森山慎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回も登場し、青木先生が味わっている料理がどれも美味しそうでした。同時に、青木先生が外国で縁を結んだ友人との交流を含めた旅も楽しそうでした。
この『鍋に弾丸を受けながら』の小ジャンルが、旅系なのか、食系なのか、未だに迷うところですけど、どちらにしたって、人気が出るのも納得だ、と頷けるほど、レベルが高いですよね。
青木先生の旅行に於ける「信念」と言うか「スタンス」がしっかりしていてブレないからこそってのもありますけど、ぶっちゃけ、作画を担当している森山先生の力も大きいな、と私個人では思ってます。
好みはそれぞれなので決めつける事は出来ませんけど、私としては、やはり、男よりも美少女が楽しそうに旅行をしている光景を見る方が愉しめる訳です。例え、長年、二次元を過剰摂取し過ぎて壊れた脳が見(魅)せる幻像であったとしても!!
まぁ、とっくに性癖が歪み切ってしまっていて、今更、ぶっ飛んだ作品を読んでも真っ直ぐには戻れず、却って、捻じれていく私の嗜好はさておき、このアメリカ再訪編と言っても過言ではない(5)が大満足であったのは紛う事なき事実ですから、しっかりとお勧めさせてください。
今更感もありまくりですけど、やっぱり、国内にしろ、国外にしろ、旅の醍醐味は現地の食事を楽しむ事なんでしょうね。
美味しい料理を堪能できる、そこも大事ですけど、マヂで無理じゃなく、頑張れば食べられるってレベルで美味しくない、けど、現地の人間の口には合っていて、真逆の反応になるって食べ物を味わい、それを思い出の一つにするってのも欠かせないのかもしれません。まぁ、青木先生ほど人生経験が豊富ではない私は美味しいものだけ食べられたら十分、いや、美味しいモノしか食べたくないって感じですけど、まだ。
上でも書きましたけど、青木先生が人との絆を大事にしているってのも、この『鍋に弾丸を受けながら』の作品を一つ上のモノにしてる、と私は勝手に感じてました。
根っこの部分が人間嫌いである私は、こうやって、人と関われる青木先生達を疎ましく、もしくは、妬ましく思うって事は無いにしろ、こういう旅が出来たら楽しいだろうし、自分を人間的に成長させるモノも多く得られるんだろうな、と思います。
ぶっちゃけ、この(5)で私が特に衝撃を覚えたのは、色んな「怖い」を集めた巻末描きおろしの「怪談鍋弾袋」な訳ですが、あえて、それを除いて、印象的な回を選ぶのなら、個人的には、《第24話》チーズボーガー(&オバマスタイル)ですね。チーズボーガーの部分も良いんですけど、その前の釣具店。こういう接客をしてくれる店には行ってみたいし、常連になるくらい通いたくなりますね。ホントに人間嫌いか? と言われそうですけど、他人と関わるのが苦手だから、この質の高い接客に快さを覚えるんですよ。
この台詞を引用に選んだのは、そうなんだ、とシンプルに感心したっつーか勉強になったので。
これは日常的に使わんだろって用語や文言でも、やはり、それを使うしかない、それが最もしっくりと来るって状況はあるんでしょうね。
自分が目の前の出来事を「分からない」と、自分で納得するのは健やかに生きていく上で、結構、大事なんじゃないでしょうか。
理解しようとする、その努力は確かに必要ですけど、分からないモノは分からない、と割り切るしかない時はあるんです、人生。
無理に理解しようとすれば、余計に事態を悪化させます。
悪化し過ぎて手の施しようが無くなってしまうくらいなら、こうやって、自分を納得させ、なぁなぁのままで済ませてしまうのが一番かもしれませんよ、皆さん。
(・・・・・・″なるほど、分からん″って・・・こういう時に使うのか)(by青木潤太朗)
この台詞を引用に選んだのは、確かにそうかもなぁ、と自然に受け入れられるものだったので。
旅を含め、人との付き合いをちゃんと大切に出来ている青木先生だからこその考え方っつーか現状の捉え方なのかも知れないけど、あながち、大外れって訳でもないでしょう、実際。
ちょっとズレた例えかも、ですけど、私個人としては、「進化」の反対は「退化」じゃなく「無変化」って考え方を推したい訳です。
世の中には、「変えない」方が良い事もありますけど、「変えるべきなのに変わらない」ってのは困りものです。
