本。この戦後補償に対する2つの大国の態度を比較しながら、戦後補償のあり方に言及すると共に、それが齎した弊害という立て付けで、今のガザ問題に代表されるドイツの対イスラエル外交の在り方を考える内容となっている。
    果たしてドイツはイスラエルとユダヤ人に対して、(戦争を止めろと)強い態度を取ることが出来るのか。終戦から80年以上が経過し、当時を生きた人々が今となっては毎年、多くの方が鬼籍に入る。戦争を知らない人口層に世代が交代し、ある意味ユダヤ人に対する罪の意識は、学んだものとしてしか心得ていない世代が中心になる。過去を正しく精算しつつも、未来へ向かってイスラエル(ユダヤ人)との関係をどうしていこうとしているのか。
    本書はそうしたヒントに溢れる一冊である。

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    2026年02月14日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    高橋新書ガイドから。ドイツには、ナチス賛美やホロコースト否定に対する罰則がある、ってのはどこかで読んだことがあったけど、裏を返せば、そういう規則が必要ってことは、少なからずそっち系の論者がいるってこと。結局どこにでもいる訳だしという話ではなく、対内的のみならず、対外的にもその姿勢を示すということに異議がある。大前提としてのそれが、日本には足りない訳だけど、戦争を知る世代が確実に減っていく以上、ハードルは高くなる一方と言わざるを得ない。直接には知らなくても学ぶことは出来る訳だし、修正主義にノーを言い続けることが、戦後世代にも最低限求められること。戦争反対。

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    2024年05月30日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    歴史修正主義とは何か?
    ホロコーストとナチの戦争責任において、修正的な言説がどのように生まれ、欧州はそれにどう対応してきたのか?
    米英と独仏の表現の自由に対する立ち位置、中心となった独仏と周辺、共産圏との関係なども。
    また否定的な表現に対する法規制の経緯や種類、程度の比較なども興味深く。
    南京や慰安婦も少し言及あるが、基本ナチの話。

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    2021年11月20日