孔枝泳のレビュー一覧
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原作は別の方だそうですが。佐原さんが描くことによって、よりいっそうその世界観を突き付けられたときに、ぎゅっとなるというか。
物事って結局は視点によるんですよね。
大河ドラマは特に分かりやすい。例えば江戸末期、倒幕派を中心に描くなら幕府側が悪者になりやすい。新選組!と違って、龍馬伝の新撰組を怖いと感じたように。悪があると分かりやすいっていうのもあるんだろうけど。
でも誰が悪いとか、悪くないとか。可哀想だとか、幸せだとか。そういうのは全部誰かの目線で見た時の感想でしかないから。客観的にっていうのは、私たちが人間で在る限り無理なのかもしれない。主観で生きざるを得ないんだろう。そういうことを考えさ -
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人がなんと言おうが私は運命というものを信じている。
奇跡もあり、偶然を装った必然もあり心から願うと豊かな宇宙の善が私を助けてくれるという途方もない信仰を私は持っている。
今、私の前に彼が近づいてくる。まるであの日桜の花びらの舞う中で、私にためらわずに近づいて落とした人形を拾ってくれたあの姿のまま・・・。
韓国人の紅と日本人の潤吾は7年前に日本で別れ、そして今韓国の金浦空港で再会をする。
辻仁成の「愛のあとにくるもの」の対になる作品。
辻仁成が潤吾の立場から描いているなら、こちらのコン・ジヨンの作品は紅の感情と視点で描いたモノになる。
江國香織との「冷静と情熱のあいだ」のみたいな -
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ネタバレとにかく考えさせられるお話でした。涙がずっととまらない。死刑に処せられるということは、それだけ重い罪を犯したわけですし、被害者関係者から言わせれば当然となるところだろうと理解はできるのですが…難しいです。看守の井上さんが、「笑いの無い人生だった彼に俺たちがしてやれる事は死刑台で首に縄をかけるだけなのか?そんなの寂しいじゃないか…」と言って祐に心を砕いてくれていました。祐が生きる支えにしていたものが自分のせいでなくなっていくことの絶望。それでも井上さんのおかげで樹里と出会えて、絶望だけで終わらなくてよかった…のかな。それとも生きたいという願いが出てきたときに死を迎えるのは酷なことだったのかな。た
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ネタバレ偶然この本を紹介され、女性側のものを先に手に取る事になりました
翻訳ものだということ、また場面展開が回想と現実が行ったり来たり・・・ですこし読みにくかったんですが、内容的には入りやすし作品です
もう一方の辻さんのほうも読むつもりで急いで購入し、読み始めてみたら、う~~~んこれは男性側から読んだほうが良いと感じ早速読破。
あっと言う間に読み終わりました。
韓国ドラマ・・・・によくありがちなストーリー展開を感じながら、結構イメージしやすい作品だと感じました。
今、女性側の視点のほうを読んでいますが、韓国から日本に来て、心細くもあった紅が、ほぼ一目ぼれのように潤吾という男性に落ち、純粋に愛 -
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先日レビューを書いた 、辻仁成著「愛のあとにくるもの」の女性側の視点に立った作品。
相手の幸せを願いながらも願いきれない感じが切々と伝わってきた。
「彼に伝えてくれる? わたしは韓国の女で、韓国の女性たちは、自分を捨てて去る人に、赤いつつじの花を摘んで敷いてあげるのだと、それを踏みながら行きなさいと敷いてあげるのだと」
(p201.)
韓国に、こんな奥ゆかしい文化があるとは...
私は、別れたことを後悔できるような男性に出会ったことがまだない。
かといってそういう出会いを求めていないことにも気づき、
冷めているなぁ…と苦笑いしてしまった。