だからこそ、様々な問題が積み重なって、何から片付けるのが最適なのか、それがサッパリな現代において、ちょっとずつでも前に進んで行けるのは、こういう変化を感じ取るセンスの人間かもしれません。
(何にしても、時代は止まらないんだな・・・そして、人も国も変化し続けるんだ・・・)(by青木潤太朗)
この台詞を引用に選んだのは、上の二つのように心を打たれたって意味合いじゃなく、ここ最近、この感覚っつーかラインのギリギリ具合を感じる事が増えたのが理由ですね。
幸いと言って良いのか、未だに、私は食べ過ぎて胸焼けや胃のムカムカに悩まされた事はないんですが、昔のように、ドカ食いする事は自覚できるほどに減りましたね。
食欲が加齢で減衰したって言うよりかは、自分の限界を自覚したっつーか、自分の健康に対する気遣いが強まったんですかね、これは。
何歳になっても、チャレンジ精神を失わないってのは、人間として大事だからこそ、年齢的にヤバいからこそトライのチャンスとタイミングを間違えないってのは重要ですよね。
「ジュン、たぶん、キミの歳くらいが、これを食っても夜まで苦しまない、最後のタイミングだ。今、トライすべきだ」(byデビッドさん) -
Posted by ブクログ
ネタバレこの(4)は最高にグッと来ましたわ。
もちろん、(1)~(3)だって最高でしたよ。けど、やっぱり、「思い出」じゃなくて、「リアルタイム」で描かれたものは、読み手に感じさせる彩の鮮度が違いますわ。
辛く厳しく寂しかったコロナ禍を乗り越えた青木先生が、「もう一度の初めての旅」に選んだのが、台湾ってのもグッと来た理由だと思う。
台湾は、私が行ってみたい外国の一つでもあります。理由は色々とありますけど、やっぱり、美味しそうな料理が多そうってのは大きいです。
美しい景色や遊べる場所、そこも大事ですけど、個人的に旅の醍醐味、重きを置きたいのは食べ物なんですよね。
人間、どうしたって、いつだって、どこでも、食べなきゃ生きていけない訳ですから、口にするなら、美味しくて、幸せになれる料理の方が最高に決まってます。逆に、何が悲しくて、リラックスするために行った外国で、日本から持って行ったカップラーメンやカロリーメイト、ゼリー飲料を食べなきゃならんのか。
不味いっつーより、日本人の舌に、どうしたって合わない味の料理もあるでしょうけど、それに笑うのも、外国旅のオツな楽しみ方じゃないでしょうかね。
青木先生が、台湾でお食べになっていたものは、どれも美味しそうでしたけど、個人的に気になるなぁ、と思ったのは、釈迦頭。名前はどっかで聞いた事はあるなってレベルだったんですけど、まさか、美味しいけど死んじゃう悪魔の実、なんて言われ方をするほど、ブッチ抜かれた糖度を誇っているとは。糖度25のフルーツなんて、私の想像を凌駕しちゃってる。台湾に行ったら、ぜひ、「うっわ・・・!」と驚いてみたいものです。
他のエピソードも、台湾編に負けないくらい、読み応えがありました。私的に最も刺さったのは、描きおろしの「本当に体に悪いラーメン」でした。食べる事が読書と同じくらい生き甲斐になっている私は、肥満体になるのが最も怖い。太り過ぎて食事制限をしなきゃならなくなるのは、失明して本が読めなくなる事の次に嫌なのです。
だからこそ、食べたら動く、動いたら食べる、太ってしまったらダイエットするんじゃなくて、太らないように気をつける生活を、これからも心掛けたいですね。
この台詞っつーか、一文を選んだのは、その通りだよな、と納得できるものだったので。
全員って事はないだろうが、ほとんどの人が、これには同意できると思います。
本当に美味しいモノを口に入れたら、人間、どうしたってこうなります。
理屈抜きで、言葉じゃ形容できないほど美味しい料理には、人を笑顔にするパワーがありますよね。
人生、そういう料理、美味しさを感じられるか、解らないからこそ、毎回の食事を大切にしたいものです。
「初めて出会う、極めつけに美味いものを食べると人は例外なく、一瞬、動きが止まり――――そして、抑えきれぬ本能みたいに、つい笑ってしまう」(by浅田次郎先生)
もう一つ、この(4)でグッと来た台詞を紹介。
これで、私の中の、青木先生の好印象は更に良い物になりました。
これを本心から言えるって、青木先生、ほんとに、人間が出来てますよね。
こうやって、相手の国の粗探しをするんじゃなくて、良い所を素直に素晴らしい、と言うようにすれば、くだらない諍いなんか起きようもない、と思うんですが、それは、さすがに、私の考えが甘ちゃん過ぎますかね?
