栗田シメイのレビュー一覧
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渋谷区幡ヶ谷にある世帯数300戸の大型マンションが舞台。大量の謎ルール、25年にも渡って変わらない管理組合の体制を変えるべく、奮闘した住民たち(より良く会)の1200日以上にわたる活動のルポ。
変わらない体制を変えていくのは本当に一筋縄ではいかず、声をあげてない住民をどれだけ味方につけるかがポイント。少しずつコアメンバーを増やしていきながら、管理組合側の対応に対しての感情論だけで対抗しようとせず、外部の専門家(弁護士)に入ってもらいながら、活動を見える化し、事実を最重視して、管理組合が変わったらこうなるということを分かりやすく伝えていったことは大きかったと思います。クライマックスとなった総 -
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秀和幡ヶ谷レジデンス,知っている人も知らない人も,一度見れば忘れられないはずだ.
笹塚と幡ヶ谷のあいだ,玉川上水暗渠の公園を挟んだ向かいに建つ,ひときわデカくて昭和風情漂うマンション.
ジョギングでも散歩でも通勤でも,その特徴的なたたずまいゆえに,いやでも視界のどこかに入ってくる,あれだ.
言ってしまえば「地元」と言っていい場所.
そのマンションに,こんな凄まじいドラマが潜んでいたとは…読んでいて背筋を冷たいものがつたった.
家探しをしていた頃も,あの外観を見るたびに
「ここは…何だか凄そうだけど,無理だよね」
「古そうだしねぇ…」
「幡ヶ谷であって笹塚じゃないし」
なんて,もっともらしい -
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マンション管理の方針を巡って、住民と理事会の闘いの記録。これが実際にあった出来事というから驚き。
7年もの年月を理事会との闘争に注ぐのは、並大抵の覚悟、努力ではないことが分かる。ルポからその熱量が伝わり、引き込まれる本でした。
印象的だった言葉
「異常な体制を敷いた管理組合を倒すのは、同様かそれ以上に異常な熱量を持った〇〇さんのような人が必要だった。本質的に、あの二人はどこか似ている」
"マンションを守ろうという過剰な正義感"が、常軌を逸したルールを生み出し住民を困らせていた。
そして、その状況打破すべく闘った住民にもまた"マンションを守ろうという過剰な正義 -
Posted by ブクログ
オーディブルで。リフォーム禁止(部屋は畳で風呂はバランス釜)、友人を泊めるのに許可とお金が必要、ウーバーイーツ禁止、緊急車両、介護サービスの車すら入れない…という謎ルールに縛られ、違反がないか監視されているマンション、それが秀和幡ヶ谷レジデンス。縛っているのは同じくそのマンションに居住する管理理事会の面々。何十年もに渡ってマンションを支配し、利益を得ていた理事会に、一般住人が立ち向かう。
マンション管理とか分譲は大変なんだろうな、理事なんかやってくれる人に任せちゃいたいなと思うが、さすがにこんなことをされたらたまらないだろう。外観はレトロないい感じで都内一等地なのに、資産価値はほぼなかったと