武井彩佳のレビュー一覧

  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    個人メモ
    ・イデオロギー要素なくフラット
    ・ナチス関連の記述がメイン
    ・ヴィシー政権へのフランス国内での複雑な評価を背景にドイツだけでなくフランスにかなりページを使ってる
    ・EU共通アイデンティティとしてのホロコースト認識

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    2025年10月30日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    大変勉強になった。SNSで、国際的な場で、嘘大げさ紛らわしいが拡散されている現代こそ読むべき一冊だと思う。

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    2025年07月16日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    歴史修正主義。著者はこれを、歴史的事実の全面的な否定や意図的な矮小化、一側面のみを誇張することなどと定義している。この主義に立つ人たちは、ランケ以降の可能な限り客観的にまた価値中立的に歴史を記述するという歴史学の合意事項を受け入れることがない。また主張の際にその証拠を示すことがない(むしろ、証拠を示せと繰り返し主張することさえある)。
    従って彼らは、そもそも学問の枠内で議論する相手ですらないのだが、繰り返し主張することにより、当初取るに足らないようなものが「ひょっとして正しい主張なのかもしれない?」という印象をもつものに変化し得る。これは陰謀論などにも通じることであり、SNSなどで盛んに主張す

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    2025年06月22日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    「歴史修正主義」と書くと何か歴史学という分野の一つのような印象を受けます。
    でも、この本を読むと、それはただ自分の思想というか政治信条を発言するだけの戯言だとわかりました。
    歴史学というものは、事実を様々な角度から捉えて、過去の事象をより良く理解しようとするものです。
    対して「歴史修正主義」は、結論ありきで、都合のよい言説だけをとりあげたり、そもそも、なんら証拠を提示しないものです。
    このような「歴史修正主義」を信じている人が、いまの社会に一定数いる、ということが、哀しいというか、考えさせられます。

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    2023年09月30日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    近年、「もうひとつの事実」「フェイク」「陰謀」という言葉がメディアに頻繁に登場するようになりました。また、今年5月の対独戦勝記念日で、米ホワイトハウスのサキ報道官はプーチン大統領を「歴史修正主義者」と批判しています。本書は「歴史とは何か」という切り口から歴史修正主義の実態、発生、法規制、司法での争いを記した中公新書の力作。歴史修正主義概論入門書というような性質の本ですが、事例が多く、面白く読みました。

    著者の武井彩佳さんの専門はドイツ現代史とホロコースト研究。したがい、本書は主にヨーロッパで発生した事例がメインであり、慰安婦問題といったアジアにおける歴史問題は触れられていません。

    本書で記

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    2022年08月15日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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     「アウシュビッツにガス室はなかった」「南京事件は捏造」「慰安婦はみんな職業的な娼婦」といった話しを耳にしたことがあるだろうか?歴史的な事実の全面的な否定を試みたり、意図的に矮小化したり、一側面を誇張したり、何らかの意図で歴史を書き換えようとすることを「歴史修正主義(revisionism)と呼ぶ。日本の団体の中には「歴史戦」などと叫び、歴史修正主義を「戦い」とする愚かな発言が物議を呼んでいる。
     本書は、世界史が専門の著者が、あえて日本の歴史には触れず、世界史の中での歴史修正主義との闘いを、各国の情勢や司法の判断などの事案も交えて紹介する。ニュンベルグ裁判、ホロコースト否定論者の勃興とツンデ

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    2022年06月26日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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     ちょうど鎌倉時代の歴史を読んだ後に読んだ。歴史はいろいろと利用される。学術的なお勉強は騙されないために大切だな。
     あと、歴史を歪めなきゃならんほどの体験をするってのもなかなか気の毒だと思った。
     それと、確信犯的に嘘だとわかってて自分のために利用するの賤しいなと…

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    2022年02月23日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    この本から特に得たことは「特定の歴史言説が社会の前面に押し出されるとき、背後にある政治的意図や経済的利害を読み取るメディアリテラシーが必要となる」という部分だ。
    特に、個人での発信が容易になった現代において、その人物が発信しているコンテキストも理解した上で、判断をするリテラシーの重要性が特に顕著であると思う。
    この重要性を、歴史修正主義という視点から指摘した良書。上記なコンテキストも含め、善悪のような単純化された二項対立をわかりやすさから簡単に迎合する我々の弱さを認知し、それに対抗していく意思を持ちたいと思った

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    2022年02月22日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    新書では珍しく満点評価。とても良い本だった。最近の動向から歴史修正主義について知りたくなったのだが、ナチスドイツ以降、長い歴史修正主義の問題がある事を初めて知った。非常に勉強になったし、歴史学という学問にも興味を覚えた。良書。

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    2022年01月21日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    ヒトラー賛美、ホロコースト否定論を例に挙げながら、歴史修正主義の勃興、衰退について考察した新書。排外主義が台頭する近年において、この本は歴史というものがどのように形作られていくのか、なぜそれが真実として語り継がれることになるのか、手法的なアプローチを教えてくれる。

    「フェイクニュースは無視」「ホロコースト否定=やばいやつ」のような雑な処理をすると、ますます勢力拡大を助長する羽目になるので、いかにして向き合っていくべきか、なぜこういった発想になるのかを理解する一助となる。歴史学は批判検証が絶えず繰り返されている学問だからこそ、陰謀論のような思考が停止した発想とも向き合っていく必要があるのだと思