「いいなあ、日本。いい国、住んでみたい。日本の大学、行けないかなあ。バー●ントカレー!北海道シチュー!オカヤマ!ヤマナシ!オムライス!楽しみです」
「オムライスは日本中どこ来ても食べられますよ。ありがとう。大変うれしいです。でも―――あなたの国も、本当に素晴らしいですよ」(byマントウ屋台の青年、青木潤太朗)
もう一つ、紹介。
これはグッと来たっつーより、真理ではあるよな、と苦笑い気味に受け入れるしかない事なので。
実際、その通り、と言うしかないですわ。
料理人の性格や性質、思考などは、料理に反映されやすいものではあるが、結局のとこ、「美味い」と食べた人間に思わせたのなら、その料理は、作った人間がどうであれ、正しい、と言わざるを得ないんですよね。
Mさん、好い経験を若い内にしてます・・・まぁ、羨ましいか、と聞かれたら、微妙で、少し迷ってから、自分は遠慮したい、と答えちゃうかもしれないですけど。
「ホントは嫌ですよね。美味い料理はちゃんとしたお店で食べたいです。だって・・・なんつうか・・・だいたい、科学とか否定・・・てか理解してねぇから、“衛生”より“波動”とか優先してたら怖いじゃないですか。でも、心がキレイで頭が良くても料理が下手なやつ、たくさんいますからね・・・逆に、どんなに・・・人として・・・アレでも・・・家族とか顧みない人も多いし、実際、近くで話とか聞いたらきついんだろうけど・・・でも、美味い料理は作れるんだ・・・って若い僕は世界を知った思いでした」(byMさん)
そして、これが、この(4)で、一番、私の心に刺さった名言ですね。
やはり、良い歳の重ね方をしている御方の言葉には、ちゃんとした説得力が宿りますね。
バランスが大事、と言うか、自分でちゃんとバランスを取るのが、人生では大事になって来るんでしょう。
ローに片寄り過ぎず、カオスに偏り過ぎず、ニュートラルを意識して、その場その場での選択を、自分で考えて、決める、それが人生。
「“食べ過ぎ”んどきゃいいとよ。なんでもそう。太り“過ぎる”前に痩せる。食べ過ぎたーとおもったら控える」(byH先生) -
Posted by ブクログ
ネタバレやっぱり、これ、面白い、グルメエッセイ漫画だよな。
ハッキリ言っちゃうが、男性キャラが出て来ないのが良い。
いや、もちろん、(1)と(2)を読んでいるから、作者の脳が二次創作の過剰摂取でぶっ壊れ、視界に入る男性が全て、異性化される状況になっている事は、私も把握しているんだが、その前提を踏まえても、やっぱり、美人ばかりの漫画は目に優しいな、と思う。
しかし、この『鍋に弾丸を受けながら』のメインテーマは、やっぱり、食だろう。単なる食事ではなく、世界各国で関わった人との繋がり、それが根底にあるからこそ、より印象的になっている、と感じられるのだ。
他人と深く関わると、人として弱くなるって意見がある。それ自体は間違いではないだろうが、唯一無二の正解ではない。孤高を貫くことで強くなる人もいれば、様々な国に足を運んで、現地の人と友誼を結ぶ事で、人としての器を大きくする人もいる。
どっちが良いって訳じゃない。大切なのは、自分を知り、自分のやり方を強引に、他者へ押しつけない事だろう。そのような無理強いをする者こそ、弱い人間なのだから。
青木先生が、実際に、何を自分の人生で最も大事にしているか、は私には分かりかねるが、少なくとも、他者との交流を蔑ろにしていないのは間違いない。そんな青木先生が、多くの友人に愛されている事が、この(3)で改めて感じ取れた。
この(3)でも、青木先生が世界で食した美味しいモノが色々と紹介されており、実際に、その国へ赴き、食べてみたくなる話ばかりだった。
そんな中で、やっぱり、インパクトがあったのは、ついに明かされた20点のグルメだ。当然と言えば当然だが、人生、自分の中の「普通」や「常識」が一瞬で瓦解し、目が覚めるほどに美味しい食事を摂れる事もあれば、逆に、愕然とするしかなく、一言も発せぬ、理解が全く及ばぬほど美味しくない食事にブチ当たってしまう時はある。それこそが、人生の面白さだろう。
そんな20点グルメを、こうやって、質の高い漫画って形で表現できる青木先生は、とっても良い人生を送っているな。これからも、先生の人生が面白くなる事を祈ってる。そうなれば、私は面白い漫画を読めるからだ。
この台詞を引用に選んだのは、青木潤太朗って人間に対して、一切の偽りがない好印象を抱けたので。
こうやって、人との出逢いに対して、感謝できる人間を、私は素直に尊敬できる、と言うか、したい。
きっと、このように思える青木先生は、多くの人から、彼と友達になれて良かった、と思われているんだろうな。
コロナ禍は完全に収まっちゃいないが、それでも、旅行が出来るくらいには、行動の自由が戻ってきているので、青木先生を中心にした人の輪が、今後、どのように広がっていくのか、ワクワクしてしまう。
「幸運な偶然が、幾つも重なることを“奇跡”という。だから、私にとって、“ロブ”はまさしく、奇跡以外のなにものでもない。私が『外国へ釣り旅行する』のに、あちこち行くようになったのは、間違いなく、確実に、最初がシカゴだったからだ。“一人目”が“彼”だったからだ」(by青木潤太朗)