北田卓史のレビュー一覧
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読み聞かせ 低学年 7分
お年寄りのもりたろうさんは、定年退職になって運転免許を取りました。もりたろうさんに買えるのはオンボロ自動車。でも自分で修理してペンキを塗った大切な自動車です。もりたろうさんはさっそく孫娘のももこちゃんに会いに行きます。だけど町へ行ったら銀行強盗事件に遭遇して…。
分類は絵本になっているのですが、文章の量や形式も童話に近いです。60歳のお年寄りが主人公でちょっと冒険もします。もりたろうさん(と、のら犬)が可愛らしいし楽しいし「良かったね」と思える良い絵本です。
続編もあり、もりたろうさんは飛行機に載ったり潜水艦に乗ったりさらに大きな冒険を続けます。 -
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~あらすじ~
男の子が白いぼうしで捕まえたチョウを逃がしてしまった松井さん。代わりに置いた夏ミカンと、お客さんの不思議な女の子が目指す「なのはな横丁」とは?ほか、いくつかの短編集。
~感想~
短大の卒業論文を書くときに一番に頭に浮かんだ作品です。
小学校の時に教科書で読んで以来(全く不思議なことに)一切あまんきみこさんの作品とは接点がなかったのですが、読み込んでみて再燃しました。
色彩が鮮やかに描かれていながら、感情の機微を克明に記す表現手法がキャラクターに命を与えているかのようです。
読んでいて、まるで、自分がそこにいるんじゃないかという感覚になります。
さらに話の奥深さ。
事実上、そこにないはずの場所
いないはずのモノ
でも「ほんとう」は確かにそこに息づいている
このシリーズのどれにも一貫して事実と真実の対峙を感じます。
あまんきみこさんが学生時代に、(いきさつの詳細は省きますが)大きな衝撃をうけた詩があったそうです。
To see a World in a Grain of Sand
一粒の砂に世界を見
And a Heaven in a Wild Flower,
一輪の野の花に天国を見る
Hold Infinity in the palm of your hand
掌のうちに無限をつかみ
And Eternity in an hour.
一瞬に永遠を知る
William Blakeの無知の告白という詩です。
「事実」と「真実」
同じものであって、違うもの。
少々哲学的でわかりにくいですが、作品をよめばすとんと胸に落ちる言葉でした。 -
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学期初めの掲載で、本の紹介まで依頼されることがなかったのだが、4年光村「白いぼうし」並行読書に加え依頼あり、再読。ひさしぶりに読むと、話によっては読書感想画にも向いているなぁと感じた。
以下ネタバレあり
◆小さなお客さん
パンク修理している松井さん、うまくいかないのに、なぜか小さな男の子二人きて、無事終了。お礼に乗せてあげると(すごく喜ぶ二人)、次のお客さんにシート汚れてるといわれ、金色のキツネの毛を発見。
◆うんのいい話
金いろのすじが一本ついたピカピカひかる魚を釣った客を乗せた松井さん、車が闇に包まれてくると沢山の魚に囲まれ、かえせかえせ…。あたりが収まったあと、客と二人震える手で火をつけ、タバコを吸うのでした。タバコを吸う場面がとても多いのに、時代を感じたのと、杉みき子の「月夜のバス」を思い出した。
◆白いぼうし
これは、レモンのにおいですか?