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    2021年12月30日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    歴史修正主義、いわゆる歴史否定主義について、ホロコースト否定論を主張する人についての裁判例を示したものである。日本のこともほんの僅かであるが言及しているものの、ほとんどがアウシュビッツを中心とするユダヤ人の虐殺について、これを否定する人の裁判を説明する。したがって、日本の歴史修正主義、例えば従軍慰安婦や南京大虐殺の歴史を否定する人の根拠について知ろと思って読む人には物足りないかもしれないが、欧米でのユダヤ人虐殺の歴史修正主義者の主張とその裁判を知りたいと思う学生には役立つであろう。

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    2025年11月16日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    歴史修正主義は、証拠の揃った定説を敢えて(無意味に)疑い、一面だけを切り取り、重要な点を無視する。また狡猾にも、完全に否定するのではなく「疑い」を提示するのに留めることで批判をかわす。

    恥ずかしながら大学生の頃、そのようなインターネットを見て歴史修正主義こそ真実と思っていた頃があるが、あれは間違った態度であった。もちろん検証は続けられるべきだが、歴史学の蓄積に敬意を払う必要がある。

    それはそれとして、時代や社会により受け入れられる言説は異なる。冷戦中か後か、私たちのアイデンティティ形成に対する重要性などがその判断に使われる。

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    2023年12月20日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    【感想】
    日本では「歴史修正主義」という言葉を、日常の中で耳にすることは少ない。社会科教師の私がそう思うのだから、他の多くの人にとっては尚更だろう。

    2022年度に、都立高校の附属中学校で時間講師と勤務した際に、育鵬社の歴史教科書が採択されていることに驚いた。もちろん、生徒には育鵬社の相対的・絶対的な立ち位置について説明したうえで、教科書を使用せざるを得なかった。

    日本では、ヘイトスピーチに対する法規制も2016年になるまで行われてこなかった。今なお、十分な法規制があるとは言えない現状だ。
    今後、日本でも歴史修正主義的な動きが出てくることは可能性として存在する。その際に、本書に出てくるよう

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    2023年04月18日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    ●所感
    歴史修正主義者は歴史(過去)を現在または未来に使役させる。彼らの政治的、文化的イデオロギーに都合の良いように歴史認識を読み替える。しかし、歴史が「客観的な事実」として現前する術をもたず、「解釈」や「過去に対する表象」でしかない以上、修正主義とは無縁の私たちも無意識のうちに、都合の良い歴史認識に陥る危険性はある。
    これはイデオロギーの問題ではなく、方法論の問題だ。歴史認識=物語に事実を隷属させるべきではなく、事実の連続を歴史として認識しなければならない。そうなると課題はいかにして物語の呪縛から逃れるか、である。無理ゲーか。純粋に客観的なナラティブなんてものはない。絶対的な「神の言葉」によ

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    2022年06月08日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    フェイクニュースやジェノサイドご話題になる現在において、必要な一冊と思う。読むには多少の努力は必要。

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    2022年04月07日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    歴史の不確かさ
    歴史修正主義の歴史。歴史のあるところに歴史修正主義あり。特にナチ犯罪の否定について。
    法規制のながれ。ヘイトスピーチの文脈から国家の権威づけまで。

    法規制にまつわる記述が、このテーマでここまで体系的に記された類書を知らないのでとても勉強になった。ナチ否定も網羅的に扱い、その根深さを示すことにも成功している。

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    2022年01月21日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    「歴史修正主義は、過去に関するものであるように見えて、実はきわめて現在的な意味を持つ。・・・歴史修正主義は本質的に未来志向である。歴史が修正されることで将来的に取り得る選択肢も正当化されるからだ」(p 16引用)
    ナチスによるユダヤ人虐などを事例にして、歴史修正主義について書かれている。また、歴史修正主義の政治的利用の問題などについて。著者の言わんとするこはわかるのですが、私には難しかったです。

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    2021年12月02日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    ネタバレ

     サブタイトルは「ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで」。著者は二つの理由で日本の歴史修正主義は扱わない、と言う。一つは、著者の専門が西洋史であるということ、もう一つはヨーロッパと日本では「枠組み」が違うと言うこと。

     ヨーロッパでは、歴史修正主義の問題は「歴史の否定の法規則」とともに展開してきた過程を明らかにする。ホロコースト、ジェノサイドは否定することのできない事実であり、それを否定することは「ヘイトスピーチ」を禁止することと同意である。つまり、歴史を問題にしているように見えるが、実は人種偏見や民族差別、特定集団への敵意を煽る行為である、と言う。ヨーロッパはもうそこまで「行って

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    2021年11月20日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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     一読しての感想は、大変勉強になったということ。
     
     歴史修正主義という言葉自体は知っていたものの、"アウシュビッツにガス室はなかった"などホロコーストを否定したり、自国の歴史に誇りを持つために"侵略"の語を避けたりといった動きの背景にある考え方、といった程度の知識だったので、本書を読んで、歴史修正主義の意味合い、社会に及ぼす深刻な悪影響、放置することなく闘うとはどういうことか等について、大いに考えさせられた。

     まず序章では、歴史を再検証して「書き直す」ことと歴史修正主義とはどう異なるのか、学術的に許容される歴史の見直しと、批判される歴史修正主義と

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    2021年10月17日
  • 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

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    高橋新書ガイドから。ドイツには、ナチス賛美やホロコースト否定に対する罰則がある、ってのはどこかで読んだことがあったけど、裏を返せば、そういう規則が必要ってことは、少なからずそっち系の論者がいるってこと。結局どこにでもいる訳だしという話ではなく、対内的のみならず、対外的にもその姿勢を示すということに異議がある。大前提としてのそれが、日本には足りない訳だけど、戦争を知る世代が確実に減っていく以上、ハードルは高くなる一方と言わざるを得ない。直接には知らなくても学ぶことは出来る訳だし、修正主義にノーを言い続けることが、戦後世代にも最低限求められること。戦争反対。

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    2024年05月30日