山内一也のレビュー一覧

  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    おもしろい。読書メモがはかどるはかどる。
    専門的なところと小話のバランスがとても良く、難しい内容を斜め読みにしても飽きずに最後まで読めると思います。

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    2025年03月11日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ウイルスと細菌はちがう。細胞を持たず他者(生物の細胞 )に入り込むと増殖をする、ただの微粒子。
    独特の生と死。
    不活性が起きなければいつまでも生き続ける。ノロウィルスは外気にさらされても不活性になりにくいので危ない。

    ウイルスの死は何かの原因で不活性になり増殖ができなくなったり組織が破壊された時。
    しかし破壊されたウイルス同士が集まることでフランケンシュタイン的に復活する。

    ウイルスを持ち運ぶいい方法は生物に感染させてその生物を移動させること。
    研究者の中には自らにウイルスを感染させた持ち運ぶ究極に体を張った人もいる。
    「九名の患者の便をプールし遠心器にかけたあと、細菌フィルターでろ過して

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    2020年06月14日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    人間とウィルスの関係を分かりやすく教えてくれている。
    そもそもウィルスとは二種ある。
    DNAを持つものと、持たないRNAのもの。
    RNAは不確実性が高く、劇的な進化を遂げやすい。
    古細菌、細菌、真核細菌
    ウィルスも同じく3種ある。

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    2020年05月27日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ウイルスについて、素人向けに非常に質の高い情報を提供している。ウイルス発見やワクチンの歴史、分類など初めて知ることばかりだった。海の中にもウイルスが溢れていること、細菌に匹敵する大きさのウイルスの存在、人類のDNAの9%はウイルスから逆転写されたもの由来であること、などは興味深かった。
    ウイルス学は20世紀以降、発展が著しいとのこと。本書はコロナ禍以前の出版だが、ウイルス学の知見も本書の内容から上書きされているのだろう。

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    2025年06月21日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ウイルスがヒトの遺伝子の中に組み込まれ、ウイルスによっては何億年も前から共存していたこと、海洋の深海の中でも存在して、影響を与えていたことを知った。
    今後も人類はウイルスの脅威にさらされていくことを知った。

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    2025年01月19日
  • ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか

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    著者は1931年生まれで、長年ウイルス研究に携わっている。新型コロナ禍真っ只中の2020年に書かれた本だが、筆者の長年の経験と、人類がこれまで経験してきた多種のウイルスとの闘いの記録だ。

    医療関係者達が命がけで対策を講じ、また数々の動物実験も含め多くの犠牲の上でウイルス対策がなされてきたことが医学的、科学的観点で語られている。

    感染源として度々登場する動物の中に豚、コウモリ、ネズミが出てくる。コウモリやネズミを見ると人間が本能的に不快感を感じることがあるのは、「ウイルス感染源」としての恐怖を感じるからだろうか。また、豚を「不浄な生き物」として扱う宗教があるのは、大昔に「豚から流行病に感染し

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    2025年01月11日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    面白かった…ウイルス関連本では頭抜けている

    こんなに知的好奇心をくすぐられる本は中々ない。ヒト中心の視点ではなくウイルスの視点から自然界を眺めたら、色んな概念が覆される

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    2023年02月21日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ウイルスというと生命か、生命でないのか、というあたりで理解がとまっていたが、本書で「生命体としてのウイルスの視点」に接して、考え方が変わってきた。海洋中にも天文学的な数が存在する、人間のゲノムのなかにも、人体のなかにも潜んでいる。生命の定義にあてはまるかどうかというより、生命として考える方が、ゆたかであるということかと。ウイルスの「意味論」としては、人間の都合だけでウイルスを考えてはいけないというところかと思う。

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    2022年02月16日
  • 牛疫――兵器化され、根絶されたウイルス

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    牛疫のコントロールをめぐる一国主義と国際主義のせめぎあいが、帝国主義と冷戦構造を背景に描かれる。牛の健康は、肉やミルクの供給だけでなく、労役を通して農業生産にも寄与することから、人の食に直結する。第二次世界大戦後の「欠乏からの自由」を実現するための取組として、科学者の国際的情報共有、官僚機構の整備、現場の農民の協力などが編み上げられていく。

    食の安全保障を国際的な協力で実現していくことの意味は大きいが、一方で牛疫が細菌兵器になりうることの脅威も示し、さらに単一の疾病のみを対象にしなければ国際協力が成立しにくい現状を示唆する点が興味深い。

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    2021年12月30日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    Covid19が確認されるちょうど1年前に上梓された本。
    この本からわかることは、ウィルスのことをわかった気になってはならないということだ。
    Covid19は、どうすれば感染が防げるのかはわかっているが、ウィルスそのもののことはわからない。
    解決策がわからない問題が難しいのではなく、どうすれば解決するのか極めてはっきりわかっている問題のほうが難しいのだ。

    P3 ウィルスは独力では増殖できない。ウィルスは、遺伝情報を持つ核酸と、それを覆うたんぱく質や脂質の入れ物からなる微粒子にすぎず、設計図に従ってたんぱく質を合成する装置は備えていないからだ。

    P20 致死的な傷の場所が異なるウィルス同士で

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    2021年08月14日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ネタバレ

    ウィルス学の泰斗による、ウィルス及び感染症についての研究史と最新の成果(といっても、新型コロナ以前の2018年出版)を踏まえた本書は、もちろん、コロナ禍がはじまっていた2020年7月に購入したもの。なかなか、読みすすめることができていなかった。関係する書籍を複数並行読みをしているせいだ。

    本書をよんでいて、地球はウィルスの惑星だと思ったのは、水圏ウィルス学という最近の成果の紹介の部分である。地球上のどのような水にも、ウィルスを含む多様な微生物が発見されていて、その大多数が、全く知られていなかったもの(気づかれていなかった)であるという。また、人体には遺伝子の中に残るウィルスの痕跡をふくめて、

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    2021年08月09日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    新型コロナウイルスに翻弄されて2年。ワクチンを打った人も周りに増えてきている一方で、ウイルスによって、オリンピックは無観客になったり、個人的にも、世界的にも大打撃を与えられた。そもそもウイルスって何なんだろう。今だから読みたくなったウイルスの変遷、仕組みをまとめた本だ。

    例えば、「なぜ石鹸で手を洗うことが予防になるのか?」ウイルスの核を覆っている外殻が、石鹸の中の油に弱いうえ、その核だけではウイルスが生き延びれないため。また、「なぜ長い間ある国で清浄されたと思われていたウイルスが数十年後に突然現れるのか?」それには各国の発展や輸出・輸入による動物や商品の取引など、大きい経済の動きが関連してい

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    2021年07月09日
  • 新版 ウイルスと人間

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    テレビで専門家や医師が丁寧に説明してくれるが、どうも理解が追い付かない。そもそもウイルスも人間もよくわかっていないからかもしれない。そういう私のような人にお薦めの本。

    特に7章「エマージングウイルスの時代をどう生きるか」と、8章「人間とウイルスの関係を考える」は、説明も図表も分かりやすく、とても面白かった。

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    2021年06月26日
  • ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか

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    エマージング ウィルスがどのように発生するのか、なぜ発生し続けるのかその疑問に答えてくれる。
    野生動物のリスクは非常に大きい。世界的なもっと厳しい規制が必要である。
    それにしても新型コロナの非常に優れたワクチンがこんなにも早く実用化されたことは、この問題に関し明るい未来を予感させる。

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    2021年01月28日
  • 新版 ウイルスと人間

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    新型コロナウイルスもいずれ人間と共生するのだろう。ウイルスも人間の出生に一役買っており、全てが悪ではない。人の手によるバイオテロのリスクを改めて認識する必要がある。

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    2020年12月06日
  • ガンより怖い薬剤耐性菌

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    文字通り、昨今話題の感染症で増えつつある薬剤耐性菌について。

    抗菌薬の存在によって、これまで以上に耐性菌が増えて感染症が蔓延しつつあるいうのは、まさに現在や未来の警鐘だと改めて感じた。

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    2020年03月22日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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     たとえば天然痘は周知の通り人類を永きにわたって苦しめたウイルス性疾患の一つだが、1980年に根絶宣言がなされ現在では人々の意識に上ることはほぼないといっていい。しかし当然ながら、根絶に至るまでには原因ウィルスの特定やワクチン開発を始めとする先人たちの弛まぬ努力があった。著者もその一人であり、天然痘のウシでのワクチン製造に関わって以降、一貫してウィルスの研究に携わってきた農学博士である。略歴によれば上梓時なんと87歳。驚くほかはない。
     
    「意味論」とタイトルにあるように、本書は「ウイルスは宿主であるヒトにとってどのようなものであるか」を中心に論ずるもの。しかし読者は同時に逆の意味論、すなわち

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    2020年03月14日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ウイルスの意味について、結局明快な結論は出していないように思います。しかし、普段の生活ではほんの一部しか関わりのない莫大なウイルス世界について嫌というほど知識を得ることができます。
    たかだかいくつかのDNA/RNAとタンパク質が入っただけの、普通の分子みたいに結晶化もできてしまう塊、それも他の生物の細胞がなければ何もできない物体を生物と言っていいのか…?でも環境に合わせてこれでもかと遺伝子を残そうとする様はまさに生物の進化そのもの…
    改めて遺伝子というシステムの巧妙さに驚きつつ、生物の歴史に想いを馳せることのできる一冊だと思います。

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    2019年11月27日
  • ガンより怖い薬剤耐性菌

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    非常に読みやすくわかりやすい。
    今まで薬剤耐性菌について少しでも知っている人はもう少しいろいろ知ることができるし何も知らなかった人には基本的なところから知ることができる。
    また耐性菌だけではなく細菌が原因あるいは発生の重要なファクターと考えられてきている病気やがん等についても想定されている仕組みから説明されている。
    1つ希望だったのは薬剤耐性菌は満員してもその後薬剤の使用中止すればしばらく後には再びその効果を回復することができると言う事。

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    2019年06月05日
  • ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

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    ウイルス研究に長年携わってきた著者が、その歴史と変遷を語ります。
    人間のすぐ傍に存在している見えない隣人の、生態の奥深さに感動しました。
    非常にわかりやすく書かれていますが、入門書というには少し難しいと思えます。
    遺伝子やウイルスについての知識があったほうが読みやすいでしょう。

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    2019年03月11日