西尾実のレビュー一覧

  • 風姿花伝 (花伝書)

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    開始:2022/10/24
    終了:2022/10/25

    感想
    めちゃくちゃ面白い。能の秘奥義を書いた深淵な書、であるがそれだけでない。能は客座の陰陽をも感じ取り花を咲かせる。珍しきを花とする。

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    2022年10月25日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    ビジネスとアートの世界をどう両立させるのかについての示唆が得られる。
    いわゆる素人ウケと玄人ウケをどう両立させ、
    時流に乗るのかについてなど現代にも通づる
    「見せ方」を学べた。

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    2020年04月29日
  • 新訂 徒然草

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    吉田兼好@tsuredure_bot1さんのツイートに触発されて、読んでみた。もう最高。もちろん、高校の授業でも読んでるんだけれど、こんなに面白い本だとは知らなかった。
    人間って、兼好法師の時代からちっとも変わってないんだということがよくわかる。それは、ちっとも賢くなってない、ということだけじゃなくて、賢い人もちゃんといていろんなことがわかっているのに、それが人々の間で共有されてない、というところも一緒。迷信で人々が右往左往するのとか、今と何も違わない。そして、それを「愚かな」と思う人はすでにあの時代からいたんだよ。びっくりだよ。1000年経っても何も変わらない。本当に人間ってバカだね。

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    2017年05月24日
  • 新訂 徒然草

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    古紙回収待ちの山から救出した物。本格的に始めるまでに、かなりの段、気の向くまま拾い読みしてきた。そのようにして尚、度毎得る処のきっとあるのが先ず佳い。
    編者は此の草を上下の二段に分けて解釈する。上は三十路、やや間をおいて下は四十路の身空が為したもの、という次第。指摘されてみると確かに境地に変化は明らかだ:上では主に人間(時に個人)についての考察がされるのに対して、下では何歩も引き視野が広がり、人間を含めた世界全体が度々俯瞰される。今私が読むならやはり下段の方に、より自己の言葉を見出して愉しい。
    だが著した者は愉快のみで世界を俯瞰したのでもなかろう。やはり今の私に重ねるなら、“私” を離れ自己を

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    2013年06月04日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    父・観阿弥と共に能楽を成立させた世阿弥による能楽の奥義書。奥義書といっても、素直に読むとこれは能楽の教科書とも言うべきもので、能楽師のキャリアや練習の方法、心の持ち方といったものが丁寧に解説されている。ごく簡単に要点を抽出すると、以下のようになるかと思う。

    まず、能楽師の目標は観客に「花」を見せること。「花」のある演技を見せること。この「花」というのは、究極的には観客が珍しさを感じるような演技である。

    では、どのように観客に珍しさを感じさせるか。これには三つのコツがある。一つめは、状況を適切に把握すること。時間帯、演目の内容、観客がこれまでに観たことがある演目等々、状況を適切に把握すれば自

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    2013年01月04日
  • 新訂 徒然草

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    日本語、そして著者の思想の奥深さを感じる。何年、何十年、何百年経とうとも、人の心というのはそうは変わらないのだなぁ、と感慨深い気持ちになった。考えさせられるところが多く、一度読むだけでは到底理解が及ばない。

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    2012年01月15日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    「花」がポイント。
    花とはつまり何なのか、何が肝なのか、が、大変簡潔かつ適切に書かれている。

    このレビューでは、自身が読んでも何がなんだかわかるまい。
    その時の自分へ:再読せよ。時間を割いてでも、その価値あり。

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    2012年01月07日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    漫画「花よりも花の如く」(成田美名子/白泉社)を読んで日本っぽいもの、芸とは演じるとは、に触れたくなって手を出した。密で無駄なく普遍的かつ至りがたい。名前はみんな知っているけれど、本当にすごい本だった。漫画を読んでいて私は子供に惹かれるから小さな演者が好きだった。それに関しては「先づ、童形なれば、何としたるも幽玄なり。聲も立つ比なり。二つの便り(ちご姿の美しさと聲の良さ)あれば、わろき事は隠れ、よき事はいよいよ花めけれり。」とある。たまらん!しかし「さりながら、この花、誠の花には非ず。ただ、時分の花なり。」この花というのは端的にこれ、と示されない。いくつかのキーワードについて語られるなかに花は