いいえ、夏みかんですよ。
関係のなさそうな夏みかんが帽子の中に入って帽子の持ち主の男の子をビックリさせ、モンシロチョウが客として乗ってくる(と思わせる)話はやはり画的にも春の国語に相応しく、面白かった。
◆すずかけ通り三丁目
戦争中大空襲の中、3歳のむすこを抱っことおんぶで逃げたけど最後死んでいることを知った母がタクシーにのり、よく知っている白菊会館のそばの、すずかけ通りに行く(ないはずの通り)。二十二年まえのきょうなのです。おかげでかえることができました。たくさんの人にまぎれて見えなくなったおばあさんを千円にお釣りを返したくて、なにか言いたくて追いかける松井さん。
◆山ねこ、おことわり
客の案内でグルグル回って林を走るとお客さんは山ねこになっていました。松井さんはおりてくださいよ、と言いますが山ねこおことわりとは書いてなかったでしょう?と降りません。しかも、医者で病気の母を診に来たというのです。送ることにした松井さん、しばらく待って大学病院に戻りました。代金と一緒に山ねこおことわりと書いてある読めない紙をもらいましたが、松井さんはまた、いつでもどうぞと言いました。
◆シャボン玉の森
道路でシャボン玉を吹いていた女の子を抱いて退かしたとき、シャボン水のコップが落ちました。泣いた女の子に困っていると松井さんはどんどん小さくなってしまいます。笑い声したのでふりむくと、シャボン水の消えたところに小指位の男の子がぷくっと立っています。ナンバープレートも恐ろしく大きくなってしまい、今度は松井さんが泣きました。そしたら大きくなれました。女の子は泣いている松井さんを見て泣き虫ねぇと笑いました。そして、地面からシャボン玉がたくさんでてきました。一番上の金いろの玉に男の子が見えました。慌てて車に飛び乗り曲がる前にふりむくと、まるで七色のシャボン玉の森がうきあがっていくようです。
◆くましんし
忘れ物のバックを届けに熊野熊吉さんのお家に行くと、わざと忘れたと言われる。なぜなら、松井さんがバックミラーでクマに気づいたから。くましんしはこたたん山から下りてきたのです。372匹になって、滅びるばかりだと。人の姿になり、汽車に乗り、子どもも大きくなりました(上は大学、下は高校)。ウイスキーを飲みながらの打ち明け話に松井さんがぼんやり考えていると、また、ドアの前で財布を持って立っていました。
◆ほん日は雪天(ゆきてん)なり
雪の中お客さんを乗せていると、お客は公園でお金を払わずに降りてすたすたと行ってしまいます。松井さんが追いかけて行くとなんと何十というキツネが輪を作って歌っていました。さあさあしっぽをだしなさい♪キツネコンクールが始まります。みんな一部キツネです。おじちゃんのばんよ、しっかりといわれいつのまにやらステージの上に。わたしはばけておりません、わたしはにんげんのまついです。
優勝した松井さんは商品の油揚げを断り、料金を回収し、雪でお客のない日に、公園の周りをみんなに本物のお金で1425回乗ってもらいました。
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ネタバレ四年生の国語の教科書に載っていたので、松井さんシリーズを全て読破することとした。下記の内容でメモしていく。
【登場人物】
【季節】
【行き先】
【松井さんの人柄】
春のお客さん
【登場人物】わかいお母さんと小さい五つ子の男の子、わかいおねえさん先生
【季節】春
【行き先】いずみ幼稚園
【松井さんの人柄】動物でもタクシーに乗せてくれるし、狸だと分かっても気づかないふりをする優しい人
きりの村
【登場人物】黒い旅行カバンを持つ紳士(新聞社の人)
【季節】夏
【行き先】タケイダム
【松井さんの人柄】不思議なことによく遭遇する(人柄では無いが、、、)
やさしいてんき雨
【登場人物】花よめさんと親族(全員きつね)
【季節】?
【行き先】ブルースカイホテル
【松井さんの人柄】言葉がうまく出ないときは、自分のあごをなでてしまう。
草木もねむるうしみつどき
【登場人物】小さい女の子(正体はお婆さん)
【季節】夏
【行き先】かえで町三丁目
【松井さんの人柄】子供想いの優しい人柄
雲の花
【登場人物】赤いこまを持った女の子
【季節】?
【行き先】空町
【松井さんの人柄】雨に濡れている子供がいたら、無賃でもタクシーに乗せてあげる優しい人柄
虹の林のむこうまで
【登場人物】二人の娘さん(白鳥)、飼育係のげんさん
【季節】
【行き先】虹の林→りんどう公園
【松井さんの人柄】
まよなかのお客さん
【登場人物】ピエロ、女の子、くまの人形
【季節】?
【行き先】にんぎょう道
【松井さんの人柄】人間だろうと人形だろうと、楽しく過ごせるならどちらでも良いと思えた -
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~あらすじ~
シリーズ最終作。
ちょっとかわった「お客さん」に慣れてきた松井さんは、タクシーの中に落し物をみつけて……。
~感想~
車のいろは空のいろの3巻目です。
短大の卒業論文を書く際に一目ぼれしてこのシリーズをまとめ買いしてしまいました(しかもハードカバー(笑))
タクシーの運転手の松井さんと、いろんな「お客さん」の出会いのお話。
キツネやタヌキ、クマ、時には幽霊!?と思うような「お客さん」をのせて松井さんのタクシーは色々なところへ走ります。
ほんとうはそこにある場所へ
見えなくなってしまった場所へ
大切なものがある場所へ
鮮やかな色彩と表現描写を用いたハートフルストーリーです。
この作品との出会いは話せば長くなるのですが、小学校の時に教科書で「白いぼうし」を読んだのが始まりでした。
シリーズものだと知ったのはそれこそ20歳を超えて論文を書こうとした時のこと。こんなに他に作品があるなんて!と思いつつも3巻を瞬く間に読み上げてしまった自分、子どものように本にかじりつく自分にさらに驚きました。
お勧めです。本当に。
むしろ大人になってから必要な本だと思います。