田中秀明のレビュー一覧
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安倍政権下の霞が関改革への一書
起きている現実を踏まえ、評価は否定的
なら対案はどうするべきか?
人事の成果評価・専門性能力の評価・民間交流がもっと必要
政治主導の官僚支配は、意図せざる負の結果を招いている。
政治家の視野は極めて短期的、官僚の自立性の低下・専門性の喪失により、政府全体の劣化に繋がっている
経済社会システムの改革が必要
2025年団塊の世代 後期高齢者
2050年団塊ジュニア 後期高齢者
⇒痛みを伴う改革が不可避
公務員の専門性は軽視され、政治化し、パフォーマンス低下
①政策立案機能の低下
②組織マネジメント力の低下
ミッションと実績評価を確立できるか?
リスク -
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「ダイヤモンド」のWeb記事で、著者がインタビューされているものを読んだのがきっかけで、前々から関心を持っていたテーマだったので、著書の方も読んでみることにしました。
自分自身の体験からも、日本の財政再建がうまくいかないのは予算編成の方法にあり、予算編成の方法を変えることができないのは、個々の政治家や公務員の資質や意識の問題というよりも、根っこには日本の政治・行政システムの問題であることは強く感じていましたが、そのことを実に明快にまとめてくれていました。
また、とはいえこれを解きほぐすのは並大抵のことではなく、現実にそれが果たして可能なのかとも思っていましたが、オーストラリアやスウェーデンなど -
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日本の財政につきどんなに楽観的な見通しを抱く人でも、本書の冒頭4頁の日本の公債依存度のグラフの不恰好さを見たら暗澹たる気持ちになるに違いない。まるで心室細動でも起こしたかのような禍々しい形状だ。しかし、どうやら現在の政治・行政の中枢を占める方たちにとってはそうは見えないようだ。先日も、診療報酬の本体部分の消費税分上乗せが報道された。歳入に連動して歳出を増やすのでは何のために消費税を引き上げるのか分からない。
著者は、まずバブル崩壊以降民主党政権崩壊までの日本の財政改革の試みと蹉跌を概観し、他先進国の制度改革と比較しながら、なぜ日本では財政改革が進まないのかを探る。そして、最大の問題は財政健全 -
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ネタバレ人口減少への地域の適応策として、国と地方の財政、地方の自律を目指し、「賢く縮む」ことを提案する。
①国・地方の責任の明確化と地方政治制度改革 田中秀明
都道府県と市町村の一体化、地方交付税を自治体間の一人当たり税収の均衡を目的にし、自治体の自律性を向上
②人口減少社会に合わせた地方財政の広域化と標準化の推進 佐藤主光
自治体業務の標準化とデジタル化、広域化、小規模自治体業務の都道府県等への移行、給付業務等の国への集権化、専門人材は都道府県でプール又は広域で共有
③国の財政危機と地方財政「予算ぶんどり」「税源ぶんどり」の地方分権化の終焉
④多様性による豊かさの追求アメリカの「強靱な連邦」論を手 -
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官僚は内閣の下請け官僚になってしまい、自律的な政策立案ができていないために、短期的な視野で考えた政策しか生まれないのは問題だと思った。また、政策立案はしたものの、その評価と改善のプロセスがしっかりしていないために、海外に比べて質の高い政策ができていないのも課題だと思った。評価して改善するのは大変な点もあるけど、仕組みを作って実行していくことでより良い政策に育てることができると思う。人事についても、ジェネラリストを育てる今までの形から、プロフェッショナルを育てる形にしていくことが、民間でも活躍できる人材を育てたり、民間から人を呼ぶことにつながるので大切だと思った。官僚は改めて難しい課題に立ち向か
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ネタバレ 購入済み
★★★★☆
元財務官僚による作品。
もっと内部告発的なドロドロしたものを想像していましたが、現状、事実を冷静に分析し、それに対し、具体的、建設的な提案がされていました。
実際にこの提案が採用されることはないのでしょうが、私たちが暮らす国のハード、ソフトを含めたインフラの企画をする人たちがこのような高度成長期のような24時間働けますか状態では持続可能性は低いでしょう。
政治家がまともな意思決定ができるよう、そのブレーン、シンクタンクとなる官僚の方々にはよりよい働き方で成果を出してもらいたいものです。
国民にできることは、少しでもまとまな政治家に票をいれることでしょう。
自民党以外の選択肢があまりに -
Posted by ブクログ
日本の財政問題といえば、増税の問題に単純化される傾向があるが、本書は、増税は必要としつつも、予算制度や公務員制度に焦点を当て論じている。
予算制度の問題として、マクロ面からは、
?赤字ルール/景気変動に対応して安定的に財政運営を行うためのメカニズムが欠如している。
?支出ルール/シーリングが一般会計当初予算を対象とするため当初予算偏重、一般会計偏重、単年度偏重の問題を生じさせている。
?中期財政フレーム/単なる見通しであり支出を拘束せず、ベースラインがない。
?透明性/透明性が低く、会計上の操作を抑止できない。
?意思決定システム/首相・財務大臣が政府の内外に存在する拒否権プレーヤーを制御でき