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    2011年07月28日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    そのうち現代語訳も読みたいけれど、
    はじめにシンプルな原文を岩波で読んでよかったと思う。
    六百年も前の言葉なのに
    削ぎ落とされているから結構読める。
    全編芸をする、そこに花を咲かせるということを
    浮き彫りにする言葉がぎっしり。
    なのにその花は頭に浮かぶようで掴みきれない。
    鬼の役は力強いだけではダメで、巌に花だから珍しい、
    力強いだけなのはただの巌、というところが好き。

    秘本であることを証する文で締めくくられ、
    自分なんかが読んで良かったのかとドキドキする。
    んーかっこいい。

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    2009年10月04日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    稀代のエンターティナーが残したソリッド(すぎる)教本。
    日本語の響き、日本の「風流」をもっとも凝縮している、黒い小宇宙のような本。
    密度が濃すぎて、たまに酔う。そんな本。

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    2009年10月07日
  • 新訂 徒然草

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    自分が持っているのは,まだ以前のもの。検索ヒットしなかったのでこちらで選択。
    古文の教材としてのイメージが強いが,本来はもっと愛されるべき書物だと思う。
    美しい日本語に会いたい時に・・・

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    2009年10月04日
  • 新訂 徒然草

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    桜は満開だけを見るものではない。花咲く前の桜のつぼみの枝、散った後の花びらが残る庭にも趣がある。月は満月だけを見るものではない。雨の空に隠れた月にも趣がある。

    手紙を書くとき、字が下手でも、代筆なんてさせず、自分の文字で遠慮なく伸び伸びと書け▼何かを身に着けたいなら、笑われてもいいから、下手なうちから上級者の間に混じって平然と練習せよ。きっと上手になる。

    人を木に登らせて枝を切らせる時、木に登った人が高い場所の枝を切っている時には何も言わず、作業が終わり降りてきて軒先の高さくらいになったとき、下から「注意して降りろ」と声をかけよ。人は高くて危ない場所では恐怖心から自ずと注意するが、下まで降

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    2025年05月02日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    能で有名な世阿弥の書
    初心忘れるべからず
    秘すれば花など記載されている

    「初心」とは「始めた頃の気持ちや志」すなわち「初志」ではなく、「芸の未熟さ」、つまり「初心者の頃のみっともなさ」なのです。
    初心者の頃のみっともなさ、未熟さを折にふれて思い出すことにより、「あのみじめな状態には戻りたくない」と思うことでさらに精進できるのだ、と彼は説いています。

    「初心」は若いころの初心を表わしています。
    しかしそれに続いて「時々の初心」「老後の初心」と言われている。

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    2023年05月06日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    ネタバレ

    初心忘るるべからずや秘すれば花などあまりにも有名な花伝書。白洲正子が能や仏像について語るとき「初心な心」という言葉を使っていたので、手に取る。

    何度も読んだことがあった本であったが、ダンスをしているのであるいはエンターテイナーとしてパフォーマーとしての心得や芸の道を真摯に極める厳しい戒めが人としてのあり方をも示唆していて学びが多い。

    世阿弥が義満の庇護なきあと政争に巻き込まれ佐渡へ71歳で配流となり佐渡で能が盛んであることを知り、芸術家とパトロンの関係の難しさを、ニジンスキーとディアギレフについて思った。

    まごうことなき名著だった。

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    2022年04月07日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    完全にやらかした、岩波文庫が好きだから岩波で買ったが、現代訳がついてないタイプだった。
    学術文庫のように丁寧な解説ついてないので要注意

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    2022年03月16日
  • 新訂 徒然草

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    2016.1記。

    初めて通読。
    これはまさしく昔のツイッターというかSNSみたいなものだな、と。もちろんリアルタイムで回覧されていたということではないだろうが、一言言わないと「腹ふくるる」ことを書かずにはいられない、という感じ。

    読む前はもっと仏教思想に裏付けられた静かな心境を語っているのかと思ったがそうでもない。きらきらネーム考(むかしから奇をてらった名前をつける、という風潮はあったんですね)、「モテる男論」、「意識高い系って疲れる」話など、読んでいると今も昔もほんとかわらないし、「なんだよ、結局世の中のこと気になってしょうがないんじゃん」という感じで笑える。ツイッターがこの時代にあった

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    2019年01月06日
  • 新訂 徒然草

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    地位や名声を追い求める事に興味がない。きらびやかな高級品で着飾る事に興味がない。
    何物にも心を惑わされず、ひとりゆっくりと本でも読んでいたい。
    そんな事を思うかたなら、「徒然草」を楽しく読めると思います。

    かしこい、愚か、善い、悪い、そのような人が人に
    下す評価は絶対ではなく、すぐに消えてしまうもの。
    必死で得た地位も名声も、いずれは忘れられ消えていく。
    信頼した友さえも、掌返しで失うこともある。

    変わらないもの、絶対のものを否定したうえで、
    それでも構わない、静かで落ち着いた自信が伝わってくる文章です。

    人からの批判や評価に惑わされて疲れた時、
    自分の目標を見失った時には、
    この本が、

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    2017年02月23日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    芸に生き、花を求めつづける世阿弥の姿。
    ひとを写し取り、真似る能というもの。芸を志さねば、風の姿も、伝える花もいらない。芸とはそういうところにあるものだ。能について詳しくはないが、たくさんの芸術家がいた中で、彼だけがその本質を知りえていたに違いない。しかし、それをかつて達成したしたと思えるのは父、観阿弥のみであって、いかに道が険しいのかということを同時に知ってしまったにちがいない。門外不出にしたのもなんとなくわかってしまう。
    美しさというもの、幽玄というものは決して弱々しいものではない。彼にとって強さとは、それがそれ自体で成り立つものだ。独立。現実現象。どのような場におおいても移り変わらぬもの

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    2016年03月29日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    室町時代の能楽師・世阿弥が能を行うにあたっての精神や心得をその芸術論とともに家伝として遺し伝えられたあまりにも有名な秘伝書。
    完成形は全7編によりなり、特に第7編目の『別紙口伝』は一代一人相伝と記されていて、例え一子であっても器量が無ければ伝えてはならないとしている。
    全7編の概要は次の通り。
    第1編『年来稽古条々』一人前の能芸者になるまでに辿るその年齢に見合った練習の仕方と境地を記載。
    第2編『物学(ものまね)条々』女、老人、法師、修羅などその役柄に合わせた演じ方を記載。
    第3編『問答条々』緩急や陰陽などを踏まえた演じ方や、相手に合わせた変化、慢心の禁止、花・幽玄・風情など世阿弥ならではの能

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    2015年11月06日
  • 風姿花伝 (花伝書)

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    思っていたよりも読みやすかった!
    と言ってももちろん、内容や文章が全部理解できたわけではなく、ぽつぽつ「こういうことを言っているのかな」と思ったってだけだけど。
    同時並行で読んでいる『和泉式部日記』よりは断然わかりやすい。
    もう手元には無いので、覚えている分だけメモ。

    ・誠の花
    ・花は心なり、種は態なり
    ・強き、幽玄、弱き、荒き
    ・陽気、陰気
    ・神楽→示す偏を取って「申楽」
    ・秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず
    ・人の心に思ひも寄らぬ感を催す手だて、これ花なり

    他にもあった気がするけれど、とりあえず興味深い本だった!

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    2015年08月